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更新日:令和7(2025)年6月4日
ページ番号:773120
令和7年1月30日(木曜日)
議事日程
議事日程(第3号)
令和7年1月30日(木曜日)午前10時開議
日程第1 議案第1号ないし議案第79号、報告第1号ないし報告第3号に対する質疑並びに一般質問
午前10時0分開議
○議長(瀧田敏幸君) これより本日の会議を開きます。
議長の報告
○議長(瀧田敏幸君) 日程に入るに先立ち、諸般の報告を申し上げます。
議長の出席要求に対する出席者について変更があり、本日、選挙管理委員会委員岡本和貴君が出席しますので、御了承願います。
質疑並びに一般質問
○議長(瀧田敏幸君) 日程第1、議案第1号ないし第79号、報告第1号ないし第3号を一括議題とし、これより質疑並びに一般質問を行います。
順次発言を許します。通告順により篠田哲弥君。
(篠田哲弥君登壇、拍手)
○篠田哲弥君 皆様、おはようございます。公明党、松戸市選出の篠田哲弥です。今日は、遠いところ傍聴に来てくださった皆様、大変にありがとうございます。今回の質問は、県民の皆様からいただいた様々な声を基に質問させていただきます。
それでは、通告に従い、会派を代表して質問をさせていただきます。
最初に、知事の政治姿勢について伺います。
初めに、防災対策です。
昨年4月に公明党千葉県本部では、県内自治体の災害対応実態調査を行いました。その中で、例えば、災害時応援協定を活用して段ボールベッドを採用する自治体が3分の2まで増えており、一定数進んでいますが、提供予定数量などの具体的な取組まで行っているのが1か所のみであり、また、協定締結後に定期協議や備蓄数を直接確認しているところはごく僅かでした。この調査結果より、協定を結んで終わりではなく、定期協議、備蓄状況の確認など実効性を高めるため、運用面の改善が肝要であることが明らかになりました。これを踏まえ、9月、12月の代表質問において避難所の支援体制や環境改善をただしてきたところ、2月補正予算案に備蓄、資機材の確保への予算が盛り込まれ、改善が図られていることを評価しています。一方で、現状大規模災害時に被災市町村では、避難所運営をはじめとする災害対応業務に忙殺されます。避難所運営を着実に行うためには、応援体制の整備において県の果たすべき役割は大きいと思います。
そこで伺います。今後の防災対策に関し、避難所の運用面において、県はどのように市町村を支援していくのか。
次に、文化芸術振興についてです。
我が会派では、文化芸術の振興に長年にわたり力を入れ、平成30年には千葉県文化芸術の振興に関する条例を議員発議としてリードし、制定することができました。これを受けて、令和4年3月には千葉県文化芸術推進基本計画が策定され、知事部局にスポーツ文化局を新設するなど、県として文化芸術の振興が総合的かつ計画的に進められています。また、若手芸術家への支援や、千葉県誕生150周年記念事業による取組など、障害の有無や年齢にかかわらず、あらゆる人々が文化芸術を創造できる環境づくりが一層進められており、着実に取組が強化されていることを評価しています。今年度末に第2次千葉県文化芸術推進基本計画の策定が行われますが、これまでの取組がどのように発展するのか気になるところです。
そこで伺います。本県の文化芸術の振興にどのように取り組んでいくのか。
次に、若者支援についてです。
皆さんは、ユースクエークという言葉を御存じでしょうか。これは若者による地殻変動という意味で、多岐にわたる社会の課題を青年世代が中心となって解決に取り組んでいることを指しています。公明党青年委員会は、昨年7月、ニュージーランドの地方議員、ソフィー・ハンドフォード氏と、若者団体NO YOUTH NO JAPAN能條桃子理事を招いてYOUTH TALKを開催し、学生の代表の皆様と懇談しました。ソフィーさんからは、御自身が気候変動問題に対し、このユースクエークによる草の根運動を進め、ゼロカーボン法制定、排出削減計画策定、炭素予算作成など、国家レベルのシステムチェンジを成し遂げた経験を通し、成功の鍵は、変化をもたらすのに年齢は関係ないと示すロールモデルを輩出することだと強調されていました。
公明党青年局としても、社会のルールを最も長く影響を受ける青年世代からの声を直接聞く取組に加え、政策立案の過程における青年世代の参画の機会を確保する試みを行っています。さらに、より広い意見を反映するためには、県議会においても青年世代と県政における意見交換の場の創設が必要だと考えます。先般発表された知事の県政ビジョンに「現場主義と対話で開かれた県政を実現」とあり、「千葉県内で活動している団体や高校生・大学生と知事との対話の機会を創出」とうたわれています。県内でのロールモデルとしていくために、知事を中心とした執行部においても、県内外の若者が気軽に集えて、県政に若者の声や英知を反映させる取組が必要だと考えます。
そこで伺います。知事の新しい公約に、「高校生・大学生と知事との対話の機会を創出」とあるが、若者の意見の県政への反映について、知事の考えはどうか。
続いて、物価高対策についてです。
政府の総合経済対策の策定に当たり、家計を温めることで一人一人が生活の豊かさを実感できる施策を進めることを我が党は強く求め、これらが反映された形で、物価高の影響を受ける生活者や事業者等、誰一人取り残されない成長型経済への移行に道筋をつけるための補正予算が成立されました。
我が会派では、この国の補正予算を活用し、地域の実情に応じた物価高対策を実施する重点支援地方交付金や、子供・子育て支援のほか、災害対策の強化など、早期に多くの県民に支援が届くよう、総合経済対策の早期実現に関する要望書を熊谷知事に提出しました。この要望が反映され、このたびの2月補正予算案では、消費喚起のためのキャッシュレス決済によるポイント還元や、LPガス料金負担軽減など多くの事業が盛り込まれました。
そこで伺います。2月補正予算での物価高対策に関する事業について、どのような観点で予算措置したのか。
次に、知事選の投票率向上への取組について伺います。
今年は、知事選をはじめとした首長選や参院選など数多くの選挙が予定されています。その中で、県知事選の投票率を見てみますと、前回38.99%、前々回は31.18%にとどまっています。地方選挙を通じて投票率が低下傾向にある中、有権者が投票しやすい環境を一層整備し、投票率の向上を図っていくことは引き続き重要な課題であります。これまで投票環境の利便性を高めるために、期日前投票所の拡充や投票時間の延長、さらには学校での主権者教育や、高校や大学で模擬投票を実施し投票の重要性を学ぶなど、各自治体で様々な工夫が重ねられていますが、まだまだ課題は多いように思います。
移動困難者や若い世代からの声を聞きながら課題を把握したり、先進事例を紹介、共有する要は県選管にあると思います。若者に影響力のある人物やSNSプラットフォームを利用して投票を呼びかけるキャンペーンを実施することも検討してはどうでしょうか。
そこで伺います。千葉県知事選挙の投票率向上へ向け、どのように取り組むのか。
次に、SDGsの推進について伺います。
国連は昨年6月、SDGsの進捗状況に関する報告書を発表し、それによると、「順調に進んでいる」は僅か17%で、48%が「大きく軌道を外れ」、35%が「停滞または後退」であるとし、SDGsは危機に瀕していると強く警鐘を鳴らしています。私は、SDGsの達成度が進まないこの現在の状況を踏まえれば、企業や自治体、市民社会など様々な分野に呼びかけ、その連携を起爆剤とし、ボトムアップで国を動かしていくことが大事だと強く感じます。千葉県としても、さらなるSDGsへの取組の強化が必要なのではないでしょうか。
そこで伺います。SDGsの推進には企業、県民の理解と協力が必要と思うが、県はどのように取り組んでいるのか。
次に、SAFの導入促進について伺います。
SAFとは、サステーナブル・アビエーション・フューエルの略で、持続可能な航空燃料という意味です。従来のジェット燃料が原油から精製されるのに対して、SAFは廃食油、サトウキビなどのバイオマス燃料や都市ごみ、廃プラスチックを用いて生産され、二酸化炭素の排出量は従来に比べて最大で8割削減できるとも言われています。国は、2030年までに国内航空会社の使用燃料の10%をSAFに置き換えるという目標を掲げています。県においても、SAFの導入に取り組むことにより脱炭素社会の実現を進めるだけでなく、成田国際空港の機能強化、また、周辺地域の活性化につながることは明らかだと考えます。
そこで伺います。SAFの導入促進に向けた県の取組はどうか。
次に、多文化共生社会について伺います。
昨年の訪日客数は、11月時点で過去最多の3,300万人を記録し、コロナ禍で減少していたインバウンドも取り戻しつつあります。成田空港を擁する我が千葉県は、その中でも、その数は東京、大阪に次ぎ3番目に多いと言われています。また、県内の在留外国人も約22万人となり、この10年で約2倍に増えています。
こうした状況を踏まえ、本県では多様性尊重条例に基づいて、昨年の12月に国籍や文化的背景に関係なく誰もが活躍できる社会の実現を目指す外国人活躍・多文化共生推進プランを策定しました。このプランの策定において、12月議会の代表質問では、差別や偏見がなく、互いを尊重し、包摂し合える千葉県を築くよう要望していたところです。
そこで伺います。言語、文化、習慣などの違いにかかわらず、全ての県民が地域社会の一員として共に生きていく多文化共生社会の実現に向けて、県はどのように取り組んでいくのか。
コンビニや工事現場など、至るところで外国人労働者を見かけることが今や当たり前のことのようになりました。厚労省の発表によると、令和5年10月末時点で、国内に滞在する外国人労働者数は200万人を突破しています。その一方で、長期化している円安や他国の経済成長など、外国人材が日本を選択する利点が少なくなってきていることも事実です。少子高齢化や人口減少が急速に拡大する中、人手不足の状況は加速度を増す一方です。特に、介護分野においては、来年2026年度には全国で25万人、2040年度には57万人の介護職員が不足になると言われています。これからも外国人労働者を確保し続けるためには、労働環境の整備が必要なことは言うまでもありません。県としても、様々な国からの介護人材を受け入れるべきではないでしょうか。
そこで伺います。外国人の介護人材確保に向けて、県はどのように取り組んでいくのか。
次に、平和について伺います。
想像してみてください。直ちに発射できる核弾頭が4,000発もあるということを。広島や長崎で起こったことの数百倍、数千倍の被害が直ちに現出することがあるということです。これは、昨年のノーベル平和賞の授賞式での日本被団協の田中熙巳さんの言葉です。この受賞により、世界中の人々が改めて戦争の残虐な非人道性を心に刻み、高まる核脅威への警鐘につながるものと切望します。
世界では、いまだに残酷な戦争や紛争が続いている中で、本年は終戦、被爆80年の節目に当たり、また、この平和賞受賞を契機に、唯一の被爆国である私たち日本国民が率先して過去の歴史に学び続け、二度と戦争の悲劇を繰り返すことのないよう、平和の尊さを訴える絶好の機会とすべきであると考えます。核兵器廃絶と世界恒久平和を目指し、県としても平和を広げていくために様々な取組を積極的に行うべきだと思います。
そこで伺います。今年は戦後80年の節目に当たるが、戦争の悲惨さを県民に伝えていくため、県ではどのように取り組んでいるのか。
先ほども触れました日本被団協の皆様がノーベル平和賞を受賞したその授賞式に、核兵器廃絶を求める署名を国連に届ける活動を続けてきた高校生平和大使4人が出席していたことは、平和な未来への希望を感じました。高校生は、授賞式でたくさんの人が涙を流し耳を傾けていて、どれだけ多くの人が被爆者の思いに心を動かされ胸が熱くなったかを感じた、被爆者の経験や思いを無駄にしない活動を続けていきたい。また、被爆証言を聞くことができる最後の世代である私たち若者が核兵器廃絶を日本や世界に強く訴えていこうと改めて感じたと語っていました。千葉県内でも、10代に戦争の悲惨さを学び、平和の価値を根づかせ、次世代につなげる教育活動が進められています。教育時間の制約がある中でも、平和教育の実践を強化、共有していくことが必要と思います。
そこで伺います。県立高校における生徒への平和教育の状況はどうか。
次に、公共交通について伺います。
駅のホームドアは、視覚障害者や一般利用者の安全性向上を目的として進められてきました。2001年の新大久保駅での事故や、2016年の青山一丁目駅での事故など重大な事故が発生したことから、ホームドア設置を求める声がさらに強くなりました。ホームドアの設置は、事故防止だけでなく、駅のバリアフリー化や列車遅延の減少や利用者の安心感向上といった観点からも重要な施策となっています。我が党では駅の安全性向上のためにホームドアの早期設置を一貫して訴えてまいりました。現在、県内鉄道において順次ホームドアの設置が進んでいますが、まだ道半ばです。ホームドアの整備はバリアフリー法でも目標が定められ、それに基づいて整備が進められており、1日当たり10万人以上の利用者がある駅、転落事故や接触事故が多発している駅、視覚障害者の利用が多い駅などの優先度が高いホームでの整備を加速化することを目指しています。同法に基づく基本方針における次期目標が2025年度末に迫る中、千葉県における目標に基づくホームドアの設置状況と、今後の整備に関する考えを改めて確認したいと思います。
そこで伺います。県内鉄道駅におけるホームドアの設置状況及び整備促進に関する県の考え方はどうか。
私は、おととしの一般質問でグリーンスローモビリティーの導入の推進について質問しました。グリーンスローモビリティーは市議会議員のときから積極的に取り組んでおり、全てがボランティアによって運用されるこのスタイルは松戸モデルと名づけられ、今全国でこのモデルのグリスロが広がっています。県内でも千葉市や四街道市で運行され、船橋市や館山市では実証実験走行がされました。また、オンデマンド交通も成田市で10年以上にわたって運行されており、ライドシェアに関しては千葉交通圏から始まり、京葉、東葛、市原、南房と確実に広がりを見せているようです。
県内では、このように高齢化や過疎化が進む地域の移動手段の確保のため、また、交通空白地域の解消のために様々な移動手段の取組がなされています。
そこで伺います。交通空白地域におけるオンデマンド交通やグリーンスローモビリティーなど、新たな公共交通の活用に関する県の認識と取組はどうか。
次に、防災、減災について伺います。
気象情報は、災害の被害を防ぐ上で大切な役割を果たしています。例えば、大雨、暴風雪、竜巻、土砂災害や河川氾濫、津波などの自然災害の発生を事前に知らせることで、住民に早めの準備を促します。また、高齢者等避難や避難指示と連携することで、命を守るための迅速な行動を取る手助けをします。さらに、気象予報や災害予測を通じて、どの地域が被害を受ける可能性が高いのかを明確にします。これにより、自治体や住民が必要な備蓄や対策を事前に講じることが可能になります。まさに気象情報は事前準備、避難行動、災害発生後の対応を支える重要な役割を果たしています。
気象情報をどう活用するかが、県民の命と財産を守ることに直結しています。今、県は気象情報を気象台から入手していますが、様々な情報ソースから集められた膨大なデータに基づく高精度な予報をする民間会社が存在しています。既にちば減災プロジェクトでは民間の気象会社と連携しています。今後は気象台からの情報をメインとしつつも、民間の気象会社の情報も活用すべきではないかと考えます。
そこで伺います。気象台だけでなく、民間の気象会社の気象情報も県の防災・減災対策に生かしていくべきだと思うが、県の考えはどうか。
県では、平成30年度からS-netの観測情報を活用し津波を予測する千葉県津波浸水予測システムを運用しており、令和4年7月から気象庁の許可を得て、外房地域に津波警報が発表された場合に、一部の市町に対して津波予測を配信することが可能となりました。そして、令和6年11月からは、配信の対象となる市町村が15市町村に拡大されたと聞いております。被災地からの情報が届きづらい大規模災害の初動期において、予測情報の活用は災害対応に有効であり、今後、市町村と連携し、具体的な活用に向けた取組を進めていくことが重要と考えます。
そこで伺います。津波浸水予測システムの運用対象市町村が拡大したが、活用に向けどのように取り組むのか。
昨年の元日に発生した能登半島地震からはや1年と1か月が過ぎようとしています。亡くなられた方の御冥福をお祈りするとともに、いまだに不自由な避難生活をされている全ての被災者の皆様へお見舞いを申し上げます。
千葉県では、日頃から大規模災害時の救援、救助など地域の防災活動において、地域と行政、ボランティア組織などとの連絡調整を担う地域の防災リーダーである災害対策コーディネーターを養成しています。災害発生時に災害対策コーディネーターが防災士などとも連携して、現場においてどのような活躍をするのかが非常に重要になってきます。
そこで伺います。災害対策コーディネーターや防災士の育成に関する取組状況はどうか。また、どのように防災・減災対策に活用していくのか。
次に、子供・若者支援について伺います。
私が県議会議員になったばかりのときに30代の男性から、夫婦で受けている不妊治療の方法は保険適用外なので適用対象を拡大してほしいとの相談を受けました。公明党は、これまで25年以上前から不妊治療の保険適用を訴え続け、全国で署名活動をするなど、国に対して一貫して働きかけてきました。そして、国は2022年4月から不妊治療の保険適用を開始しました。22年度のレセプト、診療報酬明細書分析では、37万人超が不妊治療の保険診療を行ったことが明らかになっています。県としても、不妊治療への支援においてはこれまで様々な取組をされてきたことと思います。しかし、加速度を増す県内の少子高齢化に歯止めをかけるためにも、さらなる支援の拡充が必要だと思います。
そこで伺います。不妊治療について、保険適用外の治療費へ県独自の助成を行うべきと思うが、県の考えはどうか。
私は、公明党千葉県本部の青年局長として、日頃から若者の声をダイレクトに受け止めるために、ユーストークミーティングやユースディスカッションなど、直接その声を聞く機会を積極的に設けています。昨年、県内で行ったユーストークミーティングの中で多く寄せられた要望の1つが、行政主導で婚活支援をしてほしいでした。私はその声を聞いて、結婚したくてもできない実情が多いことを知りました。また、出会いの場づくりへの要望も強く、官民が連携したマッチングサービスの強化や、AIを活用したマッチングアプリの充実などが挙げられています。県においては、昨年9月と11月、そして今月の3回にわたり、先進的な取組として、仮想空間メタバースを活用した婚活イベントを実施し、大変に好評を博したと聞いております。
そこで伺います。メタバースを活用した婚活支援の取組状況はどうか。また、今後、婚活支援にどのように取り組むのか。
千葉県の児童相談所の児童虐待に関する相談件数は、最新のデータである令和4年度では全国で4位の8,747件で、前年度と比較すると846件減少しているものの、高止まりをしてしまっています。千葉県では、現在児童相談所の機能強化を図っており、2か所の新設と、既存施設の2か所の建て替えを計画しており、松戸市にも来年に新しく(仮称)東葛飾児童相談所が完成する予定になっています。また、児童福祉司や児童心理司などを含めた人員の増員にも力を入れています。私も地元住民として大いに期待をしています。
そこで気になるのが、一時保護所における学習環境の状況です。一時保護された子供の年齢や状態に応じた適切な支援が行われているのか、個室が配備されているのか、また、子供たちが安心した生活を送れるよう、学習環境が確保され、運動や余暇活動などもできているのか、心配に思うのは私だけではないと思います。
そこで伺います。県は、一時保護所の子供への学習支援の強化にどのように取り組むのか。
