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更新日:令和6(2024)年5月21日

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令和6年2月定例県議会(2月26日) 会議録(速報版)

令和6年2月招集 千葉県定例県議会会議録(第5号)

令和6年2月26日(月曜日)

 議事日程

議事日程(第5号)

 令和6年2月26日(月曜日)午前10時開議

日程第1 議案第1号ないし議案第85号、報告第1号及び報告第2号に対する質疑並びに一般質問

    

 午前10時0分開議

○議長(伊藤昌弘君) これより本日の会議を開きます。

    

 議長の報告

○議長(伊藤昌弘君) 日程に入るに先立ち、諸般の報告を申し上げます。

 議長の出席要求に対する出席者について変更があり、本日、人事委員会委員長諸岡靖彦君が出席しますので、御了承願います。

 

 質疑並びに一般質問

○議長(伊藤昌弘君) 日程第1、議案第1号ないし第85号、報告第1号及び第2号を一括議題とし、これより質疑並びに一般質問を行います。

 順次発言を許します。通告順により伊豆倉雄太君。

 (伊豆倉雄太君登壇、拍手)

○伊豆倉雄太君 皆さん、おはようございます。自由民主党、市原市選出、伊豆倉雄太でございます。本定例議会におきまして登壇の機会を与えてくださいました先輩・同僚議員の皆様に心より感謝を申し上げます。

 さて、先日、青年局で益城町へ再び視察へ行ってまいりました。熊本地震から8年経過し、大きく復旧を遂げた町並みを拝見し、また災害時の教訓をブラッシュアップされ、非常に勉強になりました。石川県も一刻も早い復旧をお祈りいたします。

 能登半島の災害は地震でしたが、我が県も昨年、また令和元年と台風被害が発生しました。令和元年災害では県内でも大規模な被害があり、当時、木下座長の下、県執行部と多くの協議をさせていただきました。昨年の台風13号では、県内に多くの被害が発生しました。地域を回ると、まだまだ改善の余地があるものがあり、質問させていただきます。文字数が1万文字近くあり、少し早口になりますが、御容赦願います。

 皆さんも連日報道で目にした養老渓谷の旅館の被害は衝撃だったと思います。翌日に被害状況の確認と要望を伺いに行くと、多くの地域の方がお手伝いに来ており、道路や旅館の敷地内に堆積した土砂やごみをかき出す作業をしていました。数日後に穴澤副知事も現地を御覧になっていただき、河川改修に予算をいただけたことを感謝いたします。

 また、さきの議会でも小路議員から質問がありましたが、養老渓谷の遊歩道も広い範囲で被害を受け、本年1月から3月まで中瀬の遊歩道は整備をされるようですが、粟又の滝遊歩道については、昨年11月に最上流部のスロープは復旧し、現在、粟又の滝に下りることは可能になったものの、遊歩道全体の復旧はまだまだ時間を要するようです。

 そこでお伺いしますが、粟又の滝遊歩道の復旧について、今後どのように進めていくのか。

 また、台風13号による出水では、養老川において、粟又の滝付近や戸面地先付近において多くの流木や土砂の堆積が見受けられました。

 そこでお伺いしますが、養老川上流域の流竹木や堆積土砂の撤去について、県の対応状況はどうか。

 また、今回の養老渓谷の河川氾濫は、昭和45年に見舞われた通称45災と同等の雨量であり、浸水状況も同じくらいだったとのことでした。また、緊急放流を行う寸前で見送られましたが、緊急放流をした場合は、養老川下流域には7万戸を超す住宅への被害想定もあり、高滝湖の状況は看過できないと思います。高滝ダムができてから圧倒的に下流域の水害は減りましたが、今回の大雨は台風本体とずれた線状降水帯によるものであり、もう30分、雨脚が強ければ緊急放流は行われていたでしょう。そもそもダムは埋まらないものだと思っていらっしゃる方もいると思いますが、私がこれだけ警鐘を鳴らすのは、全国には堆砂で埋まってしまったダムが多数存在しており、ダム湖の機能が失われるということは、下流域の住民にとっては文字どおり死活問題なのです。総事業費373億円を費やし、もう既に手後れになりそうな状況であるのに、今、抜本的な見直しをしなければ取り返しのつかないことになります。

 そこでお伺いいたしますが、以前から毎議会質問しておりますが、ダム湖の堆砂の撤去促進、新たな貯砂ダムを早急に行うべきだと思うが、どうか。

 また、今年度、マルチビーム等を使った3次元測量により堆砂の状況を把握するとのことだが、実施状況はどうか。

 もう1点として、ダムの事前放流の在り方をいま一度検討するべきだと思うが、どうか。

 先ほども述べましたが、緊急放流の際には多くの被害が想定されます。元年災の後に、県内で多くの水位計や河川監視カメラが設置されました。以前の執行部とのやり取りの中で、あまり河川下流域にカメラを設置すると安心して逃げ遅れることがあるとの説明がありました。しかし、地域からはもっと下流にもカメラを設置していただきたいとの声もあります。地元自治体と協力し、県内各地の河川監視カメラの増強を図るべきではないでしょうか。

 また、緊急安全確保が出ているにもかかわらず避難をしない住民も多く、緊急放流を予定している間際には垂直避難を呼びかけたそうです。県からの浸水ハザードマップを活用し、地元自治体では避難計画を策定していると思いますが、緊急放流時の周辺住民の避難について、地元自治体と連携をし、県としてどのように働きかけていくのでしょうか。

 次に、災害時でなくてはならないものとしては通信手段だと思います。電気、水道、ガスのライフラインと並び、携帯電話をはじめとする通信機器はもはやライフラインと言っても過言ではないと思います。災害箇所との連絡、安否確認、万が一の救急搬送の連絡など、令和元年災害でも質問させていただきました。携帯電話会社と災害協定を結んだとのことでしたが、昨年の災害では、地域によっては携帯電話も固定電話も数日間つながらない状況が発生し、地元の方は心配で仕方ないと口々におっしゃっていました。実際に復旧作業中に熱中症になり、救急車を呼ぶときも電波の入るところまで移動し、電話をかけていました。今回は軽い熱中症でしたが、もしこれが命に関わる疾患が起きたら、また、けがを負ってしまったら、災害時における通信障害は致命的と言っても過言ではありません。

 そこでお伺いいたしますが、災害時における通信障害への対応はどのようになっているのでしょうか。

 次に、災害時における避難所の在り方についてお伺いいたします。

 能登半島の地震において、特にメディアが放送していることもありますが、これだけ災害が多発しているにもかかわらず、避難所での生活はストレスが多く、車中やビニールハウスでの避難の報道を目にします。益城町でお話を伺った際も、政府が多様な避難を進めていることもあり、車中避難が非常に多く見られたそうです。実際に現場に救助やボランティアで行かれた方の話を伺いますと、プライバシーのない避難所も多く、避難所以外に避難されている地域によっては、穴を掘って用を足す方たちもいらっしゃったそうです。

 千葉県の災害対応の取組状況でも、内閣府の進める避難所運営マニュアル(スフィア基準)を参考にするとのことでしたが、改めて考えますと、大規模かつ広範囲で災害が発生し、家屋に住めない方が多く出た場合には避難所に多くの人が殺到すると思います。主に避難所になる場所は公民館、小中学校がメインとなるわけですが、今回の能登半島のように十分なスペースが確保できない場合には、県立の学校をはじめとする公共施設の活用も視野に入れなければならないと思います。

 そこで伺いますが、避難所の開設及び運営について、スフィア基準のような、プライバシーを保てる基準を市町村へどのような助言を行っていくのでしょうか。

 また、市町村の公共施設だけでは十分な避難スペースを確保できない場合に、県はどのように対応を取るのでしょうか。

 また、能登半島でも行われた妊婦や疾患のある方の優先的な2次避難、他市との連携を県はどのようにサポートをするのでしょうか。

 台風13号では、さきに挙げた養老渓谷の復旧作業や月出地区の土砂崩れの救出作業に多くの消防団員が活躍されました。令和元年の災害を教訓に物資の補助やチェーンソー講習を行っていただき、月出では、途中から車両も入れない山道を消防団員が懸命にチェーンソーで道を切り開き、消防職員とともに人命を救出しました。消防局の幹部の方が後日現場を見に行かれたとき、その険しい山道を見て、消防団員の働きに感嘆をされていました。養老渓谷では、70名を超す団員のマンパワーと連携のよさに感謝と、消防団がいてくれて本当に助かったと、今でもお言葉をいただきます。

 災害が激甚化し、消防団に求められる活動内容も変化している中で自助、共助、公助の、まさに共助の要と言える消防団員の確保は重要となってきています。しかしながら、少子化や人口減少でなり手は少なく、会社勤めも多くなっている現状、会社の理解も必要です。

 また、規律や団体行動の基礎でもある操法の重要性は理解しますが、団員の減少や社会情勢の変化により消防操法訓練も大きな負担となっています。一度、もし自分が全ての消防団活動に参加した場合、年間どれくらいの日数を消防団活動に費やすのか計算したところ、春、秋、歳末警戒、毎月の点検に消防操法の練習期間や中継訓練や水防訓練など各種訓練を合わせると60日を超えます。消防操法訓練は、新体制になってから団員同士の団結や消防の規律や基本の動作を覚えることの重要性は理解しますが、新入団員が入らず、団員の高齢化や仕事の多様化で同じ団員が何度も消防操法大会の選手として登録する分団も多いと思います。

