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更新日:令和4(2022)年5月10日

ページ番号:512578

慢性腎臓病(CKD)Q&A

慢性腎臓病(CKD)に関する質問(Q)

Q1 慢性腎臓病(CKD)って何ですか。

Q2 CKDの発症はどうすれば予防できますか。

Q3 健診で腎機能が悪いと言われたのですが、どうすればいいですか。

Q4 健診でタンパク尿があると言われたのですが、どうすればいいですか。

Q5 健診で尿潜血陽性(血尿がある)と言われたのですが、どうすればいいですか。

Q6 CKDが悪くならないようにするには、どうすればいいですか。

Q7 CKDの場合、食事は何に気を付ければいいですか。

Q8 腎臓に良くない薬はありますか。

Q9 CKDの場合、運動はしてもいいですか。

Q10 腎臓内科にはどのような時に受診すればいいですか。

Q11 CKDの治療はどうやってするのですか。

Q12 サプリメントは飲んでもいいですか。

質問(Q)と回答(A)

Q1 慢性腎臓病(CKD)って何ですか。

A1 慢性腎臓病(CKD)とは、腎臓の働き(腎機能)を示す値であるGFR(ジーエフアール:糸球体ろ過量という言葉の英語の頭文字)が60ml/分/1.73m2未満(健康な人の60%未満に相当)に持続的に低下していたり、あるいはタンパク尿が持続的に出ていたりする状態を言います。日本には1,330万人(20歳以上の8人に1人)、ごく最近のデータでは1,480万人(20歳以上の7人に1人)のCKD患者さんがいると推算されており、新たな国民病ともいわれています。

 CKDはほとんど症状がないために、放っておいて医療機関を受診しない方や受診中断してしまう方も多いのが現状です。しかし、CKDは透析療法や腎臓移植が必要となるような腎不全に至るリスクが高くなるだけでなく、脳卒中や心臓病など健康を脅かすような疾患になる危険性も高くなることが明らかになっていますので、受診を継続し適切な治療を受けることが非常に重要です。

Q2 CKDの発症はどうすれば予防できますか。

A2 CKDの原因として多いのは、動脈硬化から起こる腎臓病です(腎硬化症といいます)。塩分摂取が多いことで助長される高血圧や、喫煙、肥満、脂質異常症(高コレステロール)、高尿酸血症はいずれも動脈硬化を引き起こしますので、生活習慣を改善するとともに、必要に応じて早期から降圧薬や脂質降下薬による治療をすることも大事になってきます。また、糖尿病もCKDの原因となりますので、糖尿病にならないよう過食は避け適切な運動をすることは重要です。糖尿病で治療を受けている場合は、気が付かないうちにCKDを発症し重症化することを予防するために、糖尿病の治療を中断しないことが大切です。

 一方で、生活習慣に関係なく発症してしまう予防ができないCKDも残念ながらあります。CKDを発症したら早期に治療を開始することがとても大事なので、毎年しっかり健康診断を受けることが重要となります。また、一部の痛み止めは服用を続けることで腎臓の障害をきたすことがあります。さらに、骨を強くする目的でカルシウムやビタミンDを服用している方は、体の中のカルシウム濃度が高くなりすぎて腎臓機能を悪化させてしまうことがありますので、ときどき医療機関で体の中のカルシウム濃度を測定してください。

Q3 健診で腎機能が悪いと言われたのですが、どうすればいいですか。

A3 まずは、かかりつけ医の先生に相談してみてください。かかりつけ医の先生がいない場合は、千葉県ホームページ「糖尿病性腎症・慢性腎臓病(CKD)重症化予防対策について」にアクセスし、「千葉県CKD対策協力医リスト」がリンクされていますのでダウンロードしていただき、お近くのCKD対策協力医を受診してください。