2023年度に全国の小中学校で不登校と判断された児童生徒が前年から約4万4,000人増え、約34万6,000人と過去最多を更新しました。不登校の原因としては、教員や友人との人間関係の問題、学業不振、生活リズムの不調など様々です。学校に戻りたい児童生徒がいる一方で、学校以外での学びを望むケースもあります。私は、おととしの12月議会の一般質問で、ICTなどを活用し自宅でオンライン授業を受け、それが出席扱いとされるよう取り組むべきと訴えていました。県は、昨年からオンライン授業エデュオプちばを開始し、大勢の生徒が登録し大変に好評を得ており、私も非常にうれしく感じております。不登校児童生徒への支援は、これからますます様々な角度で、より重層的に行われていかなくてはならないと思います。
そこで伺います。家庭で過ごすことの多い不登校児童生徒への支援を充実させるため、今後どのように取り組んでいくのか。
次に、依存症対策について伺います。
ギャンブル等依存症とは、ギャンブルなどにのめり込んでコントロールができなくなる精神疾患の1つで、これにより日常生活や社会生活に支障が生じている状態です。今、そのギャンブル等依存症の人が増えています。現代はオンラインによるギャンブルを行う人が増加しており、スマホでどこからでも手軽にできることから、ますます身近なものになっています。さらに、違法なオンラインカジノが若者世代に浸透し、お金のために闇バイトや犯罪につながってしまうことも起きています。本人のみならず、家族も苦しむことになってしまうギャンブル等依存症に対して、県としてもしっかりと取り組む必要があります。県は、現在千葉県ギャンブル等依存症対策推進計画を策定し、取組を進めています。切れ目のない支援体制の構築を目指し、様々な幅広い支援がありますが、それぞれの支援を重層的に連携しながら行う必要があります。
そこで伺います。
1、千葉県ギャンブル等依存症対策推進計画の中で、相談支援、社会復帰支援、治療支援、民間団体との連携、多重債務問題への支援について、それぞれ具体的にどのような取組をしているのか。
2、ギャンブル等依存症の支援を担う民間団体への支援強化にどのように取り組んでいくのか。
次に、SNS誹謗中傷対策について伺います。
今やスマホの保有率は、個人では7割を超え、その中でSNSの利用率も8割を超えています。利用者が増える中で、SNS上に書き込まれた誹謗中傷の投稿により、人権侵害や精神的な苦痛を受ける被害が拡大し深刻化しています。著名人がSNSへの心ない書き込みによって自死をしてしまったり、昨年のオリンピックでの選手への誹謗中傷も記憶に新しいところです。日頃SNSを頻繁に利用する私たち議員も人ごとではないと思います。公明党は、人権を侵害する投稿は絶対に許さないとの観点から、2020年にインターネット上の誹謗中傷・人権侵害等の対策検討プロジェクトチームを設置し、専門家や事業者との意見交換を重ね、政府に提言を行うなどしてきました。その結果、22年にはインターネット上の誹謗中傷に対応するための侮辱罪が厳罰化されたほか、発信者の特定に必要な手続を簡素化する制度もスタートしました。千葉県においても、何らかの対策が今強く求められていると思います。
そこで伺います。
1、県として、SNSによる誹謗中傷の防止に関する啓発や教育などにどのように取り組んでいくのか。
2、県警としては、SNSによる誹謗中傷の相談を受けた際にどのような対応をしているのか。
次に、認知症対策について伺います。
本県においても認知症高齢者の増加が見込まれる中、認知症の人やその家族を支え、認知症になっても安心して生活ができる地域社会の実現に向け、適切な医療やケアの提供、相談や見守り体制の充実及び認知症に関する理解の普及促進などの総合的な認知症対策が推進されております。県では、平成21年度から認知症対策推進協議会を立ち上げて支援に取り組んでいます。
そこで伺います。
1、本県では認知症の支援体制構築を推進するための県認知症対策推進協議会が設けられているが、どのようなことを議論しているのか。
2、認知症対策における本県の課題と今後の取組はどうか。
認知症の方を守る制度の1つに成年後見制度があります。我が国では、社会的な孤立を背景として、判断能力が不十分なために住宅、医療、福祉、金融などの生活関連サービスを適切に利用できない人や、消費者被害や詐欺のターゲットになっている人など、課題を抱えている人が増えています。成年後見制度は、これらの問題を改善させる重要な手段であるにもかかわらず、十分に利用されていない状況にあります。
成年後見制度の推進については、平成28年5月に成年後見制度利用促進法が施行されました。そしてその後、成年後見制度利用促進基本計画が策定され、現在取り組まれている第2期計画では、令和6年度末までに全国全ての市町村に権利擁護支援の地域連携ネットワークとして中核機関を整備することが目標と掲げられています。
千葉県では、令和6年10月から11月にかけて、成年後見制度利用促進地区別意見交換会として、千葉家庭裁判所の支部ごとに、管内自治体の成年後見制度利用促進担当者及び市町村社会福祉協議会職員が集い、中核機関設置に向けた取組が進められている中、課題が多いとも聞きます。
そこで伺います。成年後見制度の利用の促進に向けた中核機関の本県内の設置状況と課題はどうか。また、県として具体的な支援をどのように行うのか。
次に、デフリンピックについて伺います。
100年の長い歴史の中で、日本国内では初めてとなるデフリンピックがいよいよ今年の11月に東京で、陸上や水泳など21競技が12日間にわたり開催されます。改めてなりますが、デフリンピックとは、耳が聞こえない聴覚障害者のための世界規模の大会であり、世界約80か国地域から約6,000人の選手やスタッフが集う、オリンピックやパラリンピックと同様のIOCの公認大会です。開催まであと11か月となり、都内でイベントが行われるなど、機運が高まっています。しかし、それもまだ一部の盛り上がりにとどまっており、さらなる大きなPRが必要です。
私は、おととしの一般質問でデフリンピックやデフスポーツの県民への広い周知を訴えました。知事からは、デフアスリートの挑戦の姿を描いた映画の上映や、県のホームページ等でデフリンピックに対する県民の関心が高まるよう周知に努めていくとの答弁をいただいていました。それから1年以上がたち、東京2025デフリンピックが今年中に開催される現在において、県の取組状況が気になるところです。
そこで伺います。東京2025デフリンピック大会の周知や、デフスポーツの振興にどのように取り組むのか。
次に、一般廃棄物処理業務における適切な価格転嫁について。
生活環境の保全と公衆衛生の向上を図る上で、その重要な担い手となるのが廃棄物処理事業者の方々であります。社会生活を支えるエッセンシャルワーカーとして、最も過酷な労働に従事している業種の1つではないかと思います。廃棄物処理事業者の皆様は、契約の途中で労務費、原材料費、エネルギーコスト等の実勢価格に変化が生じた場合には、契約変更の実施も含め、適切に対応することが求められています。しかし、長年にわたり委託料を変えない自治体もあり、事業者にとっては理不尽とも言える額の委託料を提示してくる自治体も存在するとの悲痛な声が寄せられています。それがあまりにも不当に低額な額である場合には、不法投棄をはじめ不適切な処理がなされるなど、業務の確実な履行に支障を生じる可能性が出てきます。また、物価上昇を乗り越える構造的な賃上げを実現することが困難となることも留意が必要です。
国は、令和6年9月に「一般廃棄物処理業務における「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」等を踏まえた対応について」との通知を再度各都道府県知事宛てに局長名で発出いたしました。市町村は、その区域内における一般廃棄物の処理を、生活環境の保全上支障が生じないうちに処理を行い、適正な処理を確保しなければならないという極めて重い責任を有しますが、実態は厳しいようです。そこで、今回改めて都道府県知事からも全市町村に通知を周知徹底するように通達がなされたと考えます。
そこで伺います。国から各都道府県知事宛てに発出された通知文書の概要及びこのような通知が出された理由について、千葉県の見解はどうか。
廃棄物処理事業を確実に実施し、賃上げを実現するためには、昨今の物価の状況なども踏まえた適切な委託料、処理料金が事業者に支払われることが重要です。しかし、廃棄物処理法において、一般廃棄物処理業は専ら自由競争に委ねられるべき性格の事業とは位置づけられていないものと言えるとの最高裁判決から既に10年以上が経過し、これを受けて国からは2度の通知が出ているにもかかわらず、多くの市町村で適切な契約に見直されていない状況があります。このような状況を鑑み、東京都は昨年10月、都知事名で都内市区町村長宛てに同様の通知文が改めて発出されています。千葉県も法令遵守を徹底すべきと考えます。
そこで伺います。速やかに市町村の対応状況の実態調査を行うべきと考えるが、どうか。
次に、2024年問題について伺います。
昨年4月に時間外労働の年間960時間の上限規制の導入など、働き方改革関連法が施行され、いわゆる2024年問題から1年がたとうとしています。この間、この問題に大きな影響を受けた物流業、建設業、医療業界などからは、例えば、賃上げが叫ばれているものの配送料金を上乗せできない、人手が不足している中、業務の効率化の方法が分からない、求人広告を出しても一向に人が集まらないなど、多くの意見や支援を求める声が寄せられています。県では、2024年問題に対し事業者支援に取り組んできたと思いますが、2024年も終わり、ここで改めてこの問題について県の取組を確認したいと思います。
そこで伺います。
1、物流業における生産性向上や価格転嫁、人手不足などの課題に県はどのように取り組んでいるのか。
2、建設業の働き方改革に関する県の取組はどうか。また、賃金が適切に支払われるようにすべきと思うが、どうか。
次に、酪農家支援について伺います。
昨年の12月に公明党農林水産部会の角田衆議院議員と高橋光男参議院議員、阿部県議とともに、野田市の牧場を視察しました。当牧場は、干し芋や酒かすなどの食品廃棄物を利用してつくられた家畜飼料エコフィードを活用しているのが特徴であり、地元自治体や同業者と連携し、物価高や飼料の高騰の中、創意工夫をして経営されていました。牧場主さんが強調されていたのは、新しい事業に対してだけではなく持続性への支援をしてほしい。また営農へのモチベーションを保てるようにしてほしいと訴えていました。今、県内では酪農家の減少傾向が進んでおり、大変厳しい状況にあります。
そこで伺います。県内の酪農家が持続していくための県の対策はどうか。
次に、水道問題について伺います。
昨年の12月県議会において、他会派からの水道料金の値上げについての質問に対し、知事から、将来的な水の需要量や施設の更新、耐震化に関わる事業量を精査するなどで値上げ幅を検討、その結果23%増の改定が必要になることが明らかになり、負担軽減策として一般会計から繰入れを行い20%程度に抑えるとの答弁がありました。水は日々の生活に欠かすことのできないものであり、料金の大幅な値上げは県民にとって大変負担が大きく、不安に感じる方も多いと思われるため、もう少し詳しく値上げ理由を説明する必要があると考えます。
そこで伺います。県営水道では、どのような状況の下、20%程度もの水道料金の値上げが必要と判断したのか。
次に、県立学校の設備の改善について伺います。
先般、国においては、子供たちの学習の場であるとともに、災害時には避難所として活用される学校体育館などについて、避難所機能を強化し、耐災害性の向上を図ることを目的とし、公立小学校施設等における体育館への空調整備のための交付金を令和6年度補正予算に盛り込みました。今後一気に体育館の空調整備が進むことが見込まれます。
我が党として、これまで代表質問をはじめとして、あらゆる機会に避難所の質的向上を訴えてきました。昨年12月24日には知事宛てに要望書を提出し、避難所に指定されている県立学校体育館への空調設備の早急な設置を求めていたところです。そして、このたびの令和7年度当初予算案では、県立学校体育館空調設備整備事業として空調の整備を計上していただきました。大変にありがとうございます。
そこで伺います。国の経済対策を踏まえ、県立中学校及び特別支援学校体育館への空調整備にどのように取り組んでいくのか。
学校における空調設備を整えることで、電気の消費量の増加に伴う電気料金の負担も大きくなることが予想されます。そうした課題の解決のみならず、環境負荷の軽減にも資する太陽光発電や蓄電池を積極的に県立学校に導入すべきと考えます。
そこで伺います。県立学校における太陽光発電設備の設置に向けた取組状況はどうか。
最後に、交通安全対策について伺います。
昨年9月に、松戸市内で下校中の小学1年生の男子児童が右折車にはねられ死亡する事故が起きました。私は、ニュースでその事故のことを知ると、いても立ってもいられず、次の日の朝事故現場に行き、亡くなった小学生の御冥福を祈るとともに、もう二度とこのような悲惨な事故が起こらないようにしなければならないと深く誓いました。
このたびの事故の直接的な要因は運転手の前方不注意によるものですが、悲運にも様々な要因が重なってしまったことが現場を確認して分かりました。その1つには、学年で下校時間がばらばらなので1人きりで帰っていたこと。また、下校時はスクールガードが配置されていなかったことなど、ここにも少子高齢化の影響が及んでいることを感じました。県内から悲惨な事故をなくすためには、従来どおりではなく、より以上の様々な角度からの対策が必要とされていることを私は強く感じています。
そこで伺います。通学路の安全対策について、県の方針はどうか。
視覚障害者の横断歩道における安全対策は、交通事故を防ぎ、移動の自由と安全を確保するために非常に重要です。視覚障害者が安心して横断歩道を利用できるよう、県は音響信号機を設置し、点字ブロックの整備では、横断開始の警告ブロックや横断歩道中央に誘導ブロックの整備をしています。また、押すことで青信号の時間を長くする思いやり信号機の設置もしてきました。さらには、高度化PICSを導入して、スマホのアプリを使うことで交差点名称や歩行者用信号機の状況が音声で提供され、より安全に安心して横断歩道を歩けるように運用してきました。これらは視覚障害者だけでなく、高齢者の横断にも有効と思います。
そこで伺います。交差点における視覚障害者の安全確保に向けてどのように取り組んでいくのか。
以上、壇上での1回目の質問となります。前向きな御答弁をよろしくお願いいたします。(拍手)
○議長(瀧田敏幸君) 篠田哲弥君の質問に対する当局の答弁を求めます。知事熊谷俊人君。
(知事熊谷俊人君登壇)
○知事(熊谷俊人君) 公明党の篠田哲弥議員の代表質問にお答えをいたします。
まず、政治姿勢についてお答えいたします。
避難所の運用面での支援についての御質問ですが、大規模災害時には、被災市町村において避難所運営をはじめとする災害対応業務が急増することから、ニーズを的確に把握し、応援受援計画に基づき、県や他の市町村の職員が避難所運営等の業務に当たることとしています。また、必要となる物資については、水や食料のほか、新たに導入するトイレカーやパーティションなどの県の備蓄物資を活用するとともに、協定による民間事業者からの調達や、国や他県からの支援も含め、県において品目や数量、輸送手段など必要な調整を行った上で提供いたします。今後も良好な避難環境を確保するため、民間事業者等とも連携をしながら、人と物の両面で被災市町村における避難所運営を支援してまいります。
文化芸術の振興に関する取組についての御質問ですが、県では、今年度末に策定予定の次期千葉県文化芸術推進基本計画において、誰もが文化芸術に親しめる千葉を目指し、様々な取組を進めることとしています。来年度は、千葉県文化会館のリニューアルに合わせた県民参加型コンサートや、全国障害者芸術文化祭と連携した新たなバリアフリー演劇鑑賞会、美術館、博物館における本県ならではの資源を生かした展示やワークショップの開催等、誰もが文化芸術の鑑賞や自己表現を行いやすくするための基盤整備に取り組みます。さらに、千葉県誕生150周年記念事業の中で生まれた複数自治体の広域連携による芸術祭など、多様な主体と連携した取組を継続させるため、市町村や民間団体が本県の魅力を発信するために行う事業への支援を行います。今後もこのような取組等を通して、文化芸術の振興に積極的に取り組んでまいります。
若者の意見の県政への反映についての御質問ですが、少子化や人口減少が進む中、県政を取り巻く様々な変化に的確に対応するとともに、県の将来を担う若い世代の千葉県への愛着や関心を高め、中長期を見据えた県政を進めていくためには、若者の意見を積極的に取り入れていくことが必要です。このため県では、毎年度県政に関する世論調査での年代別の回答分析や、高校生、大学生などを対象としたアンケート調査等を実施するほか、県庁内部においても若手職員によるプロジェクトチームを活用するなど、若い世代の柔軟な意見を積極的に取り入れてまいりました。また、私自身も様々な現場での対話や、X、フェイスブック等SNSの活用などを通じて若者の生の意見を聞くよう努めてまいりましたが、今後さらに高校生等と直接意見を交わす場をつくっていきたいと考えており、県政の各分野において若者の意見を活用していくことで、より魅力ある県づくりを進めてまいります。
2月補正予算での物価高対策についての御質問ですが、県では、令和4年度及び5年度において、国の交付金を活用し、物価高対策として県民の暮らしを支える医療、介護などの施設や、生産性の向上に必要な設備整備を行う中小企業、国の電気、ガス引下げの対象とならない特別高圧やLPガスの利用者などへの支援を実施してきました。今年度には企業等の一部で賃上げが行われるなど所得向上に向けた動きも見られるようになった一方で、光熱費や燃料費などの高騰は引き続き社会の様々な範囲に影響を及ぼしており、県民生活や事業活動は依然として厳しい状況に置かれていると認識をしています。このため、今回の補正予算においては、これまでの事業を引き続き実施することを基本的な考え方として必要な予算を措置したほか、物価高対策の対象に新たに私立学校を加えるとともに、キャッシュレス決済の利用者に対するポイント還元など、さらに幅広く支援を行うようにしたところです。
次に、多文化共生社会についてお答えをいたします。
多文化共生社会の実現に向けた取組についての御質問ですが、経済、社会のグローバル化が進む中、育成就労制度の創設などにより外国人の増加が見込まれ、多文化共生の重要性が高まっていることから、県では日本語や生活ルール等の習得を促進するため、地域日本語教育の充実などに取り組んでいるところです。令和7年度は、新たに外国人労働者の配偶者など向けに入門レベルの日本語教育等を実施するほか、外国語の110番通報への対応のため、多言語コールセンターを導入いたします。さらに、日本語指導が必要な外国人児童生徒への学習や、生活面での支援の充実などにも取り組みます。今後も、昨年12月に策定をした千葉県外国人活躍・多文化共生推進プランに基づき、市町村など様々な主体との連携を強化しながら、国籍及び文化的背景などにかかわらず、全ての県民が安心して暮らせる県づくりを進めてまいります。
次に、子供・若者支援についてお答えいたします。
不妊治療への助成についての御質問ですが、県では、国の補助制度を活用し、体外受精や顕微授精、男性不妊の手術に係る費用の一部を助成し支援を行ってきましたが、令和4年4月からは、これらの基本治療は全て保険適用となりました。また、不妊治療については保険適用外となっている先進医療に位置づけられた一部の治療と保険診療との併用が認められているため、治療を受ける方の負担軽減につながっています。県としては、さらなる経済的負担の軽減については、不妊治療に取り組む方の治療の選択肢を広げることにつながるものと考えており、引き続き有効性が確認された治療の速やかな保険適用等について国に働きかけるなど、不妊に悩む方の支援の拡充について検討してまいります。
一時保護所の子供への学習支援の強化についての御質問ですが、一時保護された子供は、それぞれ年齢や学習状況、保護に至る背景の違いなどがあり、また、入退所の時期が異なることから、子供の状況や特性、学力に配慮した学習支援を行うことが必要です。このため県では、来年度から新たに一時保護所における学習支援を民間事業者に委託をし、各一時保護所に全体で24名程度の講師を派遣し、小学生以上の子供を対象に、タブレットを用いて個別に学習支援を行うこととしています。また、新設建て替えを行う一時保護所には、入所する子供が安心・安全な環境で学習等を行えるよう十分な広さを確保した個室や学習室、運動場、体育館などを設置する予定です。今後とも、一時保護所において、子供一人一人の適性や能力に応じた学習を進められるよう支援の強化に取り組んでまいります。