 そこで伺いますが、消防団についてのアンケートを昨年行っておりましたが、昨年実施したアンケートを受け、消防団員の負担軽減にどのように取り組んでいくのでしょうか。

 消防団員の確保には、広報や装備品の支給はありがたいのですが、活動内容の見直しや、もっと抜本的な支援が必要だと思います。また、新規入団の消防団員は周りを見てみますと、20代から40代の子育て世代が多いと思います。

 質問する前に、言うまでもなく大前提として、現在活動している団員は地域の安心・安全を守るために、消防団員としての誇りを持ち、日々活動していることを強く申し上げておきますが、新入団員がなかなか確保できない危機的状況なのでお伺いします。若い世代の入団を後押しするような施策を検討してはどうか。

 次に、医療問題についてお伺いいたします。

 近年、近視の子供が増えているのは御存じの方も多くいらっしゃると思います。2019年度の文部科学省の学校保健統計調査によると、裸眼視力が1.0未満の小学生は34.57%、調査を開始した40年前の約2倍、0.3未満も9.38%と全体の1割を占め、令和2年の調査では、裸眼で視力が1.0未満の子供は幼稚園では27.90%、小学校では37.52%、中学校では58.29%、高等学校では63.17%という結果になり、特に小中学校では過去最多の割合となっております。以前、眼科医の先生が、時代的にタブレットの導入は仕方ないかもしれないが、将来的に絶対に近視が多くなる。何らかの対応が行政でも必要だとおっしゃられておりました。

 日本眼科医会のホームページには、近視について遺伝的と環境的な近視に大きく分かれるそうです。特に小学生以降に近視になる子供は単純近視と呼ばれ、環境的要因が多くあるそうです。近視の強さは裸眼視力ではなく屈折度数によって分類されるそうですが、白内障のリスクは近視でない人に比べ弱度近視が2倍に対し、強度近視の方は5倍、緑内障は弱度が4倍に対し強度は14倍、網膜剥離に関しては弱度が3倍に対して強度は22倍のリスクと言われています。

 近視を防ぐ方法としてタブレットやスマホ、ゲームなどを長時間連続して使用しないこと、遠くを眺めること、明るい場所で作業すること。近視が私たち親世代よりも増えた要因として、外遊びの減少も挙げられています。台湾も近視の子供は大きな社会問題となっており、以前より近視に対する対策が進んでいました。2010年以降は1日2時間以上の屋外活動を推奨し、目に見えてその効果は数字で出てきているそうです。もちろん小中学校の指導は市町村が中心に行うことだとは理解しておりますが、県としてもできることはあると考えます。

 そこで伺いますが、県内公立小中学校における児童生徒の近視の状況はどうか。また、今後、県教育委員会は、視力低下防止に係る対策をどのように進めていくのか。

 さきの12月議会において、鈴木ともなり議員も質問されておりましたが、帝京病院が市原市北西部の姉崎から労災病院にも近い北東部へ移動することが決定してしまいました。これを受け、市原市は知事宛てに要望書を提出しました。内容としましては、新たな総合病院の誘致の援助とそれに伴う病床数の確保。市原医療圏だけでなく、県南や周辺地域の3次救急を確保するために労災病院の3次救急への指定などです。私からも強く要望いたします。

 市原医療圏は旧市原郡、現市原市における1郡1市であります。帝京病院の移転は市原市だけでなく、周辺の自治体の救急体制にも影響を及ぼします。

 ここで市原市の特異性を申し上げますと、市内の基幹病院は大きく3つ。1つは今申し上げました帝京病院、これは県北西部に位置し、周辺の住民や市では君津保健医療圏に関係します。次に千葉労災病院、こちらは市の北東部にあり、千葉保健医療圏に関係します。3つ目に循環器病センター、こちらは市原市南部に位置し、循環器病センターの患者の多くは山武長生夷隅保健医療圏の住民の方もかかる病院となっています。

 これだけ1市で多くの医療圏と関係のある保健医療圏ではありますが、高齢化の進む現代において疾患のリスクのある方が増えることでもあり、それだけ医療体制は医療圏の住民だけでなく、周辺自治体に住む方に大きな影響を及ぼします。

 そこで伺いますが、県は病床整備に関する市原市からの要望について、どのように対応していくのか。

 次に、障害者事業についてお伺いいたします。

 相談支援専門員は、障害を抱える方本人や家族が障害福祉サービスを活用できるように事業所とつなげたり、生活全般に対する悩みの相談を受けて情報提供や助言を行います。施設に入るにしても、訪問介助にしても、障害児のお子さんが適正な支援を受けられるようにしたり、障害のある方に対し適正なサービスが受けられるようにするために働いてくれております。しかし、昨今の状況を見ますと、障害者及び障害児の数は年々増えており、その背景には社会的要因も多くあります。障害者の相談ニーズに対応するのに、サービス利用計画を作成する相談支援専門員の不足が挙げられます。勉強会でヒアリングをしたところ、県内の相談員平均の相談数は月に51件となっており、相談業務を専門に行う方は、中には100件を超すこともあるそうです。

 そこでお伺いしますが、相談支援専門員の確保に向け、どのように取り組んでいくのでしょうか。

 次に、県職員の負担軽減と県民サービスの向上についてお伺いいたします。

 議員の多くの皆さんも、年度が替わる前に地域からの要望を受け、本庁や出先機関に改善をお願いしたけれども、年度が替わり、一向に連絡が来ないことや、そもそも引継ぎがされていなかった等、御経験があると思います。そうした引継ぎがなされないことは、日々の人手不足や多忙化もあるでしょうが、そもそも異動時期を検討する余地があるのではないかと思い、質問をさせていただきます。

 千葉県は年度の途中で異動することもあるようですが、4月1日からの異動が多くあると思います。4月異動ですと、そもそも3月いっぱいで事業が決裁されますが、出納は4月いっぱいまで行われると思います。新しく異動した職員が事業を理解していない状態での出納管理は負担が大きい上にミスも出やすく、事業を手がけた担当者が決裁まで行うことが本来は理想であると思います。

 また、国も大規模な人事異動は7月異動が定着している中で、教職員や退職者のいる役職など、ケースによっては難しい部署もあるでしょうが、県も6月や7月の異動を考えてもよいのではないかと考えます。年度替わりからの時間的猶予があれば引継ぎもしっかりと行う時間があり、庁内や出先機関においても、担当者が替わったので分かりません、やっていませんでしたとの事例も減り、ひいては県民サービスの向上につながるのではないでしょうか。

 そこでお伺いいたしますが、4月の定期人事異動に加え、出納閉鎖後の6月や7月にも人事異動を実施してはどうか。

 また、採用試験の時期も考え直すべきであると思います。令和5年の合格倍率は、上級一般行政Aは3.6倍、一般行政Bは2.3倍、技術職では土木が1.5倍、電気1.7倍、農業土木1.2倍、畜産1.1倍となっています。私の学生時代よりも試験日は早くはなっておりますが、優秀な人材を確保するためにも採用時期を考えることも必要であると思います。

 現在の就職活動で言えば、経団連加盟企業は4月頃からエントリーシートの提出が始まり、4月の後半に試験、6月頃からは内々定が決まり、10月に内定式との流れが多いようです。千葉県は申込みが5月の中旬で、最終試験が7月から8月となっています。もし県庁か一般企業か就職を悩んでおり、県庁に絞ったはいいが、最終で落ちてしまったとき、就職募集が終わっている企業も多くあると思います。そうした不安を解消し、より公務員試験を受けやすくするためにも、例えば大卒の都道府県試験の一覧を見ますと、神奈川県は千葉県と同じ時期に試験があり、9月にもう一度秋季チャレンジがあります。また特徴的なのが、島根県の面接重視型試験は3月から申込みが始まり、最終試験は5月下旬。

 そして、私が特に目を引いたのが岡山県です。以下、岡山県の採用ページを抜粋しますと、岡山県の行政Aアピール型は、「公務員試験のための「特別な勉強」をしていない方でもチャレンジしやすい試験」であり、「第1次試験では、多くの民間企業の採用試験で使用されている択一式の試験SPI3を使用し、法律や経済等の専門試験は行いません。自らの経験や意欲等を岡山県行政にどのように生かすかアピールする試験や、集団の中でのコミュニケーション能力等を評価する試験を取り入れています。」こうした民間企業も念頭にある受験者を、公務員試験の専門試験を廃止する等、時期や採用方法に工夫を凝らし、より柔軟で能力の高い学生を採用する枠組みも考えるべきだと思います。

 そこでお伺いしますが、時期や試験方法に工夫を凝らし、より柔軟で能力の高い受験者を増やす枠組みも考えるべきだと思うが、どうか。

 以上、壇上での1回目の質問を終わらせていただきます。知事はじめ執行部の皆様には前向きな御答弁をよろしくお願いいたします。(拍手)

○議長(伊藤昌弘君) 伊豆倉雄太君の質問に対する当局の答弁を求めます。知事熊谷俊人君。

 (知事熊谷俊人君登壇)

