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更新日:令和4(2022)年5月18日
検体検査では、患者さんから採取した検体(血液・尿・便・体腔液・痰など)について、検査を行い、病気の診断や治療の補助となる検査結果を報告しています。
安全・正確・迅速な臨床情報提供を心掛け24時間体制で対応しています。
患者さんから採血した血液を凝固させ、遠心器により分離した上澄み(血清)を検体として検査します。
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生化学自動分析装置 | 免疫自動分析装置 |
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血清中の蛋白質・非蛋白窒素・酵素・脂質・無機物・糖質などの成分を検査します。
血液の凝固を止める薬(抗凝固剤)の入った採血管で血液を採取して、細胞成分を計測する検査(血球計数検査)と液状成分を調べる検査(凝固検査)が行われています。
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全自動血球算定装置 | 血液凝固測定装置 |
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血液細胞成分の赤血球・白血球・血小板の数を検査します。
赤血球数は貧血の有無に関係し、白血球数は感染症や白血病などを知る手がかりとなります。血小板数は出血のしやすさを推測する目安となります。
さらに、白血球は好中球・リンパ球・単球・好酸球・好塩基球に大きく分類されます。
これらの細胞成分の形(形態)を顕微鏡で観察することで、白血病などの診断に役立ちます。
血液を固まらせる働きを持った物質(凝固因子)を測定して、血液が凝固する(出血が止まる)機能を調べる検査です。
血友病や血栓症の治療の効果判定に有用です。また、凝固因子は主に肝臓で作られるため、肝臓疾患の診断にも役立ちます。
一般検査は主に尿と便、体腔液の検査を行います。
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全自動尿分析装置 |
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腎臓や膀胱など泌尿器系の病気を見つけるための検査です。
そのほか糖尿病の病状を見るためにも検査します。
定性検査と尿沈渣があります。
尿中にタンパクや糖、赤血球などが含まれていないかを調べます。
顕微鏡で尿中に含まれる成分を観察します。赤血球・白血球・細菌や腎臓からの細胞などを鑑別して、その増減も併せて報告しています。
便の中に血液が混じっていないかを調べます。肉眼ではわからない消化管からの出血を見つけられるため、大腸癌の早期発見に役立ちます。
外来では医師の診察前検査、病棟においては患者さんの急変時や緊急手術時の検査、そして休日・夜間の検査に対して、24時間体制で行っています。採血された検体はエアシューターで検査室に届けられ、直ちに分析を始めます。結果報告は40分以内を目安に、迅速かつ正確な検査を心がけています。
生化学・血糖・血液・凝固・血液ガスなど緊急時に必要な検査はセットで測定しています。また、心筋梗塞の早期診断に有用なマーカーとして、トロポニンI・ミオグロビンの検査も行っています。冬季から初春にかけては、インフルエンザ抗原の迅速検査にも対応しています。
平日の検査では、糖尿病の病状や治療効果を知るため、血糖・ヘモグロビンA1c・グリコアルブミンの測定をし、診察前報告を行っています。
手術や治療で輸血が必要になった患者さんに対して、血液型検査・不規則性抗体検査・交差適合試験などを行います。輸血用製剤には、赤血球濃厚液・新鮮凍結血漿・濃厚血小板などあり、これら血液製剤の発注・保管・血液照射・払出しなどを行います。
また、輸血後感染症のフォローアップのために、輸血前後の患者血清保存も行っています。
輸血は、輸血の必要性と効果・副作用について十分に説明し、そして同意をいただいた上で実施されます。輸血が必要になった場合、患者さんの血液型や不規則性抗体の有無、輸血歴等の情報をもとに交差適合試験を行い、最適な輸血用製剤を選択します。輸血室では、迅速で安全な輸血ができるよう最大の努力をしています。また、輸血用製剤は、献血者の善意によって供給されています。このことを念頭に置き、有効期限切れなどで廃棄血が出ないように、そして適正な輸血がなされるように、センター内に注意を喚起しています。
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全自動輸血検査装置 |
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ABO血液型(A・B・O・AB型)の検査は、血液の赤血球検査(オモテ検査)と血液の血清検査(ウラ検査)があります。オモテ検査とウラ検査の両方が一致して、血液型を決めます。Rh血液型はD因子の保有者を陽性(Rh+)、非保有者を陰性(Rh-)と呼ばれています。
患者さんの血液中に輸血副作用を起こす可能性のある不規則抗体があるか調べます。不規則性抗体は、ABO式血液型以外の血液型に対する抗体です。抗体をもっている患者さんには、その抗体に適合した輸血用製剤を選択します。
患者さんの血液と適合すると思われる輸血用製剤を混ぜて反応させ、患者さんに適した輸血用製剤か否かを調べる検査です。ここで凝集や溶血などの反応がなければ、適合した輸血用製剤となります。
微生物検査は、感染症の原因となっている細菌・真菌等を見つけ出し、その微生物にどのような抗菌薬がよく効くかを調べ、治療に役立てるために行われます。
また、各種感染症情報を院内に提供し、治療や院内感染対策に役立たせています。
検査材料
痰・膿・分泌物・尿・便などの排出物や、血液、穿刺液(髄液・胸水・腹水)、組織などあらゆる材料を対象とし検査を行います。
(1)塗抹検査
提出された検査材料をスライドガラスに薄く塗りつけて、グラム染色という染色を行います。
これを顕微鏡で観察して菌の存在の有無を調べ、菌の形態の特徴などから菌種の推定を行います。
痰のグラム染色:肺炎球菌と白血球が認められます。
血液培養から検出されたブドウ球:菌青く葡萄状の形態をしたものがブドウ球菌です
(2)分離培養
検査材料から感染症の原因菌を増殖させるために、培地に材料を塗布して35℃で培養を行います。
(3)同定
培地上に発育してきた菌の形、グラム染色などにより菌、菌名を確定するために種々の同定用培地、または、自動機器により培養後、菌の名前を決定します。
(4)薬剤感受性検査
細菌に対して、どの抗菌薬が効くかを調べる検査です。
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遺伝子解析装置 |
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病理検査では、体の一部から採取した組織や細胞を調べています。様々な部分からいろいろな方法で(手術、内視鏡、あるいは自然)採取した組織や細胞から疾病を診断し、治療方針の決定に関与している検査です。検査には、病理組織検査・細胞診検査などがあります。