次に、認知症対策についてお答えをいたします。
認知症対策の課題と取組についての御質問ですが、本県における認知症高齢者は、令和2年の約30万人から令和22年には約47万人に増加すると推計されており、認知症になっても住み慣れた地域で自分らしく暮らしていけるよう、社会の理解を深め、地域で支え合う体制を構築していくことが重要です。このため県では、イベントや街頭啓発を通じての認知症に関する正しい情報の発信やボランティアの養成、地域で認知症の方と関わるかかりつけ医等の対応力向上、症状に応じた専門的な相談支援や処置を行う認知症疾患医療センターの運営など、幅広な認知症対策を実施しているところです。また、認知症の方本人をちばオレンジ大使として任命し、自身の体験や活動を自らの言葉で県民に発信をしていただく取組を実施しており、今後も認知症の方が希望を持って暮らせる地域社会を構築してまいります。
次に、デフリンピックについてお答えいたします。
デフリンピックの周知やデフスポーツの振興に関する御質問ですが、本年11月に日本で初めて開催される東京2025デフリンピックは、「デフスポーツの魅力や価値を伝え人々や社会とつなぐ」、「“誰もが個性を活かし力を発揮できる”共生社会の実現」などを大会ビジョンに掲げており、県としてもパラスポーツや障害に対する県民の理解を深める契機になると考えております。
そこで、県ホームページでデフリンピックを紹介するとともに、先月我孫子市で開催をしたパラスポーツフェスタとうかつでは、千葉県聴覚障害者協会の協力を得て、デフリンピック、デフスポーツのPRブースを設けるなど周知に努めているところです。さらに、来年度は新たに本県ゆかりのデフアスリートの競技力向上を図るため、遠征費用や競技用具の整備などを支援するほか、デフアスリートの学校訪問を実施するなど、引き続きデフスポーツの振興に取り組んでまいります。
最後に、酪農家支援の御質問についてお答えをいたします。
生乳の価格などは需給バランス等により決まるため、酪農家は生産コストを販売価格に転嫁することは容易ではなく、飼料の価格高騰等、生産コストが高止まりする中、酪農経営はより厳しい環境に置かれていることから、県産飼料の生産拡大や生産性の向上など、経営安定を図ることが重要です。これまで県では国際情勢の影響を受けやすい輸入飼料から県産飼料への転換促進や、飼料価格高騰対策による負担軽減、乳製品などの消費拡大などの取組に加え、生産コストの乳価への適正な反映に係る国への要望等に取り組んできたところです。また、生産性向上のため、より生産能力の高い乳牛への更新等を支援するほか、飼料生産機械の導入支援については、これまでの生産面積拡大の取組に加え、新たに面積当たりの収穫量を増やす取組も支援すべく、来年度当初予算に計上するとともに、高止まりしている飼料への助成経費を2月補正予算に計上しているなど、引き続き持続可能な酪農経営の実現に向けて取り組んでまいります。
私からは以上でございます。他の質問につきましては副知事及び担当部局長からお答えをいたします。
○議長(瀧田敏幸君) 副知事穴澤幸男君。
(説明者穴澤幸男君登壇)
○説明者(穴澤幸男君) 私からは、まず、SDGsの推進についてお答えいたします。
SDGsは、誰一人取り残すことなく持続可能な世界を実現するための国際社会全体の普遍的な目標であり、その推進には、企業や県民などの多様な主体がSDGsに関する理解を深め、自発的に行動することが重要です。そこで、県ではちばSDGsパートナー登録制度を創設し、登録企業向けの融資制度などにより、その取組を後押ししているところであり、登録数は昨年12月末現在2,359団体に達するなど、その取組は年々広がりを見せています。また、チーバくんのSDGsシンボルマークを活用した広報やSDGsセミナーの開催に加え、本年度は新たに企業等がSDGsに取り組む際に参考となる優良事例集を作成しており、今後とも様々な手法によりSDGsの推進を図ってまいります。
次に、SAFについてお答えいたします。
導入促進に向けた取組についての御質問ですが、国内外でSAFの供給や導入の義務化が進められる中、SAFの安定的な供給体制を構築していくことは、成田空港の交通ネットワークを充実させていく上で重要と考えております。このため県では、昨年度実施したSAFサプライチェーン構築の可能性に関わる調査結果を踏まえ、今年度SAF導入促進事業補助を立ち上げ、コンビニの利用者などから家庭用廃食油を回収し、SAF製造事業者への引渡しに至るまでの事業者間の取組などに対する支援を行っているところです。あわせて、家庭用廃食油の回収に関わる広報や、環境イベントにおいてSAFの重要性についての啓発に取り組んでいるところであり、引き続きSAFに対する理解や機運醸成を図ることで、成田空港の競争力強化につなげてまいります。
次に、公共交通についてお答えします。
ホームドアの整備促進についての御質問ですが、ホームドアは、視覚障害者等のためのバリアフリー施設であるとともに、利用者が多く混雑する駅において転落防止のために必要不可欠な施設であると認識しております。このため県では、1日の利用者数が10万人以上の駅や社会福祉施設の最寄りの駅などを対象に設置費用の一部を市町村と協調して補助しており、令和6年12月末現在、県内の鉄道駅において、JRをはじめとする7鉄道事業者、計30駅にホームドアが設置されています。今後とも、特に利用者数が多く混雑する駅や、障害のある方が利用する駅などにおいて早期にホームドアが整備されるよう、補助制度の活用を含め、鉄道事業者に対ししっかりと働きかけてまいります。
新たな公共交通の活用についての御質問ですが、利用者の減少や運転手不足などの問題を抱える地域公共交通に対し、地域の実情に合わせて新たな交通モードの導入を推進することは重要であると認識しております。このため県では、市町村や交通事業者等を対象に、AIを活用したデマンド交通やグリーンスローモビリティー、自動運転バスの導入などに係る調査や実証事業への助成などを行ってきました。さらに、今回の2月補正予算案では、実証事業等への補助に加え、事業企画に関する相談支援やコーディネートに関わる経費も計上したところであり、県として持続可能な地域公共交通の実現に向け、市町村等に対する支援を強化してまいります。
次に、防災・減災についてお答えいたします。
民間気象会社の気象情報の活用についての御質問ですが、最新の気象情報を的確に把握することは、被害を予見した迅速かつ適切な災害対応や、県民への情報発信を行っていく上で重要であると考えています。県では、気象庁から発表される情報に基づき災害対策本部の設置や県民への注意喚起等を行っており、併せて民間気象会社の降雨予測や各国の気象予測モデルによる台風の進路予測など、多角的な情報収集に努めているところです。今後も、災害による被害を最小限に抑えるため、民間の気象会社も含めた様々な気象情報を収集し、防災・減災対策に生かしてまいります。
津波浸水予測システムについての御質問ですが、同システムの運用対象については、令和6年11月に気象庁の認可を得て、これまでの4市町から九十九里、外房地域の全ての沿岸市町村に拡大しました。これにより、九十九里、外房の津波被害が想定される地域全体で、津波の高さや浸水範囲などの予測情報を基に、孤立化する可能性のある地域や避難者数等を早期に推定し支援体制を構築するなど、津波災害への初動対応の強化を図ることができます。今後、市町村の担当者向けの研修会や市町村と合同でシステムを活用した訓練を継続して実施するなど、災害時にシステムを活用して、より迅速な津波被害への対応ができるよう取り組んでまいります。
災害対策コーディネーターや防災士についての御質問ですが、県では、防災に関する様々な知識や技術を持つ防災士や、行政と地域の自主防災組織、ボランティア等の間の調整役となる災害対策コーディネーターの養成に対して財政支援を行うなど、地域の防災リーダーを育成してきました。昨年12月末時点で、県内では防災士が8,774人、県が認定する災害対策コーディネーターは1,852人となっており、県の防災訓練への参加や、防災研修における講師を務めてもらうなど、平時から連携して県民の防災意識の向上等に取り組んでいるところです。また、災害発生時は、市町村や地域と連携して避難誘導や避難所運営、ボランティア等の円滑な支援活動の調整を行ってもらうこととしています。引き続き、防災リーダーと連携し、共助の取組の強化を図ってまいります。
次に、2024年問題についてお答えいたします。
建設業の働き方改革についての御質問ですが、県では、県内建設産業の活性化を目的に、建設業経営者講習会を毎年開催しており、令和2年度からは、働きやすい職場環境づくりなど、働き方改革をテーマとした講習会を実施しています。県発注工事については、週休2日制適用工事の推進や適正な工期設定を行うとともに、ICTを活用した現場管理の効率化を促進するなど、建設業界と連携し、取組を進めております。また、昨年6月に建設業法が改正され、労働者の処遇改善について、適正な労務費等の確保と行き渡りのための規定が整備されたところであり、県としては、改正法に則り適切に対応してまいります。
最後に、県営水道についてお答えいたします。
水道料金の値上げに係る御質問ですが、県営水道では、高度経済成長期に大量の水道施設を整備したことから、今後は小中口径管のみならず、大口径管や給水場などの更新、耐震化にこれまで以上に取り組んでいく必要があります。一方、現在、資材価格や人件費、薬品費などが高騰している中、建設事業費や日常の運転管理経費が増加していることから、必要な事業を推進していく場合、令和8年度から始まる次期中期経営計画の期間中に損益収支の赤字や資金不足の発生が見込まれているところです。このため、ICTの活用や、工事の発注規模の大型化等による業務の効率化に取り組むとともに、国の交付税措置のある一般会計からの繰入れを再開してもなお収支不足が見込まれることから、20%程度の値上げは必要と考えております。
私からは以上でございます。
○議長(瀧田敏幸君) 副知事黒野嘉之君。
(説明者黒野嘉之君登壇)
○説明者(黒野嘉之君) 私からは、まず、外国人介護人材についての御質問にお答えいたします。
少子高齢化が急速に進行する中、県内の介護人材は令和22年度に約2万8,000人の不足が見込まれており、外国人介護人材の確保は大変重要であると認識しております。このため県では、ベトナム政府との覚書に基づき、千葉県留学生受入プログラムにより、介護職を目指す留学生を対象としまして、就学から県内介護施設への就労まで一体的に支援しているほか、経済連携協定に基づく介護福祉士候補者などをインドネシア等から受け入れる施設に対しまして、日本語学習費用等を支援しているところです。また、介護福祉士養成施設におけるネパール人留学生の増加に対応するため、来年度、外国人介護人材支援センターに英語、ベトナム語に加えましてネパール語に対応できる相談員を配置し、支援体制を強化することとしております。今後も、介護人材を確保するため、幅広い国からの外国人介護人材の受入れを推進してまいります。
次に、戦争の悲惨さを県民に伝えていくための取組に関する御質問ですが、今年は戦後80年を迎え、戦争を経験したことのない世代が9割近くとなる中、戦争の悲惨さや平和の尊さを再認識し、恒久平和の実現に向け努力を続けていくことは大変重要と認識しております。これまで県では、本県の戦没者を追悼し平和を祈念するため、毎年、千葉県戦没者追悼式や千葉県忠霊塔拝礼などの追悼行事を実施するとともに、千葉県原爆被爆者友愛会による平和祈念原爆展、証言活動等が円滑に実施できるよう活動費を支援しております。今年は、それらの取組に加えまして、7月下旬から8月上旬に戦時中の資料の展示や県遺族会による平和の語り部などを予定しており、戦没者遺族等が体験した様々な労苦や戦争の悲惨さ、平和の尊さを県民に伝えてまいります。
次に、メタバースを活用した婚活支援についての御質問ですが、県では、今年度結婚を希望している方を支援するため、インターネット上の仮想空間であるメタバースを活用し、参加者自身が作成したアバターを通して会話等を行う「ちばメタ婚~メタバースで縁結び~」を3回実施いたしました。この中で、県内各地から延べ58人の参加があり、約8割に当たる46人がメタバース内でマッチングしたところであり、参加者からは、相手の内面から知ることができた、最初は不安だったがリラックスして臨むことができたなどの声がありました。今後、実施結果を検証し、より効果的な事業実施を図るとともに、新たに結婚支援策に専門的な知見を持つコンシェルジュを配置し、市町村への助言を行うなど、結婚を希望する方へのさらなる支援に取り組んでまいります。
次に、ギャンブル等依存症対策推進計画の取組についての御質問ですが、ギャンブル等依存症は、適切な治療や支援により回復が可能な疾患であることから、計画では、相談から治療、回復まで切れ目のない支援体制の構築を図ることとしております。具体的には、精神保健福祉センターを拠点に電話や面談による相談に応じるほか、専門医療機関を選定し治療や社会復帰に向けた支援を行うとともに、関係機関と自助グループ等の連携が図られるよう、ネットワークの構築にも取り組んでおります。また、ギャンブル等依存症は、多重債務問題などの社会問題とも密接に関係することから、医療・福祉関係者だけでなく司法関係者等の専門家が連携して対応できるよう協議の場を設けるなど、本人の社会復帰に向けた総合的な支援体制の確保を図っております。
次に、ギャンブル等依存症に関する民間団体への支援強化についての御質問ですが、自助グループなどの民間団体は、ギャンブル等依存症を抱える本人やその家族の悩みに同じ目線で寄り添い支えることで、依存症からの回復に重要な役割を担っております。そこで、県では、相談拠点である精神保健福祉センターにおいて自助グループと連携した治療回復プログラムを実施するとともに、団体の連絡先や活動内容をホームページで紹介するなど、その活動を支援しております。今年度実施するギャンブル等依存症対策推進計画の中間見直しでは、自助グループとの連携や支援の強化などを重点的な取組として位置づけることとしており、引き続き一層の連携を図るとともに、これらの団体に対する支援の強化についても検討してまいります。
次に、SNSによる誹謗中傷対策についての御質問ですが、SNSなどの普及に伴い、インターネット上で気軽に自由なコミュニケーションを行うことができるようになった一方で、その匿名性や情報発信の容易さから、特定個人の誹謗中傷、差別を助長する表現の書き込みなど、人権に関わる様々な問題が発生しております。このため県では、インターネットを通じた人権侵害の防止について千葉県人権施策基本指針に位置づけ、個人のプライバシーや名誉に関する正しい理解を深めるため、講座の開催、企業や学校等が行う研修会への講師派遣、啓発DVDの貸出しなどを行っております。また、青少年がネットトラブルに巻き込まれないよう、インターネットを利用する際のルールやマナーを理解するためのリーフレットや映像教材等の作成などを行っているところです。今後も、情報モラルやネットリテラシーの向上の取組を推進し、SNSなどによる誹謗中傷の防止に努めてまいります。
次に、認知症対策推進協議会についての御質問ですが、県では、認知症になっても安心して生活ができる地域社会の実現に向け、総合的な対策を推進するため、認知症ケアに関する有識者や医療・福祉関係の事業者、認知症高齢者の家族などから構成される千葉県認知症対策推進協議会を設置しております。この協議会では、認知症に関する普及啓発の方法や、認知症の方を支える人材育成のための研修プログラム、医療、介護等の多職種連携など、県が行う認知症施策について幅広く議論していただいているところです。また、協議会における意見を踏まえ、ちばオレンジ大使として任命している認知症の方本人にも昨年度から出席いただいており、今後も様々な意見を取り入れながら、効果的に施策を展開してまいります。
次に、成年後見制度の利用促進に向けた中核機関の設置についての御質問ですが、成年後見制度に関する相談、広報、後見人支援等を行うため、市町村が設置する中核機関については現在県内22市町に設置されており、昨年同時期に比べて3市町増加しているところです。また、そのうち館山市、鴨川市、南房総市、鋸南町の4市町においては共同で設置をしております。どの地域においても県民が成年後見制度を利用しやすくするためには、各市町村での中核機関の設置が必要ですが、人員や運営費の確保などの課題があります。県では、市町村における中核機関の設置を促進するため、研修会や専門的な助言を行う弁護士等のアドバイザー派遣を実施するとともに、近隣市町村で医療、福祉等の社会的資源を共有する地域においては共同設置についても検討を促すなど、地域の実情に応じたきめ細やかな支援を行ってまいります。
次に、一般廃棄物処理業務における適切な価格転嫁についてお答えいたします。
国通知の概要等に関する県の見解についての御質問ですが、令和6年9月に国から発出された通知では、物価上昇を乗り越える構造的な賃上げを実現するため、特に雇用の7割を占める中小企業が、その原資を確保できる取引環境を整備することが重要であるとされております。また、市町村が行う一般廃棄物処理業務委託における予定価格の作成に係る留意事項など、入札・契約手続における労務費、原材料費、エネルギーコスト等の適切な転嫁のための重要事項が明記されております。県としては、通知における重要事項を踏まえた対応を取ることが一般廃棄物処理業務の着実な履行につながると理解しており、市町村の廃棄物、契約、財政等関係部署に対して、国通知の内容を周知したところです。
次に、市町村の実態調査に関する御質問ですが、一般廃棄物処理業務においては、委託基準の1つとして、受託料が受託業務を遂行するに足りる額であることと政令で定められていることから、県としては、一般廃棄物処理委託に当たり、労務費等について経済の実態を反映した水準であることが適切と認識しております。そこで、県では、市町村の事務の状況について実態を把握するため、入札・契約手続の運用において委託費がどのように決定されているのか調査を行う予定としております。また、市町村に対し、調査結果の情報提供や入札・契約手続の運用に関する助言を行うとともに、各種研修等において具体的な事例も示しながら内容の周知を図るなど、国からの通知に基づいた対応が行われるよう促してまいりたいと考えております。
最後に、2024年問題について、物流業における様々な課題に関する御質問ですが、国では、2024年問題に対し、ドライバーの時間外労働時間の規制に加え、商慣行の見直しや物流の効率化を柱とする一体的な施策を推進しており、県は、国に対して着実な取組実施とその効果検証を行うことを要望しております。その上で、県としても運送事業者の省人化や業務効率化に資する設備投資への助成や、千葉県産業振興センターにおいて、経営改善に向けた相談対応や専門家派遣などの伴走支援を実施しているところです。また、適切な価格転嫁の実現が重要であることから官民一体となって取り組んでおり、先日の公労使会議での確認を踏まえ、今後より一層取組を強化していくこととしたところです。
私からは以上でございます。
○議長(瀧田敏幸君) 教育長冨塚昌子君。
(説明者冨塚昌子君登壇)
○説明者(冨塚昌子君) 初めに、県立高校における平和に関する教育の取組状況についての御質問にお答えいたします。
県立高校においては、学習指導要領にのっとり、地理歴史科や公民科の授業を中心に、国際社会において主体的に生きる平和で民主的な社会の形成者として必要な資質、能力の育成を図っています。また、令和5年度には、半数を超える県立高校において修学旅行先を広島県や長崎県、沖縄県とし、平和記念公園などを見学したほか、戦争や被爆等の体験を語り部の方から聞くなどして、平和についての学びを深めているところです。さらに、各学校においては、総合的な探究の時間等を通じて、例えばウクライナからの避難民による講演を実施するなど、国際理解や人権教育の観点からも、生徒一人一人の平和への問題意識を高めており、引き続き平和への理解が深まるよう取り組んでまいります。