○知事(熊谷俊人君) 自民党の伊豆倉雄太議員の御質問にお答えをいたします。

 災害対策についてお答えをいたします。

 通信障害への対応についての御質問ですが、災害時に通信が途絶した場合、安否確認や正確な情報の入手が困難となることから通信障害を早期に解消することが重要であると認識をしています。このため県では、通信事業者から派遣されるリエゾンや市町村等を通じて障害の状況を速やかに把握をした上で、通信が途絶している地域への移動基地局車の派遣や災害時用公衆電話の設置を要請するなど、市町村や通信事業者と連携して対応することとしています。これまで令和元年房総半島台風の経験を踏まえ、通信事業者との協定の締結など連携強化を図ってきたところですが、能登半島地震における携帯電話の船上基地局や衛星インターネット通信の活用などの取組を総括し、さらなる対応について通信事業者と協議を行うなど、災害時における通信の確保に努めてまいります。

 消防団員の負担軽減への取組についての御質問ですが、消防団員の確保は地域防災力の充実強化に不可欠であり、県では昨年、全消防団員を対象にアンケート調査を実施し、この結果を踏まえ、消防団における課題解決の方策を検討するため、有識者や消防関係者等で構成する消防団活性化検討会を設置いたしました。アンケートでは、特に消防操法大会に向けた訓練や各種会合への参加に関し団員本人や家族の負担が大きいとの意見が多かったことから、検討会では消防操法大会や消防団活動をテーマに、負担軽減に向けた効率的な訓練の在り方や活動しやすい体制づくりなどについて議論をしているところです。今後、検討結果を踏まえ、訓練や行事などの活動内容、消防操法大会の出場隊の選出方法、開催頻度などについて見直しの考え方を整理し、市町村に対し、消防団員の負担軽減に向けた取組を働きかけてまいります。

 私からは以上でございます。他の質問につきましては担当部局長からお答えをいたします。

○議長(伊藤昌弘君) 環境生活部長井上容子君。

 (説明者井上容子君登壇)

○説明者(井上容子君) 災害対策について、粟又の滝遊歩道の復旧に関する御質問についてお答えいたします。

 粟又の滝遊歩道は、総延長約2キロメートルにわたって歩道の一部流失、遊歩道を囲む崖地の崩落及び倒木など甚大な被害が生じ、全ての復旧には長期間を要する見込みです。このため、全面復旧に向けて被害の状況や規模の把握、被害を増大させた要因の推定、さらに再崩落防止のため遊歩道全体の測量及び詳細調査、崖地の保全対策などの業務を進めているところです。これらの結果を基に、来年度には場所や状況に応じた工法及び安全なルートの検討など詳細設計を行うこととしており、その後速やかに工事に着手し、できるだけ早い遊歩道の復旧を目指してまいります。

 以上でございます。

○議長(伊藤昌弘君) 県土整備部長池口正晃君。

 (説明者池口正晃君登壇)

○説明者(池口正晃君) 私からは、まず、養老川の流竹木や堆積土砂についての御質問にお答えします。

 大多喜町の粟又の滝付近の河道内に堆積した流木については、昨年12月に撤去したところであり、今年度内に河道の脇に仮置きした流木を搬出することとしています。また、市原市戸面地先の河道内の流竹木撤去や竹木伐採が完了したことから河道内の堆積土砂の撤去に着手し、6月末までに撤去を完了する見込みとなっています。

 次に、高滝ダムの堆砂対策についての御質問ですが、堆砂対策を促進するためには撤去した土砂の流用先を確保することが重要であり、これまでは主に土地改良事業の農地のかさ上げなどに活用してきましたが、現在、新たな流用先を確保するため関係機関と協議を重ねています。また、ダム湖に流入する土砂そのものを減らす必要があることから、万田野地先の貯砂ダムを令和6年度に工事着手することとしており、さらに養老川本川における新たな貯砂ダムについても、適切な候補地の抽出を進めているところです。

 次に、堆砂状況の把握方法についての御質問ですが、堆砂状況をより詳細に把握するため、船が入れない浅瀬はドローンによるレーザー測量を行い、水中部は測量船からのマルチビーム測量により3次元データを収集し、解析作業を進めています。今年度中には貯水池内の3次元地形図を作成する予定であり、今後、効率的な堆砂撤去の手法について検討してまいります。

 次に、事前放流についての御質問ですが、千葉県の治水ダムでは、治水機能を強化するため、大雨の前にあらかじめ貯水位を低下させ、利水容量の一部を治水容量に振り替える事前放流のルールを定め、令和2年6月から運用しております。高滝ダムでは、24時間の降雨量予測が150ミリメートルを超える場合に事前放流を行うこととしており、これは関東地方の治水ダムの中で最も少ない降雨量予測で事前放流を行う運用となっています。これまでに4回の事前放流を実施しており、引き続き検証を重ね、さらなる改善に努めてまいります。

 次に、県内各地の河川監視カメラの増強についての御質問ですが、県では、特に監視が必要な重要水防箇所や過去に浸水被害が生じた箇所において、昨年12月までに河川監視カメラを39河川、53か所に設置しました。また、増水の切迫性をより適切に伝えるため、設置済みの河川についても、災害時において特に機能の確保が求められる場所に追加的に設置を進めることとしています。引き続き地元市町村と設置箇所について調整しながら河川監視カメラの設置を進めてまいります。

 最後に、緊急放流の周知についての御質問ですが、県では緊急放流が予測される場合、放流の約3時間前と約1時間前、さらに緊急放流を開始した各段階において関係市防災部局及び関係機関に通知を行うとともに、住民への避難情報を発令する関係市長には、県からのホットラインにより確実に情報を伝達しています。また、平時から緊急放流に係るタイムラインを共有し、有事にはダム放流量等の情報を適時伝達するためのリエゾン派遣など、住民避難が円滑に行えるよう、関係市との連携強化に努めています。

 以上でございます。

○議長(伊藤昌弘君) 防災危機管理部長添谷進君。

 (説明者添谷 進君登壇)

○説明者(添谷 進君) 私からは災害対策の4問にお答えをいたします。

 初めに、避難所のプライバシー確保に関する御質問ですが、多くの方が避難生活を送る避難所においては、被災者のプライバシーを確保するため、周囲からの視線を遮ることや被災者同士の間隔を十分に確保することが必要です。このため避難所運営の手引きにおいて、居住スペースに間仕切りを設置することなどを示しており、また、市町村においては屋内用テントの設置など、プライバシーに配慮したレイアウトの整備も進んでいます。今後も防災研修センターにおける避難所運営研修の実施や地域防災力充実・強化補助金により財政支援を行うなど、避難環境の整備に向けた市町村の取組を支援してまいります。

 次に、避難スペースの確保に関する御質問ですが、避難所については、市町村が想定される災害や人口の状況など、地域の実情に応じて確保しており、主に小学校などの公共施設が指定されています。県では、発災時に市町村域内で十分な避難スペースが確保できない場合には他市町村の施設や県有施設、民間のホテル、旅館などを避難先として活用できるよう調整を図ることとしています。また、県民に対しては、避難所以外に親戚、知人宅への避難や、自宅が安全な場合における在宅避難も検討していただくようSNSなどで呼びかけており、引き続き多様な避難の在り方の周知も含め、十分な避難先の確保に取り組んでまいります。

 次に、災害時の要配慮者の2次避難に関する御質問ですが、道路の寸断や電気、水道の途絶などにより、被災市町村内において良好な避難環境の確保が困難な場合、高齢者や妊婦など、配慮が必要な方の広域避難を検討する必要があります。このため、県内市町村や他の都道府県、国等と連携し、被災地以外の市町村の施設のほか、県有施設や民間のホテル、旅館などの活用について調整するとともに、避難先において必要となる物資や被災者の移動手段を確保することとしています。今後も広域避難の実施も含め、配慮が必要な方々が安心して避難ができるよう市町村と連携し、取り組んでまいります。

 最後に、若い世代の消防団入団についての御質問ですが、高齢化など社会情勢が変化する中、消防団員数は減少傾向にあり、消防団の活性化を図るためには若い世代の入団を促す必要があります。このため県では、学生を対象とした出前講座や消防学校で1日入団体験を実施するなど、各地域で消防団への加入促進に取り組んでいるところです。また、消防団活動、就職活動においてアピールできる学生消防団活動認証制度や、団員とその家族が飲食店等で優待サービスを受けられる消防団応援の店などの導入を市町村に働きかけており、今後も他県の事例も参考としながら効果的な方策を検討してまいります。

 以上でございます。

○議長(伊藤昌弘君) 教育長冨塚昌子君。

 (説明者冨塚昌子君登壇)

○説明者(冨塚昌子君) 児童生徒の近視の状況と視力低下防止に関する御質問にお答えいたします。

 令和4年度の定期健康診断の結果において、裸眼視力が1.0未満の割合は小学生で37.5%、中学生で65.4%であり、学年が進むにつれて増加する傾向が見られます。県教育委員会では、視力低下防止のために児童生徒の外遊びを奨励するほか、スマートフォンやタブレット等を使用する際は目から一定の距離を保つことや30分ごとに目を休めることなどの注意点を記載したリーフレットを配布し、周知に努めてきたところです。今後は養護教諭の研修会に講師として眼科医を招いて目の健康に関する科学的な情報提供等を行い、各校での取組に役立てるなど、視力低下防止に向けた対策を一層進めてまいります。

