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更新日:令和7(2025)年9月2日

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令和7年6月定例県議会(6月4日) 会議録(速報版)

令和7年6月招集 千葉県定例県議会会議録(第3号)

令和7年6月4日(水曜日)

 議事日程

議事日程(第3号)

 令和7年6月4日(水曜日)午前10時開議

日程第1 議案第1号ないし議案第22号、諮問第1号、報告第1号及び報告第2号に対する質疑並びに一般質問

        

 午前10時開議

○議長(瀧田敏幸君) これより本日の会議を開きます。

        

 議長の報告

○議長(瀧田敏幸君) 日程に入るに先立ち、諸般の報告を申し上げます。

 議長の出席要求に対する出席者について変更があり、本日、選挙管理委員会委員岡本和貴君が出席しますので、御了承願います。

       

 質疑並びに一般質問

○議長(瀧田敏幸君) 日程第1、議案第1号ないし第22号、諮問第1号、報告第1号及び第2号を一括議題とし、これより質疑並びに一般質問を行います。

 順次発言を許します。通告順により阿部俊昭君。

 (阿部俊昭君登壇、拍手)

○阿部俊昭君 皆様おはようございます。公明党を代表して質問いたします、柏市選出の阿部俊昭でございます。まずは、熊谷知事の2期目のスタートを心からお祝い申し上げます。公明党県議団はもちろん、党所属県内市町村議員が熊谷俊人氏を全力で応援できましたことを喜んでおります。県庁職員の連携を軸に、チーム県庁の要として、またオール千葉の要として、知事の政策リーダーシップに大きな期待をしたいと思います。二元代表制の下、丁寧に議論をし、合意形成をしてまいりたいと思います。

 1期目、知事自ら足を運んで全市町村との連携、意見交換を重視されたことは、県民の皆様に安心感を届け、多くの皆さんが信頼を寄せていました。知事は2期目も、未来を見据えた新たな飛躍へと早速銚子市、匝瑳市、旭市を視察され、現場主義を貫く姿勢を示されました。千葉を照らす2期目の太陽が銚子の地から昇ったとの実感でございました。選挙中も若い人たちとの接点を大事にされ、政治を身近に感じられるよう努力していた印象があります。若者は未来そのもの、未来をつくる政策に彼らの視点は欠かせないとも記者会見で語っておられました。肉づけ予算とも言われる7年度6月補正予算額816億6,700万円は、令和7年予算額2兆1,858億1,700万円の3.7%に当たります。希望あふれる新規事業として、中小企業の人材確保に向けた奨学金返還支援事業や、メタバース上に交流の場を設けるモデル事業、次世代型太陽電池、ペロブスカイト太陽電池を県有施設にモデル的に設置するなど、我が党が提案の事業も多く示され、また、産業振興や道路ネットワークの整備、千葉の新たな飛躍に向け、教育、子供・若者支援、医療福祉、環境、文化スポーツ振興を挙げ、ここに熊谷県政2期目の力強い決意を感じる次第でございます。

 そこで伺います。6月補正予算の新規事業について、どのような思いで計上したのか。

 次に、先月下旬に公表された新千葉県総合計画素案について伺います。

 総合計画は、熊谷県政の政治運営の基本であり、今後の千葉県の未来を決めるものとなります。千葉県がおおむね10年後に目指す姿と、これを実現するために令和7年度から4年間で重点的に実施する施策、取組を示してあります。直面するピンチをチャンスに転換する意気込みは、まさにあのコロナ禍に立ち向かい、さらに台風被害に対応した熊谷県政そのものであり、たゆまないチャレンジを6つ掲げたことに、県民の命と暮らしを守り抜く630万県民への責任感を感じます。

 6つの課題は多様化、複雑化し、政策分野を15に分けるものの、それぞれが関連し合っていることもあり、今まで以上に部局横断的な取組や、また、課題解決が求められると思います。計画に掲げた施策がどの程度成果を上げているかを数値化して評価、分析する検証の作業が重要になってきます。検証はPDCAサイクルのチェックとアクトに当たりますが、経験や直感だけに頼るのではなく、科学的なエビデンスを重視していくこととしています。客観的なデータや実証的な証拠に基づいて政策を立案、実施、改善していくEBPMの手法で県は進めていくとのことだが、いつ、誰がどういう形で行うのでしょうか。

 そこで伺います。新総合計画における施策、取組の検証をどのように進めていくのか。

 我が党としても、子供、若者を真ん中に、誰もが安心できる社会の実現を目指して結婚、妊娠、出産から子供が社会に巣立つまで、子育て応援トータルプランとして他党に先駆けて国へ提案し、強力に推進してきました。県としての子供・若者政策は、次世代を担う子供や若者が健やかに成長し、自立して社会参加できるよう支援するための大切な政策です。県は、総合計画の重点施策の基本目標の1つとして、子供、若者の可能性を広げる千葉の確立を挙げています。5年、10年先も県の活力を維持向上していくためにも最重要と考えます。子供、若者たちの声、発想を引き出し、生かしながら、学びや就労の支援環境や若者参加型の地域まちづくりを進めていくことが期待されます。国としてもライフステージに応じて様々な支援が入りますが、県がリードし、企業、NPO、地域社会が連携し、アイデアを生かしたイベントを支援することで、子供、若者が安心して生きられる千葉県、夢を持てる千葉県の実現が可能になるのではないでしょうか。

 そこで伺います。子供・若者施策の充実にどのように取り組んでいくのか。

 次に、こども・若者未来プランについて伺います。

 少子化や子供の貧困、いじめ、不登校、若年無業者など、現代の子供、若者が直面する複雑な課題に対して包括的、継続的に支援していくための計画です。2022年に成立したこども基本法を受けて、都道府県が地域の実情に即した具体的な施策をまとめることになりました。本県は千葉県こども・若者みらいプランとして、基本理念は「みんなで支え合い 全てのこども・若者の可能性を広げる 千葉」を掲げ、令和7年度から5年間の計画です。社会全体で子供や若者、子育て当事者を支えるための具体的施策を示し、140項目で目標を設定してあります。最前線の市町村との連携が求められます。千葉県は、当事者参加型政策として、子供、若者の声を反映するために、プラン策定のプロセスに子供、若者の意見を取り入れたと聞いています。

 そこで伺います。千葉県こども・若者みらいプランの特徴はどうか。また、市町村との連携についてどう考えるか。

 次に、地域の特性を生かし、経済の活性化や新しいビジネスモデルの創出を目指すための規制緩和を特別な地域のみで認める国家戦略特区について伺います。

 現在、東京圏国家戦略特別区域として、東京都、神奈川県、県内では成田市や千葉市において、経済成長を促進するための規制緩和、制度改革が進められています。千葉県においても特区区域を千葉県全域に拡大し、特区の活用を目指しています。千葉県は日本の縮図とも言え、産業構造のバランスのよさがあり、千葉県全域で国家戦略特区を活用することは、幅広い分野、地域で経済の活性化や新しいビジネスを創出する大きな可能性を秘めています。規制緩和や新しいビジネスモデルの実験も可能です。これにより、スタートアップ企業や研究機関との連携が進み、イノベーションが生まれやすい環境が整います。

 また、千葉県が国際的な交流拠点として、外国からの多くの観光客やビジネスパートナー、労働者を受け入れるため、特区の活用を含めた施策を展開することで、これまで以上に国際的な交流を広げることができます。今後、県全体の様々な分野で特区の活用を目指す際には、千葉県と市町村が一体となって、企業や地域の関係者が協力し合い、戦略的に取り組むことで、さらなる効果が期待されるのではないでしょうか。

 そこで伺います。国家戦略特区を活用した取組を進めていくため、市町村や県内企業とどのように連携していくのか。

 次に、かずさアカデミアパークです。

 かずさアカデミアパークは、幕張新都心、成田国際空港都市とともに、千葉県の未来の発展に寄与するプロジェクトとしてスタートしました。ホームページを見ると、人、技術、自然のバランスが取れた都市づくりを目指す工場・研究施設パーク、上総丘陵に研究開発機能の集積を図るサイエンスパークとして生まれました。パーク内には先導的、中核的施設であるかずさDNA研究所をはじめとする先端技術産業分野の研究開発拠点が整備され、現在は研究開発施設のほか、各種製造工場など民間施設の立地が進んでいますとあります。このコンセプト自体はすばらしく、スタート以来、コンセプトに沿った実績を積み上げてきたと言えます。

 一方、社会状況の変化に伴い課題も生まれています。未利用地もあり、研究開発のための施設は多くはありません。研究開発機能の集積を図ることができているのか、千葉県において産業用地のニーズが高まる中で、そのニーズに応えられているのかなど、これまでどおりの考え、取組で進んでいくことが千葉県の発展に寄与することになるのか、一度考える時ではないでしょうか。同パークの本当の強みは何なのか、千葉県発展のため同パークはどうあるべきなのかを再検討すべきではないでしょうか。

 そこで2点伺います。

 活用されていない区画の解消に向けてどのように取り組んでいるのか。

 2つ目、将来的にかずさアカデミアパークはどのような存在となるべきと考えているのか。

 次は、経済の活性化についてです。

 雇用の7割を占める中小企業の持続的な賃上げに向けて、このたび政府として中小企業・小規模事業者の賃金向上推進5か年計画を取りまとめました。これは2029年度までの5年間を集中期間と定め、中小企業の生産性向上を後押しするため、官民で約60兆円投資するとされています。この6月に閣議決定し、新しい資本主義実行計画の改定に反映される予定となっており、これには公明党が一貫して主張してきた施策が随所に盛り込まれました。公明党は、これまで中小企業、小規模事業者の皆様の声を聞き、その対策に様々な形で取り組んでまいりました。その1つが事業承継の問題です。経営を続けたくても後継者がいない、会社の存続が常に危ぶまれている、そのような悲痛な声を耳にする機会は少なくありません。このたび国において事業承継税制の特例措置の後継者に関する要件が緩和されました。

 県として、これまで事業承継への取組をあらゆる形でされてきたと思いますが、そこで伺います。中小企業の事業承継の支援について、県はどのように取り組んでいくのか。

 これまで我が会派は議会質問をはじめ様々な機会で政労使会議の重要性を訴えてきました。平成28年2月定例会では、政労使の関係者が一堂に会し、地域の雇用や労働に関する幅広い課題の情報を共有し、それぞれの立場から意見を述べ合う協議の場は、地域経済の活性化を図る上で重要である、県もこの会議の運営に積極的に参画し、労使関係団体との率直な話し合いを通じて労働環境の改善や経済の好循環の実現に取り組んでまいりたいとの答弁もいただいていました。長引く物価高が家計を圧迫している今ほど、中小企業の賃上げが求められるときはありません。現在、政労使会議はちばの魅力ある職場づくり公労使会議として位置づけられているとのことです。

 そこで伺います。ちばの魅力ある職場づくり公労使会議を活用し、中小企業の賃上げに向けて、県はどのように取り組んでいくのか。

 知事は、先般発表された県政ビジョンの中で、これまで中小企業の価格転嫁を支援してきたが、まだ十分に価格転嫁できていない企業も多く、今後も県を挙げた取組が必要とし、さらに、近隣都県と連携し、中小企業が適正な利益を確保して、賃上げが持続的に行える環境を整備していくと、また、スタートアップ企業が多様なパートナーと出会い、成長していくことができるコミュニティーの形成を進め、千葉の特色を生かしたスタートアップの育成を加速していくともうたっておりました。

 県では、数年前からちば起業家育成事業として、起業機運の醸成を図るため、小中学生及び高校生、大学生を対象としたちば起業家育成プログラムを開催しています。中小企業をはじめとして、これからの県の経済を明るく希望豊かなものにするためにも、若者世代をいかに引き込み参画させていくのかが重要なテーマとなります。

 そこで伺います。若い世代の起業家育成には、県はどのように取り組んでいくのか。

 次に、道路陥没事故防止についてです。

 国土交通省は、埼玉県八潮市の道路陥没事故を受けて、下水道等に起因する大規模な道路陥没事故を踏まえた対策検討委員会を設置し、同委員会において今回と同種、同類の事故を未然に防ぎ、国民の安全・安心を得られるよう、下水道管路の全国特別重点調査を実施すべきとし、全国の自治体に対し設置後30年以上が経過している直径2メートル以上の大口径下水道管について速やかな調査を要請しました。国は下水道全国調査に99億円、千葉県全体では4億4,000万の支出を決定。目視などによる管路内調査で緊急度が高いと判断した場合は路面下の空洞調査を行う。腐食などに伴う緊急度の判定基準は、現行よりも強化すると聞いています。調査そのものはスピード感が大切ですし、また、無事故で進めていただきますようお願いしたいと思います。

 そこで伺います。下水道特別重点調査はどのように進めていくのか。

 政府は2026年度から5年間、防災、減災を進める第1次国土強靱化実施中期計画の素案を議論しており、6月頃に閣議決定される予定です。総額20兆円強、老朽インフラ対策を加速し、災害対応力の強化が図られます。素案として、中小河川を含めた洪水・内水ハザードマップの作成促進が示されましたが、既に都市部においては水害リスクマップを更新し、下水道や水路から雨水があふれる内水氾濫の情報を追加し公表されています。また、同じく素案に示されたAIやドローンなど最先端デジタル技術の活用については、特に空洞調査において活用されることが期待され、効果的に陥没を防ぐ取組につなげられます。空洞、道路陥没の主な要因と考えられるのが、地表の地質が砂質であること、また、地下水が地表から3メートル以内に流れていること、下水道の形式が合流式であること、汚水を下水管に流す下水取付け管が一定のエリアに集中していることなどが挙げられ、多く当てはまるほど危険が高まり、調査の優先度が上がります。千葉県においても今年1月31日、習志野市の国道で埋設されている市の下水管の損傷に伴い路面沈下が発生し、片側規制となりました。その後、県と市が対応し、4月28日、全面通行規制解除となりましたが、実は2024年9月にも車道及び歩道の沈下、クラックを確認し、習志野市が下水道管の損傷を修繕、県が道路を修繕したエリアです。千葉県が管理する国道であり、空洞が発生しやすい箇所としての情報を市町村と共有していれば、発生を防げたのではないでしょうか。

 そこで伺います。空洞の発生しやすい箇所の情報を収集していくべきと思うが、どうか。

 次に、社会資本の充実とまちづくりについてです。

 知事は、半島性を克服する交通インフラの充実として、広域道路ネットワークとともに、東葛北部地域の船取線や都市軸道路など県北西部の道路整備、利根川、江戸川の渡河橋など、都県境の橋梁整備の加速を掲げられ、県民も高く評価したところです。

 こうした中、1月に都市軸道路利根川渡河橋の早期事業化に向けて、齋藤健衆議院議員、平木大作衆議院議員はじめ、熊谷知事、大井川茨城県知事、太田柏市長、井崎流山市長と、県議ほか関係者が中野国交大臣に都市軸道路利根川渡河橋の新規事業化に関する要望書を提出いたしましたことが大きな前進を果たしました。この都市軸道路利根川渡河橋が国の補助事業として新規事業化され、利根川を渡る道路の整備が進むことで、千葉県と茨城県が一体となる経済圏が確立され、人口増加や企業の立地が進む都市軸道路沿道地域のさらなる発展に大きく貢献するものと考えています。

 そこで伺います。都市軸道路利根川渡河橋について、今後の見通しはどうか。

 千葉北西連絡道路について伺います。

 千葉北西連絡道路は、千葉県北西部の広域幹線道路ネットワークの強化を目的とした、将来の交通基盤となる重要な構想道路です。慢性的な交通渋滞の緩和、地震や水害などの緊急時の代替ルート確保、広域的な物流効率の向上に大きな役割を果たせるということで期待が寄せられています。千葉北西地域の現状や北西連絡道路の今後の検討の進め方に関する各地のパネル展示も反響が大きいと聞いています。国道16号、県道8号船橋我孫子線など既存道路の交通負荷が高い地域であり、日常的な渋滞が問題視され、渋滞による経済損失は大きいのであります。

 そこで伺います。千葉北西連絡道路については、県はどのように取り組んでいくのか。

 国の交通政策審議会の答申では、つくばエクスプレスの秋葉原駅から東京駅への延伸が国際競争力の強化に資する鉄道ネットワークのプロジェクトの1つとして位置づけられていますが、東京駅から有明、東京ビッグサイト方面につなぐ臨海地下鉄計画は2030年頃の着工を予定しているとの報道もあり、TX秋葉原駅から東京駅八重洲口付近への約2.3キロの延伸を具体化させることは、TX沿線の魅力が向上すると言われています。

 昨年12月発足したつくばエクスプレスと都心部・臨海地域地下鉄の接続事業化促進期成同盟会に茨城県も加わったと聞きます。沿線が発展する柏市、流山市に5駅を持つ千葉県も、積極的な姿勢を持つべきと思います。

 そこで伺います。つくばエクスプレス東京駅延伸について、県の認識はどうか。

 次は、薬剤師の問題です。

 医療現場では、医師や看護師の深刻な人材不足が続き、医療の質や安全性に影響を及ぼしています。高齢化や新たな医療技術の進展により人材需要は増加しており、県政の重要な役割である住民の健康維持にも支障が出ています。長時間労働や夜勤、低賃金などの厳しい労働環境が主な要因と言われています。

 そこで、県の人材確保策の1つとして、医師や看護師等を対象に修学資金貸付制度を導入し、資格取得後一定期間、県が指定する県内の医療機関等に勤務していただくと、貸付金全額が返還免除になるとしています。大変に効果的な制度であると考えます。本日は、医師や看護師と同じく、医療現場での人材不足となっている薬剤師について取り上げます。特に、病院勤務の薬剤師の不足が顕著です。原因は、やはり厳しい勤務環境や処遇面にあると考えられます。さらに、多店舗展開している大手調剤薬局やドラッグストアとの競合もあり、病院勤務の薬剤師の確保が大変に厳しい状況となっています。病院薬剤師は、患者を守り、医療の質を維持するために重要な医療チームの一員として働いています。処方箋に基づき正確に調剤します。疑義があれば医師に照会します。入院患者や外来患者にも薬の効果や服用方法、副作用などを説明します。特に、抗がん剤など取扱いが難しい薬については丁寧な対応が必要です。麻薬や向精神薬など、法的管理が必要な薬剤の取扱いも担います。医師や看護師などと連携して患者を見守ります。多岐にわたる業務を行いながら、薬の専門家としての医療の現場の質の向上を支えています。

 このように重要な役割を果たしている病院勤務の薬剤師不足は、県として取り組むべき大きな課題であると考えます。医師や看護師と同様に、人材確保が喫緊の課題である病院勤務の薬剤師に、なぜこの修学資金貸付制度がないのか大いに疑問です。

 そこで伺います。病院の薬剤師不足が進んでいる中、薬剤師修学資金制度の創設を検討すべきと考えるが、どうか。

 次は、バリアフリー、ユニバーサルデザインについてです。

 バリアフリーは、高齢者や障害者など、身体に不自由のある方が社会生活を送る上で、障壁、バリアを取り除く考え方、取組です。ユニバーサルデザインは、年齢、障害の有無、言語、文化的背景など関係なく、最初から全ての人が使いやすいように設計する考え方です。どちらも、誰もが暮らしやすい社会を目指す重要な概念です。県のバリアフリー化は、生活支援や災害時の避難支援に加え、観光客の受入れやユニバーサルデザインの推進にも貢献、人権尊重と福祉向上、経済効果の向上にもつながる重要な取組です。

 ちばバリアフリーマップは、千葉県が提供するユニバーサルデザイン、バリアフリー情報を掲載した地図サービスとして発信しています。高齢者や障害のある方々、ベビーカー利用者など、誰もが安心して外出できることを目的としたこの地図には、車椅子で利用可能なトイレ、スロープのある施設や、エレベーターや多目的トイレの位置が記されています。成田空港では既に多言語対応や段差解消が進められており、県内他地域への波及が期待されます。バリアフリー対応の駅や観光地情報など、新しい情報更新が求められます。