次に、不登校児童生徒に対する支援についての御質問ですが、様々な要因で学校に登校できなくなり、自分の教室で授業を受けられなくなった児童生徒が安心して学べる場を確保することは大変重要であると認識しています。県教育委員会では、令和7年度当初予算案において、昨年6月に開始した不登校の中学生に向けたオンライン授業配信、エデュオプちばの対象者を小学校4年生から6年生まで拡大するとともに、授業をサポートする大学生等を配置するための経費を計上しました。引き続き、児童生徒が自分に合った学びを継続できるようオンライン授業配信の充実に努めるとともに、学校や教育機関、フリースクール等の関係団体と連携しながら、不登校児童生徒の社会的自立に向けた取組を推進してまいります。
次に、県立中学校及び特別支援学校体育館への空調整備についての御質問ですが、県立学校の体育館は、体育の授業や学校行事、部活動に使用されるだけでなく、災害時には地域の避難所として活用されることから、空調の整備は児童生徒の熱中症対策とともに、避難所機能の向上の観点からも大変重要であると認識しています。このため、県教育委員会では、国の臨時特例交付金を活用し、令和7年度に中学校2校、特別支援学校5校の体育館空調整備の設計に着手します。また、これ以外の対象校についても順次整備を進めてまいります。
県立学校への太陽光発電設備の設置についての御質問ですが、千葉県庁エコオフィスプランでは、令和12年度までに太陽光発電設備を設置可能な県有施設の50%に導入することを目指しています。県立学校では、校舎屋上に設置可能な場合に太陽光発電設備を整備することとしており、現在19校に設置済みで、これに加えて今年度末までにさらに20校への整備が完了する予定です。引き続き関係部局と連携協議し、エコオフィスプランの実現に向けて、県立学校への太陽光発電設備の導入を進めてまいります。
最後に、通学路の安全対策についての御質問ですが、通学路の安全確保のためには、市町村が定める通学路交通安全プログラムに基づき、教育委員会、学校、保護者、警察、道路管理者などが連携して点検を実施し、必要な対策を講じるとともに、その取組を評価してさらなる改善につなげることが重要と考えています。県教育委員会では、昨年9月に発生した松戸市における小学生の交通死亡事故を受け、再度、通学路の安全確保と登下校体制の点検、また、交通安全指導の徹底と見守り体制の強化について、県立学校及び市町村教育委員会に通知したところです。今後も、市町村の取組状況を把握し、警察や道路管理者など関係機関との連携強化を図るとともに、地域による見守り活動を推奨するなど、通学路の安全確保に向けた取組を推進してまいります。
以上でございます。
○議長(瀧田敏幸君) 警察本部長宮沢忠孝君。
(説明者宮沢忠孝君登壇)
○説明者(宮沢忠孝君) 私からは、まず、SNS誹謗中傷対策についてお答えいたします。
誹謗中傷の相談を受けた際の対応に関する御質問ですが、県警では、この種の相談を受けた際には、関係部門が連携して事件性の判断を行っております。その上で、被害申告があり、誹謗中傷の内容が名誉毀損罪や侮辱罪等の刑罰法令に触れる場合は事件捜査を行うこととなります。また、当該内容が刑罰法令に触れない場合であっても、相談者に対しSNS事業者等への削除依頼について助言するなど適切に対応しております。
次に、交通安全対策についてお答えいたします。
視覚障害者の安全確保に関する御質問ですが、県警では、これまで視覚障害者が日常生活または社会生活において多く利用する経路や、視覚障害者からの要望がある場所を中心に、音響信号等のバリアフリー対応型信号機の整備を進めてきました。このほか、横断歩道上における視覚障害者の安全性及び利便性の向上を図るため、横断歩道上にいわゆる点字ブロックを設置するエスコートゾーンの整備も実施してきたところです。引き続き、視覚障害者や視覚障害者団体等の意見を踏まえながら、視覚障害者の安全確保や利便性向上に資する交通安全施設整備に努めてまいります。
以上でございます。
○議長(瀧田敏幸君) 選挙管理委員会委員岡本和貴君。
(説明者岡本和貴君登壇)
○説明者(岡本和貴君) 知事選挙の投票率向上への取組についてお答えします。
県内で執行された選挙においては若年層の投票率が低い傾向にあることから、今回の知事選挙において、若年層が投票に行ってみようと思えるよう効果的な啓発を行うことが重要です。このため、SNS等を活用し、ストーリー性を重視した動画による啓発を行うとともに、新たに啓発用のホームページを設け、期日前投票の案内や、投票所での投票方法などの情報を発信することとしています。さらに、子育て世帯に向けて、商業施設における模擬投票イベントの開催や、選挙管理委員会のキャラクター、せんきょ君によるPR活動などを行います。また、市区町村の選挙管理委員会に対し、有権者の利便性を高めるため、期日前投票所の商業施設等への設置について積極的な検討を呼びかけるなど、投票率の向上に向けて、引き続き連携して取り組んでまいります。
以上でございます。
○議長(瀧田敏幸君) 篠田哲弥君。
○篠田哲弥君 知事、副知事、教育長、警察本部長、選挙管理委員会委員、御答弁ありがとうございました。それでは、順次要望と再質問をさせていただきます。
初めに、知事の政治姿勢についてですが、このたびの2月補正予算で我が会派が求めていたトイレカーや段ボールベッドの導入や、避難所に指定されている県立高校の体育館への空調の設備整備が計上されましたので、早期に、かつ着実な推進を要望します。
また、答弁では、備蓄物資を活用するとともに、協定による民間事業者からの調達や、国や他県からの支援も含め、県において品目や数量、輸送手段など、必要な調整を行った上で物資を提供していくことを述べられましたので、実効性のある取組を要望します。若者たちが積極的、主体的に政治や社会に参加し、未来を共につくり上げていくことが、新たな産業の創出や多様性を生かせることになることから、県が行う若者世代との直接対話やSNSを活用し、生の意見を聞く取組は非常に重要だと思います。ロールモデルとして、若者世代の発案した政策を、まずは1つからでも立案していくことからスタートしていくことを要望します。そして、ひいてはそれが投票率の向上にもつながっていくと思います。
SDGsの推進については再質問させていただきます。県としてSDGsの取組を多岐にわたって推進していることがよく分かりました。その上で、私はさらなる推進として、SDGs未来都市、自治体SDGsモデル事業に取り組むべきと考えます。SDGs未来都市とは、SDGsの理念に沿った基本的・総合的取組を推進しようとする自治体の中から、新しい価値創出を通して持続可能な開発を実現するポテンシャルが高い自治体を国が選定するものです。これまで神奈川県、沖縄県などが選定され、千葉県内では松戸市、市原市及び木更津市が選定されています。このSDGs未来都市に選定されることにより、国からの様々な支援があるだけでなく、その自治体がSDGsの先進的な取組を行っている成功事例として国内外に発信され、地域の活性化や、千葉県の魅力のさらなる向上につながることは間違いありません。ひいては、そのこと自体がSDGsの目標達成への大きな推進力となります。
そこで伺います。改めて、県としてテーマを決め、SDGs未来都市、自治体SDGsモデル事業を目指すべきと思うが、どうか。
SAFの導入推進については、県のSAF導入推進事業において、セブン-イレブン・ジャパンや三井住友銀行をはじめとした7社連携による事業スキームが採択されたと聞き及んでいます。この事業で初めて家庭系廃食油の回収ボックスが設置される場所の1つが、松戸市常盤平駅前のセブン-イレブンであることに驚くと同時に、大変にうれしく思っています。成田空港も認証済みのSAFを直接輸入したとのニュースもありました。どうか今後も燃料確保と脱炭素を同時に進められるSAFの導入推進にさらに取り組んでいただくよう要望いたします。
多文化共生社会についてですが、外国人材の受入れについては、現行の技能実習制度が廃止され、新たな在留資格として育成就労制度が創設され、ますます外国人材の育成、確保が強化されています。県としても、これを契機にベトナムだけでなくミャンマーやインドネシア、ネパールなど、幅広い国からの外国人介護人材の受入れを要望いたします。
平和についてですが、昨年11月に松戸市で平和の集いが開催された折に、市の平和大使である中学生が運営の中心となり、長崎への派遣報告や、世界各国出身の方々が平和について意見交換をするピースセッションなどの様子も報告されていました。また、広島市が貸出しをしている被爆の実相を疑似体験する原爆VRゴーグル体験会も行われていました。これは、被爆者の証言や写真などを基に、原爆投下時の瞬間から被害が広がっていく様子、そして復興していく町並みを約5分間のVR映像にまとめたものです。県が取り組む平和事業にこの原爆VRゴーグルを活用し、特に若い次世代への平和意識の醸成をしていくよう要望します。
公共交通については再質問をさせていただきます。交通空白地域は、市町村をまたがっていることも少なくありません。そういった地域では、このグリスロが隣町の駅まで行ってくれたらいいのに、オンデマンド交通で市境のショッピングモールまで行きたいというような声が上げられています。市町村の枠を超えた都市圏や生活圏を維持するための交通サービスの支援が必要となります。
そこで伺います。市町村域を超えた広域の地域公共交通の利便性を確保するため、市町村などの支援をすべきと思うが、どうか。
子供・若者支援についてですが、メタバースを活用した婚活支援は画期的で先進的な取組であり、今後も精力的に進めていただきたいと思います。そして、これがきっかけでめでたく結婚する運びとなった場合には、ぜひ県内に永住していただけるような取組を、また、もしその方たちが不妊治療が必要な状況になった場合は治療を受けやすくなるような支援など、連続的、連携的な施策の取組を要望いたします。
不登校児童生徒への支援ですが、群馬県やさいたま市、また、長野市などでは、メタバースを活用した学習支援や居場所づくりをしています。多種多様な選択肢が求められている不登校児童生徒支援において、千葉県としても、婚活支援で培ったノウハウを活用して、メタバースを活用した支援も検討していただくことを要望いたします。
依存症対策については再質問させていただきます。ギャンブル等依存症者を家族に持つ自助グループなどによる支援は、本人や家族にとっても大きな支えとなっています。しかし、民間団体であることから、交通費など自前で活動していることが多いのが課題であり、財政的なバックアップが求められています。
そこで伺います。ギャンブル等依存症者を家族に持つ自助グループなどの民間団体への財政的な支援を強化すべきと考えるが、どうか。
SNS誹謗中傷対策については再質問させていただきます。先ほどの御答弁で、県として様々な形でSNSによる誹謗中傷に対する防止対策をしていただいていることが分かりましたが、SNSに書き込まれた誹謗中傷の投稿によって、今この瞬間にも人権侵害や精神的な苦痛を受けて苦しんでいる方がいらっしゃいます。これ以上、被害者や加害者を増やさないためにも、県として専門の相談窓口の設置が必要だと思います。
そこで伺います。県による専門相談窓口の設置を検討してみてはどうか。
認知症対策についてですが、昨年12月に認知症施策推進基本計画が閣議決定され、都道府県と市区町村で認知症施策推進計画を策定することが努力義務となりました。計画策定のポイントとして、認知症本人や家族にも施策の立案から参画し、また、地域や医療福祉と連携することとなっています。御答弁にもありましたが、本県は既に幾つかのポイントをクリアしています。新しい認知症観の普及に向けて、早期の計画策定を要望いたします。
一般廃棄物処理業務における適切な価格転嫁については、要望と再質問をさせていただきます。千葉県として、発注側の市区町村からのアンケート調査を行うとともに、実際に事業をされている受注者、事業者の方々のお話も聞いていただきたい。今後は、県として組合団体や事業者からの御意見もしっかりと聞いていただくよう要望いたします。
再質問ですが、千葉県として一般廃棄物処理事業従事者の働き方改革を促進し、市町村に対応の改善を求めるための相談窓口を設置すべきと考えるが、どうか。
水道問題については、県営水道が抱える施設の量や規模、それらの老朽化の状況を踏まえれば、更新や耐震化に多くの費用を要し、今後、経営状況が厳しくなっていくことは理解できますが、水道料金の値上げに対する県民の関心は非常に高いと思われます。そのため、20%もの値上げが必要になる理由を県民に対し丁寧に説明をして理解を得るとともに、値上げをする以上、水道使用者などの利便性の向上にも努めていく必要があります。受付業務のICT化や管路情報の電子提供などの取組についても、一層推進するよう要望いたします。
県立学校の設備の改善についてですが、太陽光発電設備については、重量の問題で設置ができない学校もあると伺っておりますが、最近では、従来のシリコン太陽電池よりも軽量で柔軟性が高く、高効率なペロブスカイト太陽電池という新しい太陽電池も注目されています。こうした新しい技術も視野に入れながら、太陽光発電並びに蓄電池の設置をさらに推進していただくことを要望いたします。
交通安全対策についてですが、事故には様々な要因があると思いますが、一瞬の気の緩みで未来ある幼い宝の命が失われないよう、全ての関係機関がよく連携し、全力を挙げて交通事故防止に向けて取り組んでいただくよう要望いたします。
交差点における視覚障害者の安全確保については、昨年、超党派でLED付音響装置の視察を行いました。これは、ポール型でスピーカーの高さが地上から約1メートルなので、誘導音が聞きやすく、本体上部が振動して青信号を伝えるようにもなっています。体験会には、視覚障害者福祉協会の今野会長をはじめ、他県からもたくさんの視覚障害者の方が参加されており、非常に好評を博していました。大阪府をはじめ、和歌山県、愛知県、福島県、岩手県に設置がされており、千葉県としてもまずは試験的に設置することを要望いたします。
以上2回目の質問と要望といたします。
○議長(瀧田敏幸君) 総合企画部長冨沢昇君。
○説明者(冨沢 昇君) まず、SDGsの質問にお答えいたします。
本県では、SDGsの推進を総合計画における施策横断的な視点として位置づけ、実施計画に掲げる全ての取組にSDGsの17ゴールを対応づけ、全庁的に取り組んでいるところです。今後、さらなる取組については御指摘のSDGs未来都市や、SDGs自治体モデル事業の事例なども参考にしながら、充実を図ってまいります。
次に、広域の地域公共交通に関する市町村等への支援に関する御質問ですが、県では、これまでに南房総市と館山市が共同で取り組む広域的なコミュニティバス、デマンド交通に対し、計画策定や実証事業に係る助成などの支援を行ってきたところです。他の地域においても、利用者の移動実態に応じた広域の地域公共交通を実現していけるよう、引き続き支援してまいります。
以上でございます。
○議長(瀧田敏幸君) 健康福祉部長岡田慎太郎君。
○説明者(岡田慎太郎君) ギャンブル等依存症に係る民間団体への財政的支援についての御質問ですが、自助グループなどの民間団体は、ギャンブル等依存症の回復に重要な役割を担っていますので、伴走型の相談支援が持続的に行われるよう、他の自治体での取組も参考にしつつ、効果的な支援策を検討してまいります。
次に、SNSによる誹謗中傷の専門相談窓口に関する御質問ですが、SNSによる誹謗中傷については、県が委託している千葉県人権センターにおいて人権問題全般に関する相談に対応しているほか、相談内容に応じて総務省の違法・有害情報相談センターや、民間が運営する誹謗中傷ホットラインなどの専門の相談窓口を案内することとしております。
以上でございます。
○議長(瀧田敏幸君) 環境生活部長井上容子君。
○説明者(井上容子君) 一般廃棄物処理事業者の相談窓口に関する御質問ですが、県では、これまでも一般廃棄物処理に係る相談や要望については関係団体等からお聞きするとともに、必要に応じて市町村に対して情報提供や助言を行ってきております。国においても、働き方改革に対応しつつ物価上昇を乗り越える構造的な賃上げの実現には適正な委託費水準が必要とされていることから、引き続き、関係団体等からの相談や要望への対応を行い、一般廃棄物処理が適正に行われるよう市町村に働きかけてまいります。
以上でございます。
○議長(瀧田敏幸君) 篠田哲弥君。
○篠田哲弥君 御答弁ありがとうございました。最後に要望をさせていただきます。
順番が逆ですが、初めに、一般廃棄物処理業務における適切な価格転嫁について、現場の皆様から現状や御意見を伺い、働き方改革を進め、賃上げへの支援が急務だと感じました。そこで、一般廃棄物処理業務における労務費の適切な転嫁等については、昨年の10月に、東京都では知事名で市区町村長宛てに同様の通知文が改めて発出されているので、千葉県としても同様に熊谷知事より通知を出していただきますよう要望いたします。
次に、SNS誹謗中傷対策についてですが、尊厳や命に関わる被害のニュースは後を絶ちません。今後も、インターネット上の誹謗中傷対策を推進して、安心してSNSが利用できるよう要望いたします。
依存症対策についてですが、民間団体への財政的な支援はハードルが高いかもしれませんが、当事者や家族を支えるためにも、重ねてよろしくお願いいたします。
最後に、SDGsの推進についてですが、現在のSDGsの礎を築いたローマクラブのカルロス・アルバレス氏は語っています。今日の地球的課題は私たち自身が生み出したものです、そのことを深く学び、自分自身の意識を変え、具体的に対応しようとする中にこそ希望がある、限界なき学習から限界なき希望が生まれるのですとありました。SDGsが目指す17のゴールは、気候変動、多様性尊重、平和、防災・減災、教育など人類共通の課題が全て網羅されており、私は千葉県がSDGs未来都市を目指すことは、間違いなく県のステータスを高め、ポテンシャルを最大限に発揮するきっかけになると思います。ぜひ、熊谷知事にはそのリーダーシップに努めていただくよう要望し、私の代表質問を終わります。大変にありがとうございました。
○議長(瀧田敏幸君) 暫時休憩します。
午前11時42分休憩
午後1時0分開議
○副議長(實川 隆君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
引き続き質疑並びに一般質問を行います。通告順により水野友貴君。
(水野友貴君登壇、拍手)
○水野友貴君 我孫子市選出、千葉新政策議員団の水野友貴でございます。
質問に入ります前に、高病原性鳥インフルエンザについて、24時間体制で作業に従事してくださっております全ての皆様方に対し、心から感謝を申し上げます。
今議会における我が会派の代表質問では、熊谷知事の任期4年間の総括や、今後の県政における課題をはじめ、能登半島地震で浮き彫りとなった障害者など要配慮者への支援策等を取り上げてまいります。本日は傍聴に、今回の質問の当事者となる方や、地元我孫子市の皆様方にもお越しいただいております。前向きな答弁を期待し、会派を代表して、早速質問に移らせていただきます。
まず初めに、知事の任期4年間にわたる政治姿勢について伺います。
熊谷知事就任後初の令和3年6月定例会の我が会派の代表質問におきまして、国の議院内閣制とは異なる二元代表制という仕組みの中で、住民を代表する首長と、そして議会が緊張関係を保ちながら、熊谷知事はどのように県議会と連携し、県議会の意見や提案を県政に生かしていくのか伺いました。その際、熊谷知事からは、県議会は県政を進めていく上で重要なパートナーであり、日頃から議員の意見を伺うとともに、新たな政策を打ち出す際には多くの議論を行いながら政策を練り上げていくという御答弁がありました。熊谷知事として、この4年間で県議会とどのような関係性を築くことができたのか、知事の御認識を伺います。
知事の1期4年間、県政の課題を解決し、県政を前に進めるために、二元代表制の一翼を担う県議会とどのように対話をし、県議会とどのように向き合ってきたのでしょうか。
次に、知事の政策方針の1点目として、任期4年間で実感した県政の課題について伺います。
この項目に関しましても、知事就任後初の定例会における代表質問にて伺っており、熊谷知事は県庁内におけるデジタル化の遅れを挙げ、県ではDX化を推進しているところです。IT技術の進化による産業構造の変化、感染症の世界的流行や突発的かつ大規模な自然災害など、これまで経験をしたことがないような事象が世界中で起こっており、この変化の激しい現代において、県民の命と生活を守っていく行政には外部環境に合わせて柔軟かつ俊敏に対応する組織力が求められており、時代のニーズや流れを的確に把握し、適切な施策を講じていかなくてはなりません。