 以上でございます。

○議長(伊藤昌弘君) 保健医療担当部長鈴木貴士君。

 (説明者鈴木貴士君登壇)

○説明者(鈴木貴士君) 私からは医療問題についてお答えいたします。

 病床整備に関する市原市からの要望についての御質問ですが、市原市から帝京大学ちば総合医療センターの移転により、市西部地区における医療の確保に懸念が生じるため、次期保健医療計画において、令和6年度から11年度までの計画期間内に同地区で病院の設置ないし誘致を可能とするよう要望がありました。県では、次期計画における病床整備の目標となる基準病床数の見直しを進めていますが、既存病床数が目標数に達しない医療圏では、病床の整備計画の公募について、将来の医療需要等を踏まえつつ、実施の時期や進め方などを慎重に検討することとしています。県としては、市原市とも十分連携しながら、市原医療圏における必要な医療提供体制が確保されるよう努めてまいります。

 以上でございます。

○議長(伊藤昌弘君) 健康福祉部長高梨みちえ君。

 (説明者高梨みちえ君登壇)

○説明者(高梨みちえ君) 私からは相談支援専門員の確保についてお答えいたします。

 相談支援専門員は、障害福祉サービスの利用計画を作成するなど、障害のある方が地域で生活するに当たって重要な役割を担っていますが、利用者の増加により相談件数が多くなっていることから、人員を十分に確保することが困難な状況であると認識しています。そのため県では、相談支援専門員を養成する初任者研修の定員を増やすとともに、専門コース別研修に新たな講座を追加し、専門性の高い職員の育成を図ることとしています。また、国に対して、処遇改善加算の対象とならない相談支援専門員についても処遇改善に確実につながる仕組みを構築することや、人材の確保、定着の支援に必要な財源の確保について引き続き要望を行うなど、相談支援専門員の確保に努めてまいります。

 以上でございます。

○議長(伊藤昌弘君) 総務部長鎌形悦弘君。

 (説明者鎌形悦弘君登壇)

○説明者(鎌形悦弘君) 職員の人事異動の時期に関する御質問ですが、県では、毎年3月に定年などにより多数の職員が退職することから4月に新たに職員を採用し、組織の活性化や職員の人材育成等を目的に定期人事異動を実施しております。4月に加え、6月や7月にも人事異動を分散化することにより業務の継続性が保たれ、職員の決算業務への負担を軽減することが期待できますが、一方で、一定期間、必要な人員を配置できない所属が生じる可能性も考えられます。このため、これらの課題などを踏まえながら、今後、人事異動の時期などについて研究をしてまいります。

 以上でございます。

○議長(伊藤昌弘君) 人事委員会委員長諸岡靖彦君。

 (説明者諸岡靖彦君登壇)

○説明者(諸岡靖彦君) 職員の採用についての御質問にお答えをいたします。

 人材の獲得競争が激化する中で、県ではこれまで専門試験に代えてプレゼンテーションによる面接を行うなど、試験準備の負担を軽減し、新たな受験者層を開拓する取組を実施してまいりました。受験者の増加のためには、受験者の希望や事情に合った受験機会を提供することが重要であると考えております。来年度の試験においては、技術系の職種の教養試験を廃止するとともに、上級試験の募集開始を1か月早めることとしたところであります。今後とも多様で有望な職員を採用するため、試験の実施時期や方法についての不断の見直しを図り、受験しやすく能力を発揮できる試験制度に向けた改革を進めてまいります。

○議長(伊藤昌弘君) 伊豆倉雄太君。

○伊豆倉雄太君 どうも御答弁ありがとうございました。

 まず、災害について要望いたします。

 今回の台風ではコロナが5類になり、待望の秋の行楽シーズン前を直撃する時期でした。年内を復旧に注いだ旅館もあり、商工労働部におかれましては、観光客誘致に際し、柔軟な対応をしていただきましたことに感謝申し上げます。

 そして、粟又の滝を中心とする遊歩道の整備は時間を要するとのことでしたが、地元大多喜町とも協議をし、養老渓谷の顔の1つでもある遊歩道復旧をなるべく早く進めていただくように要望いたします。

 また、河川管理も随時進めていただいておりますが、出水期を前に早い事業展開を要望いたします。

 次に、災害時における通信障害ですが、今回いち早くリエゾンを投入していただき、また、情報収集をする中で県との連携を取っていたと思います。今回の通信障害も把握されているはずですので、地元市町との連携を取りながら速やかに通信障害対策を行っていただきたいと思います。

 また、消防団ですが、目に見えた分かりやすい補助をお願いします。

 次に、災害対策の再質問をさせていただきます。

 まず、毎回、高滝湖のしゅんせつと新たな貯砂ダムの質問をしていますが、これは私だけでなく、地元も大変な危機感を持っていること、この点をしっかり認識していただきたいと思います。時間を要するものもあることは理解していますが、さすがに毎回同じ答弁では引き下がるわけにはいきません。

 そこで再度何点か質問させていただきます。高滝湖のしゅんせつ及び貯砂ダムに関しては、いつまでに調査し、いつまでに設計し、いつまでに工事をするといったロードマップが必要だと考えます。

 まず、新たな貯砂ダムに関しては、どのようなロードマップを考えているのでしょうか。

 次に堆砂ですが、現状、砂上げをするストックヤードと、水切りをした後に堆砂を運び出す先をダムでは苦慮されているようですが、県は堆砂の持っていき場所をどのように対応することを考えているのでしょうか。

 最後に、高滝ダム及び高滝湖は完成してから40年近くたち、施設の老朽化も進んでいます。老朽化をするということは、ダム湖を維持管理するために事業が拡大していくことにつながります。現在でも足りていない人員に対し、保守点検事業が増えるということ、また、新たな貯砂ダムを調査設計するときの人員不足をどのように考えているのでしょうか。

 最後に避難所の関係ですが、市町村が管理する避難所とは別に、高校が避難所になった場合、生徒の学習機会の確保はどのように考えているのでしょうか。

 次に、医療問題について要望いたします。

 まず、視力の低下についてです。

 小中高へと年代が上がるにつれ、近視の児童生徒の増加が顕著になっています。そのため、県には先進事例を取り入れ、若年層のうちで対策を行っていただきたいと思います。

 次に、病床整備についてですが、患者にとって医療圏は関係なく、いかに自宅から入院、通院がしやすいのか、これが一番の選択肢だと考えます。安心・安全で暮らしやすいまちづくりには病院の存在、これが非常に重要なポイントだと考えます。令和3年の調べによりますと、救急車の現場到着時間は、全国平均9.4分に対し本県は平均10分、病院収容までの時間は全国平均が42.8分に対し49.7分とのことで、いずれも全国平均よりも遅いです。また、県内地域間でも、一番早い地域では現場到着は8.5分、病院収容は32.8分のところ、一番遅い地域では現場到着は13.5分、病院収容は66.9分と、県内だけでも大きな格差があります。

 救急搬送の問題点をお話ししましたが、私は、そもそも地域における病院の存在こそがこの問題の解決の糸口につながるものと考えます。県民の命を守るためにも、特に医療空白地及び空白地になってしまった地域に関しては、市町村の要望にしっかりと耳を傾け、病院の新設や配置等、柔軟な対応をしていただけるようにお願いいたします。

 次に障害者事業ですが、相談業務の課題は幾つかありますが、まず相談業務に関しては、国からの算定基準が低く、相談業務は大切な割に予算が少ないことです。ただでさえ人材の足りてない業種の上に、予算がないと現状で働いている方に大きな負担を強いることになり、なっても辞めてしまうという負のスパイラルに陥ります。県としましても、人材育成とともに相談業務への算定加算を国へ働きかけてください。

 そしてもう1点、相談業務は、ほかの福祉士と比較したときに処遇改善事業が該当しないということです。障害者相談員や中核の相談員は、はたから見ていても激務であり、特にコロナ禍では介助してないことから、看護師や介護士、福祉施設の支援員に出ていた手当が、対面での相談業務にもかかわらず出ていませんでした。何でも補助を出せばいいというわけではありませんが、相談員のモチベーションを保つため、そうした処遇改善業務の手当を相談員の方にも支給することについて、国へ働きかけていただきたいと思います。

 最後に、職員の負担軽減について要望いたします。

 何をもって優秀な人材か。事務処理能力、新たな発想、早いレスポンスなど、どれも優秀な人材と呼ばれる人に見受けられる点だと思います。

 ただ、私はこれに加えてもう1点大切な要素として、相手が何を求めているのかを想像できるコミュニケーション能力の高さ、これも大変重要だと考えます。全ての職員の方が同じ能力である必要はないと思いますが、県職員の中には、担当課によってはサービス業の一種と同等の対応が求められることがあると思います。そこで、民間企業と県庁を就職先として比較したとき、受験生が試験のハードルを理由として県庁を選択肢から外さないように、今後も柔軟な採用方法を進めていただきたいと思います。

