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更新日:令和7(2025)年6月4日

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令和7年2月定例県議会(1月29日) 会議録(速報版)

令和7年2月招集 千葉県定例県議会会議録(第2号)

令和7年1月29日(水曜日)

 議事日程

議事日程(第2号)

 令和7年1月29日(水曜日)午前10時開議

日程第1 議案第1号ないし議案第79号、報告第1号ないし報告第3号に対する質疑並びに一般質問

 

 午前10時0分開議

○議長(瀧田敏幸君) これより本日の会議を開きます。

 

 議長の報告

○議長(瀧田敏幸君) 日程に入るに先立ち、諸般の報告を申し上げます。

 議案第50号、第51号及び第66号について、地方公務員法第5条第2項の規定により人事委員会の意見を求めましたところ、適当と認めますとの回答がありましたので、御報告いたします。

 

 質疑並びに一般質問

○議長(瀧田敏幸君) 日程第1、議案第1号ないし第79号、報告第1号ないし第3号を一括議題とし、これより質疑並びに一般質問を行います。

 順次発言を許します。通告順により三沢智君。

 (三沢 智君登壇、拍手)

○三沢 智君 皆様、おはようございます。館山市選出の三沢智でございます。自由民主党を代表いたしまして、令和7年2月定例県議会の代表質問をさせていただきます。

 地元館山市からは、三沢後援会の大和路会長をはじめ多くの後援会の皆様、そして市議会議員の皆様、JA安房、館山漁協、老人会の皆様、傍聴に来ていただきましてありがとうございます。

 それでは、通告に従い質問いたします。

 初めに、知事の政治姿勢について質問します。

 まず、今後の県政運営についてです。

 熊谷知事においては、知事に就任されてから1期4年間が経過しようとしていますが、政令市の市長の経験を生かし、新型コロナウイルス感染症の対応や東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の県内開催、市町村との連携による災害対応、顕在化、深刻化する様々な分野での人手不足への対応、今まさに猛威を振るう鳥インフルエンザへの対応など、本県を取り巻く様々な課題に精力的に取り組んでこられたものと思います。

 我が党は、県政における二元代表制の一方を担う県議会の最大会派として、県民、事業者が抱える問題意識に対する様々な政策について、知事と議論し、切磋琢磨してまいりました。熊谷知事は3月に行われる知事選挙への再選出馬を表明されましたが、県の将来を見据え、今後どのような県政運営を目指していくのか、確認させていただきたいと思います。

 そこで伺います。今後の県政運営について、どうあるべきと考えているのか。

 次に、災害対策についてです。

 昨年は能登半島地震の発生や南海トラフ地震臨時情報が発表されるなど、改めて地震への備えの必要性を痛感したところです。今後起こる災害への備えとして、これまでの経験がどのように生かされたのか、改めて確認し、今後の災害対応力の強化につなげていくことが重要であると考えます。

 そこで質問します。災害から県民を守る防災県千葉の確立に向け、どのように取り組んできたのか。

 また、国では避難生活の環境変化に対応した支援の実施に関する検討会等において、避難所の在り方を見直し、関係する指針等の改定が行われたと聞いています。昨年12月に成立した国の補正予算では、都道府県や市町村の防災に関する取組を支援する新たな交付金制度が創設されたと伺っています。

 そこで質問します。国の避難環境に係る指針の改定や新たな交付金制度の創設を踏まえ、今後、県はどのように避難環境の改善に取り組むのか。

 次に、防犯対策についてです。

 昨年8月以降、いわゆる闇バイトを使用した匿名・流動型犯罪グループによる広域強盗等事件が発生し、連日、新聞やテレビ等で報道されたところです。次々と発生する新たな犯罪形態に対抗し、県民の不安を払拭するには、県として対策の強化を図っていく必要があると考えます。

 そこで質問します。闇バイトによる強盗事件など、新たな犯罪形態の出現により県民の不安が増大しているが、県としてどのように対応していくのか。

 次に、成田空港について質問します。

 昨年9月、国、県、空港周辺9市町、空港会社で構成する四者協議会では、地域づくりに関する実施プランを改訂し、地域の将来像の基本的な考え方に「空港を生かした産業の発展」を盛り込み、空港を核とした産業拠点形成に取り組む姿勢を明確にしました。成田空港は第3滑走路等の整備に加え、昨年末の閣議決定で地域活性化インターチェンジ制度の活用による圏央道との直結が可能となったことで、同じ首都圏の空港である羽田空港に比べ大きな成長可能性を持ちます。

 これにより、空港を核とした産業拠点形成やまちづくりの一段の進展が期待される中、県は空港会社と産業と暮らしを両輪とするエアポートシティ形成に向けた議論を開始し、昨年9月の我が党の代表質問で知事から、推進主体の実施業務、体制などについて、年度内に一定の結論が出せるよう検討を進める旨の答弁がありました。我々は成田空港の発着枠拡大の議論と併せ、この取組に大きな注目を寄せています。

 そこで質問します。エアポートシティ実現のため、現在の取組状況はどうか。

 次に、地域未来投資促進法に係る取組についてです。

 令和5年3月、国から同法の弾力的活用に関する取扱通知が出され、空港周辺9市町では、空港の機能と一体的利用が必要な物流施設等を整備する場合、例外的に農地を含む土地を事業用地として選定することが可能となりました。ただし、この通知の対象は物流分野に限られ、物流以外の新たな産業の呼び込みにはつながりませんでした。

 そのような中、県から、同法に基づく成田新産業特別促進区域基本計画を変更し、集積を目指す産業を追加したとの発表があり、今後の産業拠点形成に大いに期待しています。

 そこで質問します。成田新産業特別促進区域基本計画を変更した狙いと、計画変更を踏まえた今後の取組方針はどうか。

 次に、成田空港への鉄道アクセスについてです。

 東アジアの競合空港との競争を勝ち抜くためには、グローバルハブ空港として、成田空港と東京都心部間の空港利用者を速く、かつ大量に輸送できる鉄道アクセスの強化が不可欠です。昨年7月に「新しい成田空港」構想検討会が公表した成田空港の将来像では、旅客ターミナルの再編に伴う新駅の整備や空港周辺の複線化など、鉄道アクセスの諸課題について議論を深めることが必要とされています。新ターミナルの供用開始時に鉄道アクセスが確保されていることが重要なことから、これらの諸課題について早急に検討していく必要があると考えます。

 そこで質問します。成田空港と都心を結ぶ鉄道アクセスの強化に向けて、どのように取り組んでいくのか。

 次に、企業誘致について質問します。

 県では、本県経済を牽引していくことが期待される地域の現状や将来性等を調査し、目指すべき産業・地域づくりの方向性を整理した上で、産業立地の実現可能性や長期的な経済効果などを地域特性と産業分野の両面から検討してきたところと伺っています。さらに、半導体やAI、ロボットなどのデジタル分野、医療や食品などのバイオ分野、蓄電池などのエネルギー分野といった成長性や波及効果が高いと見込まれる産業分野を整理するとともに、産業誘導や土地の利活用の促進など、将来を見据えた新たな産業拠点の形成を図るため、新たな投資を呼び込める環境づくりに向けた取組を推進していくと伺っています。中長期的な視点を持ち、戦略的に取組を着実に推進していくことは大変重要であると考えますが、併せて具体的な企業の誘致につながる取組も必要であると考えます。先月に放射性医薬品を製造するPDRファーマがかずさアカデミアパークへの投資を表明するなどの成果はあるものの、今後も実績が上がっていくのか心配しています。

 このような中、来年度から立地企業補助金を大幅に拡充すると聞いておりますが、産業・地域づくりを進めるためにも、企業の投資や進出ニーズに対し、千葉県としてしっかり対応していく必要があると考えています。

 そこで質問します。立地企業補助金の制度改正の内容はどのようなものか。また、補助金を活用し、具体的にどのように企業誘致を進めていくのか。

 次に、京葉臨海コンビナートにおける水素等の供給拠点の整備について質問します。

 県では、立地企業、国、地元市、有識者等で構成する官民協議会を令和4年に設置して以来、京葉臨海コンビナートのカーボンニュートラルの実現に向けて、エネルギー分野では、石油、天然ガスなどの化石由来の燃料から燃焼時にCO2を排出しない水素、アンモニアへの転換を図ること、資源炭素循環の分野では、石油に代わる代替炭素源として廃棄プラスチックやバイオマスなどを製品の原材料に活用することについて議論してきたと伺っています。

 こうした中、昨日は2回目となる官民協議会が開催され、これまでの検討状況の報告と、それに対する意見交換がなされたと聞いています。我が党としても、特にエネルギー分野における水素、アンモニアの利活用は、京葉臨海コンビナートの競争力強化とカーボンニュートラル化の両立を図る上で大変重要なテーマと認識しており、今後の動向に大きな関心を寄せているところです。

 また、水素等供給拠点の整備に向けた検討は、他のコンビナートにおいても同様の動きがありますので、京葉臨海コンビナートがこれに遅れることなく、むしろ他のコンビナートをリードしていけるよう、しっかりと取り組む必要があります。

 そこで質問します。京葉臨海コンビナートの水素等供給拠点の整備に関する取組状況はどうか。また、県として今後どのように取り組んでいくのか。

 次に、スポーツ・文化芸術の振興について質問します。

 知事は前回の知事選挙で、千葉の特徴・歴史を活用した文化・スポーツ振興を掲げ、千葉県の歴史資源を活用した施策の推進や房総に息づく文化芸術に着目をした千葉文化の振興、スポーツ環境の整備などに取り組むとしていました。この間、東京2020大会では、県内でオリンピック4競技、パラリンピック4競技が、また千葉県誕生150周年記念イベントが開催され、館山市も大いに盛り上がったところです。スポーツや文化芸術についても様々な取組が進められましたが、この4年間で何を成し得たのか、大変気になるところです。

 そこで質問します。スポーツ及び文化芸術の振興を図るため、どのように取り組んできたのか。

 次に、公文書の管理について質問します。

 昨年12月議会では、職員一人一人の公文書に関する意識の向上とデジタル技術等を活用した仕組みの構築を図るため、本県でも条例を制定すべきとの請願が提出され、我が党としても、この請願の趣旨に賛同し、全会一致で採択されたところです。貴重な公文書を後の世代に伝えるという姿勢を示すためにも、条例を制定する意義があると思います。

 そこで質問します。文書のデジタル化を踏まえ、公文書管理条例の制定について、どのように検討していくのか。

 次に、財政運営について質問します。

 まず、物価高への対応を含む経済対策についてです。

 昨年12月に成立した国の補正予算では、所得の増加や物価高の克服を目指して様々な取組を行うこととしています。本県においても、国の動きと連携して、2月補正予算においてどのように対応していくのか、大変気になるところです。

 そこで質問します。国の経済対策について、県としてどのように対応したのか。

 次に、令和7年度当初予算についてです。

 本県では3月に知事選挙を控えており、これまで知事選挙を控えた予算の編成については、当初予算を義務的経費や継続事業が中心の骨格予算として編成し、政策的な経費は選挙後の6月補正予算で計上することを通例としてきたと承知していますが、今回の当初予算においては相当数の新規事業も計上されています。我が党としても、県民の命に関わる防災対策をはじめ様々な行政課題が山積している現在、選挙を理由に全ての取組を停滞させるのではなく、必要な施策は迅速かつ着実に進めていくべきだと考えます。

 そこで質問します。骨格予算となる令和7年度当初予算はどのような考え方で編成したか。

 次に、地域公共交通について質問します。

 昨年5月に公表された国の地域の公共交通リ・デザイン実現会議のとりまとめ報告書では、地域の移動手段の維持、確保に向けて多様な関係者の連携、協働を進め、利便性や持続可能性が高まるように再構築する必要性があるとされています。社会情勢の変化を踏まえ、各市町村がよりよい交通モードへの転換に向けた検討を進める時期に来ているのではないでしょうか。

 そこで質問します。バスやタクシーなど地域公共交通の再構築に向けて支援すべきと思うが、どうか。

 次に、水道事業の統合・広域連携について質問します。

 県内水道事業体は施設の老朽化や人材不足、物価高騰による費用増などで厳しい経営状況にあると聞いています。県では、こうした課題を解決するため、水道事業体の統合・広域連携に取り組んでおり、特にリーディングケースとして、九十九里と南房総地域の用水供給事業体の統合の検討が進められ、1月27日には統合に係る基本協定が締結されました。統合の実現は、これからの県内水道事業体の統合・広域連携の進展に大きく寄与するものであり、県としても今回の統合の成果を総括し、今後の取組に生かしていくべきと考えます。

 そこで質問します。九十九里・南房総地域の用水供給事業体の統合について、その成果は何か。また、今後どう生かしていくのか。

 次に、感染症対策について質問します。

 新型コロナウイルス感染症は、現在、感染症法上の位置づけが5類感染症へ移行しましたが、日本の玄関口である成田国際空港を抱える本県としては、新型コロナ対応で得た教訓を決して忘れることなく、世界でいつ発生するか分からない未知なる感染症に備えるため、平時からの準備に取り組んでいく必要があります。

 そこで質問します。新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえ、今後、新興感染症対策にどのように取り組んでいくのか。

 次に、子供施策について質問します。

 まず、県におけるこども計画の策定についてです。

 昨年9月議会の我が党の代表質問に対し、様々な分野の専門家等を構成員とする会議において意見を伺うとともに、子供の意見を踏まえながら策定に取り組んでいる旨の答弁がありました。こどもまんなか社会を実現していくため、計画の策定に向けた取組状況が気になるところです。

 そこで質問します。県のこども計画の策定状況はどうか。

 次に、一時保護所における子供への支援の強化についてです。

 児童相談所に関しては、我が党からこれまでも執行部に様々な提案を行ってきたところです。令和4年の児童福祉法の改正を受けて、今議会に一時保護施設の設備及び運営に関する基準を定める条例案が提出されましたが、一時保護は子供にとって不安の大きい状況であることから、より手厚い対応が必要であり、子供への支援を強化する取組が重要と考えます。

 そこで質問します。県は、一時保護所における子供への支援の強化にどのように取り組んでいくのか。

 次に、介護人材の確保について質問します。

 厚生労働省が公表している直近の推計では、本県でも2026年には約1万1,000人、2040年には約2万8,000人の介護職員が不足するとしています。また、ケアマネジャーについては、県が今年度、居宅介護支援事業所を対象に行ったアンケート調査結果によれば、回答のあった事業所のうち約5割が不足していると回答したとのことです。今後、千葉県の総人口は減少し、生産年齢人口も減少していく一方で、介護を必要とする高齢者や認知症高齢者は急激に増加していくことが予測されていることから、介護人材の確保に向けた取組を強化していく必要があると考えます。

 そこで質問します。介護人材の確保に向け、今後、県はどう取り組んでいくのか。

 次に、ギャンブル等依存症対策について質問します。

 今日もギャンブル依存症家族会の方が見えていらっしゃると思います。県では、令和4年度から9年度の6年間を計画期間とする千葉県ギャンブル等依存症対策推進計画を策定し、支援体制の充実に取り組んでいると聞いています。一方で、近年、インターネットを介したギャンブルが主流となるなど、ギャンブル等依存症を取り巻く環境が大きく変化しています。本年度は計画の中間見直しを実施すると聞いており、こうした変化に対応した効果的な対策を行う必要があると考えます。

 そこで質問します。千葉県ギャンブル等依存症対策推進計画の中間見直しでは、どのようなことに重点的に取り組むのか。

 次に、県立病院について質問します。

 県立病院事業の令和5年度決算は約36億円の赤字となり、10年連続の赤字決算となりました。高度専門医療や地域医療を担う県立病院は、近年のがんセンターや総合救急災害医療センターの整備に伴う企業債の償還による負担に加え、昨今の人件費や物価の上昇により、病院事業の資金収支が悪化しています。今議会では、一般会計から2月補正予算で34億円、令和7年度当初予算で25億円、合計59億円を病院事業会計に貸し付ける予算案が提案されていることから経営状況を懸念しているところです。

 そこで質問します。県立病院の経営状況とその対応はどうか。

 また、県では、令和3年度に県立病院改革プランを策定し、経営改善に取り組んできたことと思いますが、より一層の危機感と緊張感を持って経営改善に取り組む必要があります。

 そこで質問します。経営改善に向けてどのように取り組んでいくのか。

 次に、環境問題について質問します。

 まず、千葉県環境研究センターの機能強化についてです。

 現在、同センターでは施設設備が老朽化し、早期の建て替えが必要な状況にあります。昨年6月議会における我が党の中村実議員の質問に対し、分散する庁舎の集約化等による機能強化を進めるため、有識者会議に諮りながら建物に必要な機能や立地場所などを決定し、設計の基礎となる基本計画を今年度中に策定する予定である旨の答弁がありましたが、その後の検討状況が気になるところであります。

 そこで質問します。環境研究センターの機能強化に向けてどのように取り組んでいくのか。

 次に、ナガエツルノゲイトウの防除についてです。

 特定外来生物であるナガエツルノゲイトウは湖沼や河川、水路など広域に分布し、水質の悪化、利水への影響、農業被害などの様々な問題を引き起こしています。昨年12月議会における我が党の伊藤昌弘議員の質問に対し、対策の一環として県内全域で分布調査を行っている旨の答弁がありました。ナガエツルノゲイトウの繁殖力の強さを考えると集中的、継続的に防除に取り組んでいく必要があると考えます。

 そこで質問します。ナガエツルノゲイトウの防除をどのように進めていくのか。

 次に、金属スクラップヤード等対策についてです。

 条例では、既存の金属スクラップヤード等に対しても許可取得を義務づけており、令和7年度以降は、既存事業者であっても今年度中に県へ許可申請を行い、許可を取得しなければ事業を行うことはできません。違法なヤードを一掃するためには早期の許可取得を求めるとともに、無許可事業者に対しては強く指導を行う必要があると考えます。

 そこで質問します。今年度末までが条例の経過措置期間であるが、既存の金属スクラップヤード等に対してどのように対応していくのか。

 次に、農林水産業の振興について質問します。

 まず、農業産出額の増加に向けた取組についてです。

 昨年12月に令和5年の農業産出額が公表され、本県の全国順位は4位を維持し、金額は前年より353億円増加して4,029億円となりました。一方で、生産資材価格の高止まりが続く中、農産物価格へのコストの転嫁は十分とは言えず、農業者の経営は依然として厳しい状況にあります。さらに、近年は夏季の高温の影響による生産力の低下など、地球温暖化への対応も急務となっています。稼げる農業を実現し、本県農業を維持発展させるためには生産性の向上や販売力の強化など、農業産出額の増加に向けた取組を一層進めていく必要があります。

 そこで質問します。稼げる農業の実現につながるよう、農業産出額のさらなる増加に向け、どのように取り組んでいく考えなのか。

 次に、新規漁業就業者の確保、育成についてです。

 本県における漁業就業者数は、近年、減少傾向にあるとともに高齢化が進んでいます。令和5年12月議会における我が党の代表質問や昨年2月議会での川名康介議員の一般質問に対して県からは、専門家や漁業代表者などから成る対策検討会議からの提言を踏まえ、新規漁業就業者の確保・育成対策の取組を強化していくとの答弁がありましたが、その後の取組が気になるところです。

 そこで質問します。県では、新規漁業就業者の確保、育成について、今後どのように取り組んでいくのか。

 次に、家畜伝染病対策について質問します。

 昨今、高病原性鳥インフルエンザや豚熱などの家畜伝染病は全国的に継続して発生しており、特に今シーズンの高病原性鳥インフルエンザの発生状況は既に14道県46事例となっており、昨シーズンの10県11事例を大きく上回っています。また、過去最悪だった令和4年度シーズンはスーパーなどで卵が品不足となり、社会に大きな影響が出ました。千葉県でも、今月に入り連続して発生したことから、全国一の鶏卵産出額を誇る本県ではどのように対応しているのか、気になるところです。