 そこで伺います。ちばバリアフリーマップの運用状況はどうか。

 次に、身体障害者等用駐車場、いわゆる車椅子のマークのついた駐車場の適正利用を進めるちばパーキングパーミット制度について伺います。

 この制度は我が党が初めて提案し、さらには私の友人の障害者団体の方と一緒に実態調査を重ねました。健常者8割利用という千葉県の実態を改善すべく、議会質問、要望を重ね、他会派からの要望、追い風もいただいて、令和3年7月から千葉県でスタートしています。利用証を発行することで、障害のある方、要介護高齢者、妊産婦など、駐車場利用の必要な方が安心して駐車できるということで好評です。

 そこで伺います。ちば障害者等用駐車区画利用証制度の現状と課題について、どのように認識しているか。

 次は、孤立集落対策についてです。

 近年、全国各地で自然災害が頻発しており、本県においてもその影響は決して人ごとではありません。特に、地理的条件や高齢化の進行により災害発生時に孤立してしまう可能性がある集落の存在は、県民の安全・安心を確保する上で喫緊の課題であります。昨年発生した能登半島地震では、地震に伴う土砂災害の発生によって道路が寸断し、多くの孤立集落が発生しました。同じ半島という地理的条件を有することから、本県では、自然災害の発生時に孤立する可能性がある集落の状況調査を行ったところ、県内では20市町、農業集落地域では468か所、漁業集落では64か所が存在していることが明らかとなりました。そのため県では、万が一、道路の寸断などで車や船の通行が途絶することにより救助や救援物資が届けられない状況になったとしても被災者への対応ができるよう、自主避難所の整備をはじめ、ドローンの整備、備蓄品の整備など、市町村が実施する孤立集落対策の取組について、補助金による支援を行っています。ただし、この支援事業は令和6年度から令和8年度までの時限的な支援であり、いかにこの期間において各市町村が孤立可能性集落に対しての対応をするのかが重要になってきます。

 そこで伺います。孤立集落対策のさらなる強化に向けて、県としてどのように取り組んでいるのか。

 次は、共生社会づくりについてです。

 県が制定している多様性が尊重され誰もが活躍できる社会の形成の推進に関する条例を実効性あるものとするためには、全ての外国籍の子供たちが日本で十分な教育を受け、その可能性を大きく広げられるよう、就学環境の整備を進めるべきと考えます。千葉県では、外国人住民の数が増加傾向にあり、それに伴って外国人児童生徒の数も増えています。千葉県学校基本調査によると、外国人児童生徒数は令和6年度までに小学生が6,898人、中学生が2,376人と、過去5年間で小学校、中学校ともに1.5倍以上に増加しています。外国人児童生徒が増加する中、課題となっているのが日本語の習得です。日本語が習得できていない児童生徒は、授業を理解することができないだけでなく、日常生活においても大きな支障を来すことになることから、日本語習得のための支援が必要です。公立学校における日本語指導が必要な外国人児童生徒が在籍する割合が高いと言われており、特に県教育委員会は、これに対応するための日本語指導の強化が求められています。

 そこで伺います。県は、日本語理解が十分でない外国人児童生徒等に対してどのような支援を行っているのか。

 外国籍の不就学の児童生徒についてです。2023年5月時点の文部科学省の調査によると、日本に住民登録している外国籍の義務教育相当の年齢の子供は15万695人います。そのうち学校に在籍していない可能性がある子供は8,601人、全体のおよそ5.7%に上ります。2022年度から418人増加しています。文科省はこれまで日本の教育制度、入学手続などを多言語でまとめた就学のガイドブックを作成、配布したり、就学説明会を実施したり、また、日本語指導の充実、帰国・外国人児童生徒の受入れ促進事業とか、学齢簿への記載の推進、教育委員会、自治体の国際交流課とか、そうした関係機関と連携といった様々な取組を行ってきました。しかし、日本語能力が不足している子供や保護者が学校とのコミュニケーションや学習に不安を感じて就学をためらう言語の壁、経済的な困難、情報不足、さらには文化的な背景などから、依然として多くの課題が存在します。市町村によって取組の温度差も見られ、外国籍の教育支援に取り組むNPOとも協働しながら、日本語学習や進路指導、居場所づくりといった支援に取り組み効果を上げている自治体もあることも承知しています。

 そこで伺います。外国籍の不就学の児童生徒の実態をどのように把握し、就学に向けてどんな支援をしていくのか。

 次に、県における訴訟対応についてです。

 住民への行政サービスを一層充実させるため、住民になるべく近い立場である行政機関において行政手続を提供する流れは近年加速しており、基礎自治体への許認可権限の移譲は増加しているものの、いまだ千葉県が抱える許認可権限は膨大な数に及びます。千葉県に対する許認可などの処分に関して、不服申立てや抗告訴訟へつながる事例は枚挙にいとまがなく、そのほか当事者訴訟、民事訴訟に関する事例も決して少なくありません。

 過去3年間の新規の訴訟件数を見ますと、令和4年度30件、令和5年度25件、令和6年度37件、令和7年度も新規訴訟があり、また過去から継続中の訴訟もあります。近年では、県独自の事情である金属スクラップヤードに関する条例や、千葉県特定金属類取扱業の規制に関する条例などの規制強化により、事業者からの行政処分に対する不服申立てや訴訟が増加することが予想されています。訴訟に当たっては、専門家の助言を仰ぎながら、政策法務課と担当課において和解や控訴など訴訟への対応を検討した後、知事が最終的にその対応を決定していると伺いました。司法の場において争訟は、両当事者に大きな負担が課せられ、高度な知識を前提として、慎重かつ適切な判断を求められることは言うまでもありません。

 そこで伺います。多様化する訴訟リスクに県としてどのように対応していくのか。

 千葉県でも訴訟、行政訴訟や民事訴訟などへの対応のため、一定の体制、仕組みを整えていると思います。その訴訟対応体制は政策法務課が中核的な役割であり、弁護士の活用、関係部局との共同、内部連携などを中心としていると思います。行政の信頼性確保と法的安定性の維持のため、専門的かつ組織的に運用されています庁内の職員に対して、訴訟リスクや行政法務、住民訴訟、監査請求への対応、和解の判断などに関する研修を実施することで、予防的な対応力も求められています。

 兵庫県明石市では弁護士の資格を持つ職員を採用するなど高度な法律知識を有する職員の育成に取り組んでいるとも伺いました。千葉県も、職員内部でそれらの行政訴訟に対応できるようにすべきと思います。

 そこで伺います。訴訟に対する職員の実務能力を向上させるため、県はどのような取組を行っているのか。

 次は、農業問題です。

 我が県で生産されている米が首都圏の米市場を支えていると言っても過言ではありません。長らく米価低迷に苦しんでいた米生産者の方ですが、今、安さを求める消費者心理を理解しつつ、どんな思いで2025年の田植えをされたことでしょうか。消費者の皆さんには、おいしいお米を届けたいとの一心であったと思います。農家の高齢化が進み、農業の将来が不安視される中、米づくり農家だけでなく農業全般の後継者不足に悩む生産者からの悲鳴のような声が寄せられました。また、ある米生産者の熱い思いに触れる機会がありました。日本の食文化の未来を案じ、日本の食料自給率、カロリーベースですが38%という数字を上げていかなければならない。戦争や気候変動、感染症パンデミックなど、海外からの供給が止まった場合、日本の食卓は大きな打撃を受けるので、自給率を守り、さらに上げていくためにも米作りを続けていますと。米作りから世界を見詰め、世界の情勢から御自身の農業の役割を考えておられる姿に、5年、10年先の農業への希望の光も感じました。

 ここに千葉県農業大学校卒業生が就職されたとのお話もいただきました。全国有数の農業県である我が県にとって、この県立農業大学校は担い手育成の要となる実践的農業教育機関として、農業の未来を支える重要な存在です。農業大学校は農学科と研究科に分かれ、農学科は令和7年度は31人入学ですが、この5年間平均46.6人、研究科にあっては令和7年15人入学、平均は14.4人とのことです。実践的農業教育機関として次世代の人材を輩出してきていますが、カリキュラムも実践的、先端的な農業技術の教育、ICT、ドローンなどスマート農業の導入の工夫があると聞きます。他県からの入学者もいます。

 県立農業大学校の設立から長い年月が経過して、施設の老朽化など、ハード面の課題と併せて社会全般に広がる若者の農業離れなどソフト面での課題も指摘されてはいますが、我が県農業の生き残りをかけて、使命感を持った誇り高い人材の育成、確保の生命線となる県立農業大学校への改革を期待するところであります。

 そこで伺います。県立農業大学校の本県農業に果たす役割はどうか。

 2つ目、より多くの農業の担い手を確保していくために、県立農業大学校ではどのように取り組んでいくのか。

 次に、みんなで支え合う千葉県民の風土づくりについてです。

 NHK朝ドラで話題となっているやなせたかし氏の珠玉の言葉に、「人生は喜ばせごっこ」があります。他者に喜んでもらうことで自分も幸せな気持ちになる、人間誰もが持っている心だと思います。仕事はもちろんですが、仕事以外のところで、人生の先輩をはじめ若い方々も夏祭りや地域のイベントを企画され、参加した人に喜んでもらうことを我が喜びとしておられる姿は平和の姿そのものです。その思いを継承されている一方で、希薄になってきているのではとの心配の声も届いています。

 県民の皆様が自発的に地域のボランティア活動に参加することで地域のコミュニケーションが活性化し、顔の見える関係性が築かれていきます。これによって、災害時の助け合いや高齢者の見守りといった日常の安全・安心にもつながります。

 総務省が行った令和3年社会生活基本調査を見ますと、千葉県はボランティア活動行動者率は14.9%、青森、大阪に次ぐ全国ワースト3位でした。また、昨年8月、9月に実施した第67回県政に関する世論調査で、ボランティア活動経験者は4割台半ばという数字が出ているものの、定期的に活動しているのは8.2%にとどまっています。

 そこで伺います。県として、ボランティア活動への参加を促進することは、どのような意義があると考えているか。

 ボランティア活動は自分のためにもなる、人の役に立つことで自己肯定感が生まれます。しかし、何かお手伝いしたい、ボランティアしたいがどこに、誰に相談したらよいか、どう関われるのか、戸惑っている方も多いと聞きます。そうした中で、県がちばボランティアナビを開設したことは大きな期待が膨らみます。ちばボラナビ、ちばボランティアナビは、ボランティアをしたい人とボランティアを募集したい団体をつなぐマッチングサイトです。団体登録した方は県内各地に広がっており、エリアごとに活動が紹介されています。例えば、ベイエリアの幕張豊砂ビーチクリーン、あと東葛飾エリアでは東日本大震災の被災写真の洗浄活動の団体様にも目が引かれました。ボランティアを募集しますと、事務局から個人会員へ通知されるのです。

 本年度、ボランティアナビに個人登録した私のところには、ボランティア募集の案内メールが届いています。日にち、場所、内容などを確認し、今回ちばボランティアナビを利用して東葛飾エリアの市民活動フェスタに参加させていただきました。海外出身者の方、主婦の方、埼玉県からの高校生、大学生と一緒にボランティアの活動をしました。県民が年齢、性別、職業、国籍などの垣根を越えてボランティアに参加することで、多様な価値観を理解し合い、共生社会の基盤が築かれるように感じました。今回のイベントそのものが手話サークルや健康増進、子育て支援など、ボランティアの活動をされている84団体が参加していることもあり、刺激的で生き生きと活動している皆さんに触れ合うことで、終わった後の爽快感、充実感もありました。

 そこで伺います。県のボランティア促進策であるちばボランティアナビの成果と課題はどうか。また、若者、働き世代への普及状況はどうか。

 次に、教育関係です。

 杉野教育長、改めて御就任おめでとうございます。教員不足、教員の不祥事、公立学校の老朽化、増加する不登校児童生徒への対応など、様々な課題があります。杉野教育長は、これらの課題に対して現場を大切に、変化を加速させることを強調され、心強く感じます。千葉の未来を創る「人」の育成を標榜し、前進する教育委員会の皆様が事を成就するには、苦難や障害はつきものです。子供の幸せのため、チーム県教委が汗をかき乗り越えてほしいと思います。そのかいた汗の分、現場では感動的な教育実践・体験が生まれていきます。

 県教育委員会は、令和7年度の当初予算に最新施策と予算措置において以上のような重点施策を盛り込んでいます。教員確保と処遇改善、大学1・2年生を対象とした教育活動の体験の実施や、臨時的任用講師の処遇改善を図ることで、教員確保と質の向上を目指しています。さらには働き方改革の推進、副校長とか教頭マネジメント支援員の配置拡充や、スクール・サポート・スタッフを県立高校へ新規配置するなど、教職員の業務負担軽減を図っています。また、児童生徒への支援強化として、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置拡充、不登校児童生徒へのオンライン授業の拡大など、児童生徒の多様なニーズに対応した支援を強化しています。これらの施策は、教育現場の課題解決と教育の質の向上を目的としており、今後の成果が期待されます。

 そこで教育長に伺います。本県の教育振興に向けてどのように取り組んでいくのか。

 次に、高校授業料の無償化は歓迎しているところですが、先日、全国知事会は文部科学大臣に、私立高校に生徒が集中して公立離れが進めば地域社会そのものの衰退を招きかねないとして、公立高校に対する財政支援の強化などを求める緊急提言をしたことは評価する次第です。地域の少子化や進学率の変化、教育ニーズの多様化に対応する高校改革が求められます。県立高校の教育の質や魅力を高めていく取組の1つとして、先週、県が示した高校改革推進プラン・第2次実施プログラム(案)を今後議論しますが、県立高校が地域の息遣いを感じながら、利他、他者に尽くす社会貢献の人材育成を目指す県立高校の強化、充実、魅力向上を願い、幾つかの質問をさせていただきます。

 高校時代は思春期の終わりに差しかかり、人生においても基盤を築く大事な3年間といっても過言ではありません。大学受験、専門学校、就職など、進路について人生の大きな分岐点に立つ時期でもあり、この選択が全てではありませんが、将来への入り口としての意味を持ちます。厳しい環境にあっても人と接する中で信頼関係や協調性を育み、挑戦する心も育つ時期であると思うのです。感受性豊かな高校時代に、友人たちや地域との交流の中で、利他の精神も育ち、キャリア教育が進められる中で、一人一人の生徒が将来の進路を自ら考え、社会に出て自立できる力を身につけていけるよう、千葉県立高校でも丁寧に進められると思います。自己理解や職業理解、性格診断や興味検査、また職業調べ、業界研究、社会人講話、さらに教室を飛び出してインターンシップや職場体験、地元企業や公共機関での実地体験など、仕事のやりがいや大変さを学んだり、また、進路ガイダンス、大学、専門学校の説明会や、また就職、進学に関する個別相談など、千葉県のキャリア教育はどんなところに特色があるでしょうか。

 そこで伺います。キャリア教育充実のために、県はどのように取り組んでいるのか。

 県立高校における職業系専門学科は、商業、工業、農業、看護、福祉と幅広く、その学びの先に社会貢献への意識に立つことができ、仕事への充実感ややりがいにつなげることができます。前段の県立高校におけるキャリア教育の充実もさることながら、小学校高学年や中学生からもつながる県立高校の職業系専門学科の生徒の学びを紹介、位置づけていくことは大切かもしれません。地域企業、自治体との協働授業・実習の充実を図り、地域経済の発展や若者の社会的自立に直結するということで、大きな期待が寄せられています。さらに、地域課題解決型学習の導入として、地元企業や住民と連携し、実際に課題を解決するプロジェクト学習もあると聞いています。専門的な知識と技術を身につけ、大学進学や専門学校進学、公務員試験合格、就職など、多岐にわたる進路実績を上げています。地域産業との連携や実践的な教育が、これらの成果につながっていることは誇らしく思います。

 そこで伺います。職業系専門学科の活性化に向けた取組はどうか。

 次に、地域学校協働活動とは、地域社会が学校と連携しながら、生徒の学びや成長を支える取組です。地域の皆さんが学校に集い支えるコミュニティ・スクールとはアプローチが異なり、学校と地域が連携して取り組む活動で、生徒が地域へ飛び込み、住民の方々や異世代の方々との関わりを通じて対人間関係能力や協調性が養われるなど、学校内の活動だけでは得られない実践的な活動も行われています。文部科学省では、特に地域とともにある学校づくりを推進しており、県立高校もこの枠組みに積極的に参画するよう求められています。

 県内の高校生が地域のお祭りやイベントでブラスバンドやダンスを通して盛り上げてくださることはよく聞きますが、近年、テント張りの準備、片づけ、また誘導、そして清掃活動など、ボランティアに汗を流す姿をよく見かけるようになりました。地域の方々との交流を通し、地域課題を知り、自分ができることを行動することで他者に喜んでもらう体験を通して、達成感や自己肯定感が高まります。こうした学びは郷土意識や進路意識にもつながることが期待されます。

 そこで伺います。県立高校の地域学校協働活動の推進に向けて、どのような取組を行っているのか。

 次に、自転車の安全利用の促進について伺います。

 自転車は、子供の頃から慣れ親しんでいる乗り物であり、また、健康的で環境にも優しい移動手段として国民の多くが利用しています。さらには、公共交通の補完機能に加えて、観光振興や地域活性化を目的に、官民連携でシェアサイクルの導入が全国各地で進んでいます。一方、最近では、自転車運転中の携帯電話使用等に起因する交通事故が増加傾向にあることや、自転車を酒気帯び状態で運転した際、交通事故が死亡・重傷事故となる場合が高くなっています。警察庁によると、自転車が関係する交通事故は、一昨年、全国でおよそ7万件と増加傾向が続いているほか、死亡や重傷事故のうち、およそ4分の3で自転車側に違反行為が確認されています。ちなみに、本県での自転車関連交通事故は、令和2年以降年間3,000件以上発生が続き、多発する交通事故の背景に、運転者のマナーや危険性が問題視されています。実際に、警察庁の自転車の交通ルールに関するアンケートで、交通ルールを守れない理由として、ルールがよく分からない、守らなくても危険はないと思う、周りの人も守っていないとの回答が多く挙がっているそうです。しかも、自転車の交通違反を取り締まる現場では、悪質な場合を除き、警告として警察が口頭で注意する場合がほとんどとなっています。こうしたことなどから、交通事故を抑止するため、自転車の悪質な交通違反に対し、車やオートバイと同じように反則金を課す、いわゆる青切符による取締りの導入を盛り込んだ道路交通法の改正が昨年5月24日に公布され、2年以内に導入されることとなりました。さらに、昨年11月には自転車の酒気帯び運転に対する罰則が設けられ、スマートフォンなどを使用するながら運転も罰則が強化されています。しかしながら、自転車の乗車には車やバイクのように免許制度がないので、交通ルールを学ぶ機会があまりないことから、そもそも交通ルールを理解している人や遵守して自転車に乗る人は少ないのではないでしょうか。

 そこで、新たなルールを導入するに当たり、無意識な違反行為を減らし、交通ルールを遵守して自転車に乗る人が増えるよう、自転車の安全利用の促進に対する対策の強化が大変重要となることから、導入前の対策について伺います。

 自転車の交通違反への青切符導入前に、自転車安全利用に関する広報啓発にどのように取り組んでいくのか。

 最後に、物価高騰対策についてです。

 国が、地方公共団体が地域の実情に応じてきめ細やかに必要な事業を実施できるようにということで、重点支援地方交付金を示したことは高く評価されています。県知事を中心に、県職員、議会での議論の見せどころだったわけです。千葉県は、国からの重点支援地方交付金112億3,870万3,000円を活用して、事業者支援、消費喚起策の補正予算を組みました。LPガス料金負担軽減や貨物運送事業者への支援事業、医療機関、また社会福祉施設、農家の肥料・飼料価格高騰対策など、千葉県らしい多くの事業が組み立てられ、執行されているところであります。