 以上、2回目の質問と要望といたします。

○議長(伊藤昌弘君) 県土整備部長池口正晃君。

○説明者(池口正晃君) 新たな貯砂ダムについての御質問ですが、養老川本川における新たな貯砂ダムについては、現在、候補地の抽出を進めているところであり、今後はダムに参画する利水者や関係機関と調整しながら、早期に実現できるよう取り組んでまいります。

 次に、堆積土砂の利活用についての御質問ですが、撤去した土砂はこれまで土地改良事業などに活用してきましたが、今後は国や県が行う工事への流用など、利活用の可能性について幅広く検討してまいります。

 次に、ダム事務所の職員確保についての御質問ですが、業務を遂行するための組織体制の確保は重要な課題と捉えており、今後も職員確保に努めてまいります。

 以上でございます。

○議長(伊藤昌弘君) 防災危機管理部長添谷進君。

○説明者(添谷 進君) 高等学校が避難所となっている場合の教育機会の確保についての御質問にお答えいたします。

 高校も含めまして、学校施設が避難所となっている状況におきましても、教育活動の再開は重要であると考えております。避難者の環境に配慮もしながら教育活動と避難所の生活場所、これを分けること、あるいは新たな避難先を確保すること、こういったことにつきまして市町村や学校と連携して調整を図っていくこととしております。

 以上です。

○議長(伊藤昌弘君) 伊豆倉雄太君。

○伊豆倉雄太君 若干言い回しが変わりましたが、検討、検討、検討、いつまでたっても検討。県は本当に危機感を持っているのでしょうか。ロードマップを作成する際もまた検討されることでしょう。

 しかし、堆砂は一雨ごとに大きく蓄積されていきます。そもそもマンパワーが足りないのであれば、大きな事業があるとき、繁忙期には技術職の職員が業務に専念できるように、本庁から出先機関へ一時的に職員を派遣するなど柔軟な対応を取るべきだと思います。やったほうがいいと思いながら声を上げないのはやる気がないのと一緒です。必要があれば課をまたいでも行うべきですし、本庁は出先機関の状況にしっかりと耳を傾け、真摯に対応していただきたいと思います。

 私たちは二元代表制ですが、お互いの協力なくしては、よりよい県政はできません。自分たちの立場から発案しづらいこと、国に要望しづらいことなど、もっともっと私たち議員を使うべきだと思います。私たちも協力することを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

○議長(伊藤昌弘君) 次に、横山秀明君。

 (横山秀明君登壇、拍手)

○横山秀明君 皆さん、こんにちは。八千代市選出、公明党の横山秀明です。早速質問に入りますので、前向きな御答弁を何とぞよろしくお願いいたします。

 初めに、医療問題について質問します。

 1つ目、医療DX、デジタルトランスフォーメーションについてです。

 少子高齢化の進行に伴う医療機関の負担軽減や次の感染症危機の際に迅速に対応できる体制づくりの必要性から、医療DXが国を挙げて推進されています。その基盤となるオンライン資格確認等システムのネットワークを拡充し、医療全般にわたる情報を電子化して共有、交換できる全国的なプラットフォームの構築を目指す中、電子処方箋の運用が昨年の1月に始まりました。電子処方箋は、医師が処方内容をクラウド上に登録し、患者が薬局でマイナンバーカードか健康保険証を提示すると、薬剤師がそのデータを確認して薬を渡す仕組みとなります。これにより患者の処方履歴が一元化され、複数の医療機関や薬局で情報が共有でき、重複処方や飲み合わせの悪い薬があれば医師らが通知を受け取れる機能もあり、より質の高い診療の実現が期待できるとともに、業務の効率化とコストの削減が望めます。一方、マイナポータルを利用すれば、オンライン上で患者自ら診療情報をチェックでき、自己管理がしやすくなることに加え、処方の待ち時間の減少や重複処方がなくなって薬代を安く抑えられるなど、患者側にもメリットがあります。

 国では、来年の3月までにオンライン資格確認を導入した、おおむね全ての医療機関、薬局に電子処方箋の導入を目指していますが、本県内での運用状況は今年の1月7日現在、薬局においては全国平均を上回る一方、医療機関では全国平均を下回り、後れを取っています。本県における健康づくりの促進と、より良質な医療やケアが受けられるよう、県としても普及を後押ししていくことが重要と考え、質問いたします。

 医療機関と薬局などの情報共有を可能とする全国医療情報プラットフォームの構築に向け、電子処方箋などの普及にどのように取り組んでいくのか。

 2つ目、小児医療についてです。

 議長のお許しを得て配付いたしました小児病床数についての資料を御覧ください。こちらでございます。

 県内の人口が多い上位8市と、東葛南部保健医療圏に属する市における総人口及び15歳未満人口の10万人当たりの小児病床数を算出しています。また、比較として下のほうには、本県以外における県庁所在地以外で人口50万人以上の市の状況を調べてみました。自治体名の横にあるアスタリスクは政令指定都市、米印は中核市、星印は東葛南部保健医療圏に属する市を示しております。比較先として示した人口50万人以上の都市では、総人口10万人当たりの病床数では全て2桁、15歳未満人口では、川口市以外は3桁の数を確保しております。注目すべきは、中核市において、本県では船橋市が50万人以上に該当しますが、総人口及び15歳未満人口の10万人当たりの病床数は、それぞれ他市のほぼ半数となっています。続いて、星印の東葛南部保健医療圏を見ますと、県平均が119床に対し81床と下回っております。

 御存じのとおり、東葛南部保健医療圏は県内で最も人口が多く、今後の人口予測でも増加し、かつ若い世代が多い地域ですから、ニーズに合わせ小児病床を増やしていくことが重要となります。そして、この医療圏の中で、黄色で示した八千代、習志野、船橋、鎌ケ谷の4市の平均病床数も、県を下回る84床しかありません。習志野市では小児病床数が少なく、鎌ケ谷市ではゼロとなっております。

 小児医療の中心的役割を果たす八千代医療センターの小児科に入院した患者の地域別割合は、令和4年度で見ますと、地元八千代市が35%、船橋市が20%、習志野市で15%、その他で30%となっていることから、同センターが広範囲な患者の受皿となり、そのため、しばし受入れが困難な状況が生じているとのことです。小児医療においては、医師の不足や偏在に対する政策医療が強化されていますが、今後は小児病床数の偏在も加味して小児医療問題に対応していく必要があると考えます。

 そこでお伺いします。八千代、習志野、船橋、鎌ケ谷エリアの小児病床の偏在という課題について、県の認識と取組はどうか。

 3つ目は、後期高齢者医療制度について伺います。

 現行制度では、千葉県の後期高齢者医療広域連合の被保険者が県外へ転出するときは、原則として転出先の広域連合の被保険者になりますが、県外の福祉施設への入所のために転出した場合などには、引き続き千葉県の広域連合の被保険者となります。この仕組みは住所地特例と呼ばれ、施設などが多く所在する広域連合の医療給付が増大しないようにするために設けられております。

 この住所地特例の適用を受けている方から、先日、御相談を受けました。以前佐倉市に住んでいた頃は、御自宅の近くで健診を受けることができていたのだけれども、都内の施設に入居してからは、以前住んでいた佐倉市まで足を運んで健診を受けなければならず、もし施設の近くの医療機関で健診を受ける場合には全額自己負担となってしまうため大変困っているとのことでした。

 近隣の自治体、例えば神奈川県や埼玉県では、この住所地特例の被保険者が県外の医療機関などで健診と同等の検査を受けた場合には、広域連合がその費用の一部を助成する制度があるとお聞きしましたので、県担当部局を通じ、また、直接広域連合に本県でも制度の創設を要望してきました。高齢者の健康の保持には、定期的に検査を行うことなどにより疾病を予防していくことが重要であり、本県でも神奈川県などと同様の取組を行うことにより、住所地特例の被保険者が健診を受けやすくなるようにすることが望まれます。

 そこで伺います。県外の住所地特例対象施設に入居している後期高齢者が健診を受診しやすくするための取組状況はどうか。

 続きまして、福祉問題について取り上げます。

 まずは、子供の居場所づくりについてお聞きいたします。

 「トー横」、「グリ下」という言葉を御存じでしょうか。家庭や学校生活に悩みや問題を抱え、居場所のない若者がSNSを通じて繁華街に集うようになり、その集合場所の略称がそのまま若者たちを指す言葉として広まっております。しかし、彼らがつくり上げた居場所に、悪意ある大人が弱みに付け込んで売春や違法薬物、闇バイトといった事件につながっているとの報道が多くなり、こうした言葉を耳にした方も多いかと思います。

 子供を取り巻く環境は虐待やいじめ、不登校、自殺の増加など、課題が複雑化している中で必要性が高まっているのが、家庭や学校以外に安心して過ごせる第3の居場所です。こども家庭庁が一昨年度に子供や若者約2,000人を対象に行ったアンケート調査では、家や学校以外に居場所が欲しいと回答した数は7割以上に上り、このうちの4人に1人がそうした居場所がないと回答。特に中学、高校と年齢が上がるにつれて、家や学校以外の居場所を求めているものの、そうした場所がないと回答する数が多くなっていました。