 そこで質問します。県内で今月発生した高病原性鳥インフルエンザへの対応状況はどうか。

 また、高病原性鳥インフルエンザのほかにも、国内への侵入が危惧されている口蹄疫やアフリカ豚熱などの重大な家畜伝染病もあり、病気発生時に対応に当たるのは獣医師が配属されている家畜保健衛生所ですが、全て昭和40年代に建設された古い施設を使用しており、畜産農家の県北東部への偏在化への対応や、資材の備蓄場所の不足などが課題となっていると聞いています。

 このような中、来年度に向けた組織の見直しにより家畜保健衛生所の再編整備が行われるとのことです。

 そこで質問します。今回の家畜保健衛生所の再編整備を契機として、家畜伝染病に対する防疫体制の強化にどのように取り組んでいくのか。

 次に、県内の幹線道路ネットワークについて質問します。

 高速道路をはじめとする広域的な幹線道路ネットワークは、我が国の国際競争力強化や地域経済の活性化、防災、減災、国土強靱化などに資する極めて重要な社会基盤です。能登半島地震では、道路の寸断により孤立集落が発生したことから、防災力強化の観点から高規格道路の整備を図る必要があります。

 圏央道は令和8年度までの開通に向け、大栄ジャンクションから松尾横芝インターチェンジ間の整備が進められています。また、北千葉道路は外環道と接続し、都心部や首都圏北部から成田空港へのアクセスを飛躍的に向上させ、沿線地域はもとより、首都圏への大きな整備効果が期待されています。国が進めている北千葉道路の市川-松戸間は、今年度から用地取得に着手することが発表されており、速やかに地元説明会を開催するなど、早期の全線開通を実現する必要があります。また、私の地元の富津館山道路は暫定2車線の対面交通となっていることから、早期の4車線化が必要であると考えます。さらに、新湾岸道路や千葉北西連絡道路についても計画の早期具体化が必要であると考えます。

 そこで質問します。広域的な幹線道路ネットワークの充実強化に向け、どのように取り組んでいるのか。

 そして、本県のポテンシャルを十分に発揮させていくためには、圏央道などの広域的な幹線道路ネットワークの整備効果を県内各地に波及させることが重要です。そのためには、銚子連絡道や長生グリーンラインなどの高速道路インターチェンジへのアクセス道路の整備が不可欠です。

 そこで質問します。広域的な幹線道路から県内各地域へアクセスする道路の整備にどのように取り組んでいるのか。

 次に、東京湾アクアラインについて質問します。

 現在、土日・祝日の混雑緩和を目的に実施されている時間帯別料金の社会実験は、アクアライン割引によるETC普通車800円等の料金を基準として、通行料金の引上げと引下げを組み合わせて実施されています。昨年12月には、本年4月から社会実験内容を変更することが発表されたところです。4月以降の新たな料金もアクアライン割引を基準とした料金になっていますが、このアクアライン割引の期限は今年度末までとなっています。昨年12月議会における我が党の代表質問において、アクアライン割引の継続について、県も積極的に働きかけるよう要望したところです。昨年末には、知事自ら割引の継続などについて、国などに要望を行ったとのことです。

 そこで質問します。アクアライン割引の継続に向けてどのように取り組んでいるのか。

 次に、第36回全国「みどりの愛護」のつどいの開催について質問します。

 第36回全国「みどりの愛護」のつどいは松戸市での開催が決定していましたが、先日1月20日に、本年6月7日に開催することが発表されました。この全国「みどりの愛護」のつどいは、みどりの日の制定の趣旨を踏まえ、全国の公園緑地等の愛護団体等が一堂に集い、広く都市緑化意識の高揚を図り、緑豊かな潤いのある住みやすい環境づくりを推進するとともに、緑を守り育てる国民運動を積極的に推進していくことを目的として平成2年から開催されている行事です。

 本県では、平成28年に県立柏の葉公園において開催して以来、9年ぶりに2回目の開催となります。昨年は和歌山県において、秋篠宮皇嗣同妃両殿下の御臨席を仰ぎ、国土交通大臣や県知事による功労者表彰などが盛大に開催されたと聞いており、今回のつどいの開催も意義あるものにしなければならないと考えます。

 そこで質問します。第36回全国「みどりの愛護」のつどいを千葉県で開催することの意義をどう考えているのか。また、開催効果をどのように生かしていくのか。

 次に、県営水道事業について質問します。

 県では千葉県営水道事業中期経営計画を策定し、その基本目標の1つに「「強靱」な水道の構築」を掲げ、水道施設の更新・耐震化に計画的に取り組んでいます。しかしながら、昨今の物価高騰により、現在の水道事業を取り巻く経営環境は大変厳しくなりつつあります。このため、我が党ではこれまで施設の更新・耐震化に必要な財務基盤をどのように確保するのか質問し、知事からは、令和8年度を想定して水道料金の改定が必要である旨の答弁があったところです。水道料金の値上げを表明されたからには安定給水を一層確かなものとし、県民に安心、納得していただくためにも水道施設の強靱化を着実に進める必要があると考えますが、現在の中期経営計画の下で水道施設の強靱化がどこまで進むのか、気になるところです。

 そこで質問します。令和7年度に最終年度を迎える中期経営計画に掲げた基本目標のうち、「「強靱」な水道の構築」の達成見通しはどうか。

 次に、県立高校における生徒指導について質問します。

 県教育委員会が1月22日に公表した県立高等学校生徒の自殺事案の資料によると、令和5年10月、当時高校2年生であった女子生徒が学習指導をめぐって教員との関係に悩み、そのことを繰り返しアンケート等に記載していたにもかかわらず、学校はこれを組織として共有せず、対応していなかったとのことです。担任から突き放すような叱責を受け、その2日後に自殺を図っています。亡くなった生徒は、授業中に恥ずかしい思いをするので授業に出たくない旨、アンケートに記載していました。

 極めて大きな問題だと考えるのは、この生徒が発していたSOSが1度だけでなく、2度、3度と受け止められなかったということです。生徒の無念さは察するに余りあります。また、保護者の悲痛な思いを考えると強い憤りを感じます。当該高等学校が猛省することはもちろんですが、学校を指導する立場の教育委員会は、このようなことが二度と発生することがないよう徹底した再発防止策を講じる必要があると考えます。

 そこで質問します。県教育委員会として、今回の事案をどのように捉えているのか。また、二度と同様の事態を繰り返さないため、どのように取り組んでいくのか。

 次に、教育行政について質問します。

 まず、私学助成についてです。

 私立学校に対しては、教育環境の向上や修学上の経済的負担の軽減等を図るため、県から経常費補助金が交付されています。特に高校と幼稚園に対しては県単独の上乗せを行っており、平成21年度から令和5年度まで毎年度、上乗せ額の引上げを行い、補助金の充実が図られてきましたが、この上乗せ額は令和6年度は据え置かれています。

 現在、私立学校では、少子化による生徒、園児の減少や物価高騰の影響などにより、学校経営は厳しさを増しています。また、令和6年度の入学料、授業料、施設関係費等を合わせた初年度納付金は小、中、高校とも値上がりしており、保護者の経済的負担が増加しています。私立学校の経営の健全性を高めるとともに、教育環境のさらなる充実を図るため、私立学校への支援により一層取り組んでいくことが求められるのではないでしょうか。

 そこで質問します。少子化や物価高騰等の社会経済情勢を踏まえて、県は今後、私立学校の支援にどう取り組んでいくのか。

 次に、教員確保についてです。

 県教育委員会では、教員確保のため、教員採用プロモーション活動の充実や奨学金の返還支援等、様々な対策を実施していますが、若手教員の増加に伴い、産休、育休の代替として働いている臨時的任用講師の需要が増加しており、その確保が難しい状況と聞いています。一方、本県の臨時的任用講師の給与は、正規の教諭より下位の職務の級に位置づけられており、東京都、神奈川県、埼玉県と比べても差があると指摘されていました。また、教員は保護者や地域からの要望等への対応に多くの時間を費やしていると聞いており、先生方の負担になっているものと思います。千葉県で働いている教員の働きやすさと働きがいを確保していくためには、教員の確保に加え、教員の定着支援に関する取組の充実が大切だと考えます。

 そこで質問します。教員の確保及び定着に向けて、具体的にどのように取り組んでいくのか。

 次に、県立高校の教育環境の整備についてです。

 県立高校121校の校舎のうち約7割が築40年以上の建物であり、雨漏りや壁の塗装が大きく劣化している光景を目にすることがあります。また、夏の猛暑の中、体育館での授業や部活動においては熱中症リスクを避けられない状況です。体育館に空調設備が設置されているのは特別支援学校1校のみと聞いています。高校の体育館の多くは避難所に指定されており、災害時には地域住民の避難生活の場として重要な役割を担うことから空調の整備が必要と考えます。

 加えて、近年では1人1台端末などのICT機器の活用も進められてきましたが、Wi-Fiが遅い、つながりにくいといった声も聞かれるところです。県立高校の生徒がICTを効果的に活用しながら学習に取り組むためには、老朽化した校舎の改修や熱中症対策、バリアフリー化、ネットワークの高速化に全力で取り組むなど、施設設備の面でも魅力を一層高めることが何よりも重要であると考えます。

 そこで質問します。県立高校の魅力を高めるため、教育環境の整備にどのように取り組んでいくのか。

 次に、交通安全対策について質問します。

 県内の昨年中の交通事故死者数は、一昨年に比べて4人多い131人で全国ワースト3位となり、3年連続で増加したほか、飲酒運転による交通事故も一昨年より増加するなど、依然として厳しい状況にあります。引き続き交通事故防止対策は重要な課題であり、より一層強力に推進していかなければならないと考えます。

 そこで質問します。県警では、交通事故防止対策をどのように推進していくのか。

 次に、株式会社フジテレビジョンへの対応について質問します。

 フジテレビにおいては、一部週刊誌で報じられた問題をめぐる対応や報道機関としての社会的責任が問題視され、多くのスポンサーが自社CMの出稿を差し止めるなどの事態となり、経営責任が問われる状況となっています。県も、このフジテレビで放送されている千葉の魅力を発信する番組「千葉の贈り物」のスポンサーであることから、これらの一連の問題を受けて、県として毅然とした対応を取る必要があると考えます。

 そこで質問します。株式会社フジテレビジョンに関する一連の問題を受け、県提供の番組についてどう対応するのか。

 以上で1回目の質問とします。知事をはじめ執行部の皆様には明快で前向きな御答弁をお願いします。(拍手)

○議長(瀧田敏幸君) 三沢智君の質問に対する当局の答弁を求めます。知事熊谷俊人君。

 (知事熊谷俊人君登壇)

○知事(熊谷俊人君) 自民党の三沢智議員の代表質問にお答えいたします。

 まず、政治姿勢についてお答えいたします。

 県政運営に関しての御質問ですが、私は令和3年4月の知事就任以来、県民の命と暮らしを守るとともに、本県の海と緑に囲まれた自然環境や優れた都市機能を生かし、豊かな県民生活を実現できる千葉の未来を切り開いていくため各種施策を進めてまいりました。具体的には、自然災害や新興感染症に対し、市町村等との連携による対応強化を図ったほか、経済分野では過去最高の企業立地件数を記録し、子育て・教育分野では第3子以降の給食費無償化など独自の取組を進めるなど、各分野にわたって成果が得られたものと考えています。一方、本県を取り巻く環境は、自然災害の激甚化、頻発化、少子高齢化のさらなる進展、エネルギー原材料価格をはじめとする物価の高騰、社会のグローバル化やデジタル化の一層の進展など、大きく変化をし続けております。

 今後の県政運営に当たっては、こうした本県を取り巻く環境変化に迅速かつ的確に対応するとともに、成田空港の機能強化や圏央道、北千葉道路など、広域道路ネットワークの整備といった動きをより大きな成果に結びつけていくための取組が求められています。そのためには県だけでなく、県民や企業、市町村など様々な主体との連携、協働が必要であり、引き続き県議会の皆様の御理解をいただきながら、私自身が先頭に立って630万県民の力と英知を結集し、千葉県のさらなる飛躍に向けて取り組んでいきたいと考えています。

 防災県千葉の確立に向けた取組についての御質問ですが、県では令和元年台風など、これまでの大規模災害の教訓を生かしながら、様々な分野で災害時応援協定の締結を進め、民間事業者との連携を強化するとともに、知事と市町村長とのホットラインの構築や地域振興事務所に地域防災課を設置するなど、市町村や地域との連携も強化をしてきました。また、能登半島地震を教訓に、半島性を踏まえた孤立集落対策の強化に向けて新たな補助金を創設したほか、避難環境の改善、円滑な広域避難の実施に向けた協定の締結、緊急輸送道路におけるのり面の緊急点検に取り組んでいるところです。さらに、災害対応や被災者支援を迅速に実施するため、SNSに投稿された情報をAIにより収集、分析するシステムに加え、住家被害認定調査や罹災証明の発行などの一連の業務をデジタル化した被災者支援システムの全県での導入を進めるなど、防災DXの推進にも取り組んでおります。引き続き県や市町村において必要となる体制の強化に加え、事前の備えに関する県民への呼びかけや防災教育の推進、自主防災組織の強化といった自助、共助の取組を積極的に進めるほか、河川改良や護岸の改修などのインフラの強靱化も着実に進めながら、災害から県民を守る防災県千葉を確立してまいります。

 防犯対策についての御質問ですが、いわゆる闇バイトによる強盗事件などの発生により県民の体感治安は悪化をしており、県としても防犯対策の強化は喫緊の課題と考えています。そのため県では、防犯カメラ設置に対する補助事業の予算を大幅に増額し、市町村や自治会に加え、新たに事業者も対象として設置を促進するなど、犯罪の起こりにくい環境づくりを一層進めてまいります。また、自主防犯組織の防犯パトロール活動などに使用される青色回転灯装備車両、いわゆる青パト車両や防犯資機材の購入支援を行い、一層の地域防犯力の向上に努めます。さらには、ボランティアによるネット空間のパトロールや町なかで活動している事業者と協働した防犯パトロールの強化など、県警はもとより、様々な主体と連携をして、犯罪を未然に防ぐ安全・安心な千葉県の実現に向けて取り組んでまいります。

 エアポートシティ実現のための取組についての御質問ですが、県では今月24日に四者協議会を開催し、首都圏の旺盛な航空需要を取りこぼさないため、本年10月以降、成田空港の年間発着枠を30万回から34万回に拡大することや、エアポートシティ形成を推進していくため、本年4月に県と空港会社により新たな組織を立ち上げることについて合意をいたしました。さらに、この新たな組織では、地域として目指すべきビジョンやゾーニング、優先的に取り組むべき事業などについて、民間事業者の知見も取り入れながら検討を進めていくことといたしました。県としても、産業拠点形成に向けた事業手法や魅力的なまちづくりに関する調査検討事業を実施するとともに、国や空港周辺市町との合意形成など、新たな組織の活動を支える様々な取組を推進し、成田空港を核とした産業拠点の形成を進めてまいります。あわせて、北千葉道路の整備や圏央道への地域活性化インターチェンジの設置などにより、さらに利便性が高まる広域ネットワークなどを通じて県経済の発展につなげてまいります。

 「成田新産業特別促進区域」基本計画についての御質問ですが、県及び空港周辺9市町では、令和5年3月、地域未来投資促進法に基づく基本計画を策定し、集積を目指す産業として物流を設定するとともに、同法の弾力的活用を生かすことで、民間事業者による2件の大型国際物流拠点の開発表明につなげました。こうした民間投資をさらに促進し、我が国の国際競争力の強化につなげていくため、昨年12月、同計画を変更し、空港の特徴や強みを生かせる分野として、精密機器、航空宇宙、健康医療、農業、観光の5つを新たに追加いたしました。来年度はこの変更を踏まえ、まずは特に空港との親和性の高い航空宇宙関連産業の集積に向け調査研究を行うとともに、空港周辺地域への企業誘致や産業拠点形成の取組を強力に推進していくための組織体制も充実することといたしました。今後、成長分野への企業立地促進に向けて拡充する補助制度なども活用しながら、国内最大の貿易港である成田空港を核とした国際的な産業拠点の形成に向け全力で取り組んでまいります。

 立地企業補助金の制度改正と補助金を活用した企業誘致の進め方についての御質問ですが、今回の改正内容は、まず成田空港や東京湾アクアライン着岸地周辺地域、北千葉道路沿線地域など、将来の県経済を牽引することが期待される地域において、成長が見込まれる産業分野の工場や研究所が新たに立地する場合には補助の上乗せを実施いたします。一方で、人口減少が進むなど、地域活力の維持向上が喫緊の課題となっている地域については、敷地面積や事業従事者の補助要件を緩和することにより、これまで以上に幅広い投資を呼び込みます。さらに、賃借での立地を一層促進するため補助対象を拡大し、本社や研究所に加え、一定規模以上の事業所も補助対象といたします。次に、新たに立地する企業に対し、従業員の県内観光や県産品等の消費を促す福利厚生費への補助を創設し、人材の確保を支援するとともに、従業員の皆様に対しても本県への愛着を深めることにより、中長期的な企業の定着を図ってまいります。そのほか、産業用地整備に係る市町村支援についても労務単価や物価の上昇を考慮するとともに、より大規模な開発にも対応できるよう補助限度額を引き上げることにより、不足している産業用地の一層の整備促進を図ってまいります。これらの改正により、千葉県を立地場所として選んでいただくインセンティブとしての機能をさらに強化し、地域特性に合わせた企業誘致を推進してまいります。具体的には、私自身が県の魅力をPRする企業誘致セミナーなど情報発信の取組を強化するとともに、金融機関や不動産事業者などの関係機関への訪問等を重ね、協力体制の一層の強化、構築を図っていくことにより、雇用や税収効果の高い将来の本県を担う企業の誘致につなげてまいります。

 スポーツ及び文化芸術の振興に関する取組についての御質問ですが、私は令和4年度に教育庁からスポーツや博物館、美術館などに関する事務を知事部局に移管してスポーツ・文化局を設置し、スポーツと文化芸術の振興を本県の発展につなげるべく、地域づくりや共生社会づくり、観光振興など、他の行政分野と一体的に、かつ市町村や企業、団体等多様な主体と連携しながら各種取組を推進してまいりました。

 例えばスポーツについては、本県の魅力である海を生かしたサーフィンイベントやアーバンスポーツ、パラスポーツの体験会の開催など、県民誰もがスポーツに親しめる機会の拡充に取り組んできました。さらに、ジュニア世代への支援を含め、国民スポーツ大会やオリンピック・パラリンピックなど、国内外で活躍するアスリートを育成するとともに、総合スポーツセンター体育館の建て替えなど、スポーツ施設の整備も加速いたしました。

 文化芸術については、美術館の館長に外部の専門人材を配置し、多様な主体との連携や新たな視点を取り込んだ企画展示など、一層の活性化に取り組みました。また、文化芸術の振興に向けた基本的な計画を策定し、施設整備などの文化振興の拠点化を進めるほか、アーティスト・フォローアップ事業など、次世代を担うアーティストの育成等にも積極的に取り組んでいます。このほか、千葉県誕生150周年を契機に、県はもとより、様々な主体が本県ならではの多様な資源を生かした芸術祭や食のイベントなどを実施し、地域の魅力が再認識されたところです。引き続きこのような4年間で生まれた新たな取組やパートナーシップをさらに展開し、誰もがスポーツ・芸術文化に親しめる千葉の実現に向けて取り組むとともに、本県のブランド価値の創出向上や地域の活性化を図ってまいります。