Q4 健診でタンパク尿があると言われたのですが、どうすればいいですか。

A4 まずは、かかりつけ医の先生に相談して、再度尿検査をしていただき、何度もタンパク尿が出るか確認してもらってください。かかりつけ医の先生がいない場合は、千葉県ホームページ「糖尿病性腎症・慢性腎臓病(CKD)重症化予防対策について」にアクセスし、「千葉県CKD対策協力医リスト」がリンクされていますのでダウンロードしていただき、お近くのCKD対策協力医を受診してください。

Q5 健診で尿潜血陽性(血尿がある)と言われたのですが、どうすればいいですか。

A5 まずは、かかりつけ医の先生に相談して、再度尿検査をしていただき、尿潜血が繰り返し陽性になるか確認してもらってください。かかりつけ医の先生がいない場合は、千葉県ホームページ「糖尿病性腎症・慢性腎臓病(CKD)重症化予防対策について」にアクセスし、「千葉県CKD対策協力医リスト」がリンクされていますのでダウンロードしていただき、お近くのCKD対策協力医を受診してください。

 尿タンパク陰性で、尿潜血陽性だけの場合、腎臓からの出血ではなく、尿の流れる道からの出血の場合があるので泌尿器科の先生への相談が必要です。

Q6 CKDが悪くならないようにするにはどうすればいいですか。

A6 CKDはかなり進行するまで自覚症状がほとんどありません。それが、CKDの怖いところでもあります。CKDの大部分に対してはすでに有効な治療薬があります。一方で、腎臓は一度あるレベルまで悪くなってしまうと、元通りに治ることは非常に困難です。そのため、年に一度は健康診断を受け、血液や尿の検査をすることで、CKDを早期発見・早期治療することがとても重要といえます。

 CKDを悪化させないためには、CKDの予防と同じように、日々の生活習慣の改善、薬物治療による血圧管理、貧血改善、脂質管理、血糖管理、塩分摂取制限など食事療法を総合的に行うことが必要です。適度の飲酒はCKD進行の危険因子とはなりませんが、過度の飲酒は注意しましょう。また、CKDの悪化を防ぐには、治療を継続することも重要です。症状がないからといって受診を中断してしまい、その間にCKDが重症化してしまう方も多くいらっしゃいますので根気強く受診を継続してください。

Q7 CKDの場合、食事は何に気を付ければいいですか。

A7 まず注意していただきたいのは塩分です。1日6g以下が目標となりますが、日本人の平均塩分摂取量は10g程度と言われており、目標をクリアするには大きく意識を変える必要があります。具体的には、醤油をかける量を少し減らす、麺類のつゆを飲まないなど実行できるところから意識してみてください。

 摂取カロリーは一般的には健康な方と同等(体重1kgあたり30kcal程度)でよいですが、肥満者は減らす必要があります。

 すでに慢性腎臓病として診療を受けており、腎機能低下を指摘されている方は、医師の指示に従ったタンパク制限を行うことが推奨されています。ただし、高齢者の無理なタンパク制限は筋肉量が減ってしまう(いわゆるサルコペニア状態)など難しい面も持っており、管理栄養士などと十分に相談をする必要があります。

 水分量は一般的には制限の必要はありませんが、心臓病で診療を受けている方などはかかりつけ医の指示に従ってください。逆に、特にご高齢の方は夏場の脱水には注意して適量の水分を摂ってください。

 また、すでに腎機能が低下し、慢性腎不全として診療を受けている方は、カリウムが蓄積し緊急透析が必要となることがあるため、主治医の指示のもとで生野菜、果物、海藻、芋類など、カリウム含有の多い食品を控えてもらう必要があります。

Q8 腎臓に良くない薬はありますか。

A8 はじめに一般論として、薬は体に作用した後、腎臓もしくは肝臓で代謝されて体外へ排泄されていきます。腎機能が低下していると、腎臓で代謝されるタイプの薬は蓄積して、薬の効果が強く出すぎたり副作用が出たりすることがあるため、薬の量を減らしたり投与する間隔を延ばすことが必要です。また、薬自体が腎臓の働きを悪くしてしまうこともあります。したがって、腎機能が低下していると言われている方は、自分が服用しようとする薬が服用してもよい薬か、適正な量であるかを医師もしくは薬剤師に確認する意識づけが重要です。すでに医師から処方を受けている方は、多職種で情報共有できるように「おくすり手帳」を持参して活用してください。千葉県ではCKDシールを貼付して、患者さんの腎機能をわかりやすく情報共有できるように工夫しています。

