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更新日:令和5(2023)年3月10日

ページ番号:566904

はじめに【あなたがあなたらしくいきいきと暮らすために(テキスト版)】

「人間(にんげん)として尊重(そんちょう)され、いきいきと幸(しあわ)せに暮(く)らしたい」

これはすべての人(ひと)の願(ねが)いであり、誰(だれ)もが生(う)まれながらにして持(も)ち、私(わたし)たちの社会(しゃかい)で守(まも)っていかなければならない大切(たいせつ)な権利(けんり)です。それは、福祉施設(ふくししせつ)に入所(にゅうしょ)している方々(かたがた)にとっても変(か)わりはありません。

このハンドブックは、千葉県(ちばけん)が平成(へいせい)19年(ねん)3(がつ)に策定(さくてい)した「福祉施設(ふくししせつ)で暮(く)らしている人(ひと)たちの生活向上(せいかつこうじょう)のための指針(ししん)」をもとに、みなさんが暮(く)らす福祉施設(ふくししせつ)のあるべき姿(すがた)についてわかりやすく書(か)かれています。入所(にゅうしょ)しているあなたや家族(かぞく)のみなさんにお読(よ)みいただき、このハンドブックから毎日(まいにち)の生活(せいかつ)をふりかえってください。

そうすることで、施設(しせつ)に暮(く)らしているみなさんが、理由(りゆう)もなくつらく悲(かな)しい思(おも)いをしないように、そして、自分(じぶん)らしくいきいきと暮(く)らせるようになることを強(つよ)く願(ねが)っています。

1 あなた自身(じしん)やまわりを見(み)わたしてみましょう。

「あなたやあなたのまわりで、施設(しせつ)の対応(たいおう)などで身体(からだ)や心(こころ)が傷(きず)ついている人(ひと)はいませんか?」

本来(ほんらい)、施設(しせつ)はみなさんにとって安全(あんぜん)で安心(あんしん)して暮(く)らせる場所(ばしょ)なはずです。しかし、残念(ざんねん)なことに、実際(じっさい)には、施設(しせつ)で人権侵害(じんけんしんがい)が起(お)きることがあります。たとえ一部(いちぶ)の施設(しせつ)であっても、また、それがささいな人権侵害(じんけんしんがい)であっても、私(わたし)たちは見過(みす)ごしてはならないのです。

人権侵害(じんけんしんがい)をなくすためには、入所(にゅうしょ)しているあなたやあなたの家族(かぞく)、そして、施設(しせつ)の職員(しょくいん)が施設(しせつ)における人権問題(じんけんもんだい)について認識(にんしき)し、関心(かんしん)を持(も)つことがとても重要(じゅうよう)です。

2 「気(き)づきにくい人権侵害(じんけんしんがい)」があります。

目(め)に見(み)える暴力(ぼうりょく)はもちろん許(ゆる)されませんが、なにげない言葉(ことば)や態度(たいど)で人(ひと)を傷(きず)つけることがあります。このような明(あき)らかな人権侵害(じんけんしんがい)と気(き)づきにくい人権侵害(じんけんしんがい)があります。

施設(しせつ)は集団生活(しゅうだんせいかつ)ですから、地域社会(ちいきしゃかい)で暮(く)らす場合(ばあい)とは違(ちが)うルールがあるのは誰(だれ)もが認(みと)めているところです。でも、「集団生活(しゅうだんせいかつ)だから」とか、「安全(あんぜん)のため」とか、「コミュニケーションがとりにくいから」などの理由(りゆう)で、施設(しせつ)が一方的(いっぽうてき)にみなさんの行動(こうどう)を制限(せいげん)したり、みなさんが決(き)めたことを無視(むし)していることに、施設(しせつ)や入所者(にゅうしょしゃ)も気(き)づかないことがあります。

ですから、施設(しせつ)のルールを決(き)めるときには、本当(ほんとう)に必要(ひつよう)なルールか良(よ)く考(かんが)えて「気(き)づきにくい人権侵害(じんけんしんがい)」をなくしていきましょう。

3 そんなに遠慮(えんりょ)しないで

「あなたは、施設(しせつ)の人(ひと)に遠慮(えんりょ)していませんか?」

あなたやあなたの家族(かぞく)は、施設(しせつ)にお世話(せわ)になっているという理由(りゆう)で、日常生活(にちじょうせいかつ)の中(なか)で本当(ほんとう)はこうしてほしいと思(おも)っていても、遠慮(えんりょ)して施設(しせつ)の職員(しょくいん)に何(なに)も言(い)えないことがあるかもしれません。また、障害(しょうがい)があって自分(じぶん)の気持(きも)ちを伝(つた)えられないこともあります。

でも、あなたや家族(かぞく)が言(い)わないと、みなさんが何(なに)を希望(きぼう)しているのか、施設(しせつ)はわからないことがあります。みなさんの思(おも)っていることを伝(つた)えるよう努力(どりょく)してみてください。

4 地域社会(ちいきしゃかい)に開(ひら)かれた施設(しせつ)へ

人権侵害(じんけんしんがい)は、施設(しせつ)と地域社会(ちいきしゃかい)とのつながりがなくなったときに起(お)こりやすいと考(かんが)えられます。人権侵害(じんけんしんがい)をなくすためには、施設(しせつ)が地域社会(ちいきしゃかい)に開(ひら)かれ、つながりを持(も)っていることが重要(じゅうよう)です。施設(しせつ)が外部(がいぶ)の人(ひと)たちを日常的(にちじょうてき)に受(う)け入(い)れることで、一般社会(いっぱんしゃかい)での常識(じょうしき)や考(かんが)え方(かた)が通用(つうよう)するようになり、施設(しせつ)での人権侵害(じんけんしんがい)をなくしていくことができるのです。

5 あなたが「人権(じんけん)の主役(しゅやく)」なのです。

このハンドブックは、誰(だれ)よりも、福祉施設(ふくししせつ)で暮(く)らしているあなたに向(む)けて書(か)かれています。というのも、あなたこそ「人権(じんけん)の主役(しゅやく)」にほかならないからです。あなたはどこに暮(く)らしていても、あなたらしく生(い)きる権利(けんり)があることに気(き)づいてください。

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