そこで伺います。4年間で実感した県政の課題は何か。時代の流れを踏まえ、今後どのような課題に取り組んでいくのでしょうか。
2点目として、我が会派で繰り返し改善を求めてまいりました縦割り行政の見直しと、部局間の連携についてです。県政の課題は複雑化、多様化し、もはや単独の部署だけでは解決や推進が困難な事案も増えてきており、スピード感を持って全庁的に取り組むことが求められます。しかしながら、行政と協議を行っていると、管轄意識が根強く残っていると感じることも少なくありません。それぞれの部署がばらばらに動いたり、情報共有等が徹底をされていない場合、県民サービスの低下も懸念されます。複数の部局にわたる施策に関しては、各所管に点在している情報を集約する仕組みづくりや、職員の意識改革の必要性について、令和5年9月議会の代表質問において指摘をさせていただいたところです。
そこで伺います。部局がまたがる事案について、部局間の連携や政策調整にどのように取り組み、どのような効果が表れたのでしょうか。
3点目として、医師不足のうち、特に東葛北部医療圏の小児科医について伺います。
議長の許可を得て資料を配付させていただきましたので、御覧ください。千葉県は産科及び小児科については、いずれも相対的医師少数都道府県とされており、昨年6月定例会の我が会派の代表質問において、本県における深刻な小児科医不足を取り上げた際、令和5年15歳未満人口当たりの医師数をベースに厚生労働省が発表した小児科医の偏在指標では、千葉県は全国最下位の状況であるという答弁がありました。千葉県は医師少数県である中で、追い打ちをかけるように医師の働き方改革等が影響し、小児科医の勤務体制に制限が設けられ、医療現場では、1次・2次救急医療体制の整備に苦慮しているのみならず、自治体によっては学校医や保育園医の確保にも影響しかねない状況です。県内でも、特に相対的に小児科医が少ない区域とされる東葛北部医療圏の各自治体からも、県に対し小児科医不足対策を講じるよう声を上げており、我が会派としても、令和6年度及び7年度における知事への予算要望や代表質問等で小児医療提供体制の充実を図る新たな方策を要望してまいりました。
そこで伺います。東葛北部医療圏における小児科医不足について、今後どのように取り組んでいくのでしょうか。
知事の政策方針の最後は、昨年1月1日に施行された多様性尊重条例についてです。
同条例については、県議会の中でもあらゆる視点で懸念点等が示され、我が会派といたしましては、目的や意義などが正しく理解されるための周知啓発や市町村との連携について、質疑や要望を行ってまいりました。本年度は、千葉県誕生150周年記念事業フィナーレイベントの中でちばダイバーシティ宣言を行うなど、普及啓発に取り組むとともに、条例の趣旨を踏まえながら様々な取組の充実を図っておりますが、これらの取組が千葉県にどのような影響をもたらしたのか、県の認識を伺います。
多様性尊重条例を施行して1年が経過するが、どのような効果が現れたのでしょうか。
次に、行財政改革について伺います。
近年、人口減少や少子高齢化の進行に伴い、社会保障費の増大や労働力人口の減少といった課題が顕在化し、地方財政の持続可能性が問われています。加えて、公共施設の老朽化や新たな行政需要の増加など、将来を見据えた財政運営が求められています。こうした状況の中、熊谷知事は行財政改革に取り組み、財政の健全化や行政の効率化を推進してきました。例えば、県施設のLED化や外郭団体の見直しなどを進め、コスト削減や経営健全化を図ってきたと承知をしております。しかしながら、今後の県財政を取り巻く環境は依然として厳しく、より一層の行財政改革が求められます。
そこで3点質問いたします。
1点目、千葉県の財政状況は過去4年間でどのように推移しているのか。特に主要な改善点や課題は何か。
2点目として、公約の中の県施設のLED化や外郭団体の見直しなど、これまでの行財政改革によって具体的にどの程度の成果が得られたのでしょうか。
3点目として、引き続き行財政改革の必要性はあると考えるが、今後どのような改革を進めていく方針か。
大項目4点目は、教育政策について伺います。
本県における教員の未配置については、子供たちの学びの機会を脅かす重要課題と捉え、我が会派は継続して改善を求めています。本県の未配置につきましては、昨年6月定例会の御答弁によりますと、5月1日時点での全校種の教員の未配置数の合計は199人と大変厳しい状況にあります。そこで、県教育委員会は対策として、今年度は新規採用者数を約200名増やしました。配付した資料で一目瞭然ですが、志願者数は年々減少しており、来年度採用となる教員採用試験への志願者は4,561人で、前年度より約400人減、全体の志願倍率は2.4倍と、1989年度以降では過去最低となっています。さらには、昨年度の千葉県教育委員会における懲戒処分件数は、本人への処分39件、監督責任13件と、統計を取り始めた2004年度以降で教員の不祥事は過去最多を更新しており、数だけの問題ではないことが表面化しています。社会状況等を背景として、学校教育における課題も一層複雑・多様化してきている中、量及び質の両面から優れた教員を養成、確保することが極めて重要な課題となっています。
そこで伺います。教員の大量採用に伴う質の確保に向けて、どのように取り組んでいくのでしょうか。
次に、教員の不適切指導について繰り返し助けを求めていた県立高校2年生の女子生徒が2023年10月に自殺をしていた重大事案について伺います。
我が会派は、いじめ問題を令和5年9月定例会の代表質問にて取り上げており、その際、教育長からは、「学校がいじめを認知した際は、直ちにいじめをやめさせるとともに、加害児童生徒に反省を促し再発防止に万全を期すなど、被害に遭った児童生徒を徹底して守り抜くことが重要と考えている」といった趣旨の答弁がありました。しかし、本来は助ける側であるはずの学校側は生徒のSOSを見過ごし、最悪な結果を招きました。県教育委員会は、不適切指導を行った教員並び監督責任として当時の校長と教頭に減給の懲戒処分をしたとのことですが、懲戒処分をしてもその生徒は戻ってきません。今まで児童生徒間におけるいじめの防止について問題視してまいりましたが、今回のように教員による不適切な指導について、県教育委員会が把握できていなかったことについても問題であると思います。
そこで伺います。県教育委員会は、教員の不適切な指導についてどのように把握をしているのか。また、今後、学校現場を的確に把握できるように、どのように改善をしていくのか。
次に、不登校児童生徒対策のうち、フリースクールについて伺います。
文部科学省の調査によりますと、不登校の状態にある小中学生は、令和5年度は34万人余りに上り、11年連続で増加をして過去最多となっています。本県の公立学校に関しましては、小学校における不登校児童数は5,713人で前年度より1,113人増加し、中学校における不登校生徒数は8,587人で、前年度より1,105人増加しております。全国的に個々のニーズに合った多様な学びの場や様々な形の居場所が設置をされていく中で、フリースクールを選択する児童生徒や保護者も増加をしております。
こうした状況を踏まえ、我が会派はこれまで不登校児童生徒の立場に立ち、将来の社会的な自立や、不登校期間を長期化させないために、単に多様な教育機会を提供するだけでなく、子供たちが安心・安全な環境で過ごすことができるよう、出席扱いの統一化や、長野県が実施をしている一定の基準を満たすフリースクールに対しての認証制度を提案してまいりました。
そこで伺います。フリースクールの安全性などを確保するため、どのような対応をしているのか。また、フリースクール認証制度を早急に創設すべきだと考えるが、どうか。
教育政策の最後に、本県における給食費無償化について伺います。
千葉県教育委員会では、多子世帯の経済的負担の軽減を図るため、県内市町村と連携し、第3子以降の義務教育期間における学校給食費の無償化を令和5年1月から開始しています。令和7年度当初予算においても12億3,800万円が計上されており、対象人数は、令和6年度の4万1,165人と同程度の4万1,501人を見込んでいるとのことです。給食費の無償化は、子育て支援という観点のみならず、近年の物価高騰にも大きく関係しています。食材が値上げをする中で、給食の質、量を維持するためにも給食費を値上げせざるを得ない状況になっています。文部科学省が2024年6月に公表した給食費の全国平均月額は小学校で4,688円であり、10年前の調査からは10%以上も値上がりをしていることが分かりました。さらに、物価高騰や人手不足、低価格競争による利益率の低下などの影響により、2023年の1月から10月までに全国で17件もの給食事業者が倒産し、2023年9月には広島県の給食事業者が突然事業を停止し、全国各地で給食がストップしたことが大きな話題となりました。本来、義務教育課程における給食は、全国格差があってはならないはずですが、無償化の取組は各自治体の裁量に委ねられているのが現状です。
そこで伺います。千葉県の来年度以降の給食費無償化の考えはどうか。
次に、水道の統合・広域化についてです。
千葉県では、九十九里地域及び南房総地域における水道用水供給事業体と県営水道の統合を進めています。この取組によりまして、人材の育成、確保の促進や経費抑制が期待されるとともに、国の支援策も活用することで、施設の老朽化対策や耐震化の推進、経営基盤の強化を図ることが見込まれます。しかしながら、当該地域では人口減少や水需要の低下が進行しており、長期的な経営リスクが懸念されます。統合後の新たな用水供給事業が赤字に陥ることを防ぐため、県としても統合後、経営の合理化や適切な水道料金の設定を進める必要があります。ただし、こうした対策を講じたとしても、統合後の用水供給事業が赤字に転じる可能性はゼロではありません。その場合、同じ企業局が経営する既存の県営水道事業が財政的な負担を強いられるのではないかと住民から不安の声が上がっています。統合後の用水供給事業は特別会計として運営され、既存の県営水道事業の会計と切り離されるとされています。しかしながら、地方公営企業法第17条の3では、特別な事情が生じた場合には特別会計間の補助も可能との規定があり、県営水道事業の負担が増える可能性も否定できないと考えます。
そこで2点伺います。
1点目、統合後の新たな用水供給事業の収支見込みについて、どのように試算をしているのか。
2点目、統合後の新たな用水供給事業が赤字となった場合、どのように対応するのか。また、その際に既存の県営水道事業への影響をどのように想定しているのか。
次に、成田空港の機能強化に伴う地域の活性化について伺います。
成田空港は、2029年3月のさらなる機能強化により、将来的には年間発着枠50万回を目指すとのことで、空港会社は、この機能強化により空港内の従業員数が約3万人増えると推計しています。これほどの大規模な雇用を確保し、本県の人的・経済的発展につなげていくためには、空港周辺はもとより、県全体で取り組んでいく必要があると考えます。
現在、航空業界の人手不足は全国的な課題とされています。国も令和7年度予算案において、グランドハンドリングや保安検査を担う空港業務人材の確保に向けた予算を継続して計上するなど対策を進めているところですが、県もこの問題にしっかりと向き合い、幅広いエリアで対策を進めていくことが必要です。
そこで伺います。成田空港の機能強化に伴う航空人材確保のための取組を、空港周辺9市町以外でも取り組むべきだと考えるが、どうか。
次に、JR成田線について伺います。
成田空港に向かうための鉄道といえば、京成スカイライナーやJRの成田エクスプレス、総武快速線からの直通列車を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、我孫子駅から運行される成田線も大事な役割を果たしています。近年、我孫子市内、成田線沿線の各地域ではイベントも盛んに実施をされるなど、地元の努力により成田線沿線の活性化が進んでいる一方、地元住民の悲願である成田線の増発については長年実現しておらず、利便性の向上が図られているとは言えない状況です。
こうした中、空港のさらなる機能強化により、航空利用者は当然のことながら、空港従業員についても増加することが見込まれます。これに伴い、空港への通勤手段として成田線を選択する方も増加すると考えられ、仮に増発などにより利便性向上が実現をすれば、より一層成田線の利用者が増加するのではないでしょうか。そのため、県としても空港のさらなる機能強化を契機に、JRに対する働きかけを強くしていく必要があると考え、伺います。
成田線我孫子-成田間の利便性向上や沿線地域のさらなる活性化について、県はどのように取り組んでいるのでしょうか。
次に、防災・減災対策のうち、要配慮者に対応した避難所運営について伺います。
国会においてもスフィア基準に沿った避難所運営等についての議論がなされておりますが、実際に災害が発生した際に避難所運営に携わるのは自治体となります。昨年元日に発生した能登半島地震では、障害のある人たちに支援が届きにくいことが指摘されました。車椅子の方は避難所に入ることができなかったり、聴覚障害者の方は緊急避難や避難所での音声案内が届かなかったり、視覚障害者の方は避難所で白杖を利用することがはばかられたりと、無事に避難できたとしても、避難所などで周囲から孤立してしまったケースもありました。誰もが取り残されない避難所運営は喫緊の課題として取り組むべきという視点から伺います。
要配慮者に対応した避難所運営を推進すべきだと思うが、どうか。
次に、大規模災害時に被災した学校の学びの継続や早期再開に向けた支援を行う災害時学校支援チームD-ESTについて質問いたします。
文部科学省は、大規模災害の被災地に全国から教職員チームを派遣する仕組みを創設する方針を決め、全国の自治体にD-ESTの設置を促すとしています。能登半島地震では、学校の校舎やグラウンド等が被害を受け、教職員も被災者となり、学校が避難所として開設されるなど、学校再開に向けた課題も浮き彫りとなりました。こうした状況下において、子供たちの学びを速やかに確保するため、被災地外からの教職員等の派遣による支援が重要な役割を果たしました。D-ESTについては、既に兵庫県や熊本県など5県に設置されており、千葉県では来年度当初予算で新規事業として体制整備することとされています。
そこで伺います。千葉県版D-ESTとはどのようなものか。
次に、医療問題のうち、こども急病電話相談#8000番について伺います。
#8000番は、一昨年の12月に、午後7時から午前6時までだった相談時間を午前8時までに延長されましたが、県民の方々からは、つながりづらい、音声ガイダンスで長時間待つことが多いという声が届きます。その証拠として、令和5年度では約6万6,500件の受電中、約1万1,000件に対応できていなかったという状況がありました。約6分の1、つまり16%強に対応できていないというのは深刻な状況なのではないでしょうか。
そこで伺います。こども急病電話相談#8000番について、相談対応の現状と人員はどうか。つながりづらいという現状を踏まえ、体制の拡充を図るべきと考えるが、どうか。
次に、#7119についてです。救急安心電話相談#7119は、医療機関を受診するか、もしくは救急車を呼ぶか迷ったときに、看護師が相談に応じて、必要な場合は医師に転送してくれるというサービスです。救急出動件数が過去最多を更新しており、その適正利用にもつながるものだと考えます。本県における相談時間は、平日と土曜日が午後6時から翌朝の8時まで、日曜日と祝日が午前9時から翌朝8時までとなっています。しかしながら、東京都や神奈川県、埼玉県など近隣都県では24時間、年中無休で対応できる体制となっており、本県も実現可能ではないかと考えます。
そこで伺います。救急安心電話相談#7119について、相談を受け付けていない休日の時間帯をなくすべきだと考えるが、どうか。
次に、看護職員修学資金について伺います。
昨年9月の我が会派の代表質問において、須永議員より、看護職員を目指す方への修学資金の地域特別貸付の対象地域について、君津保健医療圏は人口10万人当たりの看護師数が県内2番目に少ないにもかかわらず、地域特別貸付の対象外になっている点を指摘させていただきました。その後、今議会の開会日の知事の挨拶において、君津保健医療圏を地域特別貸付の対象に加えるというお話がありました。
そこで伺います。看護職員を目指す方への修学資金の地域特別貸付について、来年度の見通しはどうか。
次に、令和5年9月定例会の代表質問にて質疑を行いました生理用品の無償提供について、その後の県の取組と進捗を伺うものです。
世界的な物価高騰により、経済的な理由などで生理用品が手に入らない生理の貧困はますます深刻化しており、スコットランドやオーストラリア、台湾など、各国が相次いで生理用品の無償提供の取組を進めています。経済的な理由のみならず、女性の体は不安定かつ複雑であり、授業中、仕事中、外出中など、予期せぬときに突然生理になることもあり、女性の社会参加や教育機会に影響を及ぼします。千葉県では、全ての県立学校において非対面による生理用品の無償提供を実施しておりますが、小中学校については基礎自治体によって様々であることから、市町村への働きかけと、県立学校以外の県の公共施設でも生理用品の無償提供を行うべきだと要望をさせていただきました。
そこで伺います。県の公の施設における生理用品の無償提供の実施状況はどうか。また、今後の取組はどうか。
次に、パラスポーツの振興について伺います。
パラスポーツは、障害特性に応じた配慮から、ルール変更等も含めて工夫をされたスポーツですが、障害、性別や年齢、スポーツの経験の有無にかかわらず誰もが参画できるスポーツです。県では、パラスポーツの振興を図っていく様々な取組を行っており、先月12月には各種パラスポーツを体験できるイベントとして、パラスポーツフェスタとうかつ2024が我孫子市と連携して開催され、私も会派のメンバーとともに参加をさせていただきました。ボッチャや車いすバスケ、ブラインドサッカーなどに参加をし、パラスポーツの魅力を体感できる、大変意義のあるイベントであったと実感をしています。一方で、日本ではパラスポーツ自体の認知度や環境整備、指導者不足など課題は少なくなく、県には継続してパラスポーツの振興に取り組んでいただきたいところです。
そこで伺います。パラスポーツの振興や県民の理解促進に向け、来年度はどのように取り組んでいくのでしょうか。
次に、環境問題のうち、継続して議会で取り上げております気候変動適応について伺います。
温暖化の進行に伴い、異常気象による自然災害の頻発化、激甚化、農産物の品質低下や収量の減少による食料危機、希少な動植物の絶滅などをはじめ、産業・経済活動への影響は計り知れません。日本の平均気温は1898年以降、100年当たり1.4度の速さで上昇しており、猛暑による熱中症で救急搬送が増加するなど、私たちの生活や健康をも脅かしています。現在、気候変動対策は温室効果ガスの排出を減らし、気候変動の原因を抑えていく緩和策と、自然生態系や社会・経済システムを調整することにより気候変動の悪影響を軽減する適応策の緩和と適応の2本柱となっています。
そこで、適応策の1つとして、自然環境が有する機能により社会における様々な課題解決に寄与するグリーンインフラの活用を議会等で提案させていただき、印旛沼ではグリーンインフラの活用を中心に、谷津、里山の保全、活用、水田貯留、雨水貯留浸透対策等の集水域での対策等に取り組んでいただいております。千葉県の自然環境の特徴を生かし適応策を講じることで、気候変動の影響を最小限にするのみならず、逆に有効活用することもできるのです。こうした取組を積極的に推進していただきたいという思いで質問をいたします。
千葉県気候変動適応センターでは、どのような方針で事業を行っていくのでしょうか。
次に、化学物質過敏症について伺います。
いわゆる化学物質過敏症とは、生活環境中の極めて微量な化学物質に接することにより、多彩な不定愁訴を呈する症候群であると言われています。香りの害と書いて香害とも言われ、合成洗剤や柔軟剤、香水などに含まれる合成香料によって様々な健康被害が生じることを言います。我が会派にも、化学物質過敏症によって実際に頭痛や全身倦怠感、不眠など、体の不調に困っている当事者の方々から悲痛な声が寄せられているところです。しかしながら、病態や発症のメカニズムなど未解明な部分が多く、いまだ確立した診断基準や治療法が存在しておらず、病態の解明に向けた研究が進められているという状況です。ただ、近年、相談が全国の消費生活センター等にも寄せられていることから、消費者庁、厚生労働省、文部科学省、経済産業省、環境省の5省庁連名で香りへの配慮に関するポスターが作成され、他の都道府県や県内市町村では、対策等について公式ホームページ上に特設サイトを設けて周知啓発するなどの丁寧な対応が増えてきております。本県も同様の措置を取っていくべきという観点で質問いたします。