 次に、財政運営についてお答えをいたします。

 国の経済対策への対応に関する御質問ですが、国においては、賃金上昇が物価上昇を安定的に上回る経済を実現するため、経済の成長や物価高への対応、安心・安全の確保を柱とする総合経済対策を策定したところです。これを踏まえ、県では2月補正予算において、まず物価高騰対策として、国の交付金を活用し、昨年度に引き続き医療機関や中小企業等に対する支援やLPガス料金の負担軽減等を実施するほか、消費喚起を目的としたポイント還元キャンペーンなどを行うことといたしました。さらに、防犯カメラ設置補助の大幅な増額や、災害時に避難所となる県立学校の体育館への空調設備の設置等により安全・安心の確保を図るとともに、福祉施設の職員や保育士の処遇及び業務の改善に必要な経費などを計上したところであり、これらの事業を早期に執行することにより、県経済の好循環につなげていきたいと考えています。

 令和7年度当初予算についての御質問ですが、令和7年度当初予算は骨格予算として、人件費、社会保障費、公債費等の義務的な経費のほか、継続事業や、工程上、年度当初から着手することが必要な事業等を中心に編成したところであり、政策的な判断を要する経費等については6月補正予算での対応を基本にしています。一方で、県政運営の基本である総合計画については、その基本理念の実現に向けた取組を着実に進めていくため、これまでの成果や状況の変化に応じ、随時新たな事業を実施していく必要があります。このため、当初予算においては、総合計画に掲げた施策との関連性に留意をしながら防災や防犯対策など、安全・安心の確立に向けて一日も早く取り組むべき事業、農業関係の支援など農期に間に合うよう実施するべき事業、デジタルの活用など業務改善のため速やかに実施していくべき事業などについては、新規事業であっても計上したところです。

 次に、水道事業の統合・広域連携についての御質問にお答えをいたします。

 県内の水道事業体は人口減少が見込まれる中、技術職員の確保、施設の老朽化対策や耐震化など多くの課題を抱えており、将来にわたり安定給水を維持していくためには、統合・広域連携による経営基盤の強化が欠かせません。今回の統合では、県企業局による経営や耐震化の促進、料金の上昇抑制などにより用水供給事業の経営基盤が強化されることや、千葉市営水道への送水による収入確保に加え、同地域の末端給水事業体の統合支援を通じて地域全体の水道供給体制の強化も図ることができたと考えています。今後は統合に係る協議などで得られた知見を生かして、引き続き水道事業体の統合・広域連携の取組を促進し、他の地域においても、将来にわたる安定給水の維持、確保に向けた体制の構築に努めてまいります。

 次に、新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえた新興感染症対策についての御質問にお答えをいたします。

 私は知事就任後、速やかに県の新型コロナ対策本部会議に保健所設置市等を加え、オール千葉県で取り組む体制を整えました。さらに、入院病床の逼迫や保健所業務の増大に対し、臨時医療施設の設置による病床の確保や、民間を活用した陽性者登録センターの設置などを行い、その困難を乗り越えてまいりました。これらの経験等を踏まえ、新興感染症の発生に備え保健医療計画等を改定し、検査能力の向上、療養生活の環境整備、医療機関等との協定の締結による医療提供体制の整備などを進めているところです。また、感染症に対応する医療機関等への設備整備に係る助成を行うとともに、保健所の一部業務について、外部委託の活用や、本庁で業務を集約して行う事務処理センターの設置等を行うことで、保健所における健康危機発生時の対応力の強化を図ることとしております。

 さらに、現在改定作業中の千葉県新型インフルエンザ等対策行動計画では、新型コロナでも課題となったリスクコミュニケーションや入国者への対処、DXの推進等について記載を充実させるとともに、県民の生命と生活を守るため、感染拡大防止と社会経済活動のバランスについては、柔軟かつ機動的に対策の切替えを行う方針を明確化しています。いつ発生してもおかしくない次なる感染症の危機に備え、市町村や関係機関との平時からの連携体制の強化や保健医療提供体制のさらなる充実強化等、対応に万全を期してまいります。

 次に、農林水産業の振興についてお答えいたします。

 農業産出額増加のための取組についての御質問ですが、農業産出額を増加させるためには担い手の確保や生産性の向上とともに、農産物のブランド力の強化など、生産から販売まで一貫した支援を行う必要があると認識をしております。そのため県では、新規就農の支援や経営感覚に優れた農業者の確保、育成、農地の集積、集約及びスマート農業の拡大による生産コスト低減の取組に加え、サツマイモや梨などの重点品目のブランディングや輸出による海外への販路拡大などを推進しているところです。また、近年の高温下での環境においても安定的に生産できるよう、来年度は園芸作物の栽培に必要な資材や機械、装置の導入に対して新たに助成をするほか、県内農家と連携をして水稲の栽培方法の技術検証を行うなど、状況の変化にスピード感を持って対応しながら、稼げる農業の実現を目指してまいります。

 次に、家畜伝染病対策についてお答えいたします。

 高病原性鳥インフルエンザへの対応状況についての御質問ですが、今月、海匝地域で発生をした鳥インフルエンザについては、短期間のうちに立て続けに近接した11農場で発生をし、うち8農場の飼育規模は20万羽を超えるなど、今季2例目から12例目にかけての防疫措置の対象は300万羽を超える規模となっています。この防疫措置については、それぞれの農場において、まずは感染が発生した鶏舎の殺処分を迅速に行うなど、複数の農場において同時並行での作業を余儀なくされるものとなりました。これまで県では、体制を強化しながら延べ1万人を超える職員を動員するなどして作業に当たってまいりましたが、殺処分については、自衛隊の多大な御協力も得ながら現在4農場で終了し、残る7農場についても速やかに作業を完了させてまいります。また、殺処分に続いて実施をする焼却、埋却のほか、鶏舎の消毒作業などの防疫措置についても、一日も早い完了に向け、国、地元市をはじめ農業関係団体や建設業協会、産業資源循環協会等の御協力をいただきながら全力で取り組むとともに、現在実施中の路面消毒の継続、県内の全養鶏農場に対する消毒の徹底や入気口への不織布シートの設置促進などの発生抑止にも万全を尽くしてまいります。

 次に、広域的な幹線道路ネットワークの充実強化に向けた取組についての御質問にお答えをいたします。

 圏央道や北千葉道路などの広域的な幹線道路ネットワークの整備は、半島性を克服し、県内を広く活性化させる上で大変重要です。圏央道の大栄-横芝間については、令和8年度までの開通に向け全面的に工事が展開をされており、また北千葉道路の市川-松戸区間については、用地取得に向けた地元説明会があさってから開催をされます。新湾岸道路については、概略ルートや構造の具体化に向け、オープンハウスなどの地域とのコミュニケーション活動を実施しており、千葉北西連絡道路についても同様に検討を進めています。富津館山道路では、全線4車線化に向け、先月開催をされた都市計画審議会において、都市計画案と環境影響評価書は原案どおり可決をされ、今月20日、沿線市町とともに新規事業化を国に要望したところです。引き続き国や高速道路会社、さらには沿線市町村や経済団体、道路利用者の団体などと連携をし、広域的な幹線道路ネットワークの充実強化に向け全力で取り組んでまいります。

 最後に、第36回全国「みどりの愛護」のつどいについての御質問にお答えをいたします。

 緑の保全と緑化の推進を図るみどりの愛護活動は、住みよい環境づくりにつながるだけでなく、世界的な気候変動による影響を踏まえた脱炭素社会の実現などに向けて、より重要なものになると認識をしています。こうした中で、本県において「みどりの愛護」のつどいを開催できることは、首都圏にありながら、都市と自然の緑が共存する本県の特徴や、全国有数の花卉や植木の生産など、本県ならではの魅力を全国に発信するとともに、みどりの愛護活動への感謝の気持ちを伝え、活動の輪をさらに広げる大変意義のあることだと考えています。また、開催効果を県全体に広く波及させるため、表彰された優れた緑化活動をあらゆる機会を通じて広く紹介するとともに、市町村や緑化関連団体、県民の皆様と緑を守り、育てる取組をさらに推進してまいります。

 私からは以上でございます。他の質問につきましては副知事及び担当部局長からお答えをいたします。

○議長(瀧田敏幸君) 副知事穴澤幸男君。

 (説明者穴澤幸男君登壇)

○説明者(穴澤幸男君) 私からは、まず、災害対策についてお答えいたします。

 避難環境の改善に向けた取組についての御質問ですが、国においては、良好な避難環境の確保に向けた取組指針を改定し、食事の質の向上やパーティション、簡易ベッドによる生活空間の確保、快適なトイレの整備等を進めることを求めており、このための新たな交付金制度を創設したところです。これを受け、県では、この交付金を活用してトイレカーを新たに導入するとともに、パーティションや簡易ベッドの備蓄を拡充し、災害時には被災地で活用するほか、平時には防災啓発にも役立てていきたいと考えております。今後も、これまで進めてきた民間団体との協定を活用したキッチンカーの派遣による食事対策やトイレなど資機材の調達と併せ、避難環境のさらなる改善に取り組んでまいります。

 次に、成田空港への鉄道アクセスについての御質問にお答えします。

 第3滑走路の供用開始に伴う空港利用者の増加により鉄道の需要超過が想定されることから、県では国に対して、空港周辺の単線区間の解消や都心とのアクセス向上といった鉄道アクセスの強化について、関係者が協議する場を早期に設置するよう求めてきたところです。その結果、昨年9月には、国が鉄道事業者や自治体などで構成する今後の成田空港施設の機能強化に関する検討会を立ち上げたところであり、空港への鉄道アクセスを含む施設面の機能強化について議論が開始されました。県としては、我が国の空の表玄関である成田空港がグローバルハブ空港としての役割をより一層発揮できるよう、この検討会に参画し、鉄道アクセスの強化実現に向けてしっかりと働きかけてまいります。

 次に、公文書管理条例についての御質問ですが、県の公文書は本県の歴史を知る上で重要な資料となり得るものであり、公文書を適切に管理し、後の世代に確実に引き継いでいく必要があります。このため県では、研修等を通じて、職員に対し文書管理の重要性や関係規定の理解の徹底を図るとともに、電子決裁の推進や文書管理部門における簿冊の集中管理の強化など、文書を適切に保存するための様々な取組を行っているところです。今後、デジタル化のさらなる進展により、行政の事務執行や文書保存の在り方も大きく変化していくことから、公文書管理について、時代の変化に対応した変更を図るとともに、公文書管理条例の制定についても検討してまいります。

 次に、地域公共交通についてお答えいたします。

 地域公共交通の再構築に関する御質問ですが、バスやタクシーなど地域公共交通を取り巻く環境は、人口減少等による利用者の減少や運転手不足など、引き続き厳しい状況が続くことが見込まれることから、県としても、持続可能な地域公共交通の再構築を図る必要があると認識しております。このため、車両のダウンサイジングや学校、病院、企業等の送迎バスとの連携、AIデマンド交通など、新たな交通モードへの転換等に必要な経費に対する補助を2月補正予算案に計上したところです。また、地域公共交通の再構築に当たっては、市町村や交通事業者のコーディネートや事業企画などに係る相談支援も行うこととしており、それぞれの地域にとって最適な公共交通を将来にわたって確保していけるよう、市町村等をしっかりとサポートしながら取り組んでまいります。

 次に、農林水産業の振興についてお答えいたします。

 新規漁業就業者の確保、育成についての御質問ですが、本県の令和5年における漁業就業者数は2,672人で、平成30年に比べ約3割減少しており、高齢化も進んでいることから、県では、就業相談会の開催や漁業技術研修の実施などにより新規漁業就業者の確保、育成を図っているところです。また、昨年1月に千葉県新規漁業就業者確保・育成対策検討会議から提言のあった短期漁業体験などに係る支援の充実や、就業から独立まで寄り添い、一貫した支援を行う海洋人材確保・育成センターの設置運営の経費について、来年度当初予算案に計上したところです。

 なお、このセンターの設置については、現在、市町村や漁業関係団体と調整しているところであり、4月から運営が開始できるよう準備を進めてまいります。また、検討会議からのこのほかの提言についても、施策に反映できるよう検討するなど、引き続き新規漁業就業者の確保、育成の取組を強化してまいります。

 次に、家畜伝染病に対する防疫体制の強化についての御質問ですが、県では、施設の老朽化や畜産農家の分布状況の変化、疾病の複雑多様化などの課題に対応するため、現行の4所1施設体制を3所体制に再編し、本年4月1日からは、匝瑳市内に新設した東部家畜保健衛生所が高病原性鳥インフルエンザも含め、県内における家畜防疫の基幹的な役割を担っていくこととしました。このため、新たな東部家畜保健衛生所には、農場における防疫対応に必要な獣医師を集中的に配置するとともに、最新の設備機器を導入するなど迅速な検査体制を整備することに加え、備蓄倉庫を設置し、防疫資材の供給体制を強化しました。また、防疫対応に特化した専任職員を配置し、平時から発生時の防疫対応の実効性を高めるため既存の防疫計画を見直すほか、現地対策本部における指揮の中枢を担うなど防疫体制の強化を図り、家畜伝染病対策に万全を期してまいります。

 次に、幹線道路ネットワークについて、県内各地域へアクセスする道路の整備についての御質問ですが、銚子連絡道路の匝瑳市から旭市間では、道路や橋梁の設計を進めるとともに、来月から境界立会いに着手する予定であり、銚子連絡道路の一部をなす国道126号八木拡幅では大型函渠工事や橋梁工事などを進めています。また、長生グリーンラインでは広域農道までの区間で用地取得を進めるとともに、これに続く一宮町までの区間では来月上旬から道路の設計に係る地元説明会の開催を予定するなど、丁寧に説明を行いながら事業を進めているところです。さらに、国道297号の松野バイパスでは用地取得や橋梁工事などを進めているほか、国道356号や国道465号のバイパス整備などについても、地元の御理解と御協力をいただきながら積極的に取り組んでまいります。

 次に、アクアライン割引についての御質問にお答えいたします。

 平成21年の料金引下げ以降、交通量は飛躍的に増加し、本県の観光振興や企業立地を促進するとともに首都圏全体に大きな経済効果をもたらすなど、アクアライン割引は半島性を克服する上でも欠くことのできない施策と考えています。このため、昨年12月、国に対し、アクアラインの割引の令和7年4月から3年間の継続などについて要望を行った結果、国土交通省からは割引の効果を踏まえ、継続についてしっかり対応していきたいとの回答があったところです。県としては、アクアライン割引に加え、土日・祝日の混雑緩和を目的とした社会実験を令和7年度も継続することでさらなる経済の好循環をもたらし、アクアラインの効果を最も発揮できるよう取り組んでまいります。

 次に、県営水道についてお答えいたします。

 中期経営計画の基本目標のうち、「「強靱」な水道の構築」の達成見通しに関する御質問ですが、計画の最終年度に当たる令和7年度当初予算案では、厳しい経営環境の中にあっても、目標の達成に向け、管路や施設の更新・耐震化等を進めるために必要な予算を計上したところです。これにより、湾岸埋立地域の管路や浄水場、給水場の耐震化などについては、おおむね目標を達成できる見込みですが、一方で、大口径管路の更新や非常用自家発電設備の増強等については、関係機関との協議に時間を要したことや、入札不調などにより目標を達成することが難しい状況です。今後は関係機関との早い段階における協議の実施や、柔軟な工期設定を可能とするフレックス工期契約制度の活用などにより、事業を着実に推進できるよう取り組んでまいります。

 次に、教育行政についてお答えいたします。

 私立学校の支援についての御質問ですが、少子化による生徒、園児の減少や物価高騰の影響などにより、私立学校を取り巻く環境は厳しさを増しており、私立学校の経営の安定化と教育の質の維持向上を図ることは重要であると認識しております。そのため、今回の2月補正予算において、国の交付金を活用した物価高騰対策として、私立学校についても光熱費の高騰分を対象に支援を行うこととしました。

 なお、令和7年度当初予算は骨格予算であることから、継続事業を中心に計上し、経常費補助金については、6月交付分のみを計上したところです。県としては、私学教育の充実が図られるよう、社会経済情勢や国の動向等を勘案しながら、引き続き私学支援に取り組んでまいります。

 最後に、株式会社フジテレビジョンへの対応についてお答えいたします。

 県提供の番組についてどう対応するのかとの御質問ですが、県では、県内各地域の観光、物産、農業などに取り組む事業者などの紹介を通して、千葉県の様々な魅力を首都圏の方々に届ける番組「千葉の贈り物」について、平成22年10月からスポンサーとなり、地域の活性化を図ってきました。こうした中、今般のフジテレビをめぐる一連の報道に対する同社の対応により、視聴者の信頼が損なわれているとの危惧から、県では、早急に事実関係を明らかにし、視聴者やスポンサー等に対して十分な説明責任を果たすよう強く申し入れ、その後、本県の提供クレジットを1月26日の放送分から当面の間削除するよう要請したところです。今後も同社の対応を注視し、適切に対応してまいります。

 私からは以上でございます。

○議長(瀧田敏幸君) 副知事黒野嘉之君。

 (説明者黒野嘉之君登壇)

○説明者(黒野嘉之君) 私からは、まず、京葉臨海コンビナートの水素等供給拠点に関する御質問にお答えいたします。

 鉄鋼、石油化学、電力などの産業が集積する京葉臨海コンビナートは、石油、天然ガスなどの膨大な化石燃料を使用しており、これらをいかに脱炭素エネルギーである水素などへ転換することができるかがカーボンニュートラルを実現する上で重要なテーマとなります。これまでの間、水素などの共同利活用を図るための供給拠点の在り方について、官民協議会の企業とともに議論を重ねてきましたが、供給拠点の整備には大規模な設備投資が伴うことから、今後さらに詳細な調査が必要とのことで企業との意見が一致いたしました。そこで水素等供給拠点の整備の実現可能性について、協議会参加企業12社が2050年までの水素等の需要量を推計した上で、それを踏まえた供給基地の位置や設備の内容、パイプラインの敷設ルート、スペックなどを調査、検討することとなりました。県としても、京葉臨海コンビナートのカーボンニュートラル化を促進するため、引き続き企業との連携を密にしながら、本調査において有益な成果が得られるよう、しっかりと支援してまいります。

 次に、こども計画の策定についての御質問ですが、県では有識者や子供、若者、関係機関等の意見を伺いながら、子供・若者施策の共通の基盤となる新たな計画づくりを行っております。計画案においては、本県の子供、若者が未来を切り開いていくという意味を込めまして、名称を千葉県こども・若者みらいプランといたしました。また、基本理念として「みんなで支え合い 全てのこども・若者の可能性を広げる 千葉」を掲げ、子供の貧困や児童虐待等への対策、子供、若者が権利の主体であることの社会全体での共有、お互いを支え合える仲間づくりの充実などに取り組むこととしております。今後はパブリックコメントにより幅広く県民の意見を聞きながら計画の策定を進め、全ての子供、若者が未来に夢や希望を持つことができる社会の実現を目指してまいります。

 次に、一時保護所での子供への支援の強化についての御質問ですが、一時保護された子供は年齢や保護の背景などが様々であり、一律の対応ではなく、個々の状況に寄り添った支援が必要です。このため県では、一時保護所における支援の強化に向けて、一時保護施設の設備及び運営に関する基準を定める条例におきまして、入所する子供の権利擁護に関する事項、職員配置基準、設備基準等を定めることとしております。また、条例に基づく取組としまして、子供の意見表明の推進、民間事業者を活用した学習支援、一時保護所を含む児童相談所全体として、職員100名程度の増員、新設、建て替えを行う一時保護所における十分な広さを確保した個室の設置などを行う予定です。今後とも一時保護所において、子供の状況に適した環境で手厚い対応を進められるよう、支援の強化に取り組んでまいります。

 次に、介護人材の確保についての御質問ですが、高齢化の急速な進展に伴い介護需要の増加が見込まれる中、介護サービスが将来にわたり安定的に提供されるためには、介護人材の確保は今後ますます重要になると認識しております。このため県では、市町村や事業者等と連携しながら、若者等に向けた介護職の魅力発信、事業者と求職者のマッチング、介護事業所における業務改善への支援等を実施するとともに、国の補正予算を活用して、介護職員のさらなる処遇改善等に取り組むこととしております。さらに、来年度は新たにケアマネジャーの資格更新に係る研修受講料への助成を開始し、経済的負担の軽減を図るほか、介護分野等への就業を支援する千葉県福祉人材センターのキャリア支援専門員を増員し、支援体制の強化を進める予定です。今後も介護サービスが円滑に提供されるよう、介護人材の確保に向けた取組を進めてまいります。