 千葉県として、この34億円計上されたのが県内消費喚起対策事業です。これは、物価高騰により県内経済に影響が生じていることを踏まえ、事業者の適切な価格転嫁を促すために、県内の消費を喚起するキャッシュレス決済によるポイント還元キャンペーンを実施するものです。前回好評だったこともあり、我が党からも強く要望していたところであります。

 この事業は、還元原資30億円、事務委託料4億円の規模で2月補正で採決され、5月以降の実施と聞いていました。我々には多くの県民から早く実施してほしい、いつなんだとの声が届いており、令和4年に好評だったキャンペーン実績と経験値も生かしながら、速やかな準備と執行を期待しておりました。

 そこで伺います。消費喚起対策事業の実施内容はどうか。また、事業の効果の検証はどのように進めるのか。

 先日、厚生労働省が今年3月の毎月勤労統計調査の結果を公表しました。従業員が5人以上の企業において、基本給や残業代を合わせた現金給与の総額は1人当たり平均で30万9,059円となり、前年同月比で2.3%増加しました。しかし、物価の変動を反映した実質賃金は、物価の上昇が賃金の伸びを上回り、前年同月比1.8%減少しました。大手企業では高水準の賃上げが続いていますが、雇用の7割を占める中小企業の賃上げには、賃上げの原資を確保することが必要です。そのため県では、省力化や業務効率化による生産性向上のための設備投資を行う中小企業に対して補助を行っています。物価高やトランプ政権の関税措置により、県民の生活や経済の先行きに不安が広がっている中、中小企業の稼ぐ力を後押しすることが重要です。

 そこで伺います。中小企業成長促進補助金の実施状況はどうか。

 以上で1回目の質問を終わります。ありがとうございます。(拍手)

○議長(瀧田敏幸君) 阿部俊昭君の質問に対する当局の答弁を求めます。知事熊谷俊人君。

 (知事熊谷俊人君登壇)

○知事(熊谷俊人君) 公明党の阿部俊昭議員の代表質問にお答えをいたします。

 まず、政治姿勢についてお答えをいたします。

 6月補正予算の新規事業についての御質問ですが、今回の6月補正予算は、これまでの施策について、県民や市町村、企業の意見なども踏まえながら、さらに前進させていくとの思いから編成をしたところです。今回の新規事業では、例えばスタートアップ総合支援拠点事業や、千葉の自然を活用した観光地域づくり促進事業などは県内企業や市町村の方々と対話を重ねてきたものであり、また、若者の仲間づくり支援事業は、若手職員によるプロジェクトチームとの議論を踏まえ計上したものです。引き続き、将来の千葉県の発展に向け、社会情勢の変化や多様な県民ニーズに対応した予算編成に努めてまいります。

 新総合計画における施策、取組の検証についての御質問ですが、新たな総合計画の素案では、今年度から4年間を計画期間とする実施計画編において重点的に実施する施策、取組などを整理しており、今後7月頃を目途に具体的な数値目標を設定し、計画原案として公表する予定です。また、施策の実施状況や設定した目標に対する進捗状況などについて、毎年度、県の各担当部局による自己評価を行った上で政策評価に関する有識者懇談会を開催し、評価や分析の内容が適切かどうか検証を行い、評価の客観性、統一性の確保を図ることとしております。評価の過程で把握をした課題は、この計画期間中の施策に速やかに反映させていくことにより、計画を着実に推進してまいりたいと考えています。

 千葉県こども・若者みらいプランについての御質問ですが、本プランは、子供や若者、子育て当事者のライフステージに応じた切れ目のない支援をより総合的に推進できるよう、子供施策の共通の基盤とするため、子ども・子育て支援プランなど県の子供に関する4つの計画を統合、一体化して策定したものです。また、子供、若者が大人や社会の支えを受けながら、仲間と支え合い、個人として尊重される権利の主体として、その可能性を広げていく社会づくりを進めていくため、「みんなで支え合い 全てのこども・若者の可能性を広げる 千葉」を基本理念としております。プランの推進に当たっては市町村の果たす役割も重要であることから、今後、市町村とも連携、協働し、全ての子供、若者が未来に夢や希望を持つことができる社会の実現を目指し、プランに掲げた各種の取組を進めてまいります。

 次に、千葉県の特区制度の現状と見通しについてお答えをいたします。

 国家戦略特区を活用した取組についての御質問ですが、成田空港の拡張事業を契機としたビジネス拠点形成と新事業創出に向け、国家戦略特区を効果的に活用するためには、現場の課題やニーズを把握している市町村や民間企業、関係団体等と緊密に連携をしていくことが重要です。このため県では、これまでも特区区域の千葉県全域への拡大に向けて、既に区域指定を受けている成田市、千葉市と、EU向け水産物輸出手続の迅速化や、AI医学等に通じた医師の育成・確保に向けた共同提案を行うなど、市町村との連携を図ってきたところです。また、本県には成田空港周辺や柏の葉、上総エリアなど先駆的な取組を行っている企業、団体が集積をしていることから、今後も県内各地の企業等のニーズを踏まえた規制緩和を実現し、ビジネスしやすい環境づくりやイノベーションの創出を加速してまいります。

 次に、かずさアカデミアパークの将来像についての御質問にお答えをいたします。

 かずさアカデミアパークは、成田、羽田両空港などへの高いアクセス性と緑豊かな自然環境とが両立をしている本県を代表する産業用地の1つとなっています。また、バイオライフサイエンスの基礎研究分野で世界をリードするかずさDNA研究所では、研究員の増員など体制の強化を行ったことで、産業支援機能はさらに充実をし、研究開発、製造拠点としてのポテンシャルが高まっているものと認識をしています。この強みを生かし、現在、製造業のマザー工場や研究開発施設などを中心に誘致を推進しているところであり、最近では放射性医薬品関連企業からの立地申出があるなど、医薬品分野をはじめ、先端技術を持つ企業からのニーズが高まっております。引き続き、将来的にも本県経済を牽引する地域として、今後成長が見込まれる産業分野を中心に、研究所や先進的な製造施設等の立地をさらに進めてまいります。

 次に、経済の活性化についてお答えいたします。

 若い世代の起業家育成に向けた県の取組についての御質問ですが、新たな産業や雇用を生み出すことが期待される起業、創業を活発にするためには起業家そのものを増やしていくことが重要であり、県では裾野の拡大に向けて、就労前の若い世代を対象に、起業、創業への理解や関心を高めるための起業家育成に取り組んでいます。昨年度は小中学生を対象に、空港の飲食ビジネスを考える体験学習を、また、高校・大学生には地域課題を解決するためのビジネスプラン作成講座を開催し、参加者からは起業の面白さを知ることができた、将来の選択肢として考えるようになったなどの意見がありました。今後は、本事業を通じて起業、創業に関心を持った生徒、学生等が具体的なイメージを持てるよう起業家との交流の場を設けるなど、若い世代の起業家育成の充実・強化に取り組んでまいります。

 次に、社会資本の充実とまちづくりについてお答えをいたします。

 千葉北西連絡道路についての御質問ですが、千葉北西連絡道路は、国道16号などの交通円滑化や県内外の交流、連携を強化し、企業の集積、産業の活性化を図るとともに、災害時における多重性、代替性を確保する重要な道路です。これまでに国や沿線市と連携をし、ポータルサイトの開設や地域の皆様へのニューズレターの配布などにより情報発信をしてきたところであり、現在、柏市役所など11か所で現地に職員を派遣し、パネル展示や地元の意見把握を行うオープンハウスを開催しているほか、企業等へのアンケートを実施しています。引き続き沿線市と連携をし、計画の早期具体化に向け、国に積極的に働きかけるとともに、人口が集中し、渋滞が深刻化している県北西部の道路整備を加速してまいります。

 次に、孤立集落対策についての御質問にお答えをいたします。

 県では、昨年度、千葉県孤立集落対策緊急支援補助金を創設し、令和6年度から8年度までの3年間で市町村が実施する備蓄の強化や避難施設の整備などの孤立集落対策への支援に取り組んでいるところです。令和6年度は孤立する可能性がある集落を多数抱える団体を直接訪問して補助制度の活用を促したところであり、17団体251集落において、水、食料の備蓄や蓄電池、ソーラーパネルの設置のほか、のり面崩落による被害を防止するための擁壁の設置など、対策の強化が図られたところです。引き続き補助制度の活用事例等を広く市町村に共有するとともに、対策を進める上での課題の確認や対策の必要性を直接訴えるため、活用実績の少ない団体等も含め改めて訪問するなど、孤立集落対策の強化に取り組んでまいります。

 次に、共生社会づくりについてお答えいたします。

 日本語の理解が十分でない外国人児童生徒等への支援に関する御質問ですが、言語や文化的背景が多様な外国人児童生徒などが地域社会の一員として日本で生活をし、将来にわたって活躍をしていくことは、本人の自己実現に資するとともに、社会に活力をもたらすものでもあることから、生活上、学習上必要な日本語を習得するための環境整備が重要と認識をしています。そこで県では、外国人児童生徒が学習意欲を向上させ、学校生活に円滑に適応できるよう、県立学校に日本語指導等を行う相談員を派遣するとともに、市町村が実施をする外国人児童生徒への支援に対して助成をするなど、指導体制の充実に取り組んでいます。このほか、義務教育年齢を超過し高校に進学する意欲のある子供を対象に、就学に必要な日本語や教科等を指導する団体への助成も行っており、これらの取組により、引き続き外国人児童生徒等の日本語能力の向上を支援してまいります。

 最後に、物価高騰対策についてお答えをいたします。

 消費喚起対策事業の実施内容と効果検証についての御質問ですが、最近の物価高騰などにより緩やかな回復傾向にあった県内経済にも消費者マインドの下振れなどが生じている中、県内の消費を喚起し、事業者の収益を増加させることで、県内経済全体の底上げを図っていくことが必要です。このため県では、レジャー等で個人消費が活発になる夏休み期間中にキャッシュレス決済を利用すると、その一部がポイントとして還元をされるポイント貯めて夏を満喫!キャッシュレス決済キャンペーンを実施する予定です。具体的には8月1日から2週間程度、対象となる5つのキャッシュレス決済を参加店舗で利用すると、支払い金額の最大10%、各決済当たり3,000円相当までポイントとして還元をされます。本事業では、ポイント還元の原資である30億円を大幅に上回る規模で県内全域の消費が喚起されるものと考えますが、県内経済への波及効果などについては、利用者、参加店舗へのアンケートや利用データを分析するなど、PDCAサイクルに基づき検証を行い、今後の施策に生かしてまいります。

 私からは以上でございます。他の質問につきましては副知事及び担当部局長からお答えをいたします。

○議長(瀧田敏幸君) 副知事高梨みちえ君。

 (説明者高梨みちえ君登壇)

○説明者(高梨みちえ君) 私からは、まず、総合計画における子供・若者施策についての御質問にお答えいたします。

 全ての子供、若者が身体的、精神的、社会的に幸福な生活を送ることができるこどもまんなか社会を実現するためには、子供、若者が夢や希望を持ち、お互いを尊重しながら支え合える社会を構築していくことが重要です。そのため、総合計画の素案では、「こども・若者の可能性を広げる千葉の確立」を基本目標に掲げ、子供、若者の権利尊重と社会参画を促進するとともに、多様なニーズに応じた保育サービス等の充実など安心して子育てできる環境づくりや、若者が交流し、互いに支え合う仲間づくりの促進、ライフデザインの構築への支援などに取り組むことにより、子供・若者施策の充実を図ることとしています。これらの施策の推進に当たっては、子供、若者の意見も聞きながら、それぞれのライフステージに応じて総合的に支援を進め、子供、若者の健やかな成長を支えてまいります。

 次に、道路陥没事故の防止についてお答えいたします。

 下水道特別重点調査についての御質問ですが、県では、国からの実施要請に基づき、管径2メートル以上、かつ平成6年度以前に設置された下水道管路約115キロメートルを対象に、先月から目視やテレビカメラにより管路内の腐食やたるみ、破損の状況を調査しているところです。特に、埼玉県八潮市の道路陥没現場と構造、地盤条件が類似する箇所や、管路の腐食しやすい箇所は優先して夏頃までに、それ以外は年度末までに調査結果を取りまとめる予定です。さらに、調査結果を基に対策の緊急度を判定し、緊急度の高い箇所から路面下の空洞調査を行うとともに、必要な対策工事等を実施し、下水道施設を適切に維持管理していくとともに、道路陥没の発生を未然に防止してまいります。

 空洞の発生しやすい箇所の情報収集についての御質問ですが、道路管理者が空洞調査の実施等により空洞が発生しやすい箇所を把握することは、路面陥没の未然防止を図る上で重要と考えています。そのため県では、県管理道路のうち、緊急輸送道路のほか、上下水道の管路等、地下占用物が多い道路について優先的に空洞調査を実施してきたところです。また、八潮市で発生した事故を受け、県内の各道路管理者と占用者で構成する千葉県地下占用物連絡会議を本年4月に開催し、定期的に相互の点検・調査の計画や結果について共有することとしたところです。引き続き、空洞の発生しやすい箇所の情報収集を進め、占用者と連携して道路陥没の防止に取り組んでまいります。

 次に、社会資本の充実とまちづくりについてお答えいたします。

 都市軸道路利根川渡河橋についての御質問ですが、都市軸道路は埼玉県、千葉県、茨城県を結び、つくばエクスプレスと連動して、未来志向のまちづくりの基盤となる道路であり、このうち未整備区間となっていた利根川渡河橋については、今年度からの新規事業として国に採択されたところです。本渡河橋は、千葉県及び茨城県の取付け部を含め約3キロメートルの長大橋であり、鉄道に近接することなどから、工事着手に当たり技術的課題を的確に把握するため、両県において現地調査や関係者調整を重点的に行っていくこととしています。引き続き、事業が着実に進むよう、茨城県と連携しながら積極的に取り組んでまいります。

 次に、薬剤師修学資金制度の創設についての御質問にお答えいたします。

 薬剤師の就業状況については、国が公表した薬剤師の業務量の需要と供給の状況を示す薬剤師偏在指標では1.0が充足の目安とされており、本県の薬局薬剤師は1.07である一方、病院薬剤師は0.78と業態間で偏在が生じている状況です。こうした偏在を改善するため、県では県病院薬剤師会と連携し、薬学生等を対象とした病院薬剤師の魅力を伝える職場体験やセミナーを開催するほか、離職された方に対する復職支援プログラムを実施するなど、病院薬剤師の確保について多面的に取り組んでいるところです。今後とも、修学資金貸与事業を含め、国や他県の動きを注視するとともに、県内の薬剤師の就労状況を把握するなど、地域の実情に応じた病院薬剤師確保の検討を進めてまいります。

 次に、バリアフリー、ユニバーサルデザインについてお答えいたします。

 ちばバリアフリーマップの運用状況についての御質問ですが、ちばバリアフリーマップは障害のある方、高齢者、妊産婦、乳幼児連れの方などが安心して外出できるよう、県内の公共的施設、福祉施設、商業施設などのバリアフリー情報を登録、更新及び提供できるシステムであり、平成16年4月から千葉県ホームページに掲載しています。令和7年3月末時点で2,147施設を掲載し、令和6年度は69施設を新たに追加したほか、132施設の情報を更新しており、障害者等の利用に配慮した駐車スペースやトイレの設置状況などの情報の充実を図っています。今後とも、千葉県在住・在勤の方をはじめ、千葉県を訪れる多くの方々に利用していただけるよう、ちばバリアフリーマップの充実に努めてまいります。

 ちば障害者等用駐車区画利用証制度についての御質問ですが、本制度は、障害のある方や妊産婦など移動の際に配慮が必要な方のための障害者等用駐車区画について、利用証を交付し必要な方が利用しやすくする制度で、令和3年から導入し、令和7年3月末時点の利用証の発行総数は延べ4万5,878件となっています。内部障害など外見からは歩行が困難であることが分かりにくい方や車椅子を利用している方などから、利便性の高い障害者等用駐車区画を利用しやすくなったなどの御意見をいただいております。一方、障害者等用駐車区画の不適切な利用により、必要としている方が駐車できないといった課題があることから、県民への制度の周知を推進していく必要があると認識しており、商業施設の駐車場管理者等の協力を得ながら、ポスターの掲示やチラシの配布を行うとともに、県ホームページへの掲載による啓発を行っているところです。

 次に、県における訴訟対応についてお答えいたします。

 多様化する訴訟リスクへの対応に関する御質問ですが、県が当事者となる訴訟については、社会情勢の変化に対応した新たな法令の制定等に伴い、その対象となる範囲も多様化してきています。このため県としては、訴訟等の法的リスクの高い事案については担当課と政策法務課が情報を共有しつつ、必要に応じて当該事案に精通した弁護士と連携し、早い段階で対処方針を協議しています。また、日頃から法的な視点を踏まえて業務遂行ができるよう、レベル別の政策法務研修などを広く職員向けに実施することで訴訟リスクの多様化に対応しているところです。

 職員の訴訟対応能力の向上に関する御質問ですが、県に対する訴訟への対応を適切に行うためには、訴訟対応を委託する弁護士のみならず、担当する県職員が一定の法的知識や訴訟対応の実務能力を備えていることが重要であると認識しています。このため県では、政策法務課の担当職員が訴訟実務研修に参加する機会を確保するとともに、訴訟案件への一連の対応を通じて実務経験を蓄積できるよう努めているところです。さらに、許認可等をめぐり、訴訟や審査請求の対応が多い部門では、関係法令の理解を深める研修を独自に実施しているところであり、今後もこれらの取組を通じて職員の訴訟対応力の向上を図ってまいります。

 次に、皆で支え合う千葉県民の風土づくりについてお答えいたします。

 ボランティア活動への参加を促進することの意義についての御質問ですが、少子高齢化の急速な進行や価値観の多様化などにより地域コミュニティーの機能低下が進む中、各地域では福祉や防災、子育てなどの様々な分野で、複雑かつ多岐にわたる課題が山積しています。こうした中、地域課題を解決し、地域の活力を維持・向上させていくためには、地域の現状に関心を持ち、自発的な社会貢献活動をするボランティアの役割がますます重要となっています。このため県では、ボランティア活動への参加を促進するため、ちばボランティアナビの運営や体験会の開催等に取り組んでいるところです。こうした取組により、多くの県民がボランティア活動をすることで、互いに支え合い、共に課題を解決していく地域社会の実現につながるものと考えています。

 最後に、ちばボランティアナビの成果と課題、普及状況についての御質問ですが、ちばボランティアナビは、登録者数が令和6年度に倍増し2,600名を超え、登録団体数も令和4年度の約3倍の170団体を超えるなど急激に増加しており、このサイトを通じたマッチングによりボランティア活動へ参加した方も延べ2,000名以上となっています。このうち登録者の年齢構成を見ると、10代、20代が約5割を占める一方、30代や40代はそれぞれ1割程度であり、世代によって大きな差が生じています。このため、今年度は新たに登録の少ない世代にも気軽に参加できるボランティア情報等が届くよう、フェイスブックでインターネット広告を実施するなど、世代に応じた媒体によりサイトの周知を図ることとしています。今後も、誰もが気軽にボランティア活動に参加できるよう、ちばボランティアナビの情報の充実や周知に取り組んでまいります。

 私からは以上でございます。

○議長(瀧田敏幸君) 副知事黒野嘉之君。

 (説明者黒野嘉之君登壇)

○説明者(黒野嘉之君) 私からは、まず、かずさアカデミアパークにおける活用されていない区画の解消への取組についての御質問についてお答えいたします。

 かずさアカデミアパークでは、平成23年度に策定した事業方針に基づき、研究開発機能と生産機能を併せ持つ工場を中心に、幅広い産業分野の誘致を推進するとともに、地域の企業との連携強化など立地環境の改善に取り組んできたところです。その結果、民間研究所等を誘致するための35区画中、平成23年度末において20区画の立地決定にとどまっていたものが、令和6年度末現在においては31区画の立地が決定するまでになりました。現在、未立地の4区画のうち3区画では既に具体的な申出があり実現に向けた協議を行っているほか、残る1区画につきましても、幅広く誘致を進めているところです。また、分譲済みではあるものの未利用となっている6区画の活用に向けましては、パーク全体の活性化に資する土地活用の方策となるよう、所有企業と継続的な協議を行っております。引き続き企業誘致が進展するよう取り組んでまいります。