本県の化学物質過敏症に対する見解はどうか。また、化学物質過敏症について、公式ホームページ上に専用サイトを設けるなど周知を図るべきと考えるが、どうか。
次に、手賀沼及び印旛沼における課題のうち、まずは外来水生植物対策について伺います。
県では、外来水生植物対策事業として、特に繁茂している印旛沼及び手賀沼と、その流域河川においては今年度は約3億5,400万円を計上していただき、昨年9月定例会の我が会派の代表質問において駆除の進捗状況を質疑した際、熊谷知事からは、手賀沼、印旛沼のいずれについても今年度中には当初計画していた面積について一通りの駆除を終える予定であるという答弁がありました。しかしながら、繁殖力や分散能力が強い特性を有するナガエツルノゲイトウとオオバナミズキンバイは、もはや全県的な広がりを見せており、重機による大規模駆除を終えたとしても、一片の切れ茎からあっという間に再繁茂してしまいます。駆除後もきめ細やかな定期的なチェックが必要不可欠であり、地域住民にも御協力をいただくことで、早期発見、早期駆除につながるものと考えます。
そこで伺います。外来水生植物の駆除について、来年度以降、どのように取り組んでいくのか。また、住民等から情報提供があった際、早急に駆除に取りかかる仕組みをつくるべきではないでしょうか、伺います。
2点目は、手賀沼の自然環境の現状について伺います。
県北西部に位置する手賀沼は、多様な生き物を育む豊かな湖沼であり、散策やサイクリング、マラソンなど、地域住民の憩いの場としても多方面にわたって利用されています。また、多くの鳥類が飛来することからも、ジャパン・バード・フェスティバルなど日本最大級の鳥のイベントが開催され、水と緑が一体となった良好な景観を構成しています。
一方で、手賀沼流域では急激に都市化が進んだことに伴い、沼に流入する汚濁負荷が増大したことで水質汚濁が進行し、水生植物や魚介類の減少といった生態系への影響が懸念されており、手賀沼の自然環境は大きく変化いたしました。また、COD、全窒素及び全リンのいずれの項目においても第8期湖沼水質保全計画で設定された水質目標値の達成には至っておらず、横ばいの状況が続いております。水質改善に向けた取組を進めてきているさなか、外来水生植物が急速に繁殖をし新たな課題が発生したことによって、在来の水生植物など従来の生態系に影響が出ているのではないかということを懸念しており、令和4年度の会派代表質問においても、水質改善に向けたヨシなどの植生帯の整備について質疑を行いました。そこで、現状と今後の対応について伺います。
手賀沼におけるヨシなどの繁茂状況はどうか。また、整備した植生帯と混在した外来水生植物について、今後どのように対応をしていくのでしょうか。
次に、企業誘致について伺います。
熊谷知事は、東京に依存しない千葉経済圏の確立を掲げている中で、企業誘致はその重要な手段となります。引き続き企業誘致を推進していくには、県内の立地動向を常に把握し、課題やチャンスを分析して施策に取り組む必要があります。当初予算では、さらなる企業誘致を進めるため、立地企業補助金の制度を大幅に改正するとのことですが、どのような観点から今回の改正に至ったのか伺います。
1点目、本県における工場や研究所などの立地動向をどのように捉えているのでしょうか。
2点目、工場や研究所等の立地動向を踏まえ、どのような狙いで立地企業補助金の見直しを行うこととしたのでしょうか。
次に、観光政策について伺います。
地域における観光事業は、地域経済の成長や地域社会の活性化に貢献していることから、県としても観光に携わる人材の確保や育成、インバウンドへの対応やデジタル技術の効果的な活用などに取り組むことが大変重要です。コロナ禍を経て国内観光やインバウンド需要が回復しているものの、社会情勢と消費者の生活とマインドは大きく変化をし、それは観光にも新たな概念や価値観を生み出しました。観光対象は、従来のテーマパークや温泉などの非日常の観光地だけではなく、例えば地域の伝統工芸品や郷土料理を作るものづくり体験など、趣味や健康などといった日常の延長線上にある個々の嗜好に沿う対象にも拡充をされています。今後の観光のトレンドを的確に押さえ、千葉県が有するポテンシャルを県全体に波及させることが肝要です。
そこで伺います。観光振興の効果を県全体に行き渡らせるための施策として、観光コンテンツ高付加価値化促進事業をどのように進めているのでしょうか。
次に、観光政策のうち、宿泊税について3問質問いたします。
さきの12月議会で熊谷知事は、千葉県に宿泊税を導入する方針を明らかにいたしました。宿泊税は、観光振興目的にそのまま活用される法定外目的税であり、観光振興予算を直接増加させるものとなります。千葉県が提示している基本的な内容としては、県内統一の1人1泊150円の一律定額制とし、免税など課税条件は原則設けず、各市町村が独自に上乗せできるというもので、想定される税収は年間40億円余りに上るとのことです。
一方で、この千葉モデルに対し、宿泊事業者向け説明会参加者アンケートでは、反対もしくはどちらかといえば反対が32.8%となっており、県内の複数の民宿組合などは連名で県へ要望書を提出するなど、それぞれがそれぞれの立場で見直しを求めており、今後宿泊税を導入する意義について十分な説明と意見交換等が必要であることは間違いありません。まずは原点に立ち戻って伺います。
1点目として、県はなぜ宿泊税を導入することとしたのでしょうか。
2点目は、観光地以外の地域に、この宿泊税の税収をどのように波及させていくのかについてです。ビジネス客が中心の宿泊事業者や、いわゆる観光地ではない地域のメリットについて、県はどのように考えるのか。
3点目として、市町村との連携についてです。県は先週、1月23日に宿泊税制度の詳細の検討に当たり、市町村等の意見を聴取するため、市町村向けの意見交換会を実施いたしました。市町村や宿泊事業者の立場に立った、より丁寧な説明と、制度設計の再考が必要であると感じます。
そこで伺います。今後、市町村との意見交換をどのように行っていくのでしょうか。
次に、県内農林水産物のブランド化やプロモーション事業について取り上げます。
県では、県内外において梨、サツマイモ、米など、県の顔となる品目を核とした集中的なプロモーションを行い、消費者に選ばれるおいしい千葉の農産物としてのイメージアップを図っております。一方で、集中的プロモーションの対象外である様々な農産物も公平にPRをしてほしいという声も届いています。県としては選択と集中、めり張りのあるプロモーションを実施しているとはいえ、千葉県にあるもっと多様な農林水産物にも力を入れていく必要があると思い質問いたします。
集中的にプロモーションを行っている梨、サツマイモ、米以外の品目について、どのようなプロモーションを行っていくのでしょうか。
最後に、2月27日告示、3月16日投開票の千葉県知事選挙について質問をしてまいります。
私たちは、18歳になると選挙で選ぶ権利が与えられます。選挙権は平等に与えられているにもかかわらず、障害などのため行使しにくい有権者がいるのも現実です。権利を持つ全ての人の参政権を保障していくべきであり、そのために、投票における要配慮者のニーズを的確に把握し、改善に努めていくことが求められます。しかしながら、障害のある方々の投票支援は国が詳細な運用指針を示していないこともあり、自治体ごとの差が大きく、障害のある方々から投票所の支援が不十分であったという声をいただくことも少なくありません。また、投票時間についても、市町村間で差が生じてきています。投票日当日の投票時間は午後8時までですが、これを早める団体が全国的に増加をしてきています。住んでいる自治体によって投票時間に差が生じてしまうことは、公平とは言い難いものと考え伺います。
障害者に配慮した投票環境を整備すべきだが、市町村とどのように連携をしていくのか。また、市町村間における投票時間等に差が生じないようにすべきと思うが、どうか。
次に、選挙におけるSNSの運用について伺います。
昨今の選挙においてはSNSが大きな役割を果たし、欠かせないツールとなっています。従来は街頭演説や選挙カーによる活動が主流でしたが、現在はSNSを戦略的に活用することで幅広い層に情報を届けやすくなり、短期間で多くの有権者と直接つながることが可能になるだけでなく、投票率の低い若年層や、政治に関心を持たなかった層にもリーチできるというメリットがあります。一方で、昨年執行された衆議院議員選挙や兵庫県知事選挙では、SNS選挙が猛威を振るい、過激な投稿や真偽が定かでない情報が飛び交い、候補者やその周囲を攻撃するアカウントも多々見受けられるようになりました。さらには、SNSでの誹謗中傷や事実無根の内容を拡散されたことで命を落とされた政治家もいます。公平性を担保するために、短い選挙期間中にどのように警察がSNSを取り締まっていくのか、候補者を誹謗中傷からどのように守っていくのか、大変気になるところです。
そこで伺います。SNSの取締りはどのようにして行うのでしょうか。
最後に、公職選挙法違反について伺います。
公職選挙法は、選挙が適切に行われるための法律です。しかし、その内容については県民が熟知しているとは言い難く、県民が知らず知らずのうちに公職選挙法違反の行為をしてしまうことがないように周知啓発を行うことは極めて重要です。特に、ネットを通じた選挙活動については注意が必要です。例えば、投票日当日に投票依頼をする行為を行ったり、特定の候補者を当選させないことを目的として、候補者に関する虚偽情報や事実をねじ曲げた情報を広める行為は、公職選挙法に違反します。公職選挙法第142条の7では、候補者に対して悪質な誹謗中傷をする等、表現の自由を乱用して選挙の公正を害することのないよう、インターネットの適正な利用に努めることとしております。
そこで伺います。県民がSNSにおいて公職選挙法違反を犯さないために、どのように周知啓発をしていくのでしょうか。
以上で壇上からの1回目の質問とさせていただきます。執行部におかれましては、前向きな御答弁をお願いいたします。(拍手)
○副議長(實川 隆君) 水野友貴君の質問に対する当局の答弁を求めます。知事熊谷俊人君。
(知事熊谷俊人君登壇)
○知事(熊谷俊人君) 千葉新政策議員団の水野友貴議員の代表質問にお答えをいたします。
まず、政治姿勢についてお答えいたします。
県議会との関係についての御質問ですが、私は、令和3年4月に知事に就任した際、県政に多大な御尽力をいただいている県議会の皆様に敬意を表するとともに、その御理解、御協力をいただきながら、千葉の未来を切り開いていくため全力で取り組んでまいりたいと申し上げました。これまでを振り返ると、危機管理や防災対策、産業振興、医療、福祉、子育て、教育など、県政の各分野において県議会の皆様と切磋琢磨しながら政策を練り上げ、県民のため、千葉県のさらなる発展のため取り組むことができたと考えております。
こうした一つ一つの取組を前進させていくに当たり、皆様とは県議会をはじめ様々な場で大変建設的な議論ができたと考えており、今後ともこうした考え方を大事にして県政運営に取り組んでまいりたいと思います。
次に、政策方針についてお答えをいたします。
県政の課題及びその対応についての御質問ですが、私は知事就任後、県内54市町村を訪問し、現場での意見交換などを通じて県政の課題を把握し、これまで防災対策の推進、本県の優位性を生かした企業誘致や産業振興、子供・子育て施策や教育環境の充実、誰もが社会に参加し活躍できる環境づくりなど、幅広く取組を進めてまいりました。様々な施策を進める中で、本県は人口や産業、地理的条件や都市基盤など様々な面で地域ごとの特性があり、抱えている課題も多様であることから、県内一律の施策に限らず、各地域のニーズに応じて柔軟に施策を講じていくことが必要と感じています。また、本県が本格的な人口減少社会を迎える中、将来を見据えた新たな産業・地域づくりや、稼げる農林水産業の推進、子供や若者に対する支援の充実、さらなるDX化による生産性の向上など、時代の流れに即した取組を進めていく必要を実感しております。
こうした課題に対し、今後も県政各分野において、県民の皆様や民間事業者、市町村など、千葉県の総力を結集し、様々な挑戦や未来への投資に取り組み、本県のさらなる発展を目指してまいります。
部局間の連携や政策調整についての御質問ですが、多様化する行政課題への対応に当たっては関係所属間の連携が必要であることから、研修等によりチームマネジメントや連携意識の醸成を図っています。また、部局間にまたがる事案が新たに発生をした場合、初動時においてはビジネスチャットも活用し、関係所属間で情報共有や対応を協議しているほか、各部の次長等により政策調整を行っております。具体的には、民間投資を呼び込める環境づくりに向け、様々な分野や地域における国家戦略特区の活用の検討、成田空港を核とした産業拠点の形成など、エアポートシティの実現に係る取組、千葉県誕生150周年記念事業をはじめとした文化振興施策等、大局的にスピード感を持って推進するため、全庁横断体制を構築しております。引き続き全庁的な連携を図りながら、他部署への貢献意識を持って職務に従事をし、新たな行政課題に対して迅速かつ的確に対応してまいります。
小児科医不足についての御質問ですが、東葛北部医療圏は小児医療に対する高い需要が続く中、令和5年に小児人口当たりの小児科医師数を基に国が発表した指標によれば、全国303医療圏中236位となり、小児科医が相対的に少ない医療圏として位置づけられております。そのため、県では、東葛北部医療圏など小児科医が相対的に少ない医療圏にある病院が県外から小児科医を確保する際に必要な人件費の一部を令和7年度から新たに支援することといたしました。さらに、医師修学資金を利用する医学生が小児科医を目指す場合の加算制度を創設するなど、県内で勤務する小児科医の養成等の強化を図ることとしております。引き続き、地域に必要な小児医療体制が確保できるよう、小児科医の養成、確保に積極的に取り組んでまいります。
多様性条例の効果についての御質問ですが、県では、条例が目指す誰もが活躍できる社会を実現するため、私を本部長とする多様性社会推進本部を設置し、女性活躍や障害者の社会参加の促進、外国人との共生、LGBTQの理解増進など、様々な課題に対し部局横断的に取組を推進してきたところです。その結果、多様性の尊重が県政を進める上での重要な視点として庁内に定着をするとともに、県の施策において、外国人活躍・多文化共生推進プランの策定や、県営住宅の入居資格や職員の休暇等における同性パートナーの取扱いの見直しなど、条例を踏まえた取組を着実に進めることができました。今後も、様々な主体による取組が展開されるよう、条例の理念を広く県全体で共有していくとともに、生きづらさの解消や多様な人材が活躍できる社会づくりに向け、全庁を挙げて取り組んでまいります。
次に、行財政改革についてお答えいたします。
今後の改革についての御質問ですが、県では、総合計画に掲げる施策の着実な推進を行財政面から下支えをするために、令和4年3月に行財政改革計画を策定し、様々な改革に取り組んできたところであり、一定の成果を上げているものと認識をしております。一方で、社会情勢の変化により人材の確保が困難となることに加え、少子高齢化の進行に伴う生産年齢人口の減少により、歳入の大幅な増加が見込めない中で、限られた経営資源を効率的、効果的に活用し、引き続き質の高い行政サービスを提供していくことが求められています。そのため、デジタル技術の活用や業務の集約化により職員の生産性の向上を図るとともに、県税の徴収対策の強化や事務事業の見直しにより財源を確保するなど、引き続き行財政改革に取り組んでまいります。
次に、成田空港の機能強化に伴う地域の活性化についてお答えいたします。
航空人材確保についての御質問ですが、成田空港は令和10年度末に予定されている第3滑走路の新設等に伴う年間発着枠の拡大により、空港を起点とする人、物、投資の流れが拡大し、空港内外の雇用が大きく増加すると見込まれております。県や空港会社などで組織をする成田空港活用協議会では、県内全域を対象に、小中学校と連携をした空港視察ツアーや、高校生向け体験型航空教室を開催するとともに、県においても企業説明会や仕事体験を通じて、空港関連企業に学生や求職者との交流機会を提供するなどの取組を進めているところです。今後も、こうした取組を県内の各地域を対象に実施するとともに、世界を感じることのできる成田空港で働く魅力のPRなどを通じ、空港、航空産業を担う人材の確保を進めてまいります。
次に、パラスポーツの振興等に向けた取組についての御質問にお答えをいたします。
県では、パラスポーツの振興を図るため、パラスポーツフェスタのほか、パラアスリート等による学校訪問や特別支援学校でのパラスポーツ教室の開催、市町村や競技団体が実施する体験会の支援等、誰もがスポーツに親しめる環境整備に取り組んできました。来年度は、新たに障害のある方のニーズを調査するとともに、身近な市町村でパラスポーツの相談をできるようコーディネーターを増員して市町村の伴走支援を行い、障害のある方のスポーツ参加をさらに促進していくこととしております。また、体験会や障害者スポーツ大会等の情報を県ホームページやSNS等で積極的に発信するとともに、市町村や学校等を通じて地域住民の参加を呼びかけるなど、多くの方にパラスポーツに触れていただき、県民の理解が進むよう取り組んでまいります。
次に、企業誘致についてお答えいたします。
立地動向を踏まえた立地企業補助金の制度改正の狙いについての御質問ですが、県としては、雇用、税収の確保のほか、地元への取引の拡大、周辺の企業や大学などの学術機関との連携など、経済面をはじめとした地域への波及効果が高い製造施設や研究施設の誘致をより一層進めていくことが重要と考え、立地企業補助金を改正することにいたしました。そこで、本県経済を牽引していくことが期待される地域に、成長が見込まれる産業分野の工場や研究所が新たに立地をする場合には補助を上乗せすることとし、産業の核となる企業を誘致することで、その地域の産業集積をより促進していきたいと考えております。また、人口減少等の課題に直面をしている地域においては、敷地面積や事業従事者の補助要件を緩和することにより、幅広く、より多くの投資案件の創出を図るなど、県内各地域の特性に応じてきめ細やかな支援を行い、県経済の活性化に資する工場や研究所の立地を促進してまいります。
最後に、農林水産業問題についてお答えいたします。
農林水産物のプロモーションに関する御質問ですが、県では、千葉県の顔となる品目を核とした集中プロモーションを実施するとともに、その他の品目についても、旬の食材が多く出回る時期を中心に県産農林水産物のプロモーションに取り組んでいるところです。今年度は、昨年末までに県内外の量販店639店舗で千葉県フェアを実施したほか、先月は日本一の青果物取扱い数量を誇る大田市場において、県内JAグループの関係者とともに、本県野菜の品質の高さ、品目の多彩さについて市場関係者にPRを行ってまいりました。今後もさらなる効果的なプロモーションの実施に向けて、今年度採用したブランディングアドバイザーに県産農林水産物全般について知見を借りながら、本県の多様な農林水産物をより多くの方々に手に取っていただけるよう取り組んでまいります。
私からは以上でございます。他の質問につきましては副知事及び担当部局長からお答えいたします。
○副議長(實川 隆君) 副知事穴澤幸男君。
(説明者穴澤幸男君登壇)
○説明者(穴澤幸男君) 私からは、まず、行財政改革についてお答えします。
本県の財政状況の推移等についての御質問ですが、県財政についてはこの4年間、高齢化による社会保障費の増をはじめ、人件費や公債費などの義務的経費の増加が続いており、依然として大変厳しい状況です。こうした中、県税の徴収対策の強化や未利用県有地の処分、事務事業の見直し等による財源の確保や、事業の執行段階における経費節減に努めた結果、地方公共団体の財政状況を示す指標については、健全とされる水準を維持しながら年々改善をしているところです。一方、県の将来の発展に向けて必要な社会資本の整備や、県有施設の長寿命化対策の本格化などにより建設地方債の発行が増えており、今後は残高が増加することも見込まれているため、引き続き将来負担に留意しながら財政運営に努めてまいります。