 次に、ギャンブル等依存症対策についての御質問ですが、県では、令和4年に策定しましたギャンブル等依存症対策推進計画に基づき、医療・福祉関係機関、自助グループ、関係事業者などと連携し、相談から治療、回復に至るまで、切れ目のない支援体制の構築を図っております。近年、いわゆるオンラインカジノなど、インターネットを介したギャンブルへの依存が若年層を中心に広がっており、警察や教育と連携した正しい知識の普及啓発のほか、増加傾向にある本人や家族からの相談対応や、当事者に寄り添った継続的な支援体制の強化が重要と考えております。このため、今年度実施する計画の中間見直しでは、若年層に向けた効果的な普及啓発の推進、精神保健福祉センターの相談支援体制の充実、自助グループとの連携や支援の強化などを重点的な取組として位置づけることとしており、依存症を抱える本人やその家族が社会生活を円滑に営むことができるよう、支援体制の一層の充実を図ってまいります。

 次に、県立病院の経営状況とその対応についての御質問ですが、県立病院では、平成26年度以降赤字が続いたため、令和3年度に県立病院改革プランを策定し、経営改善に取り組んでまいりましたが、昨今の人件費の増加や物価高騰の影響により経費が上昇した一方、患者数が伸び悩み、経営状況が大幅に悪化したところです。さらに、近年の大規模な施設整備のために借り入れた多額の企業債の償還時期を迎えることから、今後も極めて厳しい状況が続く見通しとなっております。このため、令和6年度2月補正予算において運営経費として34億円を、また、令和7年度当初予算において企業債の償還財源として25億円を、それぞれ一般会計から長期貸付けを行い、事業継続を図ることといたしました。

 次に、県立病院の経営改善に向けた取組についての御質問ですが、県としては、県立病院の収支が大幅に悪化し、令和2年度に続き多額の追加貸付けを要する事態となったことを大変重く受け止めており、収支改善に向けた取組の強化が必要であると認識しております。そのため、現在策定を進めている県立病院経営強化プランでは、医業収益を確保するため、関係医療機関からの紹介や転院連携など、入院患者数の増加に向けた取組を強化するとともに、ベンチマークを活用した医薬品等の価格交渉に加え委託業務の仕様見直しを行うなど、一層の経費削減に努めることとしております。さらに、こうした取組を継続的かつ実効性のあるものとするため、各病院において、経営改善を支える外部人材の活用等による体制強化も検討しているところです。引き続き県立病院としての役割を果たしていくため、これらの取組を着実に進め、令和14年度の収支の黒字化を目指し、県立病院一丸となって全力で経営改善に取り組んでまいります。

 次に、環境研究センターの機能強化についての御質問ですが、現在、県では、環境研究センターの建て替えによる機能強化に向け、新たな施設の立地場所を含む基本計画の検討を進めております。建設候補地については、有識者会議における御意見も伺いながら、敷地の広さや災害リスク、他機関との連携のしやすさ等の観点から検討を行い、千葉市緑区にある農林総合研究センター敷地内の未利用地への移転、集約が最も適当と考えているところです。調査研究の質や研究員の意欲の向上につながる機能性、快適性に優れた研究環境の整備に加え、多様化する環境問題に対応するための農業や衛生など、他分野の機関との連携等の推進や、県民の主体的な環境保全活動を促進するための環境学習の充実等によりソフト面でも機能強化を図り、魅力あるセンターとなるよう検討を進めてまいります。

 次に、ナガエツルノゲイトウの防除に関する御質問ですが、県ではナガエツルノゲイトウについて、関連部局が一体となり、市町村や関係団体とも連携し、防除を行っております。このうち印旛沼及び手賀沼とその流域河川は、今年度中に当初計画しておりました区域の駆除を終え、来年度はこれまでの駆除箇所を中心に監視しながら、再繁茂や新たな漂着が確認された箇所において駆除を行います。また、県内全域で実施しております分布状況調査につきましては、これまでに分布が確認された全ての地点を表示した地図や、昨年夏の現地調査時点の繁茂状況を示した地図などを500メートルメッシュで作成し、市町村や関係団体と共有するとともに、来月末までに県ホームページで公開する予定です。来年度以降はこれらの地図も活用しながら、県管理河川や農業水路等も含め、分布密度の高い地域や拡大リスクがある地域から駆除を行うとともに、県民の皆様からいただいた情報も踏まえて分布状況の随時更新を図り、新たに繁茂が確認された地域の駆除を速やかに行うこととしております。こうした取組により、引き続き市町村等と連携して計画的かつ効果的な防除に取り組んでまいります。

 最後に、既存の金属スクラップヤード等への対応についての御質問ですが、金属スクラップヤード等規制条例では、既存事業場が令和7年度以降も事業を継続する場合には、周辺住民に対する説明会を開催するなどした上で、今年度中に許可申請書を県に提出する必要があることから、速やかに手続を行うよう強く指導してきたところです。令和6年12月末現在、廃業予定などを除いた既存事業場のうち、9割を超える293か所から、構造や安全に関する条例の基準に加え、消防法など他法令の遵守状況を確認する事前協議書が提出されております。そのうち1件の許可申請書を受理し、現地が基準に適合していることを確認した1か所を許可いたしました。既存事業者に対しては、引き続き許可申請を指導するとともに、年度末までに申請をしなかった事業者に対しては無許可営業となることから、保管物の全量撤去等の是正指導を厳正に行い、県民の生活の安全や生活環境の保全に努めてまいります。

 私からは以上でございます。

○議長(瀧田敏幸君) 教育長冨塚昌子君。

 (説明者冨塚昌子君登壇)

○説明者(冨塚昌子君) 初めに、県立高等学校生徒の自殺事案に関する御質問にお答えいたします。

 生徒が繰り返し発したSOSに一度も対応することができず、取り返しがつかない事態となってしまったことを、県立高等学校を設置管理する立場として大変重く受け止めております。改めて亡くなられた生徒、御遺族をはじめ県民の皆様に深くおわび申し上げます。

 県教育委員会では、本事案を受け、児童生徒が教員との関係に悩んだ際に手紙やメールで直接教育委員会に相談できる体制を構築しました。また、不適切な指導の根絶に向け、新任校長を対象に弁護士を講師とした実践的な研修を実施するとともに、先生の言動で悲しかったことなど、生徒の生の声を集め、県立学校全教職員の意識改革につなげるよう取り組んでいるところです。

 加えて、児童生徒や保護者からの学校に関する相談に対応する電話窓口の設置と、実際に問題が発生した際に迅速に職員を派遣する学校問題解決支援コーディネーターの制度を構築するための経費を令和7年度当初予算案に計上したところです。また、若年層教員の生徒理解に関する資質を高めるため、今回の事案を踏まえた実践的な研修の実施を予定しています。これらの対策を教育委員会と学校が一丸となって確実に実行し、二度と同様の事態を繰り返すことのないよう万全を期してまいります。

 次に、教員の確保及び定着についての御質問ですが、学校が働きやすさと働きがいを両立する職場であることは重要なことであり、教師が生き生きと働いている姿は、質の高い人材の確保や子供たちへのよりよい教育の実現につながっていくものと考えます。県教育委員会では、令和7年度は千葉大学に加え、県内私立大学とも協働して小中学校での教育体験活動を実施するほか、ペーパーティーチャー向けの情報発信の強化、特別免許状制度を生かした外部人材の活用などに一層取り組んでいきます。また、教員の定着のために臨時的に任用されている講師の給与を正規教員と同等の処遇へ引き上げます。さらに、教員が子供と向き合う時間を確保するため、県立学校への外線電話にワンストップで対応する統一ダイヤルを設置するなど、教員の確保と定着に向けた実効性ある取組を進めてまいります。

 最後に、県立高校の教育環境の整備についての御質問ですが、県立高校の魅力を高め、質の高い教育を推進するためには、生徒が安全、快適に過ごせる学校施設や、これからの時代に合った学習環境の整備を進めることが重要であると考えています。このため、全ての生徒が安心して学校生活を送ることができるようエレベーター整備を計画的に進めるとともに、トイレ洋式化を令和11年度までに確実に完了させてまいります。あわせて、令和7年度は学校が柔軟に活用できる施設整備の予算を大幅に増額計上し、老朽化対策等への迅速な対応を図ります。また、学習環境の向上のためネットワーク環境を改善するとともに、熱中症リスクの高い特別教室への空調整備を令和10年度までに完了するよう進めます。さらに、避難所指定されている高校体育館への空調整備に県単独で着手するなど、今後とも県立高校の教育環境の整備充実に努めてまいります。

 以上でございます。

○議長(瀧田敏幸君) 警察本部長宮沢忠孝君。

 (説明者宮沢忠孝君登壇)

○説明者(宮沢忠孝君) 私からは交通事故防止対策についてお答えいたします。

 県警では、昨年中の交通情勢や交通事故分析結果等を踏まえ、飲酒運転の根絶に向けた取組の推進、歩行者保護、ゼブラ・ストップ等の徹底、運転に集中させるための交通環境の醸成、自転車その他の小型モビリティー対策の強化を、本年の交通事故防止対策の4つの柱に据えて重点的に対策に取り組んでいくこととしております。運転に集中させるための交通環境の醸成については、交通死亡事故の原因の約8割が前方不注意や安全不確認等によるものであったことを踏まえて新たに策定したものであり、街頭監視や交通指導取締りなど、警察官の姿を見せる活動をはじめとした各種対策を講じていくこととしております。引き続き交通安全県千葉による安全・安心を実感できる暮らしの実現に向け、関係機関・団体と連携しながら交通事故防止対策に全力で取り組んでまいります。

 以上でございます。

○議長(瀧田敏幸君) 三沢智君。

○三沢 智君 それでは、何点か要望と再質問をします。

 まずは、知事の政治姿勢についてです。

 成田空港について再質問します。

 先ほどの答弁の中で、来年度、まずは空港との親和性の高い航空宇宙関連産業の集積に向け調査研究を行う旨の答弁がありましたが、航空宇宙関連産業は、多くの航空機が離着陸する成田空港とどのような関連があり、具体的にどのような産業を集積させていくつもりなのか、先ほどの答弁では、その狙いがはっきりしないとも感じたところです。

 そこで再質問します。航空宇宙関連産業について、どのような産業の集積を目指しているのか。

 次に、企業誘致について再質問します。

 立地企業補助金を活用し、本県に関心のある企業に本県を立地場所として選んでいただくよう、企業誘致セミナーなどの情報発信や関連機関への働きかけを強化していくとのことでしたが、他県との誘致競争においては、千葉県の優位性をさらに積極的に発信していくべきと考えます。

 そこで再質問します。企業が本県に進出する優位性について、県としてどのように認識しているのか。

 次に、公文書の管理について要望します。

 先ほど時代の変化に対応した公文書管理の見直しを進める中で、条例制定について検討する旨の答弁がありました。デジタル化を踏まえた条例の制定について、しっかり進めていただくようお願いします。

 また、重要な文書については、内容のみならず、その時代を伝える文書をそのまま保存し、後世に伝えることを要望します。

 次に、交通問題について要望します。

 今回の補正予算により、地域公共交通の再構築に向けて市町村等をしっかり後押ししていただくとともに、全国的に運転手が不足している状況を踏まえると、自動運転バスは特に重要な取組であり、県としても、将来を見据え市町村をリードしていく事業も検討するよう要望します。

 次に、水道事業の統合・広域連携について再質問します。

 県企業局が経営を担い、九十九里・南房総地域全体の水道供給体制の強化に動き出したことは大きな前進であり、県の取組を評価したいと思いますが、他の水道事業体でも同様の課題を抱えており、こうした取組の成果を他の地域にも広げていくべきと考えます。県は、今回の用水供給事業の統合をリーディングケースと位置づけていますが、リーディングケース後をどう考えているのか、気になるところです。

 そこで再質問します。リーディングケースを踏まえ、次の用水供給事業体の統合に向けてどのように進めていくのか。

 次に、子供施策について要望します。

 一時保護所の新たな基準を遵守し、学習支援や職員の増員など、一時保護所の子供への支援にしっかり取り組むことを要望します。

 また、一時保護の解除後における社会的養護の受皿として、里親委託の推進や児童養護施設の整備に取り組むとともに、子供が早く家庭復帰できるよう支援していくことを要望します。

 次に、ギャンブル依存症等対策について再質問します。

 インターネットを介したギャンブルへの依存が若年層を中心に広がっており、若年層に向けた効果的な普及啓発を推進していくとのことでしたが、若年層に向けてどのような対策に取り組んでいくのか、気になるところです。

 そこで質問します。若年層、若者に対して、どのように効果的な普及啓発を行っていくのか。

 次に、県立病院について要望します。

 経営改善を通じた財務体質の強化は必要不可欠ですので、新たに策定される経営強化プランに基づき着実かつ速やかに経営改善に取り組まれるよう要望します。

 次に、環境研究センターについて要望します。

 今後の検討に当たり、将来の環境問題も見据えた先駆的な調査研究体制を構築するとともに、県民に開かれた環境保全の拠点として全国に誇れる研究所となるよう要望します。

 次に、金属スクラップヤード等対策について要望します。

 無許可事業者や条例の基準などを遵守しない不適正な金属スクラップヤード等を一掃するため、厳正な審査や取締り等を行うよう要望します。

 農業産出額の増加の取組について要望します。

 資材価格の高騰や夏季の高温など、農業を取り巻く環境は厳しさを増しています。今後も現場の課題を的確に把握するとともに、農業者への支援をさらに充実させ、地域の重要な産業である農業を守っていただくよう要望します。

 新規漁業就業者の確保について要望します。

 県には、新規漁業就業者の確保対策に加え、定着促進のため、独立に必要な漁船や漁具などの準備費用への支援を充実していただくよう要望いたします。

 次に、家畜伝染病対策について再質問します。

 延べ1万人の県職員が防疫作業に従事いただいていると伺い、頭の下がる思いです。これだけ多数の職員を動員することで全体的に疲弊してはいないか、とりわけ特定の職員に過度の負担がかかっていないかが心配です。また、そうした職員に報いるためには待遇改善が必要と考えます。

 そこで再質問します。防疫作業に従事する職員のメンタル面のケアと待遇改善について、県はどのように考えているのか。

 次に、県営水道事業について要望します。

 現在の計画について、湾岸埋立地域の管路や浄水場、給水場の耐震化などは、おおむね目標を達成できる見込みとのことで安心しましたが、一方で、大口径管路の更新や非常用自家発電設備の増強に関しては目標達成が難しい状況との答弁でした。今後は発注方法の工夫などにしっかり取り組み、料金値上げについて県民に納得していただけるよう、水道施設の更新・耐震化を着実に推進していくことを要望します。

 次に、生徒指導について要望します。

 県立高等学校生徒の自殺事案について、再発防止のため、答弁にあった様々な取組を確実に実行してください。

 要望ですが、今回新たに導入を考えている学校問題解決支援コーディネーターですが、機動性が重要です。子供の命を守ることにもつながりますので、問題が発生している学校に速やかに派遣できるよう、十分な体制を構築されることを要望します。

 次に、私学助成について要望します。

 2月補正予算において、今回新たに私立学校に対し物価高騰対策の支援を行うことは評価しますが、一方で、今後の私立学校への支援については、社会経済情勢や国の動向等を勘案しながら取り組んでいくとの答弁でした。県民の多様な教育ニーズに対応するためには、私学教育の振興と私立学校に通う生徒、保護者の経済的負担の軽減を図ることは重要な課題です。千葉県の将来を担っていく子供たちの育成のため、私立学校への支援について前向きに検討していただくよう要望します。

 次に、教員の確保について要望します。

 統一ダイヤルを設置するとのことですが、これは教員にとって大きな負担軽減につながると思いますので、ぜひ積極的に周知していただくよう要望します。

 以上、2回目の再質問、要望といたします。

○議長(瀧田敏幸君) 知事熊谷俊人君。

○知事(熊谷俊人君) 成田空港に関する御質問ですが、世界では航空旅客の需要の増加等を背景に、航空機製造のみならず、航空機整備等の航空輸送を支える様々な産業において大きな成長が見込まれております。このため、まずは空港内の整備地区を核として航空機エンジンのメンテナンスなど、航空機整備産業のさらなる集積を図ってまいります。また、衛星や宇宙輸送などの宇宙産業は、航空関連企業がエンジンや部品製造などに関わるほか、航空産業との親和性も高い産業となっており、今後、空港周辺での航空宇宙産業の整備、研究、製造拠点の形成を目指してまいります。

 次に、防疫作業に従事する職員の待遇についての御質問ですが、防疫作業については肉体的、精神的に大きな負担を伴うことから、健康管理センター及び医療機関への委託によりこころの健康相談に対応しております。また、特殊勤務手当の額の引上げについても検討しているところです。さらに、国に対しては職員の負担軽減策や不足する家畜防疫員の確保方策などの検討についても要望してまいりたいと考えております。

 以上です。

○議長(瀧田敏幸君) 副知事黒野嘉之君。

○説明者(黒野嘉之君) 企業進出に関する本県の優位性についての御質問ですが、まず成田空港の機能強化や、圏央道、北千葉道路をはじめとした道路ネットワークの整備、進展により広域的拠点性が高まっていることは、企業が立地を検討するに当たり大きなインセンティブになると考えております。そのほか、企業活動に必要不可欠な雇用が確保しやすいこと、都心に近接していながら自然が豊かで住環境がよく、価格も比較的低いことなど、全体的にバランスが取れていることが千葉県の強みと考えております。

 次に、ギャンブル等依存症に係る若年層への効果的な普及啓発に関する御質問ですが、県では、県内の高校や大学等に依存症に関する啓発冊子を配布するとともに、警察と連携し、オンラインカジノが違法であることの周知を図るなど、若年層に向けたギャンブル等依存症の普及啓発に取り組んでおります。依存症に関する正しい知識が若年層に確実に届くよう、SNSのさらなる活用など、より効果的な方法について検討してまいります。

 以上でございます。

○議長(瀧田敏幸君) 副知事穴澤幸男君。

○説明者(穴澤幸男君) 用水供給事業体の統合についての御質問にお答えいたします。

 将来にわたる安定給水の維持確保のため、統合・広域連携を進めていかなければいけないのは、今回の九十九里地域、南房総地域のリーディングケースに限りません。今後については、水道事業体によって設立経緯や水源などの条件が異なることから、今回の統合協議で得られた知見や成果を生かしつつ、地域の実情に応じて丁寧に意見交換を重ね、次の統合・広域連携に向けた研究を進めてまいります。

 以上です。

○議長(瀧田敏幸君) 三沢智君。

○三沢 智君 それでは、要望をさせていただきます。

 企業誘致について要望します。

 千葉県の優位性について、広域的拠点性が高まっていることや全体的にバランスが取れていることが強みとの答弁がありましたが、千葉県の立地優位性は今後ますます高まっていくものと考えます。この機会を捉え、全県の幅広い地域に投資がなされるよう、新たな補助制度を活用し、積極的な企業誘致に取り組んでいくことを強く要望します。

 家畜伝染病対策について要望します。

 一日も早く封じ込めを完了するためには、防疫作業に従事する職員への十分なフォローと高い士気を維持していくことが重要です。大変な業務に従事されている方々がしっかりと報われるよう、手当の見直しは1つの方法だと思います。全国的にも遜色のない待遇となるよう、しっかりと見直しをお願いします。

 最後に一言申し上げます。熊谷知事は、3月の知事選挙への出馬を表明されました。千葉の将来を見据えると、まだまだ取り組んでいかないといけない課題が多くあります。県民の皆様の声を県政に反映させ、そして将来世代が誇りに思えるような千葉県とするため、知事には今後もしっかりと県政運営を進めていただきたいと期待しております。