 次に、中小企業の事業承継の支援に関する御質問ですが、中小企業が持つ様々な技術やノウハウ、顧客情報などの経営資源を次世代経営者が承継し企業活動を維持拡大することは、地域経済の活性化を図る上で大変重要です。しかし、中小企業では日々の業務に追われ、事業承継の対応が遅れているケースが多く見られるところです。そこで、県独自の取組としまして、これまでに延べ約4万件のプッシュ型の企業訪問を行い、事業承継の気づきや助言を行うとともに、その後のフォローアップにしっかりと対応するため、地域相談会を担当する専門員を増員するなど、支援体制の強化に取り組んでまいりました。これらの相談体制の充実等により本県の後継者不在率は過去最少となりましたが、経営者の高齢化は今後も進むと予測されることから、国や商工団体等と連携しながら、事業承継のニーズの掘り起こしを強化し、さらなる支援につなげてまいります。

 次に、公労使会議を活用した中小企業の賃上げについての御質問ですが、中小企業において持続的に賃上げが行われるためには、適切な価格転嫁や生産性の向上により、賃上げの原資が確保される環境をつくっていくことが必要です。このため、本年1月にちばの魅力ある職場づくり公労使会議を開催し、持続的な賃上げの実現に向けた重点取組方針を定め、国や労使団体等の構成団体が連携、協力して取り組んでいくこととしたところです。この方針におきましては、適切な価格転嫁や取引の適正化を目指すパートナーシップ構築宣言を行う県内企業数を令和7年中に3,000社とすることなどを目標としており、県では、職員が企業や関係団体の会合に直接訪問し、宣言を呼びかけるとともに、価格転嫁の働きかけを行っているところです。今後も、公労使会議などを通じ、国や労使団体等と連携しながら、中小企業が賃上げしやすい環境づくりに取り組んでまいります。

 次に、つくばエクスプレスの東京駅延伸についての御質問ですが、つくばエクスプレスの東京駅延伸は、流山市や柏市から東京駅まで直結するものであり、都心部とのアクセス利便性の向上や、県北西部の発展につながる事業と認識しております。一方で、交通政策審議会の答申では、高度に土地利用が進んだ都心での事業となることから、導入空間に係る事業費等を踏まえながら事業計画を検討すべきとされており、こうした技術面やコスト面などの課題に対応する必要があります。このため県としては、このような課題を鉄道事業者や沿線自治体等で十分に検討することが必要と考えており、引き続き関係者と連携し対応してまいります。

 次に、県立農業大学校の果たす役割についての御質問ですが、農業大学校は本県農業の担い手育成における中核的機関として実践的な教育を行うことにより、優れた農業の担い手と指導者の育成に取り組んでいるところです。学生は、座学や実習により農業に関する知識を幅広く習得するほか、環境に配慮した農業などに取り組む課題解決型学習や、ビジネス感覚を養う千葉農大商店模擬会社の取組などにより、実践的な農業を学ぶことができます。これらの取組を通じて、卒業生の多くが就農して地域農業のリーダーとして活躍するほか、農業関連企業や農協の職員、農業普及指導員等として活躍するなど、本県農業の発展に大きく寄与しております。

 次に、農業大学校における担い手確保の取組についての御質問ですが、農業大学校においては、次世代の担い手を確保していくため様々な取組を通じて農業大学校の魅力を伝えるとともに、教育環境を整えることにより、多くの方々に入学してもらうことが必要です。そこで、高校生などを対象としたオープンキャンパスを実施するとともに、農業大学校で開発した技術などを紹介する出前授業や、入学後の様子をイメージしてもらうためのSNSを活用した情報発信などの取組を行っているところです。さらに、時代に即した教育環境を提供するため、スマート農業施設や食品加工実験室などの整備に加え、学生寮の大規模改修なども進めることにより、農業大学校の機能や魅力をさらに向上させながら、本県農業の担い手確保につなげてまいります。

 最後に、中小企業成長促進補助金の実施状況についての御質問ですが、県では、これまでDXによる省力化、業務効率化や新事業展開、新商品開発など、中小企業等の生産性向上を図るため、設備投資に対する補助を行ってきたところです。今後、県経済が発展し続けるためには、地域経済や雇用を支える企業をさらに育成していくことが必要であることから、意欲的な事業者が積極的かつ迅速な設備投資を行うことができるよう、補助上限額の引上げや申請の受付を年度当初から開始するなどの見直しを行ったところです。その結果、建設業、製造業、小売業など幅広い業種の事業者から約450件を超える設備投資に関わる申請をいただいたところです。現在、交付決定に向けて設備等の導入により期待される効果などについて、専門家による事業計画書等の審査を実施しているところであり、引き続き事業者が早期に事業に着手できるよう、迅速な交付手続に努めてまいります。

 私からは以上でございます。

○議長(瀧田敏幸君) 教育長杉野可愛君。

 (説明者杉野可愛君登壇)

○説明者(杉野可愛君) まず、共生社会づくりについてお答えします。

 外国籍の不就学児童生徒の実態把握等についての御質問ですが、県内に在住する外国籍の子供たちに就学の機会を提供することは大変重要と考えており、その就学状況については、文部科学省が実施している全国調査により把握しているところです。市町村教育委員会においては、外国籍の子供の就学促進や就学状況の把握などに関する国の指針に基づき、保護者への情報提供や個別相談などに取り組んでいますが、県教育委員会でもホームページに19言語による就学案内を掲載し、市町村の相談窓口や必要な手続などを紹介しています。引き続き、市町村教育委員会に対し、会議等を通じて国の指針の徹底を図るとともに、市町村の取組で優れたものを好事例として共有するなど、就学に係る支援体制が充実されるよう努めてまいります。

 次に、千葉の未来を創る「人」の育成についてお答えします。

 初めに、県の教育振興に関する御質問ですが、デジタル化の進展や少子化の進行など、社会環境が大きく変化する中で、子供たち一人一人の豊かな人生と持続可能な地域社会の実現に向けて、教育の果たす役割は極めて重要です。このため、不登校など多様な教育ニーズに応える教育環境や、教員の働きがいと働きやすさを両立させる職場環境の整備など、教育の土台づくりを進めるとともに、質の高い学びにより未来を切り開く人の育成を進めていくことが必要と考えています。具体的には、福祉と学校の連携等により、困難を抱えた子供が安心して学べる環境をつくっていくことや、優れた教員の採用、育成、働き方改革を進めるとともに、県立学校の施設、設備の整備や職業系専門学科の魅力向上などに、様々な関係者と一丸となってチームとして取り組んでまいります。

 次に、キャリア教育についての御質問ですが、高校生が学びと自己の将来のつながりを見据え、社会的、職業的に自立するための能力を身につけるために、キャリア教育は大変重要です。県教育委員会では、高校生が自己理解を深め、職業意識の醸成を図るため、キャリアプランニングの考え方を学ぶ授業のほか、県内のものづくり企業や起業家などの講演会を実施しており、生徒からは、将来に向けて様々なことにチャレンジしたいなどの声がありました。さらに、今年度はキャリア教育推進室を新設し、関連する取組を集約するとともに、窓口を一本化したところです。今後、当室を中心に県内企業や関係団体等の情報を積極的に集め、より多くの生徒や教員に提供し、企業等との接触機会を増やすなど、キャリア教育の充実に努めてまいります。

 次に、職業系専門学科の活性化についての御質問ですが、県教育委員会では、本年5月に公表した第2次実施プログラム案において、地域産業の人材育成を担う職業系専門学科のさらなる魅力化を図るため、今後の方向性や新たな取組を示したところです。具体的には、工業系高校において、学校と地元企業が連携してものづくりの担い手を育成するデュアルシステムを取り入れるほか、2校で学科の再構成を図ることとしました。また、水産系高校3校について、それぞれの地域の特性を踏まえた学びの特色化を図るとともに、遠隔地からの生徒受入れ体制の検討も進めます。今後、パブリックコメントや関係団体からの意見聴取などを行い当該プログラムを決定する予定であり、こうした取組等により職業系専門学科の魅力化を図ることで、その活性化につなげてまいります。

 最後に、県立高校の地域学校協働活動についての御質問ですが、住民や団体等の幅広い参画を得て、地域と学校が相互に連携、協働して子供たちの学びや成長を支ながら、学校を核とした地域づくりを目指す地域学校協働活動は重要な取組であると認識しています。具体的には、生徒が地元の祭りの運営補助や、防災林を整備するボランティア活動へ参加する取組などを行っており、こうした活動により関係者との交流も深まり、地域への愛着や自己肯定感の高まりにつながるなどの効果が期待されます。県教育委員会では、引き続き地域と学校を結ぶコーディネーターを育成する研修の実施や、校長経験者などの知見を有するアドバイザーを派遣して人材育成や運営支援を行うなど、各学校と地域が連携して協働活動を実施できるよう支援してまいります。

 以上でございます。

○議長(瀧田敏幸君) 警察本部長青山彩子君。

 (説明者青山彩子君登壇)

○説明者(青山彩子君) 私からは自転車の安全利用に係る広報啓発についてお答えいたします。

 自転車の安全利用の促進を図り交通事故を防止するためには、全ての自転車利用者に対する交通ルールの周知が重要であると考えております。県警では、来年4月1日の施行が予定されている交通反則通告制度、いわゆる青切符の導入に向けて、関係機関・団体等と連携し、自転車の交通ルールの周知に向けた広報啓発活動や交通安全教育に取り組んでおり、令和7年度当初予算において、自転車の交通ルールに関する動画やポスター等を作成するための予算を計上したところです。特に、中学生、高校生に対しては学校とも連携し、16歳以上は青切符の対象となることの周知も含めて交通安全教育を推進するなど、自転車の安全利用の促進に向けた取組を推進してまいります。

 以上でございます。

○議長(瀧田敏幸君) 阿部俊昭君。

○阿部俊昭君 知事はじめ副知事、そして教育長、県警本部長、御答弁ありがとうございました。再質問と要望を行います。

 初めに、順序が異なりますけれども物価高騰対策ですが、知事のほうからキャッシュレス決済、いよいよ8月1日と示されました。本当にありがとうございます。県民の皆さんが大変喜んでいると思います。2週間くらいの予定であるようでございますけれども、結構人気がありますので、短期間で終わる可能性もありますので、ぜひ県民の皆さんは早めに御利用いただければいいんじゃないかなと思います。

 私のほうからは、まず補正予算でございますけれども、多くの新規事業の中で、若者の仲間づくり支援事業の背景に、若手職員のプロジェクトチームの議論があったということは非常に私はうれしいことだなと誇りを感じます。何としてもこれは成功させてほしいなと思いますので、よろしくお願いします。

 また、新規事業の1つに、昨日菊岡議員の質問にもありましたが、私どもも提案しておりましたペロブスカイト太陽電池の事業です。大学や企業で研究が進んでおりますが、千葉・茂原地域で採掘されるヨウ素の役割が非常に大きいと思います。圏央道も整備され、次世代型太陽電池の研究を進める上で、企業の誘致検討をぜひ要望します。茂原市の地域が、また夢が広がるのではないかなと思っております。

 再質問です。国の減税政策の議論が今進んでおりますが、評価しております。一方で、地方税収の減少は、住民サービスとかインフラ整備などへの影響は避けられないという声が上がっております。新総合計画に記載されている施策を進めていくためには、今後さらに新規事業が打ち出されていく必要があります。県は今まで以上に自主財源の確保が求められると思います。

 そこで伺います。新規事業を着実に推進する財源を確保するために、私は何度も言ってきましたが、ネーミングライツとか県有資産を活用した自主財源の確保にこれまで以上に積極的に取り組むべきと思うが、どうか。

 また、新総合計画について、7月頃を目途に具体的な数値目標を設定、公表するとのことですけれども、前回の総合計画作成において、SDGsの理念や目標をきちんと反映させるべきと、会派からの声が形となりました。ぜひ2030年もいよいよ近づいてきておりますので、この2030年の目標であり、さらに未来へのステップとして、SDGsの意識をさらに形にしてほしいなと思います。

 経済活性化ですが、これは若い世代の起業家育成に非常に期待できます。昨年度も夏休みに企画して成功しておりますので、今年度も早めに企画の開催日程、もう来月は夏休みですので、早めに開催日程を示してほしいと思います。

 再質問です。路面下の空洞調査です。緊急度に応じて路面下空洞調査を行うとしておりますけれども、そこでどうしても取り上げたいこと、私もずっと訴えてきたものでございますけれども、現在、車両を走らせながら、いろんなマイクロ波を使って地中の空洞を調査する技術も様々な会社が開発しております。最先端の技術を有する会社が選定される仕組みは極めて重要だと思います。コンペとかを定期的に開催することで、技術力のある会社を比較検討できると思うんです。ぜひ選定方法の見直しを図っていただきますよう要望しておりました。

 関東近県では、このコンペ方式を採用していないのは千葉県だけのようでございますので伺います。下水道管路に起因する空洞調査では、ぜひコンペ方式などにより技術力のある業者を選定すべきと思うが、どうか。

 社会資本の充実とまちづくりです。先ほど祝詞のところでちょっと大きな間違いがあったようなので訂正いたします。国交大臣への要望活動のところ、齋藤健衆議院議員と平木大作参議院議員でございました。訂正いたします、すみません。

 渡河橋の事業化は、千葉県と茨城県の連携強化が大きな力となりました。TX東京駅延伸についても、ぜひ千葉県が、つくばエクスプレスと都心部・臨海地域地下鉄の接続事業化促進期成同盟会ができ上がりましたので、参加することが大きな力になると思いますので、よろしくお願いいたします。

 あと、バリアフリーマップについては、新しい情報の下でいよいよ更新されていること、敬意を表します。千葉出身の遠位型ミオパチーの診断を受けながら、車椅子でも諦めない世界をつくろうとする、ウィーログ代表の織田友理子さんという方がおります。実際に車椅子で全国各地を歩きながら、世界一温かい地図、ウィーログをつくろうと動いている方でございます。ぜひこうした方々との交流も通して、千葉のバリアフリーマップの充実をさらに進めてほしいと思います。

 パーキングパーミット制度ですが、課題認識どおり、県民へのさらなる周知の必要性を感じます。商業施設では、館内放送や駐車場付近に2種の千葉県が発行している利用証の提示をしているところもございます。こうした協力をさらにお願いしてほしいと思います。

 再質問ですが、昨年9月、赤間県議が期間限定のだいだい色のカードは、妊産婦の方にとって妊娠7か月から申請可能になるわけですけれども、出産予定日から1年までとなっています。この妊産婦の有効期間の延長とか、多胎児の配慮も質問したところ、市町村の意見を聴取するということでございましたけれども、そこで伺います。利用証の交付対象である妊産婦のうち、多胎妊産婦についての有効期間の緩和が必要を考えるが、どうか。

 次に、ちばボランティアナビの事業の活性化についてです。支え合うこの事業は、千葉県民の風土を大きくまた変えていく、貢献していくものと思います。住民同士が支え合う共助の力が求められるこの時代にあって、ちばボランティアナビは重要と考えますので、ぜひ力強く進めていただければと思います。

 あと、千葉の未来を創る「人」の育成についてですが、杉野教育長が具体的な改革として働き方改革推進、また教員の処遇改善とか、また教育環境の整備を挙げられました。これらの取組は、関係者の方々が一丸となって取り組むと語られました。チームとして頑張ると語られました。トミザワ教育長の思いも継承しての活動、取組だと思いますので、ぜひ千葉県の、前教育長の思いも継承したと思いますけれども、杉野教育長の下、千葉県の未来を創る「人」の育成も大きく進むと思いますので、チーム県教委の雰囲気、姿が、チーム市町村教委、チーム学校にもまた広がっていくことを期待したいと思います。

 高校無償化の動きを背景に、公立高校の役割と、魅力ある高校へ大きく変換する時を迎えていると思います。県立高校の強化、魅力発信として、キャリア教育の充実、職業系専門学科、地域学校協働活動の紹介をしていただきましたけれども、そこに貫かれた高校生の持つ他者に尽くす、人に、また地域に役立つ体験が生きる力になっていくのではないでしょうか。ちばボランティアナビと教育をつなげていくことも、新たな展開を期待できると思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。

 以上で2回目の質問を終わります。

○議長(瀧田敏幸君) 総務部長前田敏也君。

○説明者(前田敏也君) 県有資産を活用した自主財源の確保についての御質問でございますが、現行の県の行財政改革計画に自主財源の確保として目標額18億円を掲げてございまして、令和4年度から6年度の3年間で、未利用県有地の処分や貸付け、「県民だより」等への広告掲載、ネーミングライツの実施などに取り組んできた結果、目標を上回る約30億円の自主財源を確保できる見通しでございます。現在改定作業を進めている行財政改革計画におきましても、自主財源の確保を取組の1つとして掲げ、着実に推進してまいります。

 以上でございます。

○議長(瀧田敏幸君) 都市整備局長横土俊之君。

○説明者(横土俊之君) 下水道管路に起因する空洞調査についての御質問ですけれども、国土交通省では、埼玉県八潮市の道路陥没事故を受けて設置した対策検討委員会において、再発防止に向けて点検、調査の頻度や方法等の検討を進めており、夏頃に検討結果を取りまとめる予定と聞いております。その検討結果も踏まえ、下水道管理者において空洞調査を実施する場合は、技術力を評価する発注方式を採用することについて検討してまいります。

○議長(瀧田敏幸君) 健康福祉部長岡田慎太郎君。

○説明者(岡田慎太郎君) 多胎妊産婦に係るちば障害者等用駐車区画利用証の有効期間についての御質問でございます。

 本県では、妊産婦に対する利用証の出産後の有効期間は、多胎妊産婦も含め1年間としています。一方で、多胎妊産婦の有効期間を別に設定している自治体は23府県ありまして、このうち16府県で有効期間を3年間としております。県としては、多胎児用ベビーカーは重量や規格が大きいなど養育者への負担が大きいことや、全国の実施状況を踏まえて多胎妊産婦の有効期間を3年間に延長することとしまして、7月からの実施に向けて調整を進めているところでございます。

 以上でございます。

○議長(瀧田敏幸君) 阿部俊昭君。

○阿部俊昭君 3年間の延長ありがとうございます。7月からということでよろしくお願いいたします。

 先ほど教育長、冨塚教育長の思いを継承してということで訂正いたします。すみません。

 あと、先ほど自主財源の確保については改定作業を進めている行財政改革計画に示していくということで伺っておりますので、ぜひこれをお願いして代表質問を終わります。ありがとうございました。

○議長(瀧田敏幸君) 暫時休憩します。

 午前11時40分休憩

        

 午後1時開議

○副議長(實川 隆君) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 引き続き質疑並びに一般質問を行います。通告順により水野友貴君。

 (水野友貴君登壇、拍手)

○水野友貴君 我孫子市選出、千葉新政策議員団の水野友貴でございます。会派を代表し、代表質問を行ってまいります。執行部におかれましては、現在県が抱える課題をどのように解決をし発展につなげていくか、一歩でも前進するような前向きな答弁を期待し、早速質問に移らせていただきます。

 まず初めに、知事の政策方針の1点目として、市町村連携について質問いたします。

 熊谷知事は、基礎自治体の首長の経験を生かし、現場主義と対話による市町村との連携に必要性と重要性を訴え、1期目就任後、県内54市町村に自ら出向き、地域の課題やニーズの把握に努められました。平時から連携関係を構築してきた結果、例えば、災害時における被災市町村に対する的確な支援の実現や、鳥インフルエンザや豚熱発生時における迅速な防疫措置につながったと考えております。そこで、2期目においても市町村との対話を継続し、関係を深めていただきたいという視点で伺います。