県有施設のLED化や外郭団体の見直しについての御質問ですが、県では、令和4年度から県庁舎の照明や道路照明灯などのLED化を進め、LED導入前の令和3年度と導入後の令和5年度の電気料金を比較すると、概算で年間5億円以上のコストが削減されました。また、令和4年12月に公社等外郭団体関与指針を策定し、県及び団体の双方による継続的かつ定期的な評価を導入するなど、団体の経営健全化を図っているところであり、公社等外郭団体の令和3年度決算と令和5年度決算を比較すると、全体の累積損益の赤字額が約73億円縮減しました。時代の変化に対応した県民視点の県政を実現するため、引き続き行財政改革の着実な推進を図ってまいります。
次に、水道の統合・広域化についてお答えいたします。
用水供給事業の統合に係る収支見込みについての御質問ですが、統合に係る基本計画では、将来にわたって安定的な給水を行うため、老朽化または耐震性に欠ける施設、設備の計画的な更新を行いつつ、適正な原価を基準とした料金を徴することにより、健全な経営を維持することとしています。これを踏まえ、収支を見込むに当たっては、費用については運営経費のほか、老朽化対策や耐震化に要する施設整備費、統合に伴う必要経費に加え、経費節減効果を反映しました。また、収入については、統合に関わる国の交付金や県及び関係市町村の財政措置を見込んだ上で、健全経営を確保できる料金水準としたところであり、収支としては、統合後5年目で約8,000万円、10年目で約1億7,000万円の黒字を確保できる見通しとなっております。
用水供給事業の経営等についての御質問ですが、統合基本計画では、5年ごとに収支見通しを見直し、収支状況に応じて料金改定を検討するなど、定期的な見直しにより用水供給事業の健全経営を維持していくこととしています。また、急激な物価高騰などの不測の事態が発生した場合は、地域全体の安定給水の維持を図るため、5年ごとの収支見通しの見直しを待たずに、関係者で必要な対応を検討することとしております。なお、統合後の新たな用水供給事業は、県営水道事業と認可及び会計を別にして運営することとしているため、用水供給事業の収支状況が県営水道事業の経営に影響を与えることはありません。
次に、成田空港の機能強化に伴う地域の活性化について、JR成田線についての御質問ですが、成田線沿線は我孫子駅から成田空港まで最短50分程度で通勤できることから、鉄道の利便性向上は空港への通勤者の増加など、沿線地域のさらなる活性化にも資するものと認識しております。このため県では、今年度も市町村等と構成する千葉県JR線複線化等促進期成同盟を通じ、JRに対し、通勤通学時間帯における成田線の増発や接続改善を要望してきたところであり、引き続き沿線市町とも連携を図りながら、利便性向上に向けて要望してまいります。
また、沿線市町での「B.B.BASE手賀沼」といった豊かな自然を生かしたサイクルトレインのイベントなどに協力して、多くの方々に地域の魅力を知っていただくことにより、成田線を生かした沿線地域の活性化も図ってまいります。
次に、防災・減災対策についてお答えいたします。
要配慮者に対応した避難所運営についての御質問ですが、高齢者や障害者、乳幼児など配慮を要する方に対しては、支援に当たる人材や必要となる物資などを平時から確保し、災害時に適切な支援ができるようにすることが大切です。県では、要配慮者の支援に当たって留意すべき事項や必要となる資機材、ニーズに合わせた具体的な対応例などについて市町村に示すとともに、要配慮者支援用品の整備や、避難所のバリアフリー化等の取組に対して財政支援を行っているところです。このほか、市町村や福祉関係者、ボランティア団体等との地域ミーティングの場を活用して、要配慮者支援についての意見交換や事例の情報共有等を行っているところであり、引き続き避難所において的確に対応できるよう取り組んでまいります。
次に、県の公の施設における生理用品の無償提供に関する御質問にお答えします。
公の施設における生理用品の無償提供は、令和6年12月1日現在、文化会館や総合スポーツセンターなど14施設において実施しており、その配布方法は、窓口での対面形式のほか、トイレに備付けのケースに入れ自由に持ち出しができる等の非対面形式により行っています。県では、住民サービスの向上の観点からも、各施設において生理用品の無償提供が一層進められるよう、他団体の先行事例なども参考に実施に向けて検討するとともに、指定管理者に対しても、この取組の情報を共有したところです。引き続き、利用者の需要や施設の状況を踏まえながら、公の施設における住民サービスの向上に努めてまいります。
最後に、手賀沼のヨシなどの繁茂状況等についての御質問ですが、ヨシやヒメガマ、マコモなど、在来の水生植物の繁茂状況については令和5年度に手賀沼水環境保全協議会が外来種と併せて調査を実施しており、調査の結果、在来種の繁茂面積は令和元年度と比較すると減少しております。また、県で整備を行い、ヨシなどの在来種が生育する植生帯においてはモニタリング調査を継続的に実施しており、今年度は侵入が確認されたナガエツルノゲイトウ等の駆除を行うなど、引き続き適切な管理に努めてまいります。
私からは以上でございます。
○副議長(實川 隆君) 副知事黒野嘉之君。
(説明者黒野嘉之君登壇)
○説明者(黒野嘉之君) 私からは、まず、こども急病電話相談についての御質問にお答えいたします。
県では、夜間における保護者の不安解消や、不要不急の受診を減らし、救急医療機関の負担軽減を図るため、小児救急電話相談事業を実施しているところです。現在の相談受付時間は、毎日午後7時から翌朝8時までとなっており、このうち午後7時から午後10時までは相談員が3名体制、午後10時から翌朝8時までは2名体制で対応しておりますが、時間帯によっては架電数が多く、つながりづらい場合もあると認識しております。そのため、保護者等が自ら受診の要否を判断できるよう、症状ごとに病院受診の目安が分かるオンラインこどもの救急の利用促進や、急病時の対応ガイドブックの配布、保護者向け講習会の実施などに取り組むとともに、現状の利用状況の詳細な分析を行い、効果的な相談体制について検討してまいります。
次に、救急安心電話相談についての御質問ですが、救急安心電話相談は、救急現場の負担軽減と県民の不安解消を目的に、通常の医療機関が受け付けていない時間帯において実施している事業で、平日及び土曜日が午後6時から翌朝8時まで、日曜日及び祝日については午前9時から翌朝8時まで実施しており、休日においては実施していない時間が1時間あるところです。一方、国の調査によれば、令和6年11月現在、都道府県単位で本事業を実施している31都府県のうち26都府県において、休日24時間体制が構築されているところです。こうした休日の24時間体制については、引き続き県民や関係機関のニーズを踏まえて検討していくとともに、本事業の効果が最大限発揮されるよう、救急安心電話相談の県民への一層の普及啓発に努めてまいります。
次に、保健師等修学資金の地域特別貸付についての御質問ですが、県では、県内の医療機関等への就業を希望する看護学生に対し修学資金の貸付けによる支援を行っておりますが、特に看護職員の確保がとりわけ困難な地域での就業を希望する学生を対象に、貸付額を増額した地域特別貸付を設け、地域偏在の解消を図っております。このたび高齢化の状況などの医療需要を踏まえた上で、医療圏ごとの就業看護職員数の直近のデータを分析した結果、現在指定をしております香取海匝医療圏、山武長生夷隅医療圏のほか、君津医療圏において看護職員の確保が困難な状況となっていることから、来年度から君津医療圏を追加することといたしました。また、地域特別貸付の貸付枠を20名から30名に増やすこととしており、今後、対象地域の追加及び貸付枠の増加について学生等への周知を行うなど、地域における看護職員の確保に努めてまいります。
次に、千葉県気候変動適応センターにおける事業方針についての御質問ですが、気候変動適応センターは、気候変動適応法に基づき、千葉県版熱中症警戒アラートモデル事業や、農業における気候変動影響調査など、地域における気候変動の影響や、適応に関する情報の収集、整理、分析、県民、事業者に対する情報発信等を行っております。また、国立環境研究所と共同で、気候変動に伴う大雨の増加や高水温化による水質悪化リスクに対しまして、土壌・植生のある湿地や、雨水調整池が持つ水質を浄化する機能の研究を行っております。今後も気候変動による様々な分野への影響や適応策について、関係機関と連携を図りながら、情報の収集、提供及び調査研究を進めてまいります。
次に、化学物質過敏症についての御質問ですが、化学物質過敏症とは、微量な環境中の化学物質によって多彩な症状が生じる病態とされておりますが、メカニズムについては不明確な部分が多く、診断基準や治療法も確立していないため、国において研究が進められております。特に、柔軟剤などの香りにより頭痛や吐き気などの症状を認める方が知られており、県では、国が作成した香りに対しお困りの方がいることへの理解と配慮を求めるポスターをホームページに掲載するとともに、各市町村に配付して周知しているところです。県民に香りなどの化学物質過敏症への理解を一層深めてもらえるよう、ホームページの充実や、さらなる県有施設へのポスター掲示なども行い、引き続き周知啓発に努めてまいります。
次に、手賀沼及び印旛沼における外来水生植物の駆除に関する御質問ですが、県では、手賀沼及び印旛沼とその流域河川において、来年度は船等により外来水生植物の繁茂状況を監視し、再繁茂や新たな漂着が確認された箇所について、拡大のおそれがあるところから優先的に駆除を進めることとしております。また、住民等から提供される情報については、繁茂の広がり等の状況を確認した上で、県の監視により把握する情報と併せて、駆除活動を行う市民団体とも共有し、効率的な駆除に取り組んでいく予定です。今後も、関係機関や住民等と連携しながら、外来水生植物の繁茂状況を把握するとともに、県の水草刈取り船による駆除と、市民団体によるきめ細やかな作業により、速やかに駆除することで、繁茂の拡大防止に努めてまいります。
次に、本県における工場や研究所などの立地動向についての御質問ですが、県の立地動向調査では、令和5年の立地件数は84件であり、現在の方法で統計を取り始めて以来、過去最高となった令和4年の98件に次いで高い水準を維持しております。過去5年間の業種別の立地件数で見ますと、製造業は91件、研究所は5件、物流施設は282件となっており、物流施設が高水準で推移している一方で、製造業や研究所については、県内の産業用地が不足していることに加え、資材価格や人件費の高騰などの要因も重なり、伸び悩んでいる状況となっております。製造業や研究所の本県に対する立地ニーズは、直近の企業訪問などの誘致活動では過去に比べ非常に高まっていると感じているものの、さらなる誘致強化策が必要と認識していたところです。
次に、観光コンテンツ高付加価値化促進事業についての御質問ですが、本事業は、県内周遊の促進と、滞在時間の長期化や宿泊による観光消費額の拡大などを図るため、県内各地域の様々な観光資源の磨き上げや、それらを結びつけた広域的な取組を支援するものです。これまで本事業を通じて様々な取組を支援してきたところであり、例えば、印旛地域や山武地域において、食やアート、伝統文化などをテーマとした複数のコンテンツが造成されたことで、成田空港からの新たな周遊ルートの開発につながりました。また、古民家を活用した宿泊施設やカフェなどの取組にも支援をしているところですが、高い集客効果が出ており、こうした取組が県内全域に広がりつつあります。今年度は、新たに事業の申請段階等で地域のコンテンツ開発に精通した専門家を派遣するなどの支援も行っているところであり、引き続き、市町村や民間事業者等と連携し、広域的なコンテンツの開発に努めてまいります。
次に、宿泊税を導入する理由についての御質問ですが、感染症の拡大により観光ニーズが多様化するなど、観光・宿泊業界を取り巻く環境が大きく変化しました。そのような中で、人材の確保、育成、定着やインバウンドの受入れ環境の整備、デジタル技術の活用など課題が山積しており、それらを迅速に解決する施策を展開していくためには、多額の安定した財源を確保していくことが必要です。また、半島という特殊性を抱える本県の場合、全県的な観光振興を図っていくためには、個々の地域だけでなく、広域的な取組を促進していく必要があります。このことから、広域自治体である県が主体となって、宿泊税を導入することとしたものです。
次に、宿泊税によるビジネス向けホテルや観光地ではない地域へのメリットについての御質問ですが、宿泊税を導入して広域的な観光振興を図っていくことは、特定の地域、施設だけでなく、広く県全体に様々な効果が生じるものと考えております。例えば、ビジネス客が中心の宿泊施設においても、インバウンド対応の強化やデジタル技術の活用により集客増や生産性の向上を図ることができます。また、これまで観光地としての魅力の乏しかった地域でも、新たなコンテンツの造成や、観光地との周遊ルートの開発などにより、地域経済の活性化につなげることができると考えております。こうした取組が促進されるよう、宿泊税の使途については十分な検討を行ってまいります。
最後に、宿泊税に係る今後の市町村との意見交換についての御質問ですが、県では、これまで有識者による検討会議での議論の状況を随時公表するとともに、会議の検討結果について説明会を開催するなど、市町村への情報提供を行ってきたところです。また、先週、市町村向け意見交換会を開催し、改めて県が宿泊税を導入する意義について説明するとともに、御質問や御意見の多かった事項である市町村等への支援方法について、宿泊者数や観光客数に応じて交付金を配分することなど基本的な考え方をお示ししたところです。意見交換では、交付金について、算定方法が明確であり安定財源として見込みやすいという点を評価いただいたほか、上乗せ課税を検討する市町村に配慮し、導入までに十分な時間を確保してほしいとの御意見などがありました。こうした意見も踏まえ、引き続き市町村等に丁寧に説明し、適宜意見交換を行いながら、制度の詳細を詰めてまいります。
私からは以上でございます。
○副議長(實川 隆君) 教育長冨塚昌子君。
(説明者冨塚昌子君登壇)
○説明者(冨塚昌子君) 初めに、教員の質の確保に向けた取組についての御質問にお答えいたします。
県教育委員会では、教員の質の確保に向けて、プロモーション事業や奨学金返還緊急支援事業等の志願者を増やす取組に加え、大学在学中などの養成段階において、教員としてふさわしい資質を身につけさせるための取組が重要と考えています。そこで、大学1、2年次を対象に、県内小中学校等で教育体験を行うバスツアーの開催や、年間20回以上のインターンシップを行う教職たまごプロジェクトのほか、今年度からは授業づくりやいじめへの対応など、学校現場で役立つ研修を行う千の葉の先生養成塾を開始したところです。今後とも、千葉県で教員になる魅力を広く伝え、教員志願者を増やすとともに、養成段階での講座等や採用後のキャリアに応じた研修等の充実を図り、質の高い人材の確保、育成に努めてまいります。
次に、学校での不適切な指導の把握についての御質問ですが、教職員による不適切な指導は、児童生徒のストレスや不安感を高めることから、決して許されることではないと認識しております。県教育委員会では、県内全ての公立学校の児童生徒等を対象に、セクシュアルハラスメント等及び体罰に関する実態調査を実施し、不適切な指導等の把握に努めています。また、校長は教職員が児童生徒の尊厳を損なうなどの不適切な指導を認知した場合は、速やかに県教育委員会に報告することとなっています。今後、教職員自らが児童生徒との関わり方等を自己点検できるチェックシートや、校内の職場風土を分析するシートの活用等により、不適切な指導根絶への意識を高めるとともに、学校現場の状況を的確に把握してまいります。また、児童生徒が教職員との関係に悩んだ際に、直接県教育委員会に相談できる体制を活用し、不祥事の未然防止に努めてまいります。
フリースクールの安全性の確保に関する御質問ですが、フリースクールは、多様な教育機会を確保する上で重要な役割を担っており、通所する児童生徒が増加する中、子供たちにとって安心して過ごせる場であることが大変重要と考えています。このため、県教育委員会では、不登校の児童生徒やその保護者等の相談支援機関を掲載したサポートガイドを作成する際に、フリースクールを訪問し、活動内容や安全性を確認するとともに、各市町村教育委員会に対しては連携を密に取るよう求めているところです。認証制度などの支援の在り方については、今年度実施しているフリースクール等に関するモデル事業の成果を検証する中で、他の自治体の先進事例も参考にしながら検討してまいります。
今後の給食費無償化についての御質問ですが、県教育委員会では、子供が多い世帯の経済的な負担軽減を図るため、市町村と連携して給食費の無償化に取り組むことは重要と認識しており、令和7年度も現行の補助事業を継続して実施したいと考えています。また、学校給食については、本来国が制度を設計すべきと考えており、引き続き、国に対し県や市町村への財政支援を含めた学校給食の費用負担の在り方を検討するよう要望してまいります。
最後に、千葉県版D-ESTについての御質問ですが、大規模災害等の発生時に被災地の子供たちの学びの確保に係る支援を速やかに行うため、県教育委員会では、千葉県版D-ESTとして災害時学校支援チームを設置することとしました。県教育委員会の指導主事等で構成する本チームは、県内外で大規模災害が発生した場合に、国や被災地からの要請に応じて1チーム5名、5日間を基本として順次派遣され、学校の学びの継続や早期再開に向けた支援、児童生徒の心のケアなどを行います。今後は、他県の先行事例等についてさらに研究を進めるとともに、チーム員を対象とした実践的な研修を実施するなど、被災地のニーズを的確に捉えた支援を行う体制づくりを進めてまいります。
以上でございます。
○副議長(實川 隆君) 警察本部長宮沢忠孝君。
(説明者宮沢忠孝君登壇)
○説明者(宮沢忠孝君) 私からは千葉県知事選挙についてお答えいたします。
SNSの取締りに関する御質問ですが、一般論となりますが、県警では、選挙の公平性を害するおそれのある事案については、事実関係を確認した上で捜査を開始し、証拠資料の収集や裏づけ等を行います。いずれにしましても、個別具体的な事実関係に即して刑罰法令に触れると認められる内容であれば、法と証拠に基づいて対処してまいります。
以上でございます。
○副議長(實川 隆君) 選挙管理委員会委員岡本和貴君。
(説明者岡本和貴君登壇)
○説明者(岡本和貴君) 千葉県知事選挙についてお答えします。
投票環境の整備についての御質問ですが、障害者に配慮した投票環境の整備については、従来から各投票所における点字による対応、スロープ等の設置や代理投票の案内などを実施しているところですが、これらに加えて、投票所における障害者への配慮や支援について、事務従事者の理解をさらに深めていくことが必要と考えています。このため、昨年12月に開催した市町村選挙管理委員会向けの研修会で、障害の種類ごとの対応方法や、コミュニケーションボードを使った取組等、先進事例の紹介を行うなど、事務従事者のさらなる理解の増進を図ったところです。また、投票時刻の繰上げについては、公職選挙法において市町村の選挙管理委員会が選挙人の投票に支障を来さないと認められる特別の事情のある場合に限り認められていることから、選挙人の不利益にならないよう市町村選挙管理委員会において慎重に判断した上で、選挙人に対し丁寧に説明を行うことが必要と考えています。選挙管理委員会としては、引き続き市町村選挙管理委員会と連携し、投票しやすい環境づくりを図ってまいります。
次に、選挙におけるSNSの使用についての御質問ですが、昨年来実施された選挙において、真偽の定かでない情報がSNS上で広く拡散し、有権者の投票行動に影響を与えた可能性があったとの報道がされるなど、選挙においてSNSの影響力が大きくなっているものと認識しています。本年3月執行予定の知事選挙では、SNSや啓発用チラシ、新たに設ける啓発用ホームページ等を活用し、SNS上での選挙に関する情報の取扱いや、投票日当日の発信内容の制限等の留意点について、県民の皆様に広く周知を図っていくこととしています。引き続き、SNSや広報紙など様々な広報媒体を活用しながら、県民の皆様に公職選挙法に対する理解を深めていただけるよう周知啓発に取り組んでまいります。