 以上で代表質問を終わります。

○議長(瀧田敏幸君) 暫時休憩します。

 午前11時54分休憩

 

 午後1時0分開議

○副議長(實川 隆君) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 引き続き質疑並びに一般質問を行います。通告順により守屋貴子君。

 (守屋貴子君登壇、拍手)

○守屋貴子君 立憲民主党、市川市選出、守屋貴子でございます。会派を代表し、質問をさせていただきます。

 今日は日頃お世話になっている方々が傍聴に来てくれました。ありがとうございます。分かりやすい質問を心がけてまいりますので、どうぞよろしくお願いをいたします。

 初めに、鳥インフルエンザの対応に当たられている県の職員をはじめ、全ての関係者の皆様に心から感謝を申し上げます。今日も議会棟前にバスが止まり、職員の皆様を乗せて現地へ向かう姿を拝見しました。私たち議員も一日も早い終息、県民の安全・安心の確保に向けて、執行部の皆様と力を合わせて取り組んでいくことをお誓い申し上げまして質問に入らせていただきます。

 知事は知事選挙への出馬を表明されましたが、今後の県政運営に関わる大きな視点から伺ってまいります。

 知事の政治姿勢について伺います。

 まず、2025年度の予算編成についてです。

 今回の当初予算は骨格予算となっていることから、知事選挙後に政策的経費が予算に計上されると認識していますが、今回の予算編成に当たり、直近の財政状況を表す令和5年度決算をどのように意識したのか、監査委員からの意見をどのように反映させたのかをお聞かせいただきたいと思います。

 令和5年度の一般会計特別会計歳入歳出審査意見書では、予算編成に際して幾つかの意見がありました。その中で、財政状況については、財政構造の弾力性を示す経常収支比率が前年度より1.6ポイント上昇し96.7%になったこと、また義務的経費が引き続き増加するほか、金利の動向や国際情勢の変化による物価への影響などの懸念から先行きが不透明とのことです。こうした社会情勢への対応をしながら、活力ある県民生活の確保や将来への取組など着実に進めていくためにも財源の確保や事務事業の見直しの徹底など、持続可能な財政運営に努めるよう指摘されています。これらの指摘を受け、どのように予算編成をしたのかが気になるところです。

 そこで伺います。厳しい財政状況の中、持続可能な財政運営のため、どのような点に留意して予算編成をしたのか。

 また、現在、国において大きく議論をされている103万円の壁については、働く皆様の所得が向上すること、また、それによる経済効果が見込まれる一方で、本県においても所得税、住民税が関係する課題があると認識をしています。各事業を持続的に行っていくためにも財源の確保は必須です。

 そこで伺います。所得税及び個人住民税の控除の引上げは、県にどのような影響を及ぼすのか。また、県としてどのように対応をしていくのか。

 次に、人口減少対策についてです。

 本県の人口は国勢調査が開始されて以来、東日本大震災などの影響を受けた時期を除いて、これまで増加し続け、令和2年では全国で6番目に多い628万4,000人でした。しかしながら、本県も令和3年についに人口減少局面に突入し、国立社会保障・人口問題研究所の将来推計によると、今後30年間で約1割の人口が減少すると見込まれています。また、昨年9月に国が公表した令和5年人口動態統計によると、全国の合計特殊出生率は8年連続で低下し、過去最低の1.20でした。この影響により、人口減少は日本全体で今後さらに進行していきます。人口減少が急激に進むと、産業、福祉、教育など、あらゆる分野で様々な問題が深刻化し、私たちの生活を脅かすものとなってしまいます。そのようなことにならないよう、県は、この人口減少問題に正面から向き合い、全力で取り組んでいく必要があると思います。

 そこで伺います。今後、人口減少対策にどのように取り組んでいくのか。

 次に、カスタマーハラスメントについてです。

 我が会派は、令和5年6月議会の代表質問では、介護事業所における利用者やその家族からの介護職員に対するハラスメントについて、同年6月の一般質問では流通・サービス業におけるカスタマーハラスメントについて、同年9月の代表質問では県職員に対するカスタマーハラスメントについて取り上げ、その防止に向けた対策や実態調査の実施を要望してきました。それらの要望を受けて、県はこれまでに県職員へのハラスメントに係る調査の実施や、介護事業者向けカスタマーハラスメントの無料法律相談窓口の開設等に取り組んできました。そして昨年9月議会の代表質問において、全国多くの自治体がカスタマーハラスメント防止に係る条例制定を検討していることから、本県でも条例を制定すべきではないかと要望しました。

 また、昨年12月には、UAゼンセン千葉の代表者がカスタマーハラスメント防止に関する要請書を知事に手交し、その要請書の中で我が会派と同様に条例制定を検討するよう求めています。

 そこで伺います。本県においてもカスタマーハラスメント防止条例の制定を検討すべきと考えるが、どうか。

 次に、県内の道路や県境橋梁の整備についてです。

 半島性を克服し、全国や県内各地との交流や連携を強化し、県内外とのスムーズな人、物の流れを生み出し、県内を広く活性化させていくためには北千葉道路など、広域的な幹線道路ネットワークの充実強化が必要です。県の総合計画において、東葛・湾岸ゾーンとして構成される県北西地域には、県の人口の67%の県民が居住しています。この地域は大規模商業施設や物流施設が多く立地し、経済活動が活発なことから慢性的な交通渋滞が発生しています。また、東京都、埼玉県、茨城県との県境には利根川や江戸川があり、既存の橋梁に交通が集中していることから慢性的な渋滞が問題となっています。これらの課題を解決するためのインフラ整備が必要ではないでしょうか。

 そこで伺います。県内の道路や県境橋梁の整備にどのように取り組んでいくのか。

 次に、職員の適正配置についてです。

 県庁内の所属によって、時間外勤務の時間数に大きな差がある状況となっています。特定の部署、特定の者に時間外勤務が偏ることは不適切であり、課内、部内、部を超えて職員の応援体制の確立を図るとともに、改めて職員の配置を見直し、職員の時間外勤務等の縮減、行政運営の効率化を推進し、もって職員の健康及び福祉の増進並びに県民サービスの向上を図る必要があります。

 本県も全国の状況と同様に、職員の採用試験において、技術職、専門職等を中心に採用予定者数を確保することができず、定員割れとなっています。長時間にわたる時間外勤務、古い仕事の進め方、民間企業と比較して劣る福利厚生など、公務員全体に不人気が及ぶ事態になっています。このように必要な職員数を確保できないことも、結果として今いる職員の時間外勤務の増加につながっているものと考えます。

 そこで3点伺います。

 1、年間の時間外勤務が多い職員、上位3名の所属とその時間数はどうか。

 2、職員1人当たりの月平均時間外勤務が多い上位3所属と、その時間数はどうか。

 3、時間外勤務縮減に向けた職員の適正配置について、県は今後どのように対応するのか。

 次に、千葉県職員人材基本方針についてです。

 現行の千葉県人財開発基本方針は、職員の主体性を尊重した総合的な人財開発の基本的な方向性を示すことによって、一人一人の職員が求められる人財へと成長するためのいわば道しるべとしての機能を果たすことを目的として平成18年4月に策定されました。その後、平成28年4月に改訂が行われ、現在、新たな方針として千葉県職員人材基本方針の策定を進めているとのことです。現代職場における働きやすさや職員のエンゲージメントを維持していく環境が仕事の生産性を高めるためにも重要です。県庁職員一人一人が仕事のしやすい環境整備の充実が必要であり、ひいては職員の生産性が高いほど、県民に対するサービスなどが還元されると考えます。

 そこで3点伺います。

 1、昨年度実施した職員へのエンゲージメント調査の結果はどうか。

 2、職場環境の整備に対して、具体的にどのような方針で進めていくのか。

 3、フレックスタイム制の利用状況と導入の効果はどうか。

 次に、発酵を活用した千葉の魅力発信についてです。

 発酵は日本の伝統的な食文化でありますが、昨今の健康志向により、日本のみならず、世界的にもブームになっています。本県では、しょうゆやみそ、酒類やバイオテクノロジーなど、幅広い発酵文化や産業が発展してきました。また、県では千葉県誕生150周年記念に合わせ、ワークショップやマラソン、またサミットなど、県内各地で発酵を活用した魅力発信に取り組み、酒類に関しては、私たちの代表質問でも提案させていただきました地理的表示のGIの登録の検討がなされているとのことです。12月9日に開催されたシンポジウムでは、今年4月に開幕する大阪・関西万博に発酵県千葉として出展する取組を紹介したとお聞きしています。これまで培ってきた発酵への取組が今後どのように広がりを見せていくのか、とても楽しみです。

 そこで伺います。発酵文化・産業を生かして、どのように千葉の魅力を国内外に発信していくのか。

 次に、多様性の尊重について伺います。

 全国で唯一、男女共同参画条例がなかった本県において、年齢や性別、障害の有無、国籍、性的指向、性自認など、様々な違いにかかわらず、誰もがその人らしく生き、活躍できる社会の実現を目指す多様性尊重条例が施行され、1年が経過しました。この間、知事を本部長とする多様性社会推進本部を立ち上げ、様々な課題に対し全庁を挙げて取組を進めてきたことは、条例制定を強く求め続けてきた我が会派としても高く評価をするところです。

 一方で、先月公表された県政に関する世論調査では、ダイバーシティー、多様性の概念を知っている県民の割合は47.4%、千葉県でダイバーシティー社会が実現していると思う県民の割合は70.7%との結果が示されました。これらの結果は前年度よりは向上していますが、全ての県民が多様性尊重の意義を理解し、多様性が尊重される社会が実現されていると実感していただくためには、さらなる取組の充実が必要だと考えます。

 そこで伺います。多様性が尊重される社会の実現に向けてどのように取り組んでいくのか。

 次に、地域日本語教育の推進についてです。

 県内の在留外国人の数は、令和6年6月末時点で過去最高の約22万人となり、県の人口の3.5%を占めています。国籍や文化的背景などの異なる外国人県民との共生は今後ますます重要であることから、昨年9月議会において、我が会派の代表質問で多文化共生社会の実現に向けた取組について伺いました。知事からは、多文化共生推進プランの改訂を進めており、地域日本語教育の充実などに取り組んでいく旨の答弁があったところです。その後、12月にプランが策定されましたが、地域日本語教育について、具体的な県の取組が気になるところです。

 そこで伺います。県内在住の外国人が増加する中、地域日本語教育の推進にどのように取り組んでいくのか。

 次に、避難生活の改善についてです。

 我が会派は、災害発生後の避難所で確保すべき生活環境を指標として定めた国際基準であるスフィア基準について、平成30年9月定例県議会の一般質問以来、度々取り上げ、避難生活の改善に取り組んできました。このスフィア基準ですが、これまでは平成28年に策定された内閣府の避難所運営ガイドラインで参考にすべき国際基準と紹介されるのみでしたが、内閣府は昨年12月に、このガイドラインと避難生活における良好な生活環境の確保に向けた取組指針を改定し、スフィア基準を避難所の質向上の指標と位置づけました。

 そこで伺います。県は、内閣府の避難所に係る取組指針やガイドラインの改定を踏まえ、県民の避難生活の改善にどう取り組むのか。

 次に、バリアフリーの推進についてです。

 2006年、交通機関や建物などのバリアフリー化を進めることにより、高齢者や障害のある方々の肉体的、精神的な利便性、安全性を高めることを目的とし、バリアフリー法が施行されました。本県では、国に先んじて1996年に千葉県福祉のまちづくり条例を制定し、全ての人が安心して生活し、自由に行動し、平等に参加できる社会をつくり上げることを目指し、その具体的な実現に向けて整備する努力をすることとされています。その後、社会情勢の変化に対応する必要が生じたことから、条例の施行規則の中の整備基準を改定し、2015年4月1日から施行しています。

 一方、国が定めるバリアフリー法は時代の急激な流れに対応するため、2018年、2019年に改正され、2020年には道路に関するバリアフリー化基準が明記されました。その後、2024年には建築物の基準を見直し、2025年には駐車場、トイレ及び劇場等の客席等の見直しを図るということが閣議決定しています。しかしながら、千葉県福祉のまちづくり条例は、条例制定後、規則の改定は行われたものの、条例は1997年当時からほぼ変わっておらず、時代の流れに適合していない箇所も出てきており、実態調査並びに条例の見直しが必要と考えます。

 そこで2点伺います。

 1、千葉県福祉のまちづくり条例を見直すべきと考えるが、どうか。

 2、千葉県福祉のまちづくり条例に定める施設のバリアフリー化の対応状況について、県において実態調査をするべきと考えるが、どうか。

 次に、障害児支援についてです。

 育てにくさや発達の遅れが気になっていたとしても、はっきりとした診断がつかず、子供やその家族が支援を受けられない、相談先がない、理解を得られにくいといった困り事を抱えてしまうことが多いと聞きます。また、育てにくさを感じながらも子供の障害が受容できない保護者も多いと聞いており、手帳の取得や法定の障害児支援のサービスに結びつかないということもあります。こうした、いわゆるグレーゾーンの子供やその家族を取りこぼすことなく、地域において早期に適切な支援を行うことが必要だと考えます。

 そこで伺います。障害の可能性が見込まれる子供や発達の遅れが気になる子供などが早期に適切な支援を受けられるよう、県はどのように取り組んでいるのか。

 次に、フードバンク活動への支援についてです。

 フードバンク活動とは、包装の破損や印字ミス、賞味期限が近づいたなどの理由で、品質に問題がないにもかかわらず廃棄されてしまう食品、食材を企業、団体、個人から引き取り、福祉施設や支援機関を通じて生活にお困りの方々に無償で提供するものです。特にコロナ禍や物価高騰による影響で生活困窮者が急増する中、フードバンク活動の需要が増し、その活動規模は拡大している一方、食品の管理に必要な場所、食品の移動にかかる費用やスタッフの人件費などの運営経費は寄附やカンパ、助成金等で支えられており、財政面で大きな課題を抱えています。

 そのような中、県がフードバンク活動への理解を深め、今年度から新たに県全域のネットワーク構築に向けた支援事業を創設したことは大きな前進です。

 そこで伺います。県内フードバンク活動のネットワーク構築に向けた支援の状況とその課題はどうか。

 また、フードバンク活動は、困窮者支援だけではなく、食品ロス、食品アクセス確保といった社会的課題を解決するための機能も有しており、部局横断的な取組を通じて、また、官民の連携を強めることで活動を支援していく必要があります。県の食品ロス削減推進計画においても、未利用食品を有効活用するため、県民に対するフードバンク活動への理解促進とともに、事業者、消費者、フードバンク活動団体との効果的な連携方法等について検討し、取り組んでいくとしています。

 そこで伺います。食品ロスの削減や食品アクセスの確保を推進するため、フードバンクの活動とどのように連携していくのか。

 次に、県立保健医療大学の機能強化について伺います。

 千葉県立保健医療大学、略称保医大は、前身の千葉県立衛生短期大学と千葉県医療技術大学校を統合し、平成21年4月に開学しました。2,000名を超える卒業生の多くは、県内の医療機関や自治体等に就職し、地域の保健医療の向上に貢献しています。一方、我が会派からも幾度となく問題提起をしてきたとおり、施設の老朽化や狭隘化、設備更新等への対応、また高齢化の進展や新たな感染症対策など、保健医療に係る環境や時代の変化への対応など、大学の将来の在り方検討は喫緊の課題です。

 県は、今年度から保医大の機能強化に向けて、外部コンサルとともに学部、学科の構成、大学院設置の検討など、県立大学としての役割発揮やあるべき人材育成、キャンパスの立地、施設設備の整備方針、シンクタンク機能や将来的な法人化の検討などについて調査検討をしているところです。同時進行で外部有識者検討会が開かれ、年度内に4回の議論を経て、県は報告書を取りまとめる見通しと聞いています。

 そこで2点伺います。

 1、保健医療大学の教職員や在学生から出された意見はどのようなものか。

 2、有識者等による調査検討会議において、どのような議論が行われているのか。特に大学院の設置を含む教育・研究機能等についてはどうか。

 次に、季節性インフルエンザ予防接種の助成制度についてです。

 全国的に季節性インフルエンザが猛威を振るい、患者数は過去10年で最多との報道がなされました。千葉県でも、12月25日に定点当たりの患者報告数が国の定める警報基準値を超え60.03人となったことからインフルエンザ警報を発令しました。年齢別では、10代未満が31.3%、10代が30.7%と、20代未満の若年層に拡大が広がっており、特にインフルエンザ脳症といった深刻な合併症も指摘され、県は重症化などを予防するため、手洗い、マスクの着用を促すせきエチケットに併せて予防接種を呼びかけています。

 私は、これまでも季節性インフルエンザの予防接種に関しては、コロナ発生以前より一貫して子供への助成制度の創設を訴えてきています。国では、予防接種をしても症状が軽減されるものの、罹患そのものを避けることはできないとして、重症化を防ぐ観点から高齢者のみが定期接種の対象となっています。しかしながら、今回のように若年層での感染拡大、インフルエンザ脳症など深刻な合併症を回避するには、予防接種が有効なのは言うまでもありません。コロナ禍では、新型コロナウイルスと季節性インフルエンザのダブルの流行を回避する観点から、季節性インフルエンザ予防接種費用を助成する自治体が増えたことは認識していますが、現状を鑑みると、子供への助成制度を早急に進め、感染拡大並びに重症化を防ぐことが急務であり、季節性インフルエンザ予防接種の助成を進めるべきと考えます。

 そこで2点伺います。

 1、県内市町村における季節性インフルエンザワクチンの任意接種の助成状況はどうか。また、子供への助成は行われているか。

 2、県においても、子供への季節性インフルエンザ予防接種の助成制度を創設するべきと考えるが、どうか。

 次に、地球温暖化対策についてです。

 地方公共団体は地球温暖化対策推進法に基づき、地球温暖化対策計画に即して温室効果ガス削減のための地方公共団体実行計画を策定することが義務づけられています。この実行計画には、公共施設での再生可能エネルギーや省エネルギー設備の導入など、自治体自身の温室効果ガス削減計画を立てて実行する事務事業編と、自治体のみならず、民間企業や住民を含めた地域全体で再生可能エネルギーや省エネルギーを推進し、削減目標を設定する区域施策編の2種類がありますが、環境省のホームページによりますと、本県の地方公共団体実行計画、区域施策編の策定状況は、令和5年10月時点で54自治体のうち22自治体、40.7%で、同じ関東の東京67.7%、神奈川63.6%、埼玉58.7%に比べ大きく後れを取っています。また、2050年二酸化炭素排出実質ゼロ表明自治体についても、令和6年9月末時点で、本県が54自治体のうち34自治体、63.0%なのに対し、埼玉79.4%、神奈川78.8%、東京77.4%と、これも大きく後れを取っています。

 そこで伺います。県内自治体における地方公共団体実行計画、区域施策編の策定及び2050年二酸化炭素排出実質ゼロ表明への県の働きかけ状況はどうか。

 また、令和4年のちばぎん総研の資料によりますと、県内の企業のうち、温室効果ガス排出抑制に取り組んでいる割合についても、本県44.7%、全国平均は82.6%であり、そのうちの中小企業の取組割合は本県41.9%、全国平均は81.3%と、これも全国平均から大きく後れを取っています。

 そこで伺います。県内中小企業の温室効果ガス排出抑制に向けた取組に対し、県はどのように支援していくのか。

 次に、観光政策についてです。

 令和元年度から施行されていた第3次観光立県ちば推進基本計画は、令和5年度で計画期間が終了しており、1年がたとうとする現時点でも新たな計画が策定されていません。この間、コロナ禍を経て観光産業を取り巻く環境は、インバウンド客は中国の団体客から欧米系も含めた個人客に移行したり、観光誘客の在り方が量より質に転換しているなどの変化が起きています。このような変化を受けて、観光地では高級宿泊施設やガストロノミーツーリズムなど、来訪客が高額な消費をする観光コンテンツの造成、観光客の質の変化に伴う人材育成など、新たな課題が山積しています。県は宿泊税の導入を決断しており、その効果的な使途も含めて、新たな観光政策について考え方をまとめる必要があります。そこで、新たな観光立県ちば推進基本計画の策定による具体的な目標設定や施策の方向性を示すことが急務となっています。