 これを受けて、国では昨年12月にこどもの居場所づくりに関する指針を閣議決定。自治体に対し、こどもの居場所づくり支援体制強化事業の円滑な実施を求めています。本県でも速やかに居場所づくりに関する施策を進めていくべきと考え、質問いたします。

 子供の居場所づくりについて、県として、どのように取り組んでいくのか。

 2つ目、ケアラー支援の推進についてです。

 ケアラーへの切れ目のない支援の実施に当たっては、全てのケアラーやその家族等が孤立することなく健康で心豊かな生活を営み、将来にわたり夢や希望を持って暮らせるよう、施策を総合的かつ計画的に行えるケアラー支援条例の制定をする動きが全国の自治体に広がっております。

 私は、令和4年の6月定例会で条例化を積極的に検討するよう要望いたしました。また、ヤングケアラーの実態把握と支援策を検討する千葉県調査研究委員会の委員長が総括とする談話の中で、県にはケアラー支援条例の制定への検討を進めてほしいとも言及していることから、その後の県の取組、進捗について、改めて質問いたします。

 本県においてもケアラー支援条例の制定を検討すべきと思うが、どうか。

 また、我が会派では、ヤングケアラーの支援強化のため実態調査の実施を求め、さらに調査結果を踏まえた取組についても、昨年の6月定例会で取り上げております。その後、県内の自治体でも独自の支援が進められるようになりましたが、その連携も含め、適切な支援につながる取組の強化が求められております。

 そこでお伺いします。ヤングケアラーの実態調査結果を踏まえた令和6年度の取組はどうか。

 続きまして、教育問題について質問をいたします。

 初めに、県立学校のバリアフリー化についてです。

 我が会派では、14年前に県立高校にエレベーターの設置を求めたことを機に、県立学校のトイレやスロープ、エレベーター設置など、バリアフリー化の推進を繰り返し訴え続けております。こうした間、2014年には、日本が批准した障害者権利条約の中にある障害のある子もない子も一緒に学ぶという概念、2016年の障害者差別解消法の施行により、障害者が社会的不利を受けるのは社会の問題として、その障壁を取り除くのは社会の責務だとの認識が浸透しています。また、2021年4月から施行された改正バリアフリー法では、初めて公立小中学校のバリアフリーが義務化されるなど、社会環境も大きく変化してきました。さらに、令和4年の12月に文科省から「学校施設におけるバリアフリー化の一層の推進について」の通知が出され、公立小中学校以外の学校施設についても同様に取り組むよう求められております。

 そこで伺います。県立高校の校舎内における車椅子使用者用トイレ、スロープ、エレベーターの設置状況及び今後の取組はどうか。

 2つ目、プレコンセプションケアの啓発についてです。

 プレコンセプションケアは、直訳しますと妊娠前の健康管理です。日本は先進国の中で妊産婦や周産期の死亡率が最も低い国である一方、日本特有の課題として、若い女性の低栄養、痩せが不妊、早産、低出生体重児のリスクを高め、それに伴う子供たちの長期的な健康問題に影響を及ぼしております。また、ヘルスリテラシーが低いことによりがんの検診率が低く、避妊や性感染症の対策をパートナーに委ねるなど、当事者意識が欠けている風潮が長く続いております。さらに、若い世代の望まぬ妊娠のための人工中絶、DV、児童虐待などの増加、結婚や妊娠を望まない若者の増加による少子化問題の一方で、妊娠高齢化に伴う生殖補助医療実施数の増加などが社会問題化するなど、多くの問題を抱えています。

 こうした問題の解決に向け、絶対的に不足している前思春期から若い世代に対する国際標準の性と生殖に関する教育を取り入れたプレコンセプションケアを進めていく重要性が高まっています。2006年にはアメリカの疾病対策センターが、また、2012年にはWHO(世界保健機関)が相次いで同ケアを推奨。日本においては、2021年2月に閣議決定された成育医療等基本方針で、「女性やカップルを対象として将来の妊娠のための健康管理を促す取組」と定義され、対策が動き出しています。同ケアは小学校高学年から40代半ばまでの支援が必要とされ、より早い段階での啓発が重要だと言われています。そのため、学校教育においても成長過程に応じ、児童生徒たちが異性への理解や相手を思いやる心を育み、また、自身の健康と人生設計について考えるきっかけとなるよう取組を強化していただきたく、質問いたします。

 プレコンセプションケアに関する県教育委員会の認識及び県内公立学校における啓発等の実施状況はどうか。

 続いて、多様性の推進について質問をいたします。

 先日の我が会派の代表質問で、多様性尊重に関する質問の際に、県営住宅をはじめとした県有施設においても多様性に配慮した運用を強く要望いたしましたので、関連して私から県営住宅の入居基準についてお伺いいたします。

 公営住宅は終戦後、家族向け住宅が不足した時代に建設が進められ、法律により同居親族であることが入居要件と示され、親族でないとされる同性パートナーの申込みは不可能でした。しかし、公営住宅の入居者資格のうち同居親族要件については、2012年に公営住宅法上、廃止されました。これは、法の枠組みを外した上で各自治体の裁量で定められることができるよう、規定の廃止を行ったものです。誰一人取り残さない持続可能な地域社会の実現という考えが近年急速に浸透し、また社会で認められるようになったことで、同性パートナーでも公営住宅への入居を可能とする自治体が増えています。

 調べますと、昨年9月末には47都道府県のうち既に35団体で認められており、なかんずく1都6県では、千葉県を除いて全て入居が可能となっております。本県においても、同性パートナーにも入居資格を認めるといった行政サービスを早期に拡充していくべきであると思います。

 そこで伺います。県営住宅に同性パートナーでも入居可能とすることについて、県の考えはどうか。

 2つ目、音声版ハザードマップの推進についてお伺いします。

 ハザードマップの提供においては、ダイバーシティー(多様性)、インクルージョン(包摂性)に加えてエクイティー(公平性)。公平性とは、その不平等なスタート地点を認識し、不均衡を是正して対処することという考え方が重要です。ですので、音声で伝えられれば、視覚障害者の方のみならず、高齢者や外国人でも情報を得づらい方々それぞれに合わせて情報を届けることができますので、県が主体的に導入に取り組むべきと考えます。

 そこで伺います。音声コード対応のマップ作成や音声版ハザードマップのような耳で聴けるハザードマップの作成を推進すべきと思うが、どうか。

 続いて、県有施設における給水スポットの設置について伺います。

 中国をはじめとするアジア諸国の廃プラスチックの輸入規制を受け、国内での廃プラスチックの処理に影響が生じています。海洋プラスチックごみが世界的課題となり、廃プラの再生利用への社会的関心も高まる中、輸出に依存しない資源循環の仕組みの再構築が強く求められています。

 こうした中、最近では公共施設に給水スポットの設置やマイボトル利用の促進を通じ、ライフスタイルの変革を促し、使い捨てプラスチック製品の使用抑制による温室効果ガスの削減や環境汚染の防止等につなげる取組を行う自治体が広がり、本県内においても、佐倉市をはじめ4市2町が給水スポットの導入を進めています。また、こうした取組は熱中症対策にも大変効果的です。ちばエコスタイルの推進として県有施設での導入を推進すべきと考え、お伺いいたします。

 県有施設における給水スポット設置を推進していくべきと思うが、どうか。

 続いて、ウオーターフロントの活性化について伺います。

 千葉港長期構想では、千葉北部地区と位置づけられている千葉市稲毛海浜公園から習志野市茜浜緑地までの海岸沿いを親水・交流ゾーンとし、旅客船桟橋の整備による海上交通ネットワークの実現と、海辺が過ごしやすい空間となるよう整備し、また、隣接する商業施設等を訪れた人々が海辺に親しめるよう回遊性を高め、県民、来訪者に親しまれる港湾を目指すことを基本戦略として描かれており、県と港湾所在市による整備が進められています。習志野市芝園地区の海岸には親水護岸が整備され、波をイメージしたパーゴラやベンチがあり、また、風力や太陽光を利用したハイブリッド照明等が設置され、釣りや読書などを楽しむ人々が見受けられます。しかし、ここから千葉市側へ歩いていきますと、千葉市と習志野市の境となる花見川第二終末処理場の裏側辺りではフェンスが設けられ、通行ができないようになっています。ウオーターフロントのネットワークを進めるためにも、県と両市の連携の上で通路の開放を求めまして質問いたします。

 親水・交流ゾーンの活性化を図るため、千葉市と習志野市をつなぐ管理用通路を開放すべきと思うが、どうか。

 続いて、農林水産業について質問します。

 1つ目は、県農林水産業振興計画についてです。

 本県の農業産出額は、かつて北海道に次ぐ全国2位を誇っていましたが、令和元年の台風・大雨被害の影響や高病原性鳥インフルエンザ発生のほか、新型コロナウイルスの感染拡大による需要減などを要因に5年連続の減少となり、令和3年度には全国順位が6位まで後退しました。しかしながら、昨年末に発表された令和4年度の農業産出額では、2年ぶりに全国順位が4位にまで回復しておりました。

 こうした中、本県の県農林水産業振興計画では、前計画から引き続き、令和7年度までの現計画においても農業産出額2位奪還を掲げております。この振興計画には数値目標を定め、各種施策に取り組まれており、目標に対する現在の進捗や成果がどうか、気になるところです。