 市町村との連携強化をさらに図るため、どのような取組を行うのか。

 次に、新たな総合計画のうち、人口減少対策について質問いたします。

 社人研が公表した地域別将来推計人口によると、2020年に628万4,000人であった本県の人口は、2035年には約20万人減少し607万6,000人へ、2050年には569万人へと30年間で9割程度まで減少する見込みとなっており、既に2021年時点で社会増による人口増加を自然減による人口減少が上回る総人口減少時代に突入しております。こうした背景を基に、県では新たな総合計画の素案における基本構想の6つのチャレンジの中に人口減少社会を盛り込むこととしております。

 そこで伺います。人口減少対策について、新たな総合計画ではどのように取り組むこととしているのか。

 次に、知事部局の人事異動について質問をいたします。

 少子高齢化社会の到来、地方分権の進展に伴う地方自治体の自主性、自立性の確立の必要性に伴い、行政ニーズが多様化し、各自治体は問題解決能力や政策立案力が問われています。こうした背景からも、適材適所を原則として、様々な立場や価値観、新しいアイデアを有する職員を最適な部署や職務に配置することで、業務効率の向上や組織全体のパフォーマンス向上を図っていくことが重要です。また、今年度の全国の地方公共団体の人事異動では、多くの自治体が女性職員の職域拡大と主要ポストへの起用を進めていることなどが報道されました。

 そこで、千葉県の今回の人事異動について伺います。知事再選後、人事異動が行われたが、知事はどのような考えの下、人事を行ったのか。また、今回の人事異動に伴い、知事部局等における女性幹部職員は、部長級が5名、次長級が7名、課長級43名と総数が55名となったが、この人事異動によりどういった効果を期待するのか。

 次に、行政改革のうち、我が会派が積極的に取り組んでいるハラスメント問題について伺います。

 令和5年9月の我が会派の代表質問で、職員へのハラスメントに関するアンケートの実施の必要性を要望した結果、県は我が会派の提案を受け、知事部局職員約1万人を対象に2年連続でアンケートを実施し、その内容も公表し、職場におけるハラスメントの実態の把握に努めるとともに、ハラスメントに対する意識向上や防止対策の取組を強化しております。1回目のアンケートでは、回答した職員は約3,300名にとどまっていること、また、アンケートが職員間のみにおけるハラスメントになっていることから、職員以外からのハラスメントについても自由記述できるようにするなど、幅広いハラスメント調査を提案させていただいたところです。

 そこで、一昨年と比較し、昨年度はどのような改善が行われたのか、その内容と実績、対策について伺います。

 1点目、昨年度、県が実施した職員向けハラスメントアンケートについて、多くの職員の回答を得られるように、どのような工夫を行い、どのような結果となったのか。また、昨年度設置した職員よろず相談窓口も含め、ハラスメントの相談実績はどうか。

 2点目として、県としてはハラスメントアンケートの結果をどのように分析をし、今後のハラスメント対策に生かしていくのか。

 次に、本県におけるアナログ規制の見直しについて伺います。

 行政のアナログ規制とは、書面での提示や掲示、人が現場に赴いて確認する目視などを前提とし、費用や時間を浪費する要因となっている規制のことです。行政の業務効率の改善とデジタル化の加速につなげるため、政府は1億円の予算をつけ、その撤廃を支援しています。中央省庁は24年12月時点で、例えば行政手続の際にフロッピーディスクの使用を求める規定を全廃するなど、見直しが必要な8,200の規制のうち97%に当たる7,940の見直しを終えたとのことです。対して、地方にはなおアナログ規制が多く残るとのことで、デジタル庁の調査によると、24年4月末時点で都道府県、市町村の約1,800自治体のうち、点検、見直しを実施中と答えたのは11%にとどまり、未定と回答した自治体も41%あったとのことです。

 そこで、本県の状況を伺います。本県におけるアナログ規制見直しの進捗状況はどうか。また、今後どのように取り組んでいくのか。

 次に、防災・減災対策について。

 1点目に、災害時におけるグループホーム等の支援について伺います。

 千葉県には、県内12か所にグループホーム等支援ワーカーが配置をされており、昨年は12か所の支援ワーカーと県職員が利用者を地震発災時から3分、3時間、3日間をどのように支援するかのワークショップを行ったとのことです。南海トラフ地震では、館山に1メートルの津波が到達するのに最速で30分との見解が示されており、安房圏域、長生夷隅圏域、海匝圏域など、沿岸部に位置するグループホームでは津波警報が発令されてから障害のある利用者をスムーズに安全に避難させるためには、自治体や関係機関との連携が不可欠です。2019年10月の台風21号では、一宮川やその支流が氾濫し、障害者グループホームも複数被害を受けています。

 そこで伺います。社会福祉施設等が沿岸部に多数立地しており、津波被害が想定されるが、障害者等が安全に避難できるよう県はどのように施設等を支援していくのか。

 防災・減災対策の2番目に、マンション防災について伺います。

 マンションにはマンション特有の防災が必要です。2024年末時点でマンションストック戸数が最も多い都道府県は東京都の202万8,463戸で、千葉県は46万3,962戸と全国6位。全国の世帯数に占める分譲マンション戸数の割合を示すマンション化率については、東京都が1位で28.29%、千葉県は15.74%となっております。全国的な人口減少の中であっても、核家族化やライフスタイルの変化等に伴い世帯数は増え、地方都市においてもマンションの需要は高まっています。

 一方で、国土交通省住宅局が実施をした令和5年度マンション総合調査では、大規模災害への対応として「定期的に防災訓練を実施している」が39.8%にとどまっています。マンションが多い自治体では、マンション防災に関するセミナーの開催やパンフレットの作成、防災力向上マンション認定制度の創設など、マンション防災への取組を強化しております。

 そこで伺います。県は、マンション防災についてどのように取り組んでいくのか。

 次に、米国トランプ政権による相互関税による県内経済への影響と対策について伺います。

 トランプ大統領は、本年4月2日を解放の日として貿易相手国に相互関税を課すとし、我が国には24%課すとしました。その後、4月9日には90日間の猶予期間を設けると発表し、その間に各国と個別に交渉を行うこととしております。我が国政府の外交交渉に期待をするものではありますが、既に発動されている鉄鋼、アルミニウム及び自動車への関税の影響も含め、本県経済及び県内企業に与える影響が心配されます。

 そこで伺います。米国の関税措置の影響が懸念される中小企業の支援にどのように取り組むのか。

 次に、地域経済活性化についてです。

 2024年に千葉県内に転入した企業数から転出した企業数を差し引いた転入超過は67社で、都道府県別で全国1位となったことが帝国データバンク千葉支店の調査で分かりました。転入は186社、転出は119社で、転入超過は7年連続となり、さらに今年度も立地企業補助金の要綱を大幅改正して、さらなる誘致を目指す姿勢と実績は高く評価できます。しかし、立地企業補助金の対象は、原則製造業の工場や研究所などの施設に絞られています。我が会派といたしましては、誘致をする対象として特定の施設のみに限定するのではなく、どれだけ県に好影響があるか、雇用創出人数や投資金額、税収増加見込み額なども勘案して弾力的に対応することも必要だと考えます。大学などの学校法人の転入や、本県君津市へのロッテファーム本拠地移転のようなプロスポーツ施設も今後の千葉県の発展には欠かせません。

 そこで伺います。大学などの学校法人やプロスポーツチーム等の誘致について、どのように考えているのか。

 次に、医療・福祉問題について。

 初めに、小児科医不足についてです。

 小児医療提供体制については我が会派が継続して取り上げている課題であり、特に子育て世帯が多い東葛北部・南部医療圏においては、小児医療に対する高い需要が続いている一方で、小児科医が相対的に少ない医療圏として位置づけられており、市町村が小児科医の確保に苦慮しているというのが実態です。地域に密着した小児1次医療は、小児科医の高齢化や小児科医不足による診療所の減少、窓口の縮小などを背景に、診療だけでなく、学校医や保健医の確保も困難な状況にあり、これまで予算要望や代表質問の機会を捉えて小児科医確保に向けた支援策を要望してまいりました。

 そこで、県は令和7年度当初予算において、千葉県相対的医師少数区域における小児科医確保緊急支援事業を展開することといたしましたが、対象施設は小児の2次または3次救急を担う医療機関、周産期母子医療センターに限定されています。昨年6月議会の代表質問において、小児1次医療体制を支援する事業として神奈川県が実施をしている既存病院が診療科目に新たに小児科を新規開設することに要する費用や、自治体が実施する小児医療体制整備事業への補助事業を紹介いたしました。全国的に見ても、千葉県の小児科医が相対的に少ない中で、医師の働き方改革が拍車をかけ、市町村独自で小児科医を確保していくには限界があるのが実態です。1次医療についても政策を講じる必要性があることから、質問をいたします。

 地域における小児医療提供体制を確保するため、小児の外来診療を行う診療所や病院に対して支援を行うべきと考えるが、どうか。

 次に、保育料についてです。

 保育料は市区町村民税所得割額で算定されており、市区町村の政策によっては金額に差が出ているのが実態です。例えば、市町村民税所得割額が県内平均11万4,356円で計算した場合、第1子の保育料が最も高い市では4万3,000円である一方、勝浦市、銚子市、神崎町は第1子から無償化とするなど、同じ千葉県に住んでいても市町村によって保育料が異なります。3歳以降児は国による幼児教育・保育無償化により無料となっている中、東京都が今年度中にゼロから2歳児でも所得制限なく第1子から無償化を実施する方針を打ち出しました。東京都は、他県とは桁が異なる豊かな財政を武器に、本来国が行うべき支援を先行して実施していることによって、全ての子供に公平であるべき政策が自治体によって異なる状況になってしまっていることは、大きな問題であると捉えています。

 そこで伺います。東京都の保育料無償化の取組に対し、県としての認識はどうか。また、今後どのように対応するのか。

 次に、訪問介護についてです。

 厚生労働省は、本年2月5日付で訪問介護等サービス提供体制確保支援事業実施要綱を定め、全国の都道府県及び市町村に対し、訪問介護事業所等への支援に積極的に取り組むよう通知を発出いたしました。この通知では、人材不足が深刻化する訪問介護サービスに対し、様々な支援メニューが示されております。こうした国の通知を受け、全国の各自治体においては地域の実情に応じた対応を検討し、近隣県でも既に実施しているところもあると承知をしております。千葉県内においても、特に訪問介護分野は人材不足が深刻であり、事業所の運営継続に不安を抱える声も少なくなく、喫緊の課題であると考えます。

 そこで、2点伺います。

 1点目、県内の訪問介護事業所の現状や課題について、県はどのように認識をしているのか。

 2点目として、県として訪問介護等サービス提供体制確保支援事業に関する国の通知をどのように受け止めているのか。また、本事業を活用して訪問介護事業所の支援に取り組むべきだと思うが、どうか。

 次に、文化芸術の振興についてです。

 千葉県には、博物館や美術館などの文化施設が県内各地に点在しておりますが、総合博物館である県立中央博物館や県立美術館といった県の主要施設が千葉市に集積していることから、距離的に千葉市に遠い地域に住む県民にとってはなじみが薄く、それらの存在すら知らない県民もいます。中央博物館の来館者数も昨年度は10万人程度と低迷が続き、入り口である広報に課題があると感じました。実際に県立中央博物館に視察をいたしましたが、現在は民俗学の父と言われる柳田國男のトピックス展が開催されておりました。柳田國男は我孫子市布佐に在住していた時期もあり、私たち我孫子市民にとってゆかりのある人物です。しかし、このような企画展を実施していることは、残念ながら東葛地域にまで届いておらず、また、交通の利便性の観点からも、千葉県民であっても、なかなか千葉市にある文化施設に目が行かないという現状があります。

 そこで伺います。県立博物館・美術館から遠方に在住している県民にも来館していただけるように、どのように取り組んでいくのか。

 次に、伝統文化についてです。

 歌舞伎や能楽、文楽などの伝統芸能や、県内各地で守られてきた郷土芸能などの伝統文化は無形の技であり、人から人へと伝承されてきました。しかしながら、担い手の高齢化や後継者不足を背景に、受け継がれてきた世界に誇る我が国の伝統文化の存続が危ぶまれ、次世代、未来へと残す意義を真剣に考察すべきだと考えます。伝統文化は、長い歴史の中で数多くの人が試行錯誤しながら英知を結集し、技術を積み重ねてきたたまものであり、精神的にも日本人として相手を思いやる心、感謝の心、規律を正して生きることなど、豊かな人間性を育むための要素が盛り込まれております。ICTやAIなどの新技術が急速に進む現代社会において、伝統文化を学ぶことは、日本の歴史や文化への造詣を深めるだけでなく、人間が社会で生きていく上での基盤を培うものでもあります。

 しかし、現状はそもそも伝統文化に触れる機会が少なく、または敷居が高いという意識もあり、今後はより身近な場所で鑑賞し、参加できることが期待されます。例えば、学校教育、地域のイベント等において様々なステークホルダーが協力をし合い、地域全体で伝統文化を大切にする意識を持つことが重要です。

 そこで伺います。次代を担う子供や若者の豊かな感性を育むため、伝統文化の鑑賞・体験機会の充実を図るべきだと考えるが、現状と今後の取組はどうか。

 次に、教育環境の整備のうち、まずは県立学校におけるトイレの洋式化とエアコン整備について伺います。

 トイレの洋式化については、従来のスケジュールを前倒しして進めていく方針を打ち出しておりますが、県立学校にて実施をしている生理用品の無償提供事業を視察させていただいた際、生徒たちからは、衛生面や快適性の向上という観点からトイレの洋式化を早急に実現してほしいという声を多数いただきました。災害時に学校が避難所となった際、学校のトイレが洋式化されていなかったために、高齢者や障害のある方、妊婦などが使いにくく、我慢をしたことによって健康障害を招く事例もあります。さらに、猛暑の深刻化などを背景に、生徒たちが1日の大半を過ごす学校においては、生徒の安全確保のため空調の整備を急ぐべきであり、知事選中においても現役の県立高校に通っている生徒たちが熊谷知事にエアコン整備を要望している姿を見かけました。県の進捗状況と今後の見通しについて伺います。

 県立学校のトイレの洋式化とエアコンの整備について、今後どのように進めていくのか。

 次に、新設する通信制高校について伺います。

 先月発表された県立高校改革推進プラン・第2次実施プログラムにおいて、令和10年度を目途に沼南高校と沼南高柳高校を統合し、定時制と通信制を併置した学校を設置する旨が示されました。今や11人に1人の高校生が通信制高校に通う時代であり、そのニーズは高まっています。本県唯一の公立の通信制高校である千葉県立千葉大宮高校の生徒数も毎年増え続け、定員である2,000名に迫る状況となっていたため、新しい公立の通信制高校の設置は時宜を得たものだと評価をしています。そこで気になることは、新しい通信制高校の特徴です。

 そこで伺います。新設する通信制高校は、どのような学校を目指しているのか。

 次に、不登校児童生徒支援といじめ問題について。

 まずは、様々な理由で学校に行くことができない子供たちの学びの場となっているフリースクールについて質問をいたします。

 我が会派は、これまでフリースクールは開設の許可等が不要であり、誰でもフリースクールを開業できることや、本来在籍する学校とフリースクールとの連携が不十分であること、また、フリースクールにおいて暴行事件等が発生した背景を基に、認証制度や出席扱いの統一化などを議会にて提案してまいりました。まずは、子供たちが安心して学べる安全な環境が整っているのかどうかという点が何よりも重要です。しかし実情では、フリースクールに関しては安全基準や学習支援などについても一律の決まりもないため、子供にとってどのフリースクールが最適であるか、保護者も見極めが困難な場合があります。千葉県では、出席扱いとなるフリースクールについて情報提供しておりますが、そもそもフリースクールなどを利用する子供の出席扱いや成績評価は、通っているフリースクールではなく、在籍する学校の校長が権限を持ちます。文部科学省は義務教育段階の不登校児童生徒がフリースクールなどの外部施設で指導を受けた場合、一定の要件を満たせば出席扱いにすることができると公表しておりますが、フリースクールでの学びをどのように出席や成績に反映させるのかの対応は学校によって様々というのが実態です。

 そこで伺います。千葉県として出席扱いとする基準やルールを設定すべきであると考えるが、県の見解はどうか。

 次に、今議会の補正予算に計上された不登校児童生徒の教育機会確保事業のうち、千葉県フリースクール活動支援事業の3,000万円について伺います。

 県では、フリースクールが行う不登校児童生徒を支援する活動に係る経費を一部補助する事業を初めて実施します。学校に通うことができない子供のことを真剣に考え、向き合いながら、学校の受皿として子供たちの自立や復学に取り組むフリースクール等に対し財政支援を実施することに賛成をいたします。一方で、フリースクールはあくまで民間が独自のカリキュラムで運営していることからも、教育の質や環境は千差万別であり、公金を投入するに当たり、支援する活動内容は十分に精査すべきであると考えます。

 そこで伺います。千葉県フリースクール活動支援事業では、どのようなフリースクールの取組を対象とするのか。

 次に、いじめ問題についてです。令和5年9月議会での代表質問において、いじめ加害者の出席停止措置について質問いたしましたが、その後も十分な対応が取れていないと見受けられるため、今議会でも質問をいたします。

 いじめ防止対策推進法では、重大ないじめが発生した場合、加害生徒に対する出席停止措置を含む厳正な対応が可能とされています。また、本県のいじめ防止基本方針においても、同様に必要に応じた措置の検討が明記をされています。しかしながら、いじめ認知件数や重大事態の件数も依然高水準で推移しているにもかかわらず、県内の公立小中学校では、いじめ加害者に対する出席停止措置が1件も行われていないというのが現実です。教育現場の治安を守るために、被害者側が教室から去るのではなく、加害者側が教室から去る措置を取るべきだと考えます。

 そこで伺います。本県の公立学校におけるいじめ認知件数といじめ重大事態の件数の推移はどうか。また、公立小中学校で出席停止措置が取られていない背景と、その要因をどのように分析しているのか。

 2点目として、県教育委員会では、いじめ重大事態の報告を受けた際、その報告に対して具体的にどのように対応しているのか。

 次に、高校生の就活ルール、1人1社制の見直しについてです。

 現状では、慣例により就職を希望する高校生は、9月末までは2社以上の企業に応募することができず、応募できる企業を強制的に1社に絞らされています。令和6年9月定例会において、1人1社制を含む高校生の就職活動ルールの見直しについて質問を行った際の御答弁では、制度の在り方について、千葉県高等学校就職問題検討会議において継続的な協議が必要であるとのことでした。しかしながら、この検討会議のメンバーは、当事者である生徒の代表、代理的立場のメンバーはおりません。18歳の大人である生徒には、自分で就職先を決める自由があるはずであり、希望すれば複数企業に応募書類を提出できる権利があると考えます。

 そこで伺います。1人1社制はどのような根拠により実施をされているのか。

 1人1社制の見直しに関して、令和6年度の検討会議においてどのような協議が行われたのか。また、今後の見通しはどうか。

 次に、農林水産業対策について伺います。

 初めに、米の生産についてです。

 米価の上昇を背景に、令和7年度産は全国的に主食用米を増産する意欲が高まっており、国が公表した4月末時点の調査結果によると、前年度産より40万トン増加する見通しとなっております。また、主食用米の増産に伴い、これまで転換が進められてきた飼料用米等の作付面積が減少することが予想されます。

 そこで伺います。主食用米を増産する農家が増えると予想するが、県はどのように考えているのか。

 次に、鳥インフルエンザについてです。

 千葉県では、令和2年度から毎シーズン鳥インフルエンザが発生しており、その影響は甚大です。養鶏業者には多くの業者が関係しています。卵一つ取っても、卵を洗ってパックに梱包する業者、専用車両で運搬する業者、加工する業者、販売する業者など多岐にわたります。ほかにも鶏肉や餌などに関係する業者が数多く存在しており、鳥インフルエンザが発生した際には、養鶏農家だけでなく、これらの関連事業者にも経済的損失が生じていたものと推測されます。しかしながら、家畜伝染病予防法に基づく国の補償制度の対象となっている事業者はごく一部であり、ほとんどの関連事業者は、補償は受けられない状況であると聞いています。