以上でございます。
○副議長(實川 隆君) 水野友貴君。
○水野友貴君 知事をはじめ執行部の皆様、御答弁いただきましてありがとうございました。それでは、答弁を踏まえまして、早速再質問と要望に移らせていただきます。
まず、知事の政治姿勢についてですけれども、二元代表制という仕組みの中で、知事も我々議員も直接選挙で住民から負託を得た身です。それぞれがそれぞれの立場や政策、思想、活動などを有権者の皆様方に評価をしていただき、そしてこの場で議論をする機会をいただいています。選挙で掲げた内容を有権者の皆様から託されたからこそ、重要な政策等に対し、自身の考えや地域の事情、立場によって意見や食い違い、または対立が生じることは至極当然のことであり、重要なことは、その違いや相手の立場を理解し、十分な協議を経て、県民のために最適解を導き出すことだと思っています。異なる意見にも、ぜひ執行部の皆様方には耳を傾けていただきながら、県政運営に当たっていただきたいと思います。
そして、知事の政策方針ですけれども、御答弁にありましたとおり、日本は本格的な人口減少を迎えることとなり、2035年から2040年は年率0.66%減と、人口は加速しながら減少していきます。人口減少は経済規模に直接的な影響を与えます。特に、人口減少に伴う市場メカニズムの変化によって、先手を打っていかなくてはならないのが地域経済です。地域人口の稠密性が失われた地域において、地域の在り方などを広域的な視点に立って行政があらゆるデータ等を活用し、今後の日本、千葉県を見据えた政策が必要になってきます。そういった中で、デジタルシフトが進む中でも、その関与というのは二極化しておりますので、そういった中で誰一人取り残さない県政に向けて、熊谷知事には取り組んでいただきたいと思います。
そして、部局間の連携ですけれども、このことについては我が会派が繰り返し改善を求めてきておりますが、やはり何よりも大切なことは職員の意識改革だと思っております。県民全体の奉仕者として、職員が仕事に誠実に、公正に従事することは当然のこととして、県政の複雑かつ多様化する課題を解決し、千葉県の発展のため、そして県民の満足度を向上させていくためには、変化する社会に対応しながらニーズを的確に把握する力が必要です。そして、地方分権化が進み厳しい財政状況が続く中で、三人寄れば文殊の知恵ということわざがあるように、各部署が単独で施策を考えるのではなく、それぞれが持つ情報や経験、ノウハウを持ち寄ることによって解決策が見いだされたり、新たな価値観やアイデアも生まれるものです。今の時代は、情報共有にはDX化が大きな役割を果たしております。行政と日々接していると、知事から御答弁がありましたビジネスチャットなどの有効活用というところですけれども、こういったものに対して積極的な部署もあれば、そうではない部署もあると実感しています。全庁的にこの貢献意識というものを徹底していただきまして、県民のためになる行政運営を心がけていただくように要望させていただきます。
次に、東葛北部医療圏における小児科医不足について再質問いたします。小児診療体制の確保に向けて、医学生が小児科医を目指す場合の貸付けに対して加算制度を創設したり、県外から相対的に小児科医が少ない医療圏、すなわち東葛北部及び南部、山武長生夷隅、君津医療圏の中核的な医療機関における小児科医確保に向けた人件費の支援など、新たな取組を骨格予算に計上していただきましたことを改めて感謝申し上げます。
この相対的医師少数区域における小児科医確保緊急支援事業については、いわゆる重症者が対象となる小児の2次または3次救急を担う医療機関と、周産期母子医療センターの新生児科に対象施設が限られているところです。地域住民にとっては初期救急の身近な小児医療機関が減少してしまうことも懸念をしているところです。
そこで伺います。小児の外来診療を行うクリニックのような小規模な医療機関にはどのような支援を行うのでしょうか。
次に、多様性尊重条例の効果について再質問をいたします。昨年2月の我が会派の代表質問におきまして、多様性に関する考え方はそれぞれの自治体に委ねられている部分も大きいことから、県の条例として制定したにもかかわらず、市町村の温度差によって、千葉県が目指す社会に影響が及ぶことは好ましくなく、市町村と足並みをそろえて進めるべきであるということを提言させていただきました。
そこで伺います。市町村とこの間どのように連携をし、市町村にどのような取組がなされたのでしょうか。
行財政改革については要望させていただきます。人口減少や少子高齢化が進む中、これまでの行政手法にとらわれず、柔軟で持続可能な行財政運営へと転換していくことが重要だと考えます。引き続き積極的な行財政改革の推進をお願いいたします。
また、現在の行財政改革計画の進捗や評価に当たっては、エビデンスに基づく政策立案、いわゆるEBPMの手法が導入されていないとのことです。限られた人材や財源をより効果的に活用するためには、データや根拠に基づいた政策決定が非常に有効だと考えます。まずは行財政改革計画の中で設定されている定量的な目標にEBPMの手法を取り入れることから始めていただくように要望をさせていただきます。
次に、教育政策について、こちらは再質問させていただきます。
まずは、教員の不適切指導によって生徒が命を絶った事案についてですけれども、御答弁では、県教育委員会としては不適切な指導等の把握に努めている、または校長が報告することとしているという御答弁でありました。しかしながら、県教育委員会が不適切指導を行っていたことを知ったのは生徒が亡くなった後であり、現場と県教育委員会との連携は取れていなかったということになります。教育委員会が積極的に学校現場に入っていないことが表面化した事案であるとも言わざるを得ません。今後、児童生徒が直接県教育委員会に連絡できる新しい体制を活用するとのことですが、この事業については、当事者である全ての児童生徒に知れ渡るようにお願いいたします。
また、御答弁では、大学などの養成段階から教員としての資質を身につけさせる取組などを開始したとのことですが、民間企業や社会人経験のほとんどない新人教員の能力の向上、そして社会的一般常識を身につけさせることも非常に重要だと考えます。今回の女子生徒が自殺した事案についても、問題となった教諭は20代、30代と若手であり、量の確保を先行させて大量採用していく中で、教員としての質の向上が何よりも大切だと考えます。
そこで再質問いたします。新任の教員の能力向上を図るため、今後どのように研修を行っていくのでしょうか。
次に、フリースクールについてですけれども、我々は不登校の課題に関しましては、第一義的には学校の教育環境の改善が重要であることを訴えさせていただいておりますが、不登校児童生徒数の急増は喫緊の課題であり、様々な学びの場が必要であることも承知をしているところです。長野県が実施をしているこの認証制度というのは、一定の基準を満たすフリースクールに対して認証し、運営経費の補助や研修、連携促進といった支援を行っているという内容で、昨年6月の我が会派の代表質問においてフリースクールが適正な運営をしているというお墨つきを県が出すことによって、それをクリアしたフリースクールについてはその運営費や保護者の経済的な負担軽減をしていくことなどを提案させていただきました。千葉県としては、県内フリースクールの活動内容と安全性の確認を行っていただいているとのことでしたけれども、県が設定した基準を満たした認証されたフリースクールであれば、より子供たちも保護者も安心できるかと思います。不登校児童生徒支援の一環として、学校ではない環境での学びの安全性の担保という面でも、ぜひ千葉県版の基準を設けていただくよう要望をさせていただきます。
そして、給食費無償化についてですけれども、給食事業者も各自治体も物価高騰などによって財政的に非常に厳しい状況にある中で、学校給食の安定供給に向けて大変苦慮されていると思います。来年度以降も無償化継続という方針を教育長からいただきましたけれども、御答弁にありましたとおり、やはりこの給食費の無償化というのは、都道府県や市区町村などの自治体レベルではなく、国が設計すべき事業だというふうに我々も考えております。特に、義務教育の対象である子供たちはどこに住んでいても平等であるべきであり、自治体の財政状況などによって、給食費や提供される給食の質に差が生じないように継続して国に要望していただくようにお願いを申し上げます。
次に、防災・減災対策で再質問を2問いたします。
災害時における要配慮者への対策については、これまでも機会があるたびに直接知事に要望を行わせていただいたり、議会等での質疑も含め、一歩ずつ前進していることは理解をしております。例えば、来年度当初予算に盛り込まれた視覚障害者向けのハザードマップの導入なども、視覚障害者にとっては大変心強い事業です。一方で、昨今の災害は激甚化しており、長期間の避難生活を余儀なくされ、身体機能の低下や要介護度の重症化などの二次被害が生じているという現実もあります。議長から持ち込みの許可を得ましたので、1つ御紹介をさせていただきます。避難所などにおいて要配慮者に情報が届きにくいために支援から取り残されるという現状を少しでも改善する方法の1つとして、このようなバンダナを要配慮者が実際自分で身に着けて、自らが障害があるということを周囲に伝えることによって、支援が必要であるということを理解してもらうことができます。こういった県内でも複数の自治体で配布をしていることですので、こうした取組もぜひ全県的に広げていただくように要望をさせていただきます。
このように、要配慮者の避難生活中における福祉ニーズへの対応が喫緊の課題である中、現場で障害を抱えた人への支援に当たるD-WATが大切な役割を果たしています。千葉県では約400名と、他都道府県と比較してD-WATの登録者が多い状況であり、能登半島地震において初めて現場に赴いたと伺いました。能登半島地震の現場は、調整や引継ぎ、また派遣元の福祉施設が人手不足であることから長期派遣できる体制が取れないなどといった課題もあったと聞き及んでいます。
そこで再質問いたします。県では、D-WATの課題にどのように取り組んでいくのでしょうか。
そして、要配慮者の支援体制として、福祉避難所について伺います。福祉避難所というのは特別な配慮を要する高齢者、そして障害者などの要配慮者で、避難所での生活に支障を来す方を対象に開設される避難所のことです。福祉避難所は、災害対策基本法に基づき事前に市町村が指定をし、公表しなくてはならない指定福祉避難所と、協定等によって確保し、発災後に状況によって開設するという福祉避難所の2種類があります。しかし、要配慮者の方々が、そもそも福祉避難所の存在自体を知らなかったり、自治体によっては指定福祉避難所自体がないというケースもあり、広く周知する必要性があると感じています。
そこで再質問いたします。福祉避難所について、周知啓発に努めるべきだと思うが、どうか。
続いて、D-ESTについて要望です。D-ESTは文部科学省による調整となっておりまして、能登半島地震では、国と県教育委員会との連携や、役割分担等について課題が表面化いたしました。特に、最後の追い込み期間に被災をしてしまった受験生は厳しい環境を強いられ、受験勉強よりも避難所の手伝い等に奔走していた生徒も少なくなかったとのことです。また、学びの確保と同時に、子供たちの心のケアも大切です。今後、千葉県版D-ESTに選ばれた教育関係者によって子供たちの努力が報われるように、平時から積極的に研修や学校現場、ほかの自治体、国と情報共有等を行いながら、迅速な対応ができるような体制をつくっていただくように要望をいたします。
次に、医療問題についてですけれども、こども急病電話相談の#8000番及び救急安心電話相談の#7119については、その体制、そして相談時間などの課題を県としても認識しており、検討するとのことですので、ぜひ前向きに御検討をお願いいたします。
また、相談体制のさらなる拡充という意味では、新潟県などが実施しているLINEで相談可能なAI救急相談アプリを提言させていただきます。AI救急相談アプリでは、チャット形式でいつでも、どこでも気軽に相談が可能というものです。子育て世代の方々にはLINEやチャット形式のほうが使いやすいという方も多いと思いますので、本県でもぜひ導入を御検討いただければと思います。
続きまして、生理用品の無償提供ですけれども、県として生理用品の無償提供が一層進められるように検討をしているということ、また、指定管理者にも検討を促していただいているとのことで、改めて感謝を申し上げます。一方で、現時点で実施しているのは14施設にとどまっているということですので、引き続きこの取組が広がるように進めていただきますよう、よろしくお願いいたします。
次に、パラスポーツの振興についてですが、我々が参加したパラスポーツフェスタのような地域におけるパラスポーツの体験機会は、障害のある方とコミュニケーションを図ることや、障害に対する正しい理解の促進につながります。実際に私もパラスポーツを体験したことで、パラスポーツが多様性と包摂性の社会を紡ぐ重要な役割を果たしていることを肌で感じました。現在、このパラスポーツフェスタは千葉市と東葛地域のみの開催と限定されておりますので、今後はほかの地域にも広げていただきますように要望をさせていただきます。
次に、手賀沼及び印旛沼における諸課題についてですが、ナガエツルノゲイトウをはじめとする外来水生植物は、治水・利水関連施設の管理上の支障、農業・漁業被害などあらゆる場面で悪影響を及ぼし、さらに水田内や畦畔などに定着すると駆除が困難であることから、早期発見、早期駆除が極めて重要です。県では、印旛沼及び手賀沼とその流域河川における外来水生植物を駆除する活動経費に助成を行う外来水生植物防除事業補助を実施しており、私自身も採択された団体の駆除作業に継続して参加をしております。実際に駆除作業をしたことで、いかに小さな切れ茎を残さないように駆除することが大切であるかということを学びました。これまで3年間で延べ18団体が採択され、外来水生植物の駆除に御尽力いただきましたが、今後も市民団体や流域住民等と連携をし、地域の皆様方から情報を得ることによって、再繁茂や漂着しやすい箇所の把握に努めていただきますようよろしくお願いいたします。そして、駆除が終わったから終わりではなく、再繁茂させない取組を継続して実施していただきますよう要望させていただきます。
次に、企業誘致について再質問いたします。補助制度の改正の意図はよく分かりましたが、これに限らず、既に県内に立地している企業についてもしっかりと支援をしていくことが必要です。企業は耐震化や大規模改修などの資本投資も行わなければならず、そういったことも支援することで、県内企業の撤退を防止することにもつながるのではないかと考えます。
そこで伺います。新規立地への補助だけでなく、県内企業の転出を防ぐためにも、既存の県内拠点への増設や機能強化など再投資に対する補助も必要だと考えるが、どうか。
次に、千葉県知事選挙に対しまして要望させていただきます。SNSにおける公職選挙法違反については、新たに啓発用ホームページを設けるとのことですので、ぜひともそのホームページを多くのSNSユーザーの県民に届くように、SNSでの周知をお願いいたします。
以上で2回目とさせていただきます。
○副議長(實川 隆君) 保健医療担当部長鈴木貴士君。
○説明者(鈴木貴士君) 小児外来診療に対応する医療機関への支援についての御質問にお答えいたします。
現在、小児の外来診療へ積極的には対応していない診療所等に対し、研修費用等を支援することにより、小児を診療できる医療機関の増加が図られるよう、必要な経費を当初予算案に計上したところです。
以上でございます。
○副議長(實川 隆君) 総合企画部長冨沢昇君。
○説明者(冨沢 昇君) 多様性尊重条例に基づく市町村との連携に関する御質問ですが、条例では、県が施策を実施するに当たり、市町村と連携するよう努めることとしており、市町村と連携しながら地域日本語教育の推進や、困難な問題を抱える女性への支援、パラスポーツの振興等に取り組んでいるところです。今後も、今年度から開始した市町村多様性社会推進担当課長会議を活用して、先進事例の共有や助言等の支援に努めるとともに、さらに連携を深めながら、県と市町村の施策が相乗効果を発揮できるよう取り組んでまいります。
以上です。
○副議長(實川 隆君) 教育長冨塚昌子君。
○説明者(冨塚昌子君) 新任教員への研修に関する御質問ですが、新任教員に対しては、授業づくりのほか、接遇や保護者対応での留意点などを含む初任者研修を、校外で15日間、校内で210時間実施しており、今後も子供たちの人権など現代的諸課題を踏まえた研修を取り入れ、豊かな人間性や子供たちに寄り添った実践的な指導力等を備えた教員を育成してまいります。
以上でございます。
○副議長(實川 隆君) 健康福祉部長岡田慎太郎君。
○説明者(岡田慎太郎君) D-WATに関する御質問ですが、大規模災害時にD-WATが活動を円滑に継続できる体制を整備することは大変重要と認識しています。このため県では、能登半島地震での経験を踏まえて、チーム登録員のさらなる確保、資質向上のための研修、他県等からの受援を想定した訓練の実施などに取り組んでまいります。
以上でございます。
○副議長(實川 隆君) 防災危機管理部長添谷進君。
○説明者(添谷 進君) 福祉避難所に関しまして、周知啓発についてお答えをいたします。
福祉避難所に避難する必要がある要配慮者に対しましては、市町村におきまして、平時から連絡を個別に取った上で、避難先の周知等を図っているという取組を進めております。引き続き、要配慮者が適切に避難できるよう、市町村と連携しまして必要な周知等に努めてまいります。
以上でございます。
○副議長(實川 隆君) 商工労働部長野村宗作君。
○説明者(野村宗作君) 企業誘致につきまして、既存の県内拠点の増設あるいは機能強化などの再投資に関する補助についての御質問ですけれども、現行の立地企業補助金におきましても、県内企業が敷地内に工場を増設する場合などについては補助を行うということになっておりまして、現在でも十分活用いただいているところでございます。こうした再投資の制度は、県内企業の転出を抑制するだけでなく、他県の事業所との集約など、県内の機能強化を促す効果があると考えております。今回の立地企業補助金の大幅な改正の中では、再投資支援の見直しについては行っておりませんけれども、補助制度についてはこれまでも経済情勢や企業ニーズ等に応じて柔軟な見直しを行ってきておりますので、再投資支援の充実についても状況に応じ検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○副議長(實川 隆君) 水野友貴君。
○水野友貴君 2回目、御答弁いただきましてありがとうございました。
福祉避難所についてですけれども、令和6年11月1日現在で、指定福祉避難所は327か所あって、指定ではないですが協定等で福祉避難所となり得る施設等は816か所に上るとのことです。身近に指定福祉避難所もしくは協定による福祉避難所があるのかないのか、また、その福祉避難所ではどのような支援やケアができるのかは、要配慮者のみならず、地域住民が知っておく重要な情報だと思いますので、全県的に周知啓発に取り組んでいただきたいと思います。
最後に、千葉新政策議員団として、執行部に一言申し上げます。知事から御答弁がありましたように、県議会と密に意見交換を実施しながらよりよい県政運営をしていくことは何よりも大切ですし、熊谷知事もそのように努められていることは重々承知をしております。しかしながら、表に出たときには既に政策が行政側で固まっていることも見受けられます。情報提供や共有の在り方は、部署や職員の意識によってばらつきがあるように思いますので、直接住民から選ばれた両者が二元代表制の下、対等に議論をできるように、県議会とさらなる連携の在り方について全庁的に意識を共有し、取り組んでいただくことを要望いたしまして、新政策議員団の代表質問を終わらせていただきます。
○副議長(實川 隆君) 以上をもって本日の日程は終了しました。
明日31日は定刻より会議を開きます。
これにて散会します。
午後2時44分散会
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