 そこで2点伺います。

 1、観光立県ちば推進基本計画は昨年度末に計画期間が終了したが、前計画についてどう評価をしているか。

 2、次期計画を策定する予定はあるか。また、策定する場合の考え方はどうか。

 次に、第11次千葉県職業能力開発計画についてです。

 現在、日本では新規学卒者が就職後早期に離職してしまうなど、労働者のスキル向上が進んでいません。また、日本の労働者のエンゲージメント率、職場に対する愛着、情熱は、民間による最新調査では僅か5%であり、調査対象の125か国の平均値23%に対して最下位の数値となっています。労働者の低いモチベーションは当然に労働生産性に影響し、労働生産性の指標の1つである1人当たりGDP、ドルベースは、1995年当時の世界第2位から大きくその順位を下げ、2024年現在ではG7中最下位、世界では38位となっており、この数値は韓国よりも低位となっています。

 このような状況を好転させるために職業訓練の重要性を再認識する必要があり、特に若年時に専門性を身につける職業訓練を受けて高度な産業人材に成長する機会があること、また、再就職が容易となるリスキリングの機会があることが重要となっています。県による産業人材育成施策としては、職業訓練校としてテクノスクールを運営していますが、ますますその重要性が増しています。一方で、テクノスクールの現状を見ると、その潜在力が発揮されていない部分もあると感じています。

 そこで、今後、県が行う職業訓練の在り方について2点伺います。

 1、第11次千葉県職業能力開発計画において、本県の産業人材の育成にどのように取り組むこととしているのか。また、その取組状況はどうか。

 2、若者が技能習得に意欲を持って取り組めるよう、県はどのような支援をしているのか。

 次に、農林水産業の振興についてです。

 千葉県は全国有数の農業県であり、私の地元市川市をはじめ、都市部においても園芸作物を中心とした高収益な農業が営まれ、新鮮な農産物の供給が行われています。しかしながら、担い手の高齢化や後継者の不足などから、都市部において農地の減少が続いており、このままではますます都市住民の農業への関心が薄れていくことを懸念しています。

 私は、地元で農業に関心のある住民が農作業を手伝う農業ボランティア組織に参加しています。農業ボランティアは労働力不足に悩む農家の手助けとなるほか、参加者にとっても、地元の農業に関心を持つきっかけとなるものです。このように、都市農業の振興においては、様々な機会を通じて地域住民の農業への理解を得ていくことも重要だと考えます。

 そこで伺います。都市農業について、地域住民の理解醸成に取り組んでいくべきと思うが、どうか。

 また、市川市や船橋市など、都市部に隣接した東京湾の内湾では、ノリ養殖業や貝類漁業のほか、まき網や小型底引き網など多種多様な漁業が営まれており、水揚げされる水産物は江戸前物と評価をされています。しかしながら、東京湾の内湾における漁業の生産量は総じて減少傾向にあり、例えばノリ養殖業については、近年、海水温の上昇などの影響により生産量が大きく減少していることから、これまでに高水温に耐性のある品種の開発や食害の防止対策などが講じられてきましたが、漁業経営の安定に向けたさらなる対策が必要と考えます。

 また一方では、漁業者の新たな収入源として海業の取組が注目されています。東京湾の内湾においても、都市部に近い立地条件を生かし、従来から潮干狩りや簀立て遊び、漁協の直売所などが運営されており、こうした取組を推進することで漁業者の所得向上につながることが期待されています。

 そこで伺います。都市部における漁業者の所得向上について、県の取組はどうか。

 そして、県では県産農林水産物の魅力発信のため、フェアやキャンペーンの開催など様々な取組を進めていると伺っています。

 一方で、その魅力が消費者に定着しているのか大変気になるところですが、魅力の発信の手法については工夫の余地があると考えます。例えば県産品のブランド化に向けた取組について、昨年6月議会で我が会派の質問で取り上げた地域産品の知的財産の保護に関する公的なお墨つきであるGI、地理的表示保護制度は、取得産品の販売促進だけではなく、地域の知名度向上にも資するものです。また、販路が多様化している中、ネット販売の活用や大口の企業との取引につながるBtoBの取引の推進など、新たな取組を進めることも必要です。こうした様々な取組によって、最終的には県産品の魅力が消費者に定着し、高価格であっても購入する価値があると感じてもらえたり、その産地に関心を持ち、実際に足を運んでもらうことなどにもつながると考えます。

 そこで伺います。県産農林水産物の魅力を発信するため、県はどのように取り組んでいるのか。

 次に、港湾整備についてです。

 本県には、国際拠点港湾として千葉港が、重要港湾として木更津港が、地方港湾として上総湊港、浜金谷港、館山港、興津港、名洗港の7港があり、それぞれの地域の特性を生かしながら産業振興や地域経済の活性化に重要な役割を担っています。しかし、現在、港湾の既存岸壁や設備の老朽化が著しくなっており、本県の経済を活性化させるためにも港湾の整備は大変重要です。

 令和2年11月に国が改定した海岸保全基本方針においても、気候変動に伴い、将来的に予測される海面の上昇や台風の強大化などの影響を海岸保全基本計画に適切に盛り込むことが示されており、海岸保全に国も取り組もうとしています。

 また、南海トラフ地震をはじめ大規模地震の切迫性も指摘され、大規模地震が発生した際に被災地での食料、毛布等の緊急物資や支援部隊の受入れ等が困難になることが想定もされています。地震発生時に港湾機能を維持し、海上からの物資輸送や救援部隊の輸送、被災者の救援輸送、基幹的な海上物流ネットワークの確保等の重要な役割を果たすことが必要となってきていることから、これらの物資や支援部隊、避難者の輸送について、港を通じた海上輸送を可能とするための耐震性を強化した係留施設である耐震強化岸壁の整備も進めています。

 そこで2点伺います。

 1、千葉県の港湾における耐震強化岸壁の整備状況はどうか。

 2、今後の耐震強化岸壁の整備について、どのように取り組んでいくのか。

 そして、老朽化している企業岸壁等についても伺います。

 国の直轄事業で行われている耐震強化岸壁や公共岸壁の整備を進めていくことはもちろんですけれども、それ以外にも、本県の岸壁の約9割を占める民間の企業岸壁や護岸の整備も必要と考えます。こうしている間にも矢板の腐食、護岸の劣化、地盤沈下は進み、事態は悪化の一途をたどっていると言わざるを得ず、県が主体性を持って調整していくべきだと考えます。

 そこで伺います。港湾において、老朽化している企業岸壁等についてはどのように対応しているのか。

 次に、教育問題について伺います。

 令和5年10月13日、県立高校の2年生女子生徒が自殺するという痛ましい事件が発生しました。生徒は教員との関係に悩み、学校に助けを求めていました。それにもかかわらず、学校は生徒のSOSを受け止めることができず、生徒の自殺を防ぐことができませんでした。県教育委員会が設置した第三者委員会の調査結果には、学校側の対応に深刻な問題があったことが複数指摘されています。特に生徒の3度にわたるSOSが全て見過ごされていたことは看過できません。学校は生徒のSOSに耳を傾け、適切な支援を行うべきでした。また、管理職が状況を十分に把握できておらず、生徒が発したSOSを受け止める体制に大きな問題があったと言わざるを得ません。

 そこで伺います。学校が児童生徒の発したSOSを決して見逃さないように、県教育委員会としてどのように取り組んでいくのか。

 次に、困難家庭の就学及び進学支援についてです。

 今月公表された文部科学省の調査結果によれば、市町村が行っている本県の就学援助の割合は、令和5年度で小中学校全児童生徒の約8.6%となるなど、子育て世帯において、いわゆる低所得世帯の割合は約10%に及ぶと考えられます。物価高騰や経済格差が進む中、こうした低所得世帯の生徒が高校に進学する場合には県の就学支援が大変重要です。また、これらの生徒が大学等へ進学を望む場合、国の大学等無償化制度の対象となり、世帯収入などにより支援額は異なりますが、授業料と入学金の免除や減額を受けられます。困難家庭の就学及び進学支援の制度については、一人一人にきちんと周知が図られる必要があります。

 そこで2点伺います。

 1、経済的な不安を抱える高校生等に対し、県教育委員会ではどのように支援を行っているのか。

 2、大学等への進学を目指す高校生等に対し、県教育委員会では、国の高等教育無償化制度をどのように周知しているのか。

 次に、学校施設の空調整備についてです。

 小中学校体育館の空調設置率は全国で約2割にとどまっており、小中学校においても、さらなる設置促進が必要な状況です。12月に成立した国の補正予算において、文部科学省から公立小中学校や特別支援学校に対し、災害時に避難所として活用される学校体育館の空調整備を進めるため事業費が計上されたところであり、体育館の空調整備を加速させていく必要があります。一方、県立高校の空調については、現在、管理諸室等で整備が進められているところですが、昨今の異常気象で夏の学校の体育館は37度以上にもなる、どうにかならないかとの声も聞かれ、災害時の避難場所などになっている場合もあることから、県立高校の体育館についても早急に検討すべき課題であると考えます。

 そこで伺います。

 1、国の補正予算を踏まえ、市町村立小中学校の体育館空調設備の整備が円滑に進むよう、県教育委員会としても積極的に関わっていくべきと考えるが、どうか。

 2、県立高校の空調整備の進捗状況はどうか。また、県立高校体育館に空調整備を進めるべきと思うが、どうか。

 次に、学校における問題行動についてです。

 文部科学省により毎年行われている児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査の令和5年度の結果が昨年10月下旬に発表されました。令和5年2月、文部科学省は、重大ないじめや犯罪行為に相当する19の事例を挙げ、このような事態が起きた場合には、学校が速やかに警察と連携して対応することを求める通知を全国の教育委員会などに対し出しています。この通知では、例示されたようないじめは、学校内では対応できない場合があり、犯罪行為に当たる場合が考えられるとし、このような被害から児童生徒の安全を守ることを最優先するため、警察との連携が必要としています。

 また、過去に警察が介入した事案として、生徒のわいせつ画像が学校内で拡散された際、警察の速やかな捜査により、さらなる拡散を防いだことなどを紹介し、学校と警察間の連携のための関係構築を図ることが重要としています。本県においても、警察、司法の力を借りなければならない事案があるとお聞きしています。

 そこで伺います。令和5年度における暴力行為といじめの状況及びその対応のため、学校と警察が連携した件数はどうなっているか。

 次に、県内における交番の設置についてです。

 昨今、闇バイト事件の多発や相次ぐ無差別殺傷事件を受け、より地域住民の身近なところで暮らしの安全を守る重要性が増しています。県では、交番設置要望の多い地域への移動交番車の巡回や、市町村では独自に防犯ボックスや防犯ステーションを設置し、地域の安全・安心につなげる取組を進めていますが、やはり警察官がしっかりと交代で常駐し、警戒活動を行う交番の役割が今の時代には必要なことから、交番設置に対する要望が後を絶ちません。県警では、交番の設置については事件、事故の発生状況等の治安情勢や人口、世帯数などを総合的に検討の上、必要性を判断しているとお聞きしていますが、現状についてはどうなのか、気になるところです。

 そこで2点伺います。

 1、これまでの交番設置状況等はどうか。

 2、交番新設要望になかなか応えづらい状況において、どのように対応するのか。

 以上が1回目の質問です。知事並びに執行部におかれましては、明快かつ前向きな御答弁をお願いいたします。(拍手)

○副議長(實川 隆君) 守屋貴子君の質問に対する当局の答弁を求めます。知事熊谷俊人君。

 (知事熊谷俊人君登壇)

○知事(熊谷俊人君) 立憲民主党の守屋貴子議員の代表質問にお答えをいたします。

 まず、政治姿勢についてお答えをいたします。

 予算編成に関する御質問ですが、来年度当初予算については人件費や社会保障費などの義務的経費が引き続き増加をしており、財源不足を補うため、依然として財政調整基金を取り崩して収支均衡を図っている状況です。また、政策的経費を計上する予定の6月補正においては、さらに財源不足が拡大することに加え、今後も義務的経費が増加する傾向は確実に続くことが見込まれるため、将来にわたって必要な施策を実施していくためには中長期的に安定的な財政運営を行うことが必要です。このため、今年度については財政調整基金の取崩し額を縮小し、残高の維持を図るとともに、長寿命化基金等にも積立てを行うほか、来年度当初予算においては県民生活への影響にも留意をしながら既存の事務事業の見直しを行った結果、約10億円を削減することなどにより財源の確保に取り組んだところです。

 人口減少対策に関する御質問ですが、人口減少は我が国全体が直面する喫緊の課題であり、本県においても地域経済の縮小、各分野における人手不足、集落機能の低下など、様々な影響が懸念されます。このため、急激な人口減少を緩やかにしていくとともに、人口減少下にあっても地域の活力を維持向上させていくための取組が必要です。県では、結婚支援や子供を産み育てやすい環境づくりなどの少子化対策や次世代を担う子供、若者への支援を進めるとともに、首都圏にありながら豊かな自然を有する千葉県の強みを生かし、移住、定住の促進や各地域の特性を生かした商工業、農林水産業の振興などに取り組んでいます。

 また、成田空港における第3滑走路の新設など、第2の開港とも言うべき機能強化や圏央道、北千葉道路など、広域道路ネットワークの整備進展といったチャンスを生かし、本県に向かう人、物、財の流れを促進するため、県政の各分野にわたって施策横断的な取組を進めております。さらに、人口減少に伴う様々な課題に対応するため、DXの推進による生産性向上を図るほか、多様性を尊重し、誰もが活躍できる社会づくりを進めるなど、県民や企業、市町村など本県の持つ力を結集し、将来にわたって活力ある千葉県づくりを進めてまいります。

 カスタマーハラスメント防止条例の制定に関する御質問ですが、カスタマーハラスメントは、他のハラスメントとは違い、事業主の適切な対応等が法律で義務化されていない状況です。しかしながら、昨年度実施をした職場環境に関する県のアンケート調査において、相談や苦情があると回答した事業所は約23%と増加傾向にあり、不当なクレームにより健康を害するなど、深刻な影響が生じている事例もあるとの声を聞いております。このため、今後は事業主などに対し、法令等による適切な対策を求めていくことが必要と考えており、条例の制定も選択肢の1つと考えています。一方、国においても、現在、義務化に向けた法改正の議論が進んでおり、改正法に基づく指針において、事業主がカスタマーハラスメントに関する方針を明確化し、その周知を図ることや相談への具体的な対応方法などを定める方向で検討されております。県としては、その進捗を注視しつつ、カスタマーハラスメント対策として改正法に基づく対応と条例制定による対応のどちらが望ましいのか、しっかりと見極めていきたいと考えています。

 県内の道路や県境橋梁に関する御質問ですが、広域的な幹線道路ネットワークや県境橋梁の整備は、県内外の交流、連携の強化や地域経済の活性化はもとより、災害時には緊急物資の輸送や復旧活動等を支えるなど大変重要です。このうち人口が集中し、渋滞が深刻化している県北西部の道路整備は急務であります。北千葉道路について、令和3年度に事業化された市川-松戸間は、現在、用地取得に向けた説明会の準備が進められ、新湾岸道路や千葉北西連絡道路については、概略ルート・構造の検討に向け地域とのコミュニケーション活動を実施しているところです。さらに、他都県との交流連携や防災力の強化を図るため、東京都との県境の(仮称)押切・湊橋を令和4年度に事業化し、埼玉県と千葉県、茨城県を結ぶ都市軸道路のうち、三郷流山橋有料道路は令和5年度に開通し、茨城県境の利根川渡河橋については早期事業化に向け取り組んでいるところです。引き続き国や隣接都県、沿線市と連携をしながら道路ネットワークや県境橋梁の整備推進に努めてまいります。

 次に、発酵を活用した千葉の魅力発信についての御質問にお答えをいたします。

 本県は、生産量日本一のしょうゆやみりんをはじめ日本酒やみそ、乳製品の生産も盛んであり、バイオテクノロジー分野の企業や研究所も立地をするなど、発酵に関わる様々な文化、産業が根づいており、発酵は本県の魅力発信や産業振興、地域活性化など、幅広い分野において県内の様々な主体とともに取り組めるテーマと考えています。そこで今年8月、大阪・関西万博で発酵をテーマに出展し、千葉県の発酵に関する歴史、文化等の展示、紹介に加え、飲食、体験メニュー等の提供により、本県の誇る発酵を国内外に発信をする予定です。万博出展を弾みとして、県内外に向けて観光や県産食材、食品の販売促進、文化振興など様々な側面から、「発酵県ちば」を千葉県のブランドとしてさらに発信できるよう、市町村や企業等との関係者と連携をしながら取り組んでまいります。

 次に、多様性の尊重についてお答えいたします。

 今後の取組についての御質問ですが、県では、昨年1月に施行した多様性尊重条例の下、外国籍の子供の日本語学習等の支援や県立高校のエレベーター設置、県営住宅における同性パートナー等の入居要件の緩和など、多様性が尊重される社会の実現に向けた取組を一つ一つ着実に推進してきたところです。こうした歩みを止めることなく、来年度は新たな施策として多様性尊重の意識醸成を図るため、先進的な取組を行う企業等の表彰やシンポジウムを実施するほか、防災情報のバリアフリー化や外国語による110番通報に対応するための多言語コールセンターの導入、LINEによるLGBTQ相談等に取り組みます。今後も多様性の尊重が生きづらさの解消や社会の活力、創造性の向上につながるとの認識の下、部局横断的に様々な分野で取組の充実を図り、誰もがその人らしく生き、活躍できる千葉県づくりを進めてまいります。

 次に、避難生活の改善についての御質問にお答えいたします。

 国では能登半島地震における対応に加え、避難所等における1人当たりのスペースやトイレの数などを示した国際基準であるスフィア基準等を踏まえ、良好な避難環境の確保に向けた取組指針を改定したところです。これを受け、県においては、市町村における良好な避難環境の確保の取組が進むよう避難所運営の手引きを改定し、トイレカーやトイレトレーラーの活用を含めた快適なトイレ環境のほか、1人当たりのスペースの拡大やパーティション、簡易ベッドによる生活空間の確保、栄養バランスや温度に配慮した食事の質の向上などを改めて働きかけているところです。また、これまでキッチンカーの派遣に関する災害ボランティア、支援団体との協定に基づき食事の提供体制の拡充を進めてきたことなどに加え、今後、県としてもトイレカーを導入し、発災時には避難所支援に活用するなど、避難環境の一層の改善に取り組んでまいります。

 次に、障害児支援についての御質問にお答えいたします。

 子供の心身の健やかな成長を促し、子育てに対する家族の不安や負担の軽減を図るため、障害の可能性が見込まれる子供などとその家族が地域において早期に適切な支援を受けることのできる環境を整備することは大変重要と認識をしています。このため県では、障害者手帳の有無や診断名等にかかわらず、相談支援や療育支援、保育所等への助言などを行う障害児等療育支援事業を県内約60の事業所に委託をして実施しているところです。また、千葉県発達障害者支援センターを県内2か所に設置をし、家族等からの相談に応じるほか、ペアレントトレーニング等を実施する市町村等に対し専門家を派遣するなど、地域における取組を支援しています。今後とも市町村や関係団体と連携をし、障害や発達の遅れが気になる段階から、身近な地域において適切な支援を受けられるよう取り組んでまいります。