 そこで伺います。鳥インフルエンザ発生時における関連事業者への影響はどうか。

 次に、気候変動に伴う夏の高温による農作物への影響に対する県の取組についてです。

 近年、地球規模の気候変動による夏の高温が顕著になってきたことで、多くの農家が栽培管理に苦慮し、米や野菜の品質や量が低下するなど、直接的な影響を及ぼしております。結果として、米不足や野菜等の価格高騰などにつながり、我々の食生活や家計に大きく響いております。後ほど熱中症対策においても触れますが、気象庁が発表した3か月予報によると、千葉県を含む地域においては、今年6月から8月にかけて例年よりも気温が高くなることが見込まれており、農業生産の現場では、速やかに高温対策を講じることが求められています。

 そこで伺います。気候変動に伴う夏の高温等の影響で、農作物の収量や品質が低下するなど農家は栽培に苦慮しているが、県ではどのような対策を講じているのか。

 次に、海洋環境の変化による漁業生産への影響についてです。

 近年、北海道ではサケの漁獲が減少した代わりにブリの水揚げが急増しているほか、本県においてもサンマやサバの漁獲量が減少していることに加えて、アワビなどの生息場となる藻場が大きく減少するなど、環境の変化によって漁業に様々な影響が生じています。このままでは、漁業者のみならず水産加工業を含めた関連産業も、さらに厳しい状況に直面することが危惧されます。本県漁業者が引き続き安心して漁業を営むことができるように、漁業生産への影響を軽減する施策展開をする必要があると考え、伺います。

 海洋環境の変化による漁業生産への影響の軽減に向け、どのように対応しているのか。

 次に、熱中症対策について伺います。

 今年も猛暑が予想されており、厚生労働省は本年6月から全国の企業に対して、職場での熱中症対策の強化を義務づけるなど、国全体で熱中症対策を強化しているところです。本格的な夏を迎えるこれからの時期、学校現場では熱中症を防ぐために、暑さ指数を基に対策が講じられるものと思われますが、毎年、熱中症により救急搬送される児童生徒が後を絶ちません。昨年9月議会における我が会派の代表質問に対する教育長の御答弁によりますと、県内の自治体においては、独自のガイドラインを策定しているのは約半数にとどまっているとのことでした。昨年度の確認をした上で、今年の対策を伺います。

 1点目、昨年度、学校で熱中症により救急搬送された児童生徒は、どのような状況下において何人搬送されたのか。また、県教育委員会はどのような対策を講じていく予定か。

 2点目、今年も猛暑が予想されているが、県はどのように対策を講じていくのか。

 次に、交通安全対策です。

 まずは、信号機のない横断歩道について3点質問してまいります。

 道路交通法第38条では、横断歩道上では歩行者の安全が最優先でなければならず、横断歩道を横断しようとする歩行者がいれば必ず車は止まらなければならないとなっています。一方、千葉県の横断歩道での歩行者横断時の自動車停止率については、JAFの調査結果では、令和2年は26.7%だったところ、令和6年は停止率が46.8%に上昇しておりますが、全国平均の53%を下回り、都道府県別ランキングでも30位にとどまっております。県警によりますと、横断歩行者等妨害等違反の取締り件数は、令和2年に1万2,431件だったところ、令和6年は3万4,708件とのことです。

 そこで伺います。横断歩行者等妨害等違反の取締り件数が大幅に増加している要因は何か。

 次に、横断しようとする歩行者についてです。

 信号機のない横断歩道を渡る際は、運転者と歩行者の意思疎通を図ることは非常に重要です。横断する際、歩行者は手を挙げるなどして横断の意思を明確に伝えたり、夜間は反射材をつけるなど正しい横断をすることが求められますが、ドライバー側からすると、横断歩道を渡るのかどうか不明であったり、スマホを見ながら周囲を確認せずに突然横断歩道を渡ってきたり、夜間に暗い洋服を着ていて歩行者が全く見えなかったなど、判断に迷うことが多々あると聞いており、なかなか実践できていないのが実態のように感じます。特に、新小学1年生はまだ交通ルールには不慣れで、急に飛び出してしまうなど予測不可能な行動をすることがあるため、学校や家庭、あらゆる機会を捉えて信号機のない横断歩道を渡る際のルールを徹底する必要があると思います。

 そこで2点目です。信号機がない横断歩道等を渡る際、子供たちを含め、歩行者に安全な横断をするよう周知徹底すべきだが、県警としてどのように取り組んでいるのか。

 3点目として、消えかかっている路面標示の対策についてです。

 横断歩道の安全対策には、ゼブラ・ストップ活動と同時に、横断歩道の白線等の維持管理も大変重要です。しかしながら、消えかかっている路面標示に関する要望を承ることも多くあり、特に通学路や歩行者が多い横断歩道については随時補修をすることで県民の安全を守ることが大切です。

 そこで伺います。横断歩道手前にあるダイヤマークや横断歩道が摩耗されていることが少なくないが、今年度の標示に係る予算措置はどのようになっており、補修については今後どのように取り組んでいくのか。

 次に、本県における自転車乗車用ヘルメットの低着用率についてです。

 令和5年4月1日の改正道路交通法の施行により、全ての自転車利用者のヘルメット着用が努力義務となっています。令和5年の本県における全人身事故発生件数のうち、自転車が関係する交通事故は3,289件に上り、自転車乗車中の死者数は17人、そのうちヘルメットを着用していなかった人は15人で、非着用率は88.2%です。ヘルメット非着用時の致死率は着用時の約2倍高くなることが警察庁の調べで分かっており、頭部を守ることがいかに重要であるかということがデータで示されております。

 昨年の全国のヘルメット着用率を見てみますと、議長の許可を得てお配りした資料のとおり、1位は愛媛県69.3%で、千葉県は6.5%、ワースト2位、全国46位であり、1位と10倍以上もの着用率に差があります。この現状を深刻に受け止め、県民の命を守るために早急な対策強化が必要です。

 そこで伺います。自転車乗車用ヘルメットの着用率が全国上位の自治体と比べて千葉県が低い要因について、どのように考えているのか。

 また、県教育委員会は、自転車乗車用ヘルメットの着用率向上に向けてどのように取り組んでいるのか。

 最後に、選挙における課題と対策について質問をしてまいります。

 今年3月16日投開票の千葉県知事選挙の投票率は31.93%で、前回、4年前の選挙より7.06ポイント低くなりました。日本の選挙の投票率は年々低下しており、昨年10月の衆院選小選挙区の投票率は53.85%と戦後3番目の低さでした。特に、我が国では若い世代の投票率が低い傾向にあります。我々の2023年に執行された千葉県議会議員選挙においても35.99%と前回よりも下回り、政治への無関心や議員のなり手不足が深刻化しています。選挙の手法も、今ではSNSを中心とした発信が多くなるなど日を追うごとに変化しており、こうした背景を基に、知事選直前の2月定例会の我が会派の代表質問において知事選に関する質疑を行った際、啓発用ホームページ等を新たに設け、SNSを活用していくという御答弁があり、その効果を分析し、今後に生かしていく必要性があることから伺います。

 先般、投開票のあった千葉県知事選挙において、年代別の投票率はどのようになっているのか。また、選挙に向けた啓発として、どのような取組を行い、その取組をどのように評価しているのか。

 次に、投票環境の整備についてです。

 我が会派は、これまで障害のある方が投票しやすい環境の整備や、市町村によって投票時間の繰上げがあることなどから、選挙人の不利益につながらないよう要望をしてまいりました。

 そこで伺います。今回の千葉県知事選挙においては、投票環境の向上に向けて、市町村において新たにどのような取組があったのか。

 最後に、高校生の主権者教育について伺います。

 2015年に選挙権年齢を満18歳に引き下げる公職選挙法改正が成立し、高校に選挙権を有する生徒が在籍することになることから、主権者としての素養を高める教育として主権者教育の重要性が指摘され、様々な取組も始まっているにもかかわらず、若い世代の投票率は低下の一途をたどっているというのが現状です。OECD諸国では、若い世代のほうが投票率が高い国も少なくない中で、日本の低さは際立っており、若い世代の投票率の低さや政治不信、無関心を招いている責任は我々にもあることを認識すべきだと痛感しております。民主主義を機能させるための主権者教育の重要性はますます増しており、今後の日本の未来を担う若者に、主権者としての意思を示す最大の政治行動である投票について理解を深めてもらい、政治に対する意識を高めていく取組を進めるべきです。

 そこで伺います。県教育委員会では、高校生の主権者教育にどのように取り組んでいくのでしょうか。

 以上、壇上からの1回目の質問といたします。御答弁よろしくお願いいたします。(拍手)

○副議長(實川 隆君) 水野友貴君の質問に対する当局の答弁を求めます。知事熊谷俊人君。

 (知事熊谷俊人君登壇)

○知事(熊谷俊人君) 千葉新政策議員団の水野友貴議員の代表質問にお答えをいたします。

 まず、政策方針についてお答えをいたします。

 市町村との連携強化を図るための取組についての御質問ですが、さらなる人口減少が進む中、行財政運営を維持し、複雑化、多様化する課題や県民ニーズに的確に対応するためには、これまで構築をしてきた市町村との連携をさらに深めていくことが必要です。そのため、2期目においても私が直接市町村を訪問し、各市町村長と率直な意見交換を行いながら課題の解決に取り組むことが重要なことから、先月19日、海匝地域の3市長と意見交換会を実施したところであり、今後、他の地域についても順次実施をする予定です。また、市町村にとって、より身近な地域振興事務所においても、市町村との意見交換を踏まえ、地域課題の解決に努めており、引き続き県庁一丸となり、現場主義を徹底しながら市町村との連携を強化してまいります。

 人口減少対策に関する新たな総合計画での取組についての御質問ですが、新たな総合計画の素案では、計画の基本構想において、千葉の新たな飛躍に向けた6つのチャレンジとして、本格的な人口減少社会への対応を掲げたところです。具体的には、若者の仲間づくりの促進やライフイベントに応じた支援、子供を産み育てやすい環境づくりを進めるとともに、各地域の特性や強みを生かした産業の振興や移住、定住の促進、さらにはDXによる生産性の向上などに幅広く取り組むこととしております。さらに、本計画の実施期間となる4年間は、成田空港の拡張事業や圏央道の県内区間全線開通が予定されるなど、本県のポテンシャルがより一層高まる時期であることから、これらを県内全域の活性化につなげ、本県に向かう人、物、財の流れをより一層大きくすることにより、人口減少下にあっても将来にわたり活力ある県づくりを目指してまいります。

 人事異動の考え方及び効果についての御質問ですが、県では、職員一人一人が能力を最大限発揮できるよう、職員の意欲、能力、実績を重視し、転職により中途採用した職員や育児、介護等による休業から復帰した職員であっても、昇格も含め積極的に登用するなど、適材適所を基本的な考え方とするとともに、人材の多様性の確保にも配慮しながら人事異動を行っています。社会経済情勢の変化や多様化する県民ニーズに的確に対応するためには、男女の職員が共に活躍をし、多様な価値観や創意工夫による県政運営を図ることが重要であり、女性幹部職員が増えることは、幅広い視点からの政策推進につながっていくものと考えています。引き続き同質化しない、違和感を大事にする組織運営を心がけ、県民サービスの向上に向けて、各種施策についてスピード感を持ち挑戦をしていく組織づくりを進めてまいります。

 次に、行政改革についてお答えをいたします。

 県職員へのハラスメント対策についての御質問ですが、昨年度実施したアンケート調査では、ハラスメントを受けたと感じた者の割合が2割を超えており、その行為者は上司が最も多いものの、同僚や部下からの行為も少なくない割合でした。ハラスメント対策には、全ての職員の防止意識の向上が必要であり、令和6年度に設置をしたウェルビーイング推進室において、全職員を対象として様々な事例を踏まえたハラスメント防止研修の実施や、ポスターとしても活用できる啓発用パンフレットの作成、気軽に相談できる窓口の設置などの対策に取り組んでいます。また、管理職については、令和元年度から部下が上司のマネジメント能力を評価する制度を運用しており、その中でハラスメント防止の項目を設け、評価結果を上司へフィードバックすることで意識づけを行っています。引き続き、これらの取組を推進し、職員が安心して能力を発揮できる職場環境づくりに取り組んでまいります。

 次に、防災・減災対策についてお答えをいたします。

 マンション防災についての御質問ですが、大規模地震発生時、高層マンションなどでは揺れが大きくなることで、エレベーターの停止や給排水設備の損傷による断水、水洗トイレの使用不能など、居住者の生活に大きな影響が生じるものと認識をしています。このため県では、防災啓発サイト「じぶん防災」やマンション防災のパンフレット等を活用して、エレベーターの停止に備え、複数のフロアでの備蓄や避難方法を確認しておくこと、また、排水管が損傷している可能性があるため、発災当初は携帯トイレを活用することなど、日頃の備えや発災時の行動等について周知をしているところです。さらに、エレベーターに閉じ込められた場合の対応や、給排水設備の損傷の有無を確認する方法など、マンション特有の課題や対策をテーマとした県民向けの研修を今年度も実施することとしており、引き続きマンション防災の周知啓発に取り組んでまいります。

 次に、中小企業支援と地域経済の活性化についてお答えをいたします。

 米国の関税措置に係る中小企業支援についての御質問ですが、県が実施をした県内中小企業等へのアンケートでは、現時点で影響があると答えた企業は約1割ですが、今後に影響があると答えた企業は約半数であり、多くの企業が将来に不安を抱えているものと認識をしています。また、この関税措置により、米国を経由しないサプライチェーンの構築が世界的に進んでいく可能性もあり、こうした動きにも注視をし、適切に対応していく必要があると考えております。このため県では、関係機関と連携をしながら、新たな販路開拓も含め、各種相談を受ける窓口を設置するとともに、利用可能な制度融資や補助金等をリスト化して県ホームページで掲載をしているところです。さらに、先月15日には庁内連絡会議を開催し、関係部局が一丸となって対応することを確認したところであり、今後は国が緊急対応パッケージの一環として予備費の活用を決定したことなどを踏まえながら、中小企業への影響が最小限に抑えられるよう、対策に万全を期してまいります。

 次に、農林水産業対策についてお答えいたします。

 農作物の高温等の影響への対応についての御質問ですが、近年、夏の高温等の影響により、米の品質低下やトマトの着果不良に伴う収量の減少など、農作物全般で被害が増加傾向にあり、農業経営が不安定になるだけでなく、価格の高騰など消費者への影響も大きくなっています。このため県では、高温下でも安定的に水稲を生産できる栽培技術の実証や、施設園芸における高温対策に資する機械、装置等の導入支援などを行っているところです。また、露地野菜についても安定した収量や品質を確保できる栽培技術を確立する研究を行っているところであり、このような気候変動に対応した対策をさらに進め、農作物を安定的に供給できるよう取り組んでまいります。

 海洋環境の変化による漁業生産への影響軽減についての御質問ですが、本県沿岸では、海水温の上昇や黒潮の大蛇行などの海洋環境の変化による魚種や漁場形成の変化に加え、急潮による定置網の漁具被害や磯焼けの拡大などが生じており、漁業生産に大きな影響が出ております。そこで、県では、こうした変化への対応として、漁業調査船等により海水温や潮流などの情報を迅速に把握し、精度の高い漁海況予報を提供するなど、操業の効率化や漁具被害の未然防止を図る取組を進めています。また、豊かな漁場の再生に向けて、磯焼けの原因となる食害魚の駆除等への支援に加え、企業等との連携による藻場の保全などを推進しており、今後とも関係者と連携をしながら、漁業生産力の維持向上に取り組んでまいります。

 最後に、熱中症対策についてお答えをいたします。

 猛暑への対策についての御質問ですが、地球温暖化による近年の平均気温の上昇により、特に夏季における熱中症リスクが高まっており、命を守るための適切な対策が重要です。熱中症は一人一人が早い段階で注意をすれば予防できることから、予防策について県民への周知を繰り返し行っているところです。具体的には、暑さに慣れること、小まめに水分を補給することや暑さを避けることなどについて、セミナーの開催やコンビニでの啓発動画の上映、「県民だより」やSNSなど様々な媒体を活用した広報等を通じ、県民に呼びかけております。また、昨年度からは市町村に対し、冷房設備を有する休憩場所であるクーリングシェルターや涼み処について、公共施設や商業施設などへの設置を促しており、県民が暑さから避難することのできる場所の確保に努めております。今後も、県民が健康で快適に過ごせるよう、適切な熱中症対策の呼びかけと、市町村や企業と連携をした効果的な対策を行ってまいります。

 私からは以上でございます。他の質問につきましては副知事及び担当部局長からお答えいたします。

○副議長(實川 隆君) 副知事高梨みちえ君。

 (説明者高梨みちえ君登壇)

○説明者(高梨みちえ君) 私からは、まず、行政改革についてお答えいたします。

 県職員へのハラスメントアンケートや相談窓口についての御質問ですが、知事部局等の職員約1万人を対象にアンケートを実施したところ、令和5年度の回答率は約3割でしたが、昨年度、職員全員を対象としたハラスメント研修の受講報告の際にアンケートへの回答を求めるなどの工夫を行ったところ、回答率が約8割に増加いたしました。回答した職員のうち、過去3年間、職場でハラスメントを受けたと感じたと回答した者は21.7%であり、パワハラは19.3%、セクハラは4.0%、マタハラやケアハラは妊娠や育児、介護等の経験があると回答した職員約1,200名のうち9.5%となっています。また、昨年度のハラスメントに係る相談受付実績は、ハラスメント相談窓口が86件、職員よろず相談窓口が7件、人事委員会の苦情相談窓口が23件などとなっています。引き続き、職員が相談しやすい環境整備に努めてまいります。

 アナログ規制の見直し等に関する御質問ですが、県では、県民、事業者の利便性の向上や行政内部の事務の効率化などを図るため、条例、規則等で書面や対面などが求められるアナログ規制895件のうち、現場での確認や法令等の改正が必要となるものなど529件を除いた366件を見直しの対象としています。このうち、インターネットでの書類閲覧や映像による遠隔検査など、デジタル技術を活用することなどにより、本年2月1日時点で263件の規制について見直しが図られたところです。引き続き、残る103件の規制について早期に改善を図るとともに、現時点では対象としていない規制についても、今後のデジタル技術の進展や国の動向などを注視しつつ、アナログ規制の見直しを検討してまいります。

 次に、防災・減災対策についてお答えいたします。

 障害者等が安全に避難できるための支援に関する御質問ですが、県では、社会福祉施設やグループホームが平常時からハザードマップの確認や避難訓練の実施等を円滑に行うことができるよう、防災対策の手引を作成しホームページで周知しているところであり、昨年8月の南海トラフ地震臨時情報の発令の際には、本手引を活用して地震発生時の備えについて再確認するよう各施設等に注意喚起を行いました。また、定期的に施設等に赴いて実施している指導監査などの機会を捉え、災害発生時の避難場所や避難訓練の実施状況等を確認し、助言、指導しているところです。さらに、災害発生時に被災により運営が困難となった施設等が生じた場合においては、他の施設等における受入れの可否の状況把握を行った上で、受入れに係る調整等を行うこととしており、今後とも社会福祉施設等を利用する障害者等が安全な避難を行えるよう、適切に支援してまいります。

 次に、医療・福祉問題についてお答えいたします。

 小児医療提供体制の確保についての御質問ですが、県民が安心して子育てをすることができる環境づくりのため、日常的な診療を含めた小児医療提供体制を整備することは重要です。そのため、県では、小児を診療する医師や医療機関を増やすため、県内医療機関の内科医等を対象とした小児初期医療に関する研修会を実施しています。また、今年度から新たに小児の外来診療を行う医療機関に対して、小児医療に関する研修費用や小児の診療に必要な機器の購入費用等を助成することとしています。今後も他県の状況や地域及び医療関係者の御意見も踏まえながら、小児医療体制のさらなる充実に向け取り組んでまいります。