 そこで伺います。千葉県農林水産業振興計画に掲げた目標に対する進捗や成果はどうか。

 2つ目、食料の安全保障対策について伺います。

 日本の食料自給率は戦後一貫して下降を続ける中、食料や農業の現場で起きているクワトロショックが国民生活に大きな影響を与えていると報じられております。クアトロショックとは、新型コロナウイルス感染症、外国人による商品の買い占め、異常気象、ウクライナ紛争と、4つの理由によって、私たちが食べている食料や食料を作るための材料が思うように手に入らなくなっていることをいいます。世界中で食料や生産資材の争奪戦が厳しさを増したことで、国内の農家は肥料代、餌代、燃料費など生産コストが急騰し、営農の継続が危ぶまれています。輸入依存が非常に大きな問題として顕在化されている今、自治体としても対応が急務であることから、本県の認識、影響、対策についてお聞きします。

 物価高騰や穀物等輸入依存など農業を取り巻く昨今の状況について、県はどのように認識し、どう対策を講じていくのか。

 最後に、地域課題について質問いたします。

 1つ目、東葉高速鉄道についてです。

 東葉高速鉄道では、開業当初は営業利益や得られた現預金では、鉄道建設費約3,000億円を長期有利子負債で賄ったために、元本の返済はおろか債務の利払いにも足りず、経常収支は赤字で、逆に負債額が年々増加しておりましたが、その後、周辺自治体などの支援の結果、2010年度の決算では、支払い利息の低減などにより開業以来初めて黒字に転じ、それ以降、毎年単年度黒字となっております。2020年代に入ってからは、賢明な経営努力により増収増益を重ね、数年内には債務超過の解消の見通しが立つほど、経営状態は最悪の状況からは改善しつつあると聞いております。

 そこで伺います。債務超過の解消の見込みはどうか。

 県内で最も高いと言われる運賃において、私は県議選初挑戦の公約の1つに掲げ、これまでの取組によって割引率を10%拡大し、通学定期代が値下げしております。しかしながら、同鉄道を利用する沿線住民の多くの方々からは、まだまだ家計の負担が重く、さらなる運賃の値下げを強く求められております。こうした切実な声を受け、八千代市議会でも、2021年の12月に通学定期の割引率拡大の早期実現を求める決議が全会一致で可決しています。債務超過の解消を1つのタイミングとして、さらなる通学定期の割引率を拡大するよう、県においても積極的な働きかけを強く求めるところです。

 そこでお伺いいたします。通学定期の割引など、利用者の利便性向上に向けた取組が必要だと思うが、どうか。

 次に、花見川、新川のサイクリングロードの整備推進についてです。

 印旛沼及び印旛放水路の沿川は、東京湾から利根川を結ぶサイクリングロードとして、八千代市の阿宗橋から東京湾までの間は堤防の管理用通路について、一部区間を除き、八千代市が新川遊歩道、千葉市が花見川サイクリングコースとして協定を結び、一般利用を促しています。近年では水辺活用によるにぎわいの創出を図るため、印旛沼から印旛放水路にかけて、千葉市花島公園、佐倉市ふるさと広場及び八千代市県立八千代広域公園において、水辺拠点整備を実施するかわまちづくりが始動し、また、この区間の地域資源やイベントを結んでさらなる活性化を図る官民連携のプロジェクトが立ち上がるなど、ますます利用者が増えると見込まれます。それにより、安全面の強化からサイクリングロードの整備はこの先、必然的に高まりますので、ぜひ県と千葉市及び八千代市との協議会を再開させ、未整備区域の整備推進を図っていただきたいと要望し、質問いたします。

 東京湾と利根川を結ぶサイクルルートのうち、新川・花見川サイクリングロードの整備を進めるべきと思うが、どうか。

 以上、壇上からの1回目の質問といたします。前向きな答弁をよろしくお願いいたします。(拍手)

○議長(伊藤昌弘君) 横山秀明君の質問に対する当局の答弁を求めます。知事熊谷俊人君。

 (知事熊谷俊人君登壇)

○知事(熊谷俊人君) 公明党の横山秀明議員の御質問にお答えをいたします。

 まず、福祉問題についてお答えをいたします。

 ヤングケアラーへの支援に関する御質問ですが、令和4年度に行った実態調査の結果、子供自身がヤングケアラーの自覚がないため相談しない、相談したくても相手が分からない、周りの大人がヤングケアラーであることに気づかない等の課題が判明をいたしました。そのため県では、今年度からヤングケアラーの相談窓口を設置し、支援のためのコーディネーターを配置するとともに、認知度を向上させるためのユーチューブ等を活用した広報啓発活動や学校関係者を対象とした研修などを実施してきたところです。来年度は支援コーディネーターを増員し、相談窓口での支援体制の強化を図るとともに、ヤングケアラーへの対応について相談のあった学校等を訪問し、連携して適切な支援につなげるなど支援体制の構築を進めてまいります。

 次に、農林水産業についてお答えをいたします。

 農業を取り巻く状況への認識と対策についての御質問ですが、肥料や農薬、燃油などを含む農業生産資材価格指数は、令和5年4月をピークに若干下落したものの依然高水準にあり、特に燃油を使用する施設園芸や飼料を輸入に頼る畜産が盛んな本県においては、引き続き厳しい経営環境が続いていると認識をしています。このため県では、物価高騰の影響を受けにくい経営体質への転換に向け、施設園芸での省エネ機器や飼料生産に必要な機械の導入支援などを行うほか、国の交付金も活用し農業者の負担軽減を図っているところです。さらに、来年度は本県農業を牽引する経営体の育成や、輸出も含めた県産農産物の需要創出・拡大、農業のスマート化の取組を強化するなど、稼げる農業の実現に向けて取り組んでまいります。

 私からは以上でございます。他の質問につきましては担当部局長からお答えをいたします。

○議長(伊藤昌弘君) 保健医療担当部長鈴木貴士君。

 (説明者鈴木貴士君登壇)

○説明者(鈴木貴士君) 私からは、まず、全国医療情報プラットフォームの構築に向けた取組についてお答えいたします。

 国では、デジタル技術の活用による医療の質向上、業務効率化、健康づくりや医療産業の振興を目指す医療DXを推進するため、医療機関や薬局等での保健医療の情報等を共有可能とする全国医療情報プラットフォームの構築を進めており、県としても、その推進は大変重要だと認識しています。現在、国のモデル事業として、海匝地域の病院、薬局において処方箋の共有のための電子化の取組が進んでいるところですが、県においても、プラットフォームの構築に必要となるオンライン資格確認等システムの医療機関等への普及啓発を進めています。今後は県内全域の医療機関、薬局を対象に電子処方箋システムの導入への補助などを行うこととしており、引き続き同プラットフォームの構築に向けて取り組んでまいります。

 次に、小児病床の偏在についての御質問ですが、病床整備については、その利用者に合わせて小児や高齢者といった区分を設けることはしておらず、また医療法の考え方に基づき、2次医療圏を単位として必要な整備を行っています。一方で、小児医療については高いニーズがあるものの、小児科医の不足や地域による偏在などの課題が見受けられることから、県では、今年度から医療関係者や学識経験者等で構成する小児医療協議会を設置し、こうした課題の解決に向けた議論を行っているところです。今後とも同協議会における議論を踏まえ、限られた小児医療資源を効率的に活用し、小児医療の充実を図る方策等について検討してまいります。

 以上でございます。

○議長(伊藤昌弘君) 健康福祉部長高梨みちえ君。

 (説明者高梨みちえ君登壇)

○説明者(高梨みちえ君) 私からは、まず、後期高齢者の健診についてお答えいたします。

 県内の後期高齢者が県外の施設への入居などのため転出する場合には、引き続き本県の後期高齢者医療制度の被保険者となることから、その被保険者は、転出前に住んでいた市町村が指定する医療機関等で健診を受診することになっており、入居施設等の周辺で受診する場合には、その費用が全額自己負担となります。千葉県後期高齢者医療広域連合では、こうした住所地特例の被保険者が健診を受診しやすくなるよう、負担軽減について検討を重ね、来年度から対象者が県外の医療機関等で健診を受診した場合に、広域連合がその費用の一部を助成する制度を開始することとしたと聞いております。対象施設などの制度運用の詳細は現在検討中とのことであり、県としても、広域連合が制度を円滑に導入できるよう必要な助言等を行っていきたいと考えております。

 次に、子供の居場所づくりについてお答えいたします。

 地域のつながりの希薄化、少子化の進展により、子供同士が遊び学ぶ機会が減少するなど、子供を取り巻く環境は大きく変化しており、国のこどもの居場所づくりに関する指針において、全ての子供が安全で安心して過ごせる多くの居場所を持つことが重要とされています。また、子供の居場所づくりは、市町村が地域の状況把握等を行い、関係者と連携して計画的に推進し、県は市町村の支援等、広域的な見地から支援するものとされております。このため県では、放課後の居場所となる放課後児童クラブの施設整備等の市町村支援に加え、新たに食事や団らんの場を提供する子供食堂の活動を推進するため、その立ち上げや地域におけるネットワーク構築等を支援するなど、子供の居場所づくりに取り組んでまいります。