 次に、観光政策についてお答えをいたします。

 観光立県ちば推進基本計画の評価についての御質問ですが、前計画は東京2020オリンピック・パラリンピック開催を契機に、本県が繰り返し選ばれる国際観光県になることを目指し、国内外からの観光客の受入れ体制の整備を図るとともに、魅力ある観光地づくりなどに取り組むこととしておりました。しかしながら、感染症の拡大、その後の旅行需要の多様化など観光を取り巻く環境が一変したため、その都度、状況変化を踏まえながら適時適切な施策を考え、実行してまいりました。具体的には付加価値の高い観光コンテンツの造成やワーケーションの促進、外国人の利用の多いオンライン予約サイトの活用支援などの取組を進めました。その結果、観光入り込み客数等については目標値を下回ったものの、旅行総消費額については目標値の1兆5,500億円を上回り、約1兆8,000億円となる見込みとなっています。

 最後に、農林水産業の振興についてお答えいたします。

 県産農林水産物の魅力発信に関する御質問ですが、県では、県内外の消費者に向けて県産農林水産物の魅力を発信するプロモーションを実施することで、消費者に選ばれるおいしい千葉の農林水産物としてのイメージアップに取り組んでいます。今年度の取組では梨のプレゼントキャンペーンを実施するとともに、さつまいもアンバサダーによるメディア向けイベントを開催し、400件以上の媒体で紹介をされたほか、3月には魅力発信に資する地理的表示保護制度の取得に向けた研修会を実施する予定です。さらに、来年度は新たに高付加価値商品を取り扱う高級スーパー等と生産者とのマッチングや、ECサイト上に本県の特設ページを設け販売を行うほか、県が新たに開発をしたノリの名称やロゴマークの公募等を実施し、ブランド化に向けた取組を進めるなど、県産農林水産物の魅力の一層の発信と新たな販路開拓を支援してまいります。

 私からは以上でございます。他の質問につきましては副知事及び担当部局長からお答えをいたします。

○副議長(實川 隆君) 副知事穴澤幸男君。

 (説明者穴澤幸男君登壇)

○説明者(穴澤幸男君) 私からは、まず、所得税及び個人住民税の控除の引上げについての御質問にお答えします。

 いわゆる103万円の壁については、閣議決定された令和7年度税制改正の大綱によると、所得税では給与所得控除の最低保障額と基礎控除額を合計20万円、住民税では最低保障額を10万円引き上げるとされ、これによる影響額は全国でそれぞれ約5,730億円と、約700億円の減収と試算されています。この試算を用いて本県への影響額を税収比率で機械的に計算すると、令和8年度以降の個人県民税で年間約15億円、個人市町村民税で約23億円となり、県と市町村の合計で約38億円の減収となります。控除額の見直しは、個人の所得増や経済の活性化につながることが期待される一方、個人住民税だけでなく、地方交付税の原資となる所得税の減収も見込まれることから、引き続き国の責任において、代替となる財源を適切に確保するよう要望してまいります。

 次に、職員の適正配置についてお答えいたします。

 時間外勤務が多い職員についての御質問ですが、令和5年度、知事部局において、年間の時間外勤務の時間数が多い上位3名の職員については、1番目が商工労働部経済政策課の職員で1,131時間、2番目が健康福祉部障害福祉事業課の職員で1,115時間、3番目が総務部政策法務課の職員で1,104時間となっております。

 時間外勤務が多い所属についての御質問ですが、令和5年度、知事部局において、職員1人当たりの月平均時間外勤務の時間数が多い上位3所属については、1番目が県土整備部河川整備課で月平均47.5時間、2番目が商工労働部産業人材課で月平均46.4時間、3番目が環境生活部文化振興課で月平均41.6時間となっております。

 職員の適正配置について、県の対応についての御質問ですが、県では効率的な行政運営を図るため、毎年度、事務事業や組織の見直しを行うとともに、各施策が着実に推進できるよう適切な人員配置に努めているところです。また、緊急突発的な事態や新規事業が生じた場合には、所属内や部局内において応援体制を構築するとともに、臨時的任用職員の採用や人事異動の実施などにより、職員を適正に配置して事案に対応するとともに時間外勤務の縮減を図っています。今後もデジタル技術の活用などにより、さらなる業務の効率化に取り組むとともに、柔軟で機動性の高い業務執行体制の構築を図ってまいります。

 次に、千葉県職員人材基本方針についてお答えいたします。

 職員へのエンゲージメント調査に関する御質問ですが、県では職員の確保、定着を図り、質の高い県民サービスを安定的に提供するため、職員が安心して能力を発揮できる職場環境づくりを進めており、その取組の参考とするため、職場としての県庁への意識やニーズの把握を目的としたアンケート調査を昨年度初めて実施したところです。ニーズに関しては、意欲的に働くために重要視するものとして、回答者の4割以上が円滑なコミュニケーションや社会貢献を選択し、エンゲージメント向上に有効な取組として、7割以上が職員の年齢層に応じてアプローチを変えることや、新しい働き方を積極的に取り入れる組織風土の醸成と回答しました。今後も定期的にアンケートを実施し、職員の意識やニーズを踏まえながら職員のエンゲージメントの向上に努めてまいります。

 職場環境の整備についての御質問ですが、複雑多様化する行政課題に的確に対応していくためには、人材の確保、定着とともに、職員が安心して能力を発揮できる職場環境の整備が重要であることから、これらの取組を一体的に推進するため、エンゲージメントに関するアンケート調査の結果も踏まえながら、現在、千葉県職員人材基本方針の策定を進めているところです。基本方針では、フレックスタイム制やテレワークの活用等による多様で柔軟な働き方を推進するとともに、メンター制度による支援、所属や業務の垣根を越えた提案や議論の場の創出などにより、風通しがよく、職員が相談、発言、行動しやすい職場の風土づくりなどを進めることとしています。今後も職員が安心して能力を発揮できる職場環境の整備に向け、より一層取組を推進し、ここで働きたい、働き続けたいと思われる千葉県庁を築いてまいります。

 フレックスタイム制についての御質問ですが、フレックスタイム制の対象となる約9,400名の職員のうち、1月1日時点で535名の職員が制度の利用を申請しており、このうち、週休3日を選択したことのある職員は196名となっています。利用した職員へのアンケートでは、業務の繁閑に合わせて勤務時間を調整することで公私ともに充実し、仕事のモチベーションが上がった、混雑する時間帯を避けることで通勤の負担が軽くなった、早朝に集中して業務を行うことができ業務効率が上がったなどの声があり、職員のライフスタイルに合わせた多様で柔軟な働き方が可能になったものと考えております。職員のモチベーションの向上は組織全体のパフォーマンスの向上につながり、最終的には質の高い県民サービスを県民の皆様に提供できるものと考えており、引き続き制度を利用しやすい職場環境づくりに努めてまいります。

 次に、多様性の尊重についてお答えします。

 地域日本語教育の推進についての御質問ですが、県では国籍及び文化的背景にかかわらず、共に安心して暮らせる県づくりなどを進めるため、昨年12月に千葉県外国人活躍・多文化共生推進プランを策定したところです。プランでは、県内在住の外国人が地域の一員として暮らしていくためには日本語や生活ルール等の習得が重要であることから、日本語学習などを支援する地域日本語教育の取組を充実させることとしています。そこで、令和7年度から外国人労働者の配偶者などを対象に、オンラインを活用した入門レベルの日本語教育や生活オリエンテーションを実施します。さらに、地域の日本語教育に関わるコーディネーターの増員や市町村が行う地域日本語教育への補助を拡充します。今後も市町村をはじめとした様々な主体との連携を強化しながら、日本人と外国人の県民が共に安心して暮らしていけるよう、しっかりと取り組んでまいります。

 次に、農林水産業の振興についてお答えいたします。

 都市農業についての御質問ですが、市街地やその周辺地域で行われる都市農業は、新鮮な農産物の供給や農業体験の場の提供に加え、環境保全や景観形成、防災空間の確保などの多様な機能を有することから、その有用性について地域住民の理解醸成を図ることは重要なことだと考えています。このため県では、地域住民が農業により触れやすくなるよう、県内の市民農園及び農業体験施設の情報発信や観光農園の施設整備等に対する支援を行っており、また直売所等と連携したキャンペーンなどを通じ、地場農産物の魅力発信にも取り組んでいるところです。さらに、市町やJAでは、農業への理解促進につながる農業ボランティア制度が設けられており、県としてもボランティア養成への協力や安全な作業に向けた周知を行っています。引き続き市町などとも連携を図り、都市農業への理解醸成に取り組んでまいります。

 都市部における漁業者の所得向上についての御質問ですが、東京湾の内湾では、春から秋にかけて貧酸素水塊の形成が常態化し青潮が毎年発生している上、近年は海水温の上昇など漁場環境が変化しており、貝類漁業やノリ養殖業などに影響が生じています。このため県では、覆砂によるアサリ漁場の造成を支援するとともに、ノリ養殖業においては、市川市の漁業者と連携し、おとりの餌場にクロダイを集中させることで周辺漁場の食害を軽減する新たな手法を確立したところであり、今後、他の漁場においても本取組を展開してまいります。さらに、千葉ブランド水産物として認定した三番瀬ホンビノス貝や江戸前船橋瞬〆すずきを重点的にPRしているほか、海業の推進のため、現在、内湾地域を含め、県内4地域ごとの目指す姿を示す千葉県海業推進基本構想の策定を進めているところであり、引き続き都市部における漁業者の所得向上に取り組んでまいります。

 次に、港湾整備についてお答えいたします。

 耐震強化岸壁の整備状況についての御質問ですが、本県の地域防災計画では、大規模災害時に被災者の救援や緊急物資の輸送に対処するため海上輸送の確保が重要であることから、耐震強化岸壁の整備等により港湾機能の確保に努めることとしています。港湾管理者である県としては、千葉港の千葉港区で6か所、葛南港区で4か所、木更津港で2か所、館山港で1か所の合計13か所において、耐震強化岸壁の整備を計画しております。これまでに千葉港の千葉港区で2か所、葛南港区で3か所、木更津港で1か所、館山港で1か所の合計7か所で耐震強化岸壁の整備が完了したところです。

 今後の耐震強化岸壁の整備についての御質問ですが、現在、千葉港千葉中央地区の出洲埠頭において、国の直轄事業により耐震強化岸壁の整備を進めているところです。また、木更津港の未整備箇所についても、昨今の災害等を踏まえ今後予定している港湾計画の改定に合わせ、岸壁の位置や規模について、港湾関係団体や防災部局等と連携しながら再検討することとしております。引き続き現在整備中である岸壁の早期供用を図るとともに、未整備箇所についても、国や関係機関と調整しながら事業の実施に向け取り組んでまいります。

 最後に企業岸壁等への対応についての御質問ですが、本県の港湾区域には企業が所有する岸壁等が多くあり、その維持管理については、原則として各所有者が適切に行うべきものと認識しております。港湾管理者である県としては、企業が所有する岸壁等について、維持管理状況の報告を受けているほか、岸壁等の耐震強化に関する支援制度の創設について、港湾関係団体とともに国へ働きかけを行っています。今後も水域パトロールを随時実施するとともに、岸壁が崩落するなど、水域に著しい支障を及ぼすおそれがある場合には改善を行うよう指導するなど、企業に対し適切な維持管理を促すことにより、良好な港湾環境の保持に努めてまいります。

 私からは以上でございます。

○副議長(實川 隆君) 副知事黒野嘉之君。

 (説明者黒野嘉之君登壇)

○説明者(黒野嘉之君) 私からは、まず、バリアフリーの推進についてお答えいたします。

 千葉県福祉のまちづくり条例の見直しについての御質問ですが、県では、全ての人が安心して生活できる社会を構築するため、千葉県福祉のまちづくり条例を平成8年に制定し、商業施設などを含む公益的施設等の所有者及び管理者に対し、施設等の規模にかかわらず、高齢者、障害者等が安全かつ快適に利用できるよう努めることを求めております。公益的施設等の構造及び設備に関し必要な基準については、条例に基づき規則で定めておりますが、大規模施設などの管理者等に対しバリアフリー化を義務づける、いわゆるバリアフリー法の整備基準も参考に新しい技術や設備機器などに対応した内容とするため、平成26年に規則の改正を行ったところです。今後も国の動向や社会状況の変化等を注視しながら、必要な基準の見直しについて検討してまいります。

 次に、バリアフリー化の実態調査をするべきとの御質問ですが、千葉県福祉のまちづくり条例では、公益的施設等についてバリアフリー整備を促進するため、条例に基づく構造及び設備の整備基準への適合に努めるよう、施設等の規模にかかわらず、その所有者及び管理者に求めております。また、公益的施設等の新設または改修を行う場合に、用途及び規模に応じて県等への届出を義務づけており、バリアフリー化の対応状況について把握するとともに、整備基準に適合していないことを確認した際には指導しているところです。今後とも同条例の適切な運用により、高齢者及び障害者を含む全ての人が安心して生活できる社会の構築を推進してまいります。

 次に、フードバンク活動のネットワーク構築に向けた支援についての御質問ですが、生活困窮者等に対して食品を無料で提供するフードバンク活動が県内全ての地域で円滑に行われるためには、県全域でフードバンクが連携して活動できるネットワークを構築することが重要と認識しております。このため県では、今年度より県全域及び各地域のフードバンク団体間の食料品の受入れ、提供や広域的な食料支援等に対し補助する事業を開始し、現在、県全域のネットワーク構築を担うフードバンク1団体、各地域での食品の受入れ、提供の拠点を担うフードバンク2団体を補助対象に選定しているところです。一方、地域での拠点を担うフードバンクの確保が課題となっており、フードバンク活動の県内各地域への拡大が図れるよう、地域の状況等を把握しながら必要な支援を行ってまいります。

 次に、食品ロス削減、食品アクセス確保推進のためのフードバンクとの連携についての御質問ですが、県では千葉県食品ロス削減推進計画において、未利用食品を有効活用するため、県民に対してフードバンク活動への理解を促進するとともに、事業者、消費者、行政等と、フードバンク活動団体との効果的な連携方法等について検討することとしております。そのため、これまで商業施設での3R等の啓発イベントに合わせ、家庭で余っている未利用食品を集めて必要な団体に寄附するフードドライブを行い、県民向けに周知に努めてまいりました。今後はフードバンクの活動情報と、その活動に御理解いただいている食品ロス削減パートナーやJAグループなどの情報をお互いに共有できる仕組みを検討するなど、関係団体の連携を促してまいります。引き続き関係部局で連携の上、フードバンクのネットワークなどを活用し、食品ロス削減や食品アクセス確保とフードバンクの活動支援の両立に努めてまいります。

 次に、保健医療大学の機能強化に係る同大学の教職員等の意見についての御質問ですが、県では、保健医療大学の機能強化に向けた具体的な方向性を検討するため、今年度、保健医療大学の教職員へのヒアリング調査や在学生へのアンケート調査等を実施し、課題やニーズの把握を行っております。教職員へのヒアリング調査では、大学院を設置して教育・研究機能等を強化すべきといった意見が出たほか、施設設備面の充実、老朽化への対応や通信環境の強化に関する意見が出ております。また、在学生へのアンケート調査では、教育内容について満足している、やや満足していると回答した学生が約92%、キャンパスの立地について、現在、幕張と仁戸名の2か所に立地しているキャンパスを幕張に統合すべきと回答した学生が約40%、分からないが約35%、現状のままでよいが約23%、その他の回答が約2%となっております。

 次に、保健医療大学の機能強化に向けた調査検討会議についての御質問ですが、県ではこれまで3回の会議を開催し、保健医療大学で養成すべき人材像、教育内容や必要な組織、立地及び施設設備、運営主体などの事項について協議を行っております。会議においては、大学院を設置し、千葉県を背負っていくリーダーとなる人材を育成していただきたい、デジタル化や国際化への対応が重要、千葉県で働きたいと思える教育をすべき、建築費は今後も下がる見込みはないと思うので、なるべく早く建築に着手できるよう検討を進めるべきなどの御意見をいただいているところです。今後、3月に開催を予定している第4回会議での御意見等も含めて、機能強化の方向性等に関する協議結果を報告書として取りまとめることとしており、県では、これを受けて具体的な取組内容や今後のスケジュール等を検討してまいります。

 次に、季節性インフルエンザワクチンの任意接種に関する御質問ですが、予防接種法によるインフルエンザワクチンの定期接種は65歳以上の高齢者等が対象であり、これ以外の方へ行われる任意接種の費用は全額自己負担となりますが、一部の市町村では独自の費用助成が行われております。県内市町村における任意接種の費用助成については、本年度は24団体が実施しており、前年度から3団体増加しております。そのうち、12歳までの子供が対象に含まれているのは21団体で、前年度から3団体増加しております。

 次に、子供の季節性インフルエンザ予防接種への助成に関する御質問ですが、子供への季節性インフルエンザ予防接種については、現在、個人で接種の判断をする任意接種とされております。一方、予防接種には、子供においても発症をある程度抑える効果や重症化を予防する効果があることから、県ではインフルエンザの感染拡大防止策として、手洗いやせきエチケットと併せて予防接種を受けることを広く県民に呼びかけており、ホームページやSNS等で発信しているところです。接種費用の助成については、引き続き市町村の取組状況を把握するとともに他県の状況を注視してまいります。

 次に、地球温暖化対策に係る計画策定等についての御質問ですが、地球温暖化対策推進法に基づく地方公共団体実行計画の区域施策編について、県内では、令和6年12月末時点で25市町において策定されているところであり、今年度中にさらに6市において策定予定と聞いております。県では、先日開催した地球温暖化対策市町村説明会において、県全体におけるカーボンニュートラルを推進するため、改めて計画未策定の市町村に策定を促すとともに、2050年二酸化炭素排出実質ゼロ表明についてもお願いをしたところです。引き続き市町村に対し、先進的、優良な取組の紹介と併せて計画策定やゼロ表明を働きかけるとともに、計画策定に際しての技術的助言を行うなどにより支援してまいります。

 次に、県内中小企業における温室効果ガス排出抑制の取組に対する支援についての御質問ですが、中小企業における脱炭素化に向けては、再生可能エネルギーの導入や省エネルギーの取組に関するノウハウ、資金の不足などが課題となっております。このため県では、脱炭素化に資する設備投資に対して支援を行うとともに、エネルギー管理士等による伴走型の相談対応や訪問支援、事業者向けのセミナーを実施する千葉県中小事業者等脱炭素化支援センターを今年度開設し、これまで約120件の相談対応を行っております。今後も相談対応において効果的な取組となった事例などを取りまとめて横展開を図るとともに、各種事業の積極的な活用を促すなど、引き続き中小企業の脱炭素化に向けた取組を支援してまいります。

 次に、観光立県ちば推進基本計画に関し、次期計画の策定についての御質問ですが、中長期的な取組方針や施策を整理した計画は策定する必要があると考えております。しかしながら、今後、成田空港の機能強化や圏央道の全線開通などにより本県観光のポテンシャルが高まっていく一方で、観光ニーズの多様化や人材不足の問題、さらには急増するインバウンドの受入れ体制整備など、様々な課題への対応が必要であり、そのためには安定した財源が必要です。このため、現在、宿泊税の導入に向け、市町村や事業者の方々からの御意見を伺いながら制度設計や税を活用して実施する施策、効果検証などの仕組みを検討しているところであり、次期計画については、これらと一体的に検討していく必要があると考えております。

 次に、第11次千葉県職業能力開発計画における産業人材の育成に関する御質問ですが、第11次計画では、社会環境の変化や企業ニーズに対応した職業能力開発を推進するとともに、工業系人材を育成するテクノスクールの機能強化や、将来の担い手確保に向けた物づくりの魅力発信の強化に取り組むこととしております。具体的には、テクノスクールにおいて、デジタル社会を担う人材育成強化のため、本年4月に船橋校にIoTシステム科を新設するとともに、在職者向けの訓練ではITスキル等の講座を拡充しております。さらに、新たな技術等に対応した訓練ができるよう、施設整備や備品更新を進めております。また、物づくりの魅力発信については教育委員会と連携し、工業系高校とテクノスクールの魅力を紹介する共同パンフレットを作成し、県内中高生に配布するなど強化しております。