 保育料無償化についての御質問ですが、子育て世帯への支援に当たっては、自治体の財政力によって受けられるサービスの内容に格差が生じることは好ましいことではなく、保育料の無償化を含めた負担軽減については、本来国が主体となって全国一律の条件の下に実施すべきであると考えています。県では、これまで保育料の完全無償化の早期実現と、行政サービスの自治体間格差の背景である税源偏在の是正について、全国知事会等を通じて国に要望しており、引き続き国の状況を注視するとともに、保育を必要とする子供が質の高いサービスを平等に受けることができるよう、様々な機会を捉えて要望してまいります。一方、全国一律で行う施策と併せ、地方がその特性を生かしてきめ細やかな保育を行うことも重要であり、本県では自然との関わりを通じて子供の主体性や創造性を育む自然環境保育の推進や、専門的な知見を有する保育アドバイザーの派遣など、保育の質の充実に取り組んでいます。

 訪問介護事業所の現状と課題についての御質問ですが、県では、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、市町村と連携し、医療、介護、生活支援、住まい等が包括的に提供される地域包括ケアシステムを推進しており、高齢者の在宅生活を支える訪問介護は、その構築に欠かせないサービスです。昨年度、介護報酬の次期改定に向けた課題等を検討するため、国が全国の訪問介護事業所を対象に行った調査によれば、経営について感じている課題として、十分な数の人材が確保できないと回答した事業所が約5割、また、昨年8月の介護保険による収入が前年同月比で減少したと回答した事業所が約6割であるとの結果が出ています。県としては、訪問介護事業所が人材の確保や経営の安定化の面で大きな課題を抱えていると認識しており、介護事業所の業務効率化に係る支援に取り組むとともに、全国知事会を通じて、国に対し介護報酬の臨時改定等の措置を講じるよう要望しているところです。

 訪問介護事業所の支援等についての御質問ですが、本年2月、国から各都道府県への通知により、訪問介護サービスにおける人材の確保や経営の安定化を目的として、経験年数が短いホームヘルパー等への同行支援や、訪問介護事業所の経営改善を図るための専門家の派遣などの支援メニューが示されたところです。比較的小規模な事業所が多い訪問介護事業所では、新規に雇用したホームヘルパーのフォローや経営見直しへの着手が困難であることから、県としても、これら国の支援メニューの活用が訪問介護サービスを安定的に提供できる体制の確保に資するものと認識しており、現在、効果的な活用方法の検討や具体的なニーズの精査を進めています。

 次に、文化芸術の振興についてお答えいたします。

 県立博物館・美術館に来館してもらう取組についての御質問ですが、遠方からも多くの方に来館していただくためには、魅力あふれる展示等の企画のほか、博物館、美術館に来館するきっかけづくりや、効果的な広報を行うことが重要と考えています。そのため、特別展として、今年度はオランダの新進気鋭アーティストによる日本初の写真展を、来年度は子供に人気のある恐竜たちの実物大全身骨格をメインとする展覧会などを開催します。また、来館するきっかけづくりとして、今年度は新たに東葛地域の小学校の児童を美術館に招くミュージアム・バス事業を行い、実際の芸術作品に触れていただくほか、興味関心を持ってもらえるよう、引き続きインターネット上で作品を鑑賞できるデジタルミュージアムなどを行ってまいります。さらに、広告や報道分野の最前線で活躍している方をアドバイザーとして採用し、効果的な広報に資するホームページデザインの刷新や、インスタグラムのリール動画の配信を行っています。今後とも、より多くの方々に博物館、美術館に足を運んでいただけるよう取り組んでまいります。

 伝統文化の鑑賞・体験機会の充実についての御質問ですが、県では、令和7年3月に策定した第2次千葉県文化芸術推進基本計画において、多様な伝統文化の保存、継承、活用を施策の柱の1つに位置づけ、伝統文化を知る機会の提供や、次代を担う子供、若者の育成に取り組むこととしています。具体的には、能や雅楽等の専門家を学校に派遣する伝統芸能・洋楽ふれあい体験事業や、ゼロ歳から参加可能で鑑賞や演奏体験ができるみんなで楽しむ邦楽コンサート、郷土芸能団体等による発表や体験ワークショップを行うちばの郷土芸能フェスティバル等を実施しているところです。さらに、今年度は県民の日中央行事において、香取市を会場に、佐原の大祭の山車による特別引き回しや、佐原中学校の生徒による佐原囃子を披露する予定であり、今後も伝統文化の鑑賞、体験の機会の充実を図るとともに、未来に継承していけるよう取り組んでまいります。

 最後に、交通安全対策についてお答えいたします。

 ヘルメット着用率についての御質問ですが、自転車乗用中の交通事故による死者の約6割が頭部に致命傷を負っており、命を守るためにヘルメットの着用は非常に重要です。本県における調査では、着用しない理由として、持ち運びに不便、購入費用がかかる、髪型が乱れるなどが挙げられ、命を守るヘルメットの重要性が十分に浸透していない状況です。また、ヘルメット着用率が全国上位の自治体では、自転車事故による負傷者数が突出して多い高校生を対象に、通学時の着用の義務化、購入費補助や配付などの取組が行われています。県としては、ヘルメット購入費補助に加え、今年度は全ての市町村において着用率調査に合わせた街頭啓発などを行い、県民の意識向上を図ることとしています。引き続き、市町村をはじめ関係機関と連携し、ヘルメット着用率の向上に取り組んでまいります。

 私からは以上でございます。

○副議長(實川 隆君) 副知事黒野嘉之君。

 (説明者黒野嘉之君登壇)

○説明者(黒野嘉之君) 私からは、まず、大学やプロスポーツチーム等の誘致についての御質問にお答えいたします。

 人口減少の進行により、地域経済の縮小、集落機能の低下など様々な影響が懸念される中、大学などの学校法人やプロスポーツチームは、将来を担う人材の育成、地域経済やコミュニティーの活性化等に寄与するものと認識しております。県では、これまで大学などの研究機関と中小企業との連携を通じたイノベーションの創出など、県内企業の成長につながる取組を支援するほか、県内のプロスポーツチームと連携したスポーツ振興の取組を進めるなど、地域の活性化も図ってきたところです。大学やスポーツチーム等の誘致については、地域のブランド力の向上、移住、定住の促進、関係人口の創出などにもつながることから、市町村等と連携しつつ情報収集に努め、地域の活力の維持向上を進めてまいります。

 次に、主食用米を増産する農家が増えることに対する県の考えについての御質問ですが、令和7年産の県内の米の生産状況は、現在の米価高を背景に、飼料用米や加工用米等が減少し、主食用米がやや増加する見込みとなっております。農家の経営安定を図り、消費者に安定的に米を供給していくためには、需給バランスを適切に維持していくことが重要と考えております。これまで県では、需要動向に応じて飼料用米などの新規需要米への転換を支援してきたところですが、引き続き畜産農家や加工業者等のニーズにも対応した取組を進めるとともに、主食用米の生産状況も考慮しながら、需要に応じた米生産を進めてまいります。

 最後に、鳥インフルエンザ発生時の関連事業者への影響についての御質問ですが、鳥インフルエンザが一たび発生すると、発生農場のみならず、卵や鶏などを取引する鶏卵販売業者や鶏肉処理業者、飼料会社等の関連事業者の売上げにも影響が及ぶこととなります。特に、令和7年1月から2月にかけては短期間に15事例が連続発生したため、経営再開までの期間が長期化し、また周辺農場にも鶏などの移動制限がかかっていたことから、関連事業者の影響はより大きくなったところです。そこで、県では、中小企業者向け制度融資などを紹介するとともに、国の補償対象は鶏卵取引の一部に限られているため、鶏肉処理業者や飼料会社等も対象とするよう国に対して制度の拡充について要望してまいります。

 私からは以上でございます。

○副議長(實川 隆君) 教育長杉野可愛君。

 (説明者杉野可愛君登壇)

○説明者(杉野可愛君) 初めに、教育環境の整備についてお答えいたします。

 県立学校のトイレ洋式化と空調整備についての御質問ですが、県立学校のトイレの洋式化率は本年4月1日現在57%であり、令和11年度までに完了するよう、校舎全体の大規模改修事業のほか、トイレのみを先行的に改修する事業や、便器のみを交換する事業を併せて実施することにより、着実に進めているところです。また、空調整備については、普通教室は既に完了し、大規模改修が予定されている4校を除き、職員室などの管理諸室は今年度中に、特別教室のうち熱中症リスクの高い音楽室や食品加工室なども令和10年度までに完了する見込みです。さらに、今年度から避難所に指定されている体育館への空調整備にも着手したところであり、今後とも教育環境の整備、充実に努めてまいります。

 次に、通信制高校についての御質問ですが、県教育委員会では、近年通信制高校に通う生徒が増える中、生徒一人一人の生活スタイルや学習ニーズなどに対応するため、新たなタイプの高校を東葛飾地区に設置することとしました。この高校には、通信制の課程と午前部、午後部から成る定時制の課程を併せて設置し、相互のカリキュラムを履修することで、現状卒業までに4年を要する生徒が多いところ、3年で卒業することができる柔軟な仕組みとすることを考えています。また、オンラインによるスクーリングやレポート提出など、ICTを活用した学習環境づくりを進めるほか、子どもと親のサポートセンターなどの関係機関と連携して教育相談や進路支援の充実などを図ってまいります。

 次に、不登校児童生徒支援といじめ問題についてお答えします。

 不登校児童生徒の出席扱いの基準やルールに関する御質問ですが、フリースクールにおける児童生徒の活動について、国の通知では一定の要件の下、学校が指導要録上出席として扱うことができる旨を示すとともに、校長がその判断をする際の目安を設けておくことが望ましいとしています。このため、県教育委員会では、出席扱いの基準やルールを設けていない市町村の教育委員会に対し、改めて国の通知を周知するとともに、既に運用されている市町村の例を示し、基準などの策定を促しているところです。引き続き、県内市町村の状況を把握し、適切に運用されるよう指導、助言してまいります。

 次に、フリースクール活動支援事業に関する御質問ですが、不登校児童生徒の増加に伴い、フリースクールが学びの場として教育機会の提供を担う役割が増している現状を踏まえ、県教育委員会ではその活動を支援することとしました。具体的には、昨年度に実施したモデル事業の結果などを踏まえ、学習・体験活動やICTを活用した学校等との連携、保護者相談など、教育的意義や効果が認められる取組を支援対象とすることとしています。また、フリースクールの活動内容や実績、施設の安全性、運営体制などを確認することとしており、引き続きフリースクールや学校関係者等との連携を深め、不登校児童生徒の多様な学びの機会の提供につながる支援の充実に努めてまいります。

 次に、いじめの認知件数や重大事態件数の推移等に関する御質問ですが、国の調査によると、本県の公立学校における令和5年度のいじめ認知件数は5万4,455件、いじめ重大事態の件数は102件で、認知件数、重大事態件数ともに増加傾向にあります。また、公立小中学校において、いじめを認知した場合には、まずは事実確認などを行い、加害児童生徒への徹底した指導を行うことで、いじめの解消に努めます。その際、必要に応じて別室指導などを行っており、出席停止の措置には至っていないものと考えています。県教育委員会としては、いじめなどの問題行動を繰り返す児童生徒に対しては、正常な教育環境を回復する上で必要な場合、躊躇なく出席停止の措置を取ることを周知しており、引き続き毅然と対応していくよう市町村教育委員会を指導してまいります。

 次に、いじめ重大事態の報告を受けた際の対応に関する御質問ですが、県教育委員会では、県立学校からいじめ重大事態の報告を受けた場合は、速やかに県の担当者が直接学校を訪問し、いじめの具体的な状況を確認します。その後、専門家など第三者を含めた調査組織を設け、児童生徒と保護者にも丁寧に説明した上で調査を進め、いじめの全容を解明するとともに、児童生徒への心のケアや必要な支援を行い、再発防止策を講じます。また、市町村教育委員会からいじめ重大事態の報告を受けた場合は、学校や市町村教育委員会における対応、国のガイドラインに基づく調査などについて必要な指導、助言を行い、問題の早期解決を支援しています。

 次に、高校生の就活ルールについてお答えいたします。

 1人1社制の根拠についての御質問ですが、高校生の就職活動については、早期選考の未然防止や均等な就職機会の確保、公平公正な採用選考の実施などはもとより、就職活動の長期化による学校教育への影響や、生徒の身体的・心理的・経済的負担などにも配慮する必要があります。このため、国の通知に基づき教育機関、経済団体、行政機関で構成する千葉県高等学校就職問題検討会議を設置し、いわゆる1人1社制を含む応募・推薦方法の在り方等について毎年度協議しており、法令等に根拠はないものの、関係者間の申合せ事項として実施しているところです。

 検討会議の協議内容と今後の見通しについての御質問ですが、本年3月に開催された検討会議では、就職活動を行った生徒や指導に関わった教員のほか、高校生の募集を行った企業を対象としたアンケート結果などを基に、1人1社制などについて協議を行いました。アンケート結果では、生徒をはじめ、企業、学校関係者のいずれも1人1社制については現行のままでよいとする回答が半数を超えていたことなどから、検討会議では現状を維持するという結論になりました。しかしながら、同会議において継続的な検討が必要との意見があったことや、アンケート結果で現行制度を支持する割合が前年度より低下していることなどから、高校生の就職や支援の在り方について、引き続き関係者の意見や社会情勢等を踏まえながら協議を行ってまいります。

 次に、熱中症対策についてお答えします。

 熱中症により救急搬送された児童生徒数や対策についての御質問ですが、令和6年度に熱中症により救急搬送された児童生徒は、千葉市を除く県内の公立学校において68人でした。その内訳は、発生場所別で見ると屋外が53人、屋内が15人であり、活動内容別に見ると部活動中が47人で最も多くなっています。県教育委員会では、暑さが本格化する前の4月に熱中症対策ガイドラインを各学校に示し、熱中症の予防や応急処置のほか、体を暑さに徐々に慣らしていくことを周知するとともに、様々な会議や研修会において熱中症対策の徹底について説明しています。児童生徒の健康管理を行う上で熱中症対策は大変重要であることから、引き続き各学校に対し指導や啓発に努めてまいります。

 次に、自転車乗車用ヘルメットの着用率向上についての御質問ですが、本県では、県立高校生の半数以上が通学時に自転車を使用しており、万が一の事故に備えて自転車乗車時にヘルメットを着用することは大変重要であると考えております。そこで、県教育委員会では、各学校に対して自転車通学の許可条件にヘルメットの着用を加えるなど積極的な取組を行うよう通知したほか、モデル校を設置して生徒が主体となった啓発動画の作成や、地元警察と連携した着用の呼びかけなどを実施し、その取組を他の学校とも共有しているところです。現在、各学校に対して着用状況の調査を行っており、今後はその調査結果も踏まえ、関係機関と連携しながら、より実効性のある方法を検討し、着用率の向上に一層取り組んでまいります。

 最後に、高校生の主権者教育についての御質問ですが、若い世代の政治に対する関心を高め、社会への参画意識を培うためには、児童生徒の成長段階に応じて体系的に主権者教育を行うことが重要であると認識しています。県立高校においては、公民科の公共などで主権者教育を行っており、例えば、各党の政策を比較し授業内で発表、協議するなどの取組を行い、全ての生徒が2年生までに履修することで、18歳になった生徒が有権者として選挙の意義を理解できるようにしています。また、教科での学びに加え、実践的な経験もできるよう、各高校において県や市町村の選挙管理委員会等と連携した出前授業や模擬選挙を実施するなど、引き続き県教育委員会として主権者教育の一層の充実に努めてまいります。

 以上でございます。

○副議長(實川 隆君) 警察本部長青山彩子君。

 (説明者青山彩子君登壇)

○説明者(青山彩子君) 私からは交通安全対策についてお答えいたします。

 まず、横断歩行者等妨害等違反の取締りに関する御質問ですが、県警では、横断歩道横断中の交通事故が多発していることを踏まえ、交通事故防止対策の4つの柱の1つに、歩行者保護、ゼブラ・ストップ等の徹底を掲げ、横断歩道における歩行者保護を目的とした各種対策を推進しております。特に運転者に対しては、歩行者保護意識の向上を図るための広報啓発を行うとともに、横断歩行者等妨害等違反の交通指導取締りを強化していることから、取締り件数が増加しているものと考えております。これらの取組により、横断歩道を横断中の交通事故件数が減少傾向にあるほか、歩行者横断時における車両の一時停止率が向上しているなど一定の効果が認められることから、引き続き横断歩行者等妨害等違反の交通指導取締りなど、各種対策を推進していくこととしております。

 次に、安全な横断の周知に関する御質問ですが、県警ではゼブラ・ストップを通じて、子供を含め歩行者に対して正しい横断を促すための交通安全教育や指導啓発を推進しております。具体的には、信号機の信号に従う義務、横断歩道がある場所付近における横断歩道の横断義務、斜め横断や車両の直前直後横断の禁止等の基本的な交通ルールの周知に加え、自らの安全を守るための行動として、手で合図をする、運転者と目を合わせるといった道路横断の意思表示をすることや、反射材を身につけること等についての指導啓発を行っております。

 最後に、今年度の標示に係る予算措置及び補修に関する御質問ですが、令和7年度における横断歩道等の補修を含めた道路標示に係る予算は、当初予算の約3億6,000万円と、6月補正予算の約6,000万円の合計約4億2,000万円で対応予定となります。横断歩道をはじめとする道路標示の摩耗の進行は、車両の交通量等の道路環境に依存し、場所によって大きく異なるため、補修に当たっては摩耗の進行度合いの把握に努め、順次補修を進めてまいります。

 以上でございます。

○副議長(實川 隆君) 選挙管理委員会委員岡本和貴君。

 (説明者岡本和貴君登壇)

○説明者(岡本和貴君) 選挙における課題と対策についてお答えいたします。

 千葉県知事選挙の投票率等についての御質問ですが、年代別の投票率は20歳代が20.14%と最も低く、70歳代が45.22%と最も高くなっており、全国と同様、若い世代の投票率が低い傾向にあります。県選挙管理委員会では、一人でも多くの方に投票に行ってもらえるよう、選挙啓発ホームページの作成、ウェブ広告の実施、商業施設での啓発など様々な啓発活動を行ったところですが、結果として投票率が前回に比して上昇しなかったことから、さらなる工夫が必要だと認識しています。なお、選挙啓発ホームページでは、投票の呼びかけ以外にSNS上での選挙に関する情報の取扱いや、投票日当日の発信内容の制限など、有権者に注意してもらいたい点について周知したところ、閲覧件数は約19万5,000件に上り、一定の効果があったものと考えています。

 次に、投票環境の向上についての御質問ですが、投票環境の向上は大変重要であることから、昨年12月に開催した市町村選挙管理委員会向けの研修会において、先進事例の紹介などを通じてさらなる取組を促したところです。今回の知事選挙では、新たに船橋市の高野台地区において、移動手段を持たない選挙人向けにバスによる期日前投票所への移動支援を行ったほか、松戸市のほか10市町では、障害のある選挙人と円滑な意思疎通を図るため投票所にコミュニケーションボードを設置するなど、誰もが投票しやすい環境づくりに取り組みました。県選挙管理委員会としては、引き続き市町村選挙管理委員会と連携し、投票環境の向上に努めてまいります。

 以上でございます。

○副議長(實川 隆君) 水野友貴君。

○水野友貴君 知事はじめ副知事、教育長、県警本部長、そして選挙管理委員会から御答弁いただきましてありがとうございました。それでは、早速再質問と要望に移らせていただきます。