 腎臓に良くない薬として、まず注意すべきは解熱鎮痛剤です。腎機能低下を指摘されている方が医師から処方を受ける場合、腎機能を気にせずに比較的安心して使用できる解熱鎮痛剤を処方してもらうこととなりますが、特にかかりつけ医以外から解熱鎮痛剤を処方してもらう場合は、必ず腎機能低下があることを伝えてください。

 市販薬を購入する場合、腎臓の働きを悪くする成分を含んでいることがあるため、必ず薬剤師に確認してから服用してください。また、抗生物質をかかりつけ医以外から処方される場合には、腎機能が低下している方は、その旨を必ず伝えてください。

 その他特殊な薬剤ではありますが、腎機能が低下している状態でワルファリンという血液の凝固を抑える薬を処方されている方は、薬の調整が難しく、危険な臓器出血が生じたり骨の代謝異常をきたすことがあります。内服量を間違えずに定期的に凝固検査を受けるなど、十分な注意が必要です。また、腎機能が低下している状態で造影剤を使用した画像検査(造影CT、造影MRI検査等)を行う場合は、医師に十分な説明を受けてから行ってください。

Q9 CKDの場合、運動はしてもいいですか。

A9 基本的に、適度な運動は禁止ではなくむしろ推奨されています。「腎臓病は運動してはいけない」という誤解がありますが、過度でない運動は腎機能に悪影響を与えないことが確認されています。また、一般の方々において1日歩数が一定以下(60歳未満で5000歩、60歳以上で3000歩)の場合、死亡リスクが上昇する状況が確認されていることから、主治医と相談のうえで適度な運動をしていただくことをお勧めします。

Q10 腎臓内科にはどのような時に受診すればいいですか。

A10 こんな時に、腎臓内科への受診を考えると良いと思います。

  • 健康診断で腎臓の機能が低下しているといわれたとき
  • 健康診断でおしっこにタンパクが出ているといわれたとき
  • 足のむくみが強くなってきたとき
  • 体重が増えたとき(目安として1週間で5kg以上)

 なお、尿が血のように赤くなる場合には、尿路結石や尿路系がんの可能性を疑う必要がありますので、可能であれば先に泌尿器科への受診を考えるのが良いと思います。

Q11 CKDの治療はどうやってするのですか。

A11 CKDの原因は多岐にわたっており、その原因別に治療法が異なります。腎臓専門医を受診し、必要に応じて精密検査を行い、正確に診断をつけることが望ましいです。また、高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満などの生活習慣が原因であるCKDであれば、適正なカロリーや塩分制限を中心とした食事療法、適度な運動、質の高い睡眠、禁煙など生活習慣を見直すことが大切です。

 腎臓は一度壊れると再生が難しい臓器であり、現段階ではCKDを元通りにする治療薬はありません。しかしながら、腎臓を保護する薬を使用することで悪化の速度を緩めてくれます。最近では糖尿病薬のひとつである、尿から糖を出す薬がCKDに共通して使用できるようになりました。

Q12 サプリメントは飲んでもいいですか。

A12 市販されているサプリメントは、腎臓への直接の影響は少ないと思われます。一方で、骨を強くしようとカルシウムが含まれるサプリメントを多く飲むと、血液中のカルシウム濃度が上昇し、逆に腎機能を悪化させる可能性があり注意が必要です。また、最近ではDHAやEPAなどのω(オメガ)3脂肪酸が健康に良いとも報告されていますが、血液が止まりにくいなどの可能性もあるため、必ず主治医に情報を伝えてください。

お問い合わせ

所属課室:健康福祉部健康づくり支援課地域健康づくり班

電話番号:043-223-2403

ファックス番号:043-225-0322

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