 なお、計画では、低下傾向にあったテクノスクールの入校率や就職率を計画最終年度である令和8年度までに令和3年度の水準以上とすることを掲げております。令和5年度の段階では、入校率は54.3%と目標の56.9%には達していないものの、就職率は89.2%と、目標の86.9%を上回っているというところでございます。

 最後に、若者の技能習得への支援に関する御質問ですが、技能の習得に当たっては目標を持って取り組むことが重要であることから、県では、就職に有利となる国の技能検定の受検を促しているところです。このため、25歳未満の県内在住または在学の学生及び訓練生の受検料について、県単独で減免も行っております。このほかにも、テクノスクールではプログラミングなどの資格取得に向けた訓練をカリキュラムに組み込むとともに、技能を身につけ、民間企業等で活躍する方から話を聞く機会を設けるなど、技能習得に向けた意欲向上に取り組んでおります。また、広く青年技能者を対象とした技能五輪全国大会への参加は意欲向上効果が極めて高いことから訓練費用を助成するとともに、本県代表が入賞するなどの優秀な成績を県ホームページで広く周知しております。引き続き若者の技能習得の促進に取り組んでまいります。

 私からは以上でございます。

○副議長(實川 隆君) 教育長冨塚昌子君。

 (説明者冨塚昌子君登壇)

○説明者(冨塚昌子君) 初めに、生徒のSOSを見逃さないための取組についての御質問にお答えいたします。

 さきの事案において亡くなられた生徒が発したSOSに対し、学校が組織的に対応できなかった背景には、SOSを受け止める教職員側に、これくらいは大丈夫であろうとの予断があったことに加え、一部の教職員のみで生徒の訴えへの対応を判断するという運用上の問題がありました。これらについて県教育委員会では、改めて通知や研修において、小さなサインを積極的に捉えることが重大な事態の防止につながること、少なくとも二重のチェックを行うこと、何らかの訴えがあるアンケート用紙は全て管理職が確認することなど、具体的な留意点を示した上で全県立学校に点検を指示し、確認を完了しております。加えて困難事案については、教育委員会が速やかに指導主事やいじめ重大事態調査員等を派遣する体制を整えております。また、学校が抱える課題に広く対処する学校問題解決支援コーディネーターを配置する経費を令和7年度当初予算案に計上したところであり、これらの取組を通して児童生徒のSOSを確実に捉え、対応してまいります。

 次に、経済的な不安を抱える高校生等への支援についての御質問ですが、県教育委員会では、全ての高校生等が安心して教育を受けられるよう国庫補助金を活用し、公立高校等において、年収910万円未満の世帯に対する授業料無償化や住民税非課税世帯に対する給付金の支給を行っています。また、こうした就学支援制度の充実に向け、あらゆる機会を通じて国に要望を行っており、その結果、給付金については毎年度増額となっているところであり、令和7年度もさらなる増額が予定されています。県教育委員会としては、引き続き国に対し要望を行うとともに、就学支援が確実に行き渡るよう、申請していない世帯に対し各学校から個別に案内を行うなど、周知徹底を図ってまいります。

 高校生等への高等教育無償化制度の周知についての御質問ですが、大学等への進学後の経済的支援については、返済不要の給付型奨学金と授業料等の減免を併せて受けられる「高等教育の修学支援新制度」を国が設けており、今年度から多子世帯等への支援が拡充されています。県教育委員会では、国の制度について、通知や広報紙への掲載、管理職対象の会議等で各高等学校に周知し、生徒や保護者に速やかに情報が届くよう努めています。また、各学校では、進学希望者向け説明会や三者面談等を通して制度への理解を深めているところです。さらに、今年度はより早い段階で制度を知ってもらうため、市町村教育委員会を通じて中学生への周知も実施したところであり、引き続き経済的理由により、生徒が進学を諦めたり、将来の選択肢を狭めたりすることのないよう、制度の広報、周知の徹底を図ってまいります。

 市町村立小中学校の体育館空調設備についての御質問ですが、今回の国の補正予算では、災害時には避難所として活用される公立小中学校の体育館について、避難所機能を強化する観点から空調整備を加速するため、令和15年度を時限とする臨時特例交付金が創設されました。本交付金は補助割合が2分の1で、起債充当率は100%まで引き上げられるとともに、断熱性についての採択要件が緩和されるなど、従来の交付金と比べ地方負担の軽減が図られ、市町村が整備に着手しやすい内容となっています。県教育委員会としては、先月、市町村担当者向けの説明会を実施し、その後は個別相談に随時応じているところであり、本交付金を活用して公立小中学校の体育館への空調整備が円滑に進むよう、引き続き市町村に寄り添って助言等を行ってまいります。

 県立高校の空調整備についての御質問ですが、現在、普通教室は完了しており、職員室など整備対象の管理諸室は、令和6年度末時点で121校中115校が完了し、7年度に3校を整備する予定です。熱中症リスクの高い特別教室については令和5年度から整備を行っており、令和6年度末時点で121校中80校が完了します。7年度は7校を整備する予定であり、令和10年度までに完了する見込みです。また、県立高校体育館については、今回の国の予算の対象に含まれていませんが、学習環境を改善するとともに災害時の避難所機能を強化するため、新たに令和7年度から整備を行うこととし、まずは2校に着手してまいります。

 最後に、暴力行為等の状況及び学校と警察との連携についての御質問ですが、児童生徒問題行動等調査における令和5年度の本県公立学校の暴力行為発生件数は7,263件で、前年度より6.2%増加しました。また、いじめ認知件数は前年度より3.3%増加し5万4,455件となり、このうち、いじめ重大事態の発生件数は102件で、前年度より39件増加しています。これらの暴力行為やいじめ事案の中には、被害児童生徒の安心・安全の確保や心のケア、加害児童生徒への指導や再発防止等において、学校だけでの対応が難しいケースもあります。県教育委員会では、学校に対し、暴力行為、いじめの対応において、必要があればちゅうちょなく警察と連携するよう指導しており、令和5年度は連携した事案が144件ありました。引き続き暴力やいじめを絶対に許さない学校づくりのため、関係機関と連携して取り組んでまいります。

 以上でございます。

○副議長(實川 隆君) 警察本部長宮沢忠孝君。

 (説明者宮沢忠孝君登壇)

○説明者(宮沢忠孝君) 私からは交番の設置についてお答えいたします。

 まず、交番の設置状況等に関する御質問ですが、平成元年度から令和5年度までの間で純増となった交番は26か所、駐在所から転換となった交番は28か所、廃止となった交番は8か所となります。

 次に、交番新設要望への対応に関する御質問ですが、交番新設は地域の治安情勢や人口、世帯数などのほか、既存の警察施設などとの位置関係を考慮し、総合的に判断してきたところですが、治安情勢や今後の人口動態等を踏まえると、交番の総数を増やすことは、現状においては困難と考えています。交番勤務については、これまで原則交代制による勤務とされていたところ、その根拠となる地域警察運営規則が昨年9月に改正され、日勤制による交番の運用も可能となり、交番等で勤務する警察官の運用について、治安情勢等に応じた柔軟な対応が可能となりました。今後は日勤制交番導入の可否を検討するとともに、本県の治安情勢や地域の実情を踏まえ、適正な警察官の配置に努めてまいります。

 以上でございます。

○副議長(實川 隆君) 守屋貴子君。

○守屋貴子君 御答弁を伺いましたので、2回目の要望と再質問をさせていただきます。

 まず、知事の政治姿勢についてでございます。

 道路整備の県境橋梁について再質問をいたします。

 私の住む市川市においては、現在、(仮称)押切・湊橋の事業が着手され、地元の住民への説明会などが行われているところです。市川市は外環道路を受け入れた際に9分類22項目の条件を付しており、その中の1つに、いまだ未着手の(仮称)大洲橋がございます。妙典橋が完成し、今、押切・湊橋の事業が進められている中、この大洲橋の状況が気になるところです。

 そこでお伺いをいたします。(仮称)大洲橋の進捗状況はどうか。

 次に、バリアフリーの推進について要望です。

 バリアフリー新法により、障害者、高齢者の方々の移動等が円滑に行われるように様々な取組が行われています。しかしながら、責任の所在が不明確なゆえに整備が進まない箇所や、法の整備が進むにつれてハード面とソフト面で現行とのずれが生じてきてしまっているのが現状です。一例を挙げると、バリアフリー法により、ノンステップバスの導入については国による財政支援が行われ、目標値が定められ、達成に向けて順次導入が進められていますけれども、その一方で、バスがノンステップ化することにより、扉の位置と歩道の切り込みの位置が現行のものとずれが生じ、結果として現在設置されている停留所にはスロープを下ろすことができず、ノンステップにはならず、バリアフリー化となっていない状況が県内各所で見受けられ、改善が必要です。バリアフリーに対応した県管理道路の歩道整備を進めるよう要望いたします。例えば事業者が自ら費用を負担し、バリアフリー化に対応するための工事を実施した場合に事業者のみの負担にならないよう、国に対して財政支援制度の創設を働きかけていただくことも必要ではないでしょうか。

 また、トイレの設置に当たっては、利用しやすい場所に設置し、全ての利用者がアクセスしやすい構造とするよう設置者に促すなど、改善に向けた取組を進めていただくよう要望いたします。

 これらの状況を踏まえ、千葉県福祉のまちづくり条例の見直しと実態調査とを行っていただくことを強く要望いたします。

 次に、避難生活の改善について再質問をいたします。

 我が会派はこれまで、快適で清潔なトイレを提供するトイレ専用車両や、温かくておいしい食事を提供するキッチンカーの導入、また、快適な睡眠を提供する段ボールベッドの普及等に取り組むよう、県に対し様々な機会を通して要望してまいりました。我が会派の要望に応え、令和6年度2月補正予算には、地域防災緊急整備事業に対し1億2,000万円が計上され、トイレカーの配備等による避難所の生活環境の改善が図られることとなりました。キッチンカーについても、災害派遣は迅速性が肝要であることから、被災地への派遣は民間団体の判断に委ねるだけでなく、県の迅速な判断により派遣できるように県独自に整備すべきと考えていますが、県は現在、民間団体との協定締結によって対応していくとのことでございます。

 そこで伺います。キッチンカーの派遣調整はどのように行われるのか。

 次に、フードバンク支援についてです。

 食品アクセスの確保について御答弁をいただきましたけれども、このフードバンクから食料提供を受けて運営している場として子供食堂がございます。子供食堂については、今年度、全国で1万か所を超え、過去最多を更新しています。高齢化や人口減少が進む中、子供の貧困対策のみならず、地域交流の場としてもニーズが高まっています。しかしながら、物価高騰などによる運営費不足やフードバンクの食料提供だけでは足りない状況下でも、地域の居場所づくりが行われているところもあると聞いています。

 一方で、子供の食の環境を守る民間の取組として、フードリボンプロジェクトというものがございます。この事業は、飲食店を利用するお客様が1つ300円のリボンを先払いし、店内に提示をして、子供たちがそのリボンで1食分の食事ができる仕組みで、全国で10の自治体が連携し、活動をしています。私の住む市川市では、今回、このフードリボン事業と子供食堂が連携することで、運営費や食料確保が難しい子供食堂の運営を一体的に賄う取組がスタートしました。民間と連携することで、社会全体で子供たちや地域の居場所を支える好事例と考えます。

 そこで伺います。市川市では、子供食堂とフードリボン事業を一体的に運用する動きがあるが、このような取組について、県としてどのように考えるか。

 次に、県立保健医療大学の機能強化についてです。

 有識者検討会において、保医大の将来像について活発な意見が交わされ、本県の保健医療を担う中核的な専門職の育成やリスキリング機能、県の保健医療政策のシンクタンク機能、ICT技術への対応など、多岐にわたる提案が行われていることが分かりました。引き続き慎重かつ十分な検討を行い、機能強化に向けた具体的な取組を早期に進めるよう要望をいたします。

 次に、観光政策について要望です。

 新計画の策定に当たっては、他の都道府県の計画で示しているような目標数値の具体化と人材育成について、重点的に取り入れていただくようお願いをいたします。

 また、宿泊税の使途については、特に業界団体から要望が多かった人材育成に重点的に配分するように要望をいたします。

 次に、第11次千葉県職業能力開発計画について再質問です。

 テクノスクールの入校率が低いことは、従来からの課題となっています。テクノスクールで学ぶことの価値を広く認知していただける活動の1つとして、技能五輪への取組は意義があると考えられます。

 そこで伺います。テクノスクールにおける技能五輪への取組はどのようなものか。また、在籍者の過去の成績はどうなっているか。

 次に、農林水産業の振興について要望です。

 まず、都市農業についてです。

 都市農業の理解促進には、答弁の中でも触れていた農業ボランティア制度への支援の充実が有効だと考えます。農業ボランティア制度の多くは市町村により運営されていますが、今後ますます人手不足が懸念されることから、県には自治体間の連携を図るなど、より広域で農業ボランティア制度を検討していただくよう要望をします。

 また、都市部における漁業者の所得向上についてですが、私の地元市川市では、市内の高校と事業者が共同で、未利用魚や低利用魚を有効活用した商品開発など、SDGsに貢献する活動を行っています。こうした取組も漁業者の所得向上につながることが期待されますので、県と高校などの教育機関がしっかりと連携して進めていただくことを要望いたします。

 また、ノリ養殖業の経営安定に向け様々な対策を取られているとのことですが、先ほどの県産農林水産物の魅力発信についての質問に対し、来年度は新たに開発したノリの名称やロゴマークの公募等を実施するとの御答弁がありました。これらの事業もうまく軌道に乗せてブランド化を図り、漁業者の所得向上につなげていくことを期待します。

 次に、港湾整備について要望です。

 耐震強化岸壁の整備を位置づけている13か所の中で、これまで7か所が整備済みとのことです。災害等はいつ起こるか分かりません。残る6か所の早期の整備をお願いするとともに、企業が有する岸壁等についても、県において適切な指導をしていくこと、また国に対し、引き続き支援制度の創設を働きかけていただくよう要望をいたします。

 次に、教育問題について要望です。

 教育委員会や学校で、アンケート調査等で生徒の悩みを見逃さないための取組について御答弁をいただきました。学校現場だけの対応では対応できない問題もあります。そこで、児童生徒の意見表明を後押しする意見表明等支援制度、子供アドボカシーも必要だと考えます。子供の権利擁護機関の設置について、昨年の我が会派の代表質問でも取り上げ、予算、制度の要望をしましたが、児童生徒の発したSOSを見逃すことなく、このような痛ましい事件が二度と起こることがないように改めて要望いたします。

 次に、学校における問題行動について要望いたします。

 近年、学校における暴力行為やいじめは、スマートフォンの普及などにより多様化、悪質化していることが調査結果からも分かります。学校における教員の業務が多忙化する中で、暴力行為やいじめという学校内での犯罪行為に教員が対処し切れない事態も考えられます。学校現場の負担軽減の観点から、重大ないじめや犯罪行為に相当する19の事例について、県教育庁が学校及び県警と連携する体制を構築して、学校現場だけで問題を抱え込まなくてもよい状況をつくり上げていただくことを要望いたします。

 以上が2回目の再質問、要望でございます。お願いします。

○副議長(實川 隆君) 県土整備部長四童子隆君。

○説明者(四童子隆君) (仮称)大洲橋についての御質問ですけれども、当該橋につきましては、これまでに道路線形や既存道路への接続方法などの整備上の課題を抽出し、周辺道路への影響などにつきまして検討を進めてきたところでございます。引き続き東京都や地元市川市との意見交換や情報共有を行ってまいります。

 以上でございます。

○副議長(實川 隆君) 防災危機管理部長添谷進君。

○説明者(添谷 進君) キッチンカーの派遣調整についてお答えをいたします。

 県と協定を締結しております災害ボランティア支援団体におきまして、派遣するキッチンカーの事業者、それから活動場所、こういったことを決定した上でボランティアとして被災地へ派遣するという流れになります。また、平時から市町村に対しまして団体の活動の内容、あるいは県との協定の内容について周知を図っているという状況でございます。

 以上です。

○副議長(實川 隆君) 健康福祉部長岡田慎太郎君。

○説明者(岡田慎太郎君) 子供食堂とフードリボン事業の一体的な運用の動きについての御質問です。

 市川市内で民間の自主的な取組である子供食堂とフードリボン事業の連携が試験的に行われていることは承知しております。県では、子供食堂について、こども食堂サポートセンター事業を実施し、地域におけるネットワークの構築や運営等を支援しております。フードリボン事業との連携については、地域の実情に応じた先進的な取組の1つと考えており、県内の子供食堂のネットワークに紹介していきたいと考えています。

 以上でございます。

○副議長(實川 隆君) 商工労働部長野村宗作君。

○説明者(野村宗作君) テクノスクールにおける技能五輪の取組に関する御質問でございますけれども、テクノスクールでは、平成28年度から我孫子校にある造園科において、技能習得の一環といたしまして技能五輪全国大会への参加を目標に掲げております。今年度も含めまして、これまでで8回参加をしております。昨年度の大会で本県代表として初めて造園職種の銅賞に輝くとともに、今年度も敢闘賞を受賞しておりまして、すばらしい成績を収めております。今後もこうした訓練生の挑戦を支援するとともに、技能のさらなる向上に努めてまいります。

 以上でございます。

○副議長(實川 隆君) 守屋貴子君。

○守屋貴子君 ありがとうございました。3回目の要望を行います。

 初めに、キッチンカーの派遣について要望させていただきます。

 今後はさらなるウイングを広げつつ、県独自の制度を創設するように、まずは要望させていただきます。

 その上で協定を締結したとのことですけれども、まずは県が協定を結んだこと、これを今答弁いただきましたけれども、市町村にもしっかりと周知をして、必要なときに支援が行き届くように要望をさせていただきます。

 また、キッチンカーを運営されている皆様方にもこの県の取組をぜひ紹介していただいて、少しでも多くのキッチンカーの派遣に協力をしていただけるように環境づくりをしてほしいと、これも要望させていただきます。

 次に、フードバンク活動について要望です。

 市川市における子供食堂とフードリボンの連携、先進的な取組を県内の子供食堂のネットワークに紹介していただくとの御答弁がありました。ありがとうございます。子供の育ちを地域で支えるこの取組にもぜひ御注目いただいて、官と民が手を携え、取り組んでいただくように要望をさせていただきます。

 次に、テクノスクールについて要望です。

 先日、会派で我孫子校を視察してまいりました。技能五輪では、我孫子校在籍者が連続して入賞したこともお聞きしてきましたし、2024年度入賞者の森さん、若年者ものづくり競技大会の入賞の女性、兒島さんとも懇談ができました。お2人は、我孫子校での仲間たちとの切磋琢磨により自己の技能が向上し、入賞につながったことへの感謝と、技能五輪等での入賞が大きな自信となり、造園の仕事への熱意につながっていることなどを語ってくださいました。

 2028年には、愛知県で技能五輪世界大会が実施されます。若者の職業への熱意を醸成するためにも、国際大会でテクノスクールから入賞者を輩出できるような積極的な取組を継続するように要望をいたします。

 最後に、熊谷知事は、先日、知事選挙への出馬を表明され、県政ビジョンも公表されました。今後、千葉県が抱える課題の解決に取り組んでいくためには、熊谷知事のリーダーシップがぜひとも必要であると考えています。千葉県のさらなる発展のために、今後も県政運営を担っていかれることを期待しています。

 以上で立憲民主党の代表質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

○副議長(實川 隆君) 以上をもって本日の日程は終了しました。

 明日30日は定刻より会議を開きます。

 これにて散会します。

 午後2時51分散会

お問い合わせ

所属課室:議会事務局政務調査課議会広報班

電話番号:043-223-2523

ファックス番号:043-222-4073

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