 まず初めに、知事の政策方針についてですけれども、千葉県は広く、東京との近接性や自然環境、歴史的経緯などにより、個性ある地域づくりが進められてきました。一方で、東京都に隣接をし、東京都へ通学や通勤する東葛飾地域においては、東京都の政策の影響を受けやすく、例えば、先ほど質問いたしました保育料の無償化をはじめ、東京都が豊かな財政力をもってして、本来では国が実施すべき子育て・教育施策を先行して行っていることなどに対し、県民から様々な御意見や御要望をいただいているところです。特に、東葛地域から政令指定都市の千葉市への電車の利便性も決してよいとは言えず、電車1本で、かつ数十分で東京都に行くことができる地域に住む千葉県民にとっては、千葉市に立地している博物館や美術館ではなく、東京都の博物館や美術館へ足を運ぶことが圧倒的に多いと感じております。

 県を代表する施設の物理的な距離の遠さが千葉県への関心度にもつながり、残念ながら、千葉県知事選挙や千葉県議会議員選挙など、千葉県に関する選挙の投票率は、事実、東葛・葛南地域では他地域と比較して低い傾向にあります。実際に令和6年度の県政に関する世論調査においても、葛南地域の県民から、千葉県政の情報をほとんど知らない、もっと県民に県政について知ってもらえるような取組が必要といった意見が出ております。こうした背景もあり、熊谷知事におかれましては、東京都に近い東葛・葛南地域に積極的に入って選挙戦を行い、千葉県の政策や展望を訴えていただいたものと考えます。

 そこで再質問いたします。東京都に隣接する東葛・葛南地域の県民に、千葉県の政策をどのように伝えていくのか。

 次に、新総合計画素案の人口減少対策について意見を述べさせていただきます。

 2023年の本県の出生率は3万5,658人、合計特殊出生率は1.14で、ともに過去最小・最低となっており、長きにわたり少子化の傾向が続いていることを背景に、新しい総合計画の素案の中に若者の出会い、結婚、妊娠、出産、子育てに関する希望をかなえることができるよう、各ライフイベントに応じた支援を行っていくことが明記されております。一方で、時代の流れとともに価値観が多様化し、女性が働くことも当たり前の社会となり、年齢、性別、障害の有無、国籍、性自認など多様性が尊重、認められるのはグローバルスタンダードとなっています。さらに、結婚をめぐる常識は日々変化をし、事実婚、ステップファミリー、同性パートナーシップ、選択的シングルなど、これまでのモデルでは捉え切れない形があり、出産を希望していても疾病等により妊娠が困難な女性もおります。その人たちがどのような生き方を選ぼうと、それは個人の自由であり、その選んだ生き方は尊重されるべきです。

 県の総合計画の人口減少対策の中に、若者の出会い、結婚、妊娠、出産の文字が羅列をされていると、女性はこの生き方を推奨されているかのような印象を受けかねないことを危惧しています。ちなみに、内閣府が2021年に公表した少子化社会に関する国際意識調査では、自分の国が子供を産み育てやすい国だと思うかの問いに対して、「とてもそう思う」もしくは「どちらかといえばそう思う」と回答した割合は、スウェーデンが97.1%、フランスが82%、日本は対象国最低の38.3%にとどまっており、少子化や人口減少の根本的な問題は出会いがないからだけではなく、社会制度も大きく影響していると考えられます。出生率は、男女平等社会に移行する初期段階では低下をし、成熟するにつれて上昇するということを専門家は指摘をしています。日本は今まさに過渡期にある中で、県民が選んだ、もしくは選ばざるを得なかった生き方で、一人一人が活躍をして充実した人生を送ることができるような、そして、それを後押しする未来の流れを見据えた総合計画であってほしいと思います。

 人事異動について再質問いたします。知事部局の部局別の男女比を調べましたところ差がありましたので、配付資料を御確認いただければと思います。ただし、熊谷知事が知事就任以降は、例えば令和3年度における防災危機管理部の女性比率6.2%であったのに対し、令和6年度は14.2%にまで上昇し、県土整備部も13.2%から15.1%に上昇するなど、これまで男性職員中心であった部局においても女性が配置されています。一方で、これまで男性が多いとされてきた部署においては、ハード面及びソフト面においても女性が働きやすい環境整備を推進していくことが大切です。特に、上司が男性の場合、生理や出産、不妊治療や女性特有の疾病、育児等について希望を伝えたり相談しやすい体制を充実させていくことが求められます。

 そこで再質問いたします。男性が多い防災危機管理部や県土整備部などの部署では、女性が働きやすい職場環境をつくるためにどのように配慮しているのか。

 次に、ハラスメント対策について再質問いたします。様々な工夫を凝らしていただきまして、知事部局の職員対象者約1万名のうち8,200名を超える職員が回答されたとのことで、ハラスメントの実態を把握するのに十分な回答数を得ることができたこと、改めてその取組を高く評価いたします。結果として、ハラスメントを受けたと感じた職員1,793名と、21.7%もいたという事実を受け止め、引き続きハラスメントの防止に努めていく必要があります。一方で、今回は我が会派で提案させていただいたように、職員以外からのハラスメント行為の欄も設けております。

 そこで再質問いたします。アンケートへの回答で、パワハラを受けたと感じた際の行為者として、その他の欄に職員同士以外でどのような人が記載され、その内訳はどうだったのか。

 次に、アナログ規制についてですが、本県ではアナログ規制の見直しを着々と進めてくださっていることが分かりました。ただし、アナログ規制の撤廃の目的は、県民、事業者の利便性の向上や、県職員の業務効率の改善を図ることであり、ただやみくもに撤廃すればいいというものではないと考えます。アナログ規制の中には、現場に赴いて確認をしなければならないものも存在します。目的に沿ってアナログとデジタルをしっかりと見極めながら取り組んでいただきますようお願い申し上げます。

 防災・減災対策について要望です。グループホーム等は、避難計画の策定及び年2回の避難訓練が義務づけされておりますが、グループホームの利用者の方々は要支援者になることは間違いなく、災害時にパニック状態に陥った利用者を福祉避難所まで届けることができるのか、事業者は大変危惧されていると聞いております。そもそも障害者グループホームには立地規制というものが特にないわけですが、この30年の間で80%の確率で南海トラフ地震は発生すると予測をされており、本年3月に内閣府より公表されました巨大地震の被害想定結果では、本県は平成24年と比較し浸水面積が増加したことによって、津波発生時の早期避難率が低い場合の死者数は1,600人から1,800人へと増加をしております。いかに早期避難が重要であるかということです。

 こういったリスクを抱えていることを踏まえ、やはり海や川の近くなど津波や水害を受けやすい地域や、ハザードマップにて特別警戒区域に指定され、命や身体に危害が生ずる可能性がある場所については、要支援者となる方々の施設立地の許可を出すことについて、今後は慎重になっていただき、現在沿岸に立地されている施設については、平時から関係機関と連携を取れる体制の構築をお願いしたいと思います。

 次に、トランプ政権による関税についての要望です。東京商工リサーチ千葉支店が4月1日から8日までインターネット上で行ったアンケートでは、トランプ政権による関税について、マイナスの影響が出ると答えている県内企業は約半数の47.1%にも上っています。中には設備投資の取りやめや、在庫量削減などを検討する声も上がっていると聞いており、既に中小企業や農林水産業者を対象とする金融支援の特別融資枠を設けた都道府県も出てきています。本県もその影響について精緻な分析を進めた上で、必要であれば特別融資などの創設も検討すべきと考えます。また、自治体だけではできる対策は限られてしまいますので、企業の資金繰りや雇用維持に対する支援策を政府に対して強く求めていただくように要望をさせていただきます。

 次に、小児医療体制ですけれども、御答弁のとおり、確かに1次医療機関に対して研修受講料、旅費、専門書籍の購入等を助成する事業はありますが、これは合計で300万円であり、小児1次医療における小児科医不足の根本的な解決策にはつながっておりません。例えば、千葉県相対的医師少数区域における小児科医確保緊急支援事業の対象医療機関を限定せずに、既存の医療機関において新たに小児科を診療科目として開設した場合においても補助対象とするなど、支援内容を1次医療に拡大していただきたいと思います。

 私の地元の我孫子市においては、小児救急搬送件数が増加傾向にあり、その要因は、入り口である地域の1次医療機関の減少が考えられており、そして、その結果、2次救急医療機関への負担につながっているという現状もありますので、ぜひとも県として小児医療提供体制の整備に伴う小児1次医療への支援策をお願いいたします。

 次に、現在訪問介護等サービス提供体制確保支援事業の活用検討に向けた具体的なニーズの精査を進めているという御答弁でしたけれども、国のこの補助事業が来年もあるとは限りませんので、ぜひこのタイミングを逃すようなことがあってはならないと思います。

 そこで再質問です。いつまでにニーズ調査を終えるのでしょうか。

 次に、教育環境の整備について再質問いたします。

 トイレの洋式化とエアコンについては順次進めていただいているとのことですが、令和2年5月にバリアフリー法の改正により、既存公立小中学校等施設のバリアフリー化が努力義務化され、障害のある児童生徒等が休憩時間内の教室移動の際などに円滑に移動できるよう、エレベーターの設置やスロープによる段差解消をすることが望ましいと文部科学省から通達されております。

 そこで伺います。県立学校においては、移動に配慮が必要な生徒が入学した場合、エレベーターの設置やスロープなどのバリアフリー化について、どのように対応をしているのか。

 フリースクールについて要望と再質問です。我が会派は、これまで複数のフリースクールを視察してまいりました。本日も子供たちの復学を目指すフリースクールを運営されている代表の方々に傍聴にお越しをいただいております。我々が視察を重ねたフリースクールは、子供たちの状況に寄り添いながら、子供に自信をつけさせるように自己表現を重んじ、学業やスポーツ等にも力を入れているという施設です。フリースクールの出席扱いについては、これまで我が会派が提案してきた長野県が行っているような認証制度のように、千葉県が基準を設け、チェックをしてクリアをしたフリースクールに対して支援を行うという形が望ましいと考えます。京都府においても、不登校児童生徒の学校復帰や希望進路の実現に向けて取り組んでいるフリースクールとの連携を推進しており、6施設を府認定フリースクールとして認定し、出席扱いできることとしております。

 このように、何かしらの基準を設ける自治体が増えてきている中、現在、特段基準を設けていない千葉県がフリースクールへの活動支援に対し財政支援を行うわけですから、補助対象の取組内容については、子供たちの学びや自立などを基本とし、将来子供たちが進学を希望したり社会に出た際に必要な能力を培えるような活動団体へ支援をするように、よく精査をしていただきたいと思います。

 次に再質問ですが、フリースクール等に通う子供たちについては、本来在籍する学校側が出席扱い等の決定権があるにもかかわらず、学校側が訪問もせずにフリースクールに任せきりという状況もあると聞き及んでいます。

 そこで再質問いたします。学校は、在籍している児童生徒が民間のフリースクール等に通学している場合、現場を訪問するなどフリースクールと丁寧な情報共有や意見交換をする必要があると思うが、県としてどのように取り組んでいくのか。

 次に、いじめ問題における別室指導について伺います。御答弁では、別室での指導を含め対応しているとのことですが、大前提として、いじめの原因は加害者です。被害者を別室にしてもいじめの対象が替わるだけであり、いじめはなくなりません。たとえ加害者が複数で被害者が1人だとしても、教室から去るべきは加害者側です。

 そこで伺います。別室による指導の実態は、加害者を別室にする場合と被害者を別室にする場合、それぞれ何件か。

 高校生の就活ルールの1人1社制の見直しについて要望いたします。この1人1社制は、法令等には根拠がなく、関係者の申合せで実施しているという御答弁でした。18歳の成人した大人が、就職を希望する企業が2社以上あっても1社しか応募することができない状況は、権利の侵害にもつながりかねず、生徒の主体的な職業選択を妨げ、早期離職につながる一因となっているという指摘もあることから、全国では沖縄、秋田、和歌山、大阪、茨城などが見直しを行っております。本県においても、ぜひとも見直しを要望いたします。

 交通安全対策についてですが、この信号機のない横断歩道について、事故や死亡者数が減少しているということは、取締りの効果が出ているという証左であるということを認識いたしました。一方で、ドライバーからは信号機のない横断歩道を通過する際、歩行者が渡るのか渡らないのか判断が難しいというお問合せを受けることが多々あります。また、幾ら歩行者が渡ろうとしても車が一向に止まらない横断歩道も実際にあります。例えば、愛知県では、歩行者が手を挙げて道路を渡る意思と感謝を示すハンドアップ運動を実施しており、令和元年度に信号機のない横断歩道での歩行者横断時における一時停止率が3.4%で全国ワースト1位だった三重県では、ハンドサインを呼びかけるキャンペーンを実施した結果、一時停止率が64.3%と大幅に増加をしています。千葉県においても、こうしたハンドサイン等のキャンペーンや運動を積極的に行っていただくように要望をさせていただきます。

 ヘルメットの着用率について、こちらは再質問をさせていただきます。ヘルメットの着用率が上位の自治体においては、高校生を対象とした通学時の着用の義務化や購入費補助という取組が行われているということでした。県教育委員会は、令和5年度にヘルメットの着用を自転車通学の許可条件に加えるなど、各学校の実情に合わせた積極的な取組を推進するという通知を出しております。

 そこで再質問いたします。県立高校で自転車通学時にヘルメットの着用を義務づけている学校は何校か。

 次に、選挙における課題と対策について、要望と意見を申し上げます。先般行われました千葉県知事選挙においては、船橋市、そして松戸市をはじめ、投票しやすい環境整備として、新たな取組が行われたとのことで、こうした取組をぜひ県内の市町村へと、好事例や先行事例として紹介をしていただきたいと思います。

 また、主権者教育についてですけれども、県立高校における模擬選挙については、令和4年度の実績で36.4%にとどまっているというふうに聞いております。18歳を迎える前に、全校が実施できるように進めていただきたいと思います。

 私たち千葉県議会も、初めてちば高校生県議会を実施することとなりました。若い世代の政治参画を促し、良質な民主主義を醸成していくためには、この主権者教育というのは使命と捉え、行政と議会が一丸となった取組を進めていただきたいと思います。

 以上で2回目といたします。

○副議長(實川 隆君) 総合企画部長三神彰君。

○説明者(三神 彰君) 県の政策を東葛・葛南地域の住民にどのように伝えていくのかとの御質問です。

 東葛・葛南地域は、都内への通勤通学者が多く、日常生活において東京とのつながりが強い地域であると認識しております。県といたしましては、こうした東葛・葛南地域も含め、県内各地域の特性や課題を的確に把握して県の政策に反映していくとともに、このことを県ホームページや「県民だより」、SNSなど様々な手法できめ細かく発信していくことによりまして、県政への関心をさらに高めていただけるよう、引き続き取り組んでまいります。

 以上でございます。

○副議長(實川 隆君) 総務部長前田敏也君。

○説明者(前田敏也君) まず、女性が働きやすい職場環境についての御質問でございますが、県では、女性職員が少ない職場においても女性用の休憩室を設けるなどハード面の環境整備に努めるとともに、職員が相談や発言等をしやすい職場の風土づくりを進めるため、研修を通じた管理職等の意識改革にも取り組んでいます。

 次に、ハラスメントアンケートに関する御質問でございますが、アンケートの回答者8,269名のうち、パワハラを受けたと感じたと回答した者が1,599名であり、さらにそのうち、その行為者として県職員以外を挙げた者が29名でした。この内訳は、国や市の職員と回答した者が3名、議員と回答した者が11名、外部関係者や県民と回答した者が10名などとなっております。

 以上でございます。

○副議長(實川 隆君) 健康福祉部長岡田慎太郎君。

○説明者(岡田慎太郎君) 訪問介護事業所の支援ニーズの調査についての御質問でございます。県では、国の支援メニューへのニーズを把握するため、関係団体や市町村へのヒアリング等を通じて情報収集しているところでございます。できるだけ早期に全体把握を終了し、検討を進めていきたいと考えています。

 以上でございます。

○副議長(實川 隆君) 教育長杉野可愛君。

○説明者(杉野可愛君) 初めに、県立学校のバリアフリー化に関する御質問ですが、エレベーターやスロープなどの整備については計画的に進めているところですが、移動に配慮が必要な生徒が入学する場合は、その都度要望を丁寧に聞きながら個別での対応を行っています。

 次に、学校とフリースクールとの連携に関する御質問ですが、不登校児童生徒支援に係る県の基本方針では、学校とフリースクールが相互に補完、協力しながら児童生徒の社会的自立を支援することとしており、県教育委員会としては、丁寧な情報共有や意見交換の必要性について会議や研修会で周知し、浸透を図ってまいります。

 次に、いじめの加害者と被害者への対応ですが、国の調査によると、本県の公立学校において令和5年度に別室で加害児童生徒に指導等を行った件数は87件となっています。また、被害児童生徒に対し、別室の提供や常時教職員がつくなどして心身の安全を確保した件数は1,145件となっています。

 最後に、県立高校におけるヘルメット着用の義務づけについての御質問ですが、県立高校で自転車通学時にヘルメットの着用を義務づけている学校は、令和7年5月1日現在で2校となっています。

 以上でございます。

○副議長(實川 隆君) 水野友貴君。

○水野友貴君 まず、不登校児童生徒支援といじめ問題のうちに、この別室で指導を行った件数ですけれども、別室で加害生徒に指導等を行った件数は、御答弁によると87件、被害生徒に対して別室の提供や教職員がつくなどして対応した件数が1,145件ということですが、被害児童を別室等にするケースが加害児童を別室にするケースの約13倍もあるという計算になります。原因は、加害者であるにもかかわらず、加害者を出席停止にせずに、ほとんどの場合において被害者を別室等にしている。なぜ被害者が教室を去らなければならないのでしょうか。被害者が別室登校や不登校、転校を余儀なくされる現状は、これは全国的に問題になっております。この状況を改善して、被害者側に寄り添った対応を強く要望させていただきたいと思います。

 そして、ヘルメットについてですけれども、御答弁では全県立高校121校中、このヘルメットの着用を義務化という形で行っているのが2校のみということで、非常に少ないというのが率直な意見です。東京都の教育委員会では、令和6年度から全ての都立学校において、自転車通学の際は必ずヘルメットの着用を求める方針を打ち出し、各学校の対応として、生徒の自転車通学に関する許可や届出において、登下校時の乗車用ヘルメットの着用を条件または必須項目に加えることとしております。千葉県はモデル校の取組をしておりますが、早急に全県的に拡大をしていただきまして、危機意識を持って、安全な自転車利用のためのヘルメット着用に向けて取り組んでいただくように要望させていただきます。

 また、このヘルメットにつきましては、県民向けとして環境生活部、生徒向けとして教育委員会、自転車利用者向けに県警本部と縦割り行政で、それぞれがばらばらに取り組んでいる印象を受けます。事故の分析や他都道府県の状況を部局を超えて情報共有をして、連携をしながら一丸となってヘルメット着用率の向上に向けて努めていただきますように要望をさせていただきます。

 最後に、ハラスメント対策について申し上げます。ハラスメントは相手の人格や尊厳を侵す人権問題であり、加害者は刑事上、民事上の責任を問われる場合もあります。ハラスメントは、ハラスメントを行う行為者の意識や言動の改善なくして解決はありません。職員以外では、県民、国や市の職員、また議員もハラスメントの行為者に含まれていたとのことです。特に、職員と日常的に触れ合う議会もハラスメントに対する意識と理解を深め、そして良好で健全な二元代表制を構築していかなくてはならないと思います。ハラスメントは、被害を受けた個人に深刻な心身の影響を与えるだけでなく、組織にも悪影響を及ぼします。県全体でハラスメントの問題意識を高め、県民、職員、議員一人一人がハラスメントに対して高い意識を持って、そしてお互いを尊重し合う千葉県政を目指していきたいと思います。

 以上、千葉新政策議員団の会派の代表質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。

○副議長(實川 隆君) 以上をもって本日の日程は終了しました。

 明日5日は定刻より会議を開きます。

 これにて散会します。

 午後2時44分散会   

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電話番号:043-223-2523

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