 最後に、ケアラー支援条例の制定についての御質問ですが、ケアラーの支援に関し、基本理念や県の責務等を定めるケアラー支援条例は、近県では埼玉県、茨城県、栃木県が制定していると承知しております。県ではケアラーの身体的、精神的な負担を軽減するため、高齢、障害などの分野ごとの相談窓口の設置や介護者の家族同士が集う交流会の実施、介護者のレスパイトにつながるショートステイなどの整備促進などに取り組むほか、今年度から新たにヤングケアラーの専門相談窓口を設置しました。引き続きこれらの事業を着実に実施し、ケアラー支援に取り組んでまいります。

 以上でございます。

○議長(伊藤昌弘君) 教育長冨塚昌子君。

 (説明者冨塚昌子君登壇)

○説明者(冨塚昌子君) 初めに、県立高校の車椅子用トイレなどの設置状況及び取組についての御質問にお答えいたします。

 本年2月1日現在、県立高校の本校やキャンパスなど128施設のうち、車椅子使用者用トイレを設置している施設の割合は73.4%、同様にスロープは75.8%、エレベーターは12.5%となっています。エレベーターについては、令和6年度当初予算案に新たに県立高校エレベーター設置事業を計上し、今後は地域ごとにリース方式により計画的な設置を進めてまいります。また、県有建物長寿命化計画に基づいて進めている大規模改修においても、多目的トイレ、スロープ、エレベーターを設置するなど、学校施設のバリアフリー化に一層取り組んでまいります。

 次に、プレコンセプションケアに関する御質問ですが、学校教育段階においては、プレコンセプションケアに関わる内容として、児童生徒が妊娠や出産等を含む性に関する正しい知識を身につけ、互いを尊重し、理解し合うことの大切さ等について学ぶことが重要であると認識しています。各学校においては、学習指導要領に基づき、児童生徒の発達段階に応じた性に関する指導を計画的に行うほか、様々な場面において、よりよい人間関係づくりを育むための学習活動を行っています。また、医師や看護師など、外部人材を活用して性に関する講演等を行っている学校もあり、その中で相手を大切にし、互いを尊重することで異性への理解につながることについても伝えています。

 以上でございます。

○議長(伊藤昌弘君) 都市整備局長小川剛志君。

 (説明者小川剛志君登壇)

○説明者(小川剛志君) 県営住宅の入居者に関する御質問にお答えいたします。

 県営住宅は、住宅に困窮する所得の低い方を対象に低廉な家賃で住宅を供給することにより、県民生活の安定と福祉の増進に寄与することを目的に設置されております。これまで県営住宅に入居することができる方の要件として、高齢者、障害者、生活保護受給者等の単身者や同居しようとする親族がいる方などとしてきましたが、時代や社会情勢の変化に伴い、柔軟な対応が求められています。県としては、社会の要請や国、他の自治体の動向を踏まえ、引き続き県営住宅が住宅セーフティーネットとしての役割を果たせるよう努めてまいります。

 私からは以上でございます。

○議長(伊藤昌弘君) 防災危機管理部長添谷進君。

 (説明者添谷 進君登壇)

○説明者(添谷 進君) 私からは耳で聴けるハザードマップについてお答えをいたします。

 災害時の円滑な避難行動のため、障害のある方も含め、誰もが浸水などの災害リスクを把握できるようにする必要があり、音声で知らせるハザードマップの普及は重要であると考えています。国では、スマートフォン上で知りたい場所におけるリスクや取るべき行動を文字で地図上に表示するサイトを公表しており、県では、このサイトと音声読み上げソフトを併せて活用することを周知しているほか、市町村の音声対応のハザードマップ作成に対し財政支援しているところです。今後もこれらの対応を進め、誰もが災害リスクの情報を入手しやすい環境づくりに取り組んでまいります。

 以上です。

○議長(伊藤昌弘君) 環境生活部長井上容子君。

 (説明者井上容子君登壇)

○説明者(井上容子君) 県有施設における給水スポット設置に関する御質問についてお答えいたします。

 外出先で持参したマイボトルに給水できる給水スポットの設置はプラスチックごみの削減につながるだけでなく、熱中症対策としても有効です。県では、ごみを減らすために身の回りでできることを実践するちばエコスタイルを推進しており、その取組の一環として、マイボトルに給水できる県や市町村の施設を調査中であり、年度内に県ホームページで紹介する予定です。また、熱中症対策として、一部の県有施設を、暑さをしのぐためのクーリングシェルター等として開放することを予定しており、その際には給水スポットとしてウオーターサーバーの設置についても検討してまいります。

 以上でございます。

○議長(伊藤昌弘君) 県土整備部長池口正晃君。

 (説明者池口正晃君登壇)

○説明者(池口正晃君) 私からは、まず、千葉市と習志野市をつなぐ管理用通路についての御質問にお答えします。

 千葉市北部から習志野市にかけての海岸は、人工海浜として県が整備し、身近に海を楽しめる場として多くの県民に親しまれています。習志野市と千葉市をつなぐ管理用通路については、沿道にある幕張の浜に立ち入らせないよう通行止めとしていますが、現在、通行止めを解除するに当たって、海岸を安全に利用できる方策の検討を行っています。今後は、より多くの県民が安全に利用できるよう、親水・交流ゾーンの活性化に向け努めてまいります。

 次に、サイクリングロードについての御質問ですが、新川遊歩道、花見川サイクリングコースは、千葉市及び八千代市が県管理河川の堤防上を遊歩道として整備・管理しています。さらなる利活用の促進のため、地元市がサイクリングロード等を整備する際は、県は河川管理者として助言を行うなど協力してまいります。

 以上でございます。

○議長(伊藤昌弘君) 農林水産部長前田敏也君。

 (説明者前田敏也君登壇)

○説明者(前田敏也君) 千葉県農林水産業振興計画についてお答えいたします。

 本計画は令和4年度から7年度までを計画期間とし、将来の目指す姿である農林水産業が魅力ある力強い産業に育っている千葉の実現に向けた取組や数値目標等を掲げたものでございます。令和4年度は、既に実績が判明した30項目の数値目標等のうち、農林水産業のスマート化など12項目が計画1年目の目安となる水準に達している一方で、農業産出額や輸出額など、その水準に達していない項目もあることから、引き続き計画に掲げた目標の達成に向けて取り組んでまいります。

 以上でございます。

○議長(伊藤昌弘君) 総合企画部長冨沢昇君。

 (説明者冨沢 昇君登壇)

○説明者(冨沢 昇君) 東葉高速鉄道に関する御質問についてお答えいたします。

 まず、債務超過についてですが、東葉高速鉄道の債務超過額は年々減少傾向にあり、令和4年度末時点では8億円と、前年度に比べ27億円減少しております。このため会社からは、現時点における今年度の決算見込みを踏まえると、今年度中には債務超過は解消する見込みと聞いております。

 なお、会社の抱える長期債務は依然として約2,300億円と多額であり、金利の動向が経営を左右する不安定な状況に置かれていると考えております。

 次に、利便性向上に向けた取組に関する御質問ですが、東葉高速鉄道は開業以来、利用者が増加傾向にあり、近年は13期連続で経常黒字となる一方で、依然として多額の長期債務を抱え、今後の金利動向によっては償還額が増加し、会社の経営を圧迫する可能性もあります。このため県としましては、通学定期の割引率拡大といった利便性向上の取組を検討するに当たっては、経営への影響を慎重に見極めながら、実現可能性について、会社や沿線市と意見交換をしてまいります。

 私からは以上でございます。

○議長(伊藤昌弘君) 横山秀明君。

○横山秀明君 知事はじめ執行部の皆様、御答弁ありがとうございました。それでは、再質問と要望を行います。

 まず初めに小児医療についてですが、今回の質問を機に県内の小児病床の実態をしっかりと把握した上で、今年度から設置された小児医療協議会において、医療人材と病床との両面から小児医療の充実を図る方策等についてぜひ検討していただき、計画等に反映していただきますよう要望いたします。

 続きまして、後期高齢者医療制度について要望いたします。

 制度が創設されたことを高く評価させていただきたいと思います。ありがとうございます。新たな制度を開始するに当たっては、対象となる人には漏れなく周知を図っていただき、また利用者が申請など分かりやすく、やりやすい手続となるようにぜひお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

 続きまして、ケアラー条例について要望です。

 今やケアは社会で支える時代です。ケアラーが個人として尊重され、健康で文化的な生活を営むことができるよう社会全体で支えていくには条例化は不可欠です。前回の質問では、国や他の自治体の動向を注視するということでしたが、今回はそれさえもなくなって後退したのかなと印象を受けました。改めて制定に向けて取り組むよう、強く要望いたします。

 続いて、ヤングケアラーに関しまして再質問いたします。

 今年度から相談窓口に支援コーディネーターを配置し、そして来年度は相談窓口における支援体制の強化を図るとの御答弁がありましたが、実際にどのような役割を担い、効果を期待しているのかを伺いたいと思います。

 そこで伺いますが、相談窓口に配置した支援コーディネーターにはどのような役割を期待しているのか。

 次に、教育問題について、県立学校のバリアフリー化について要望と再質問をいたします。

 まず要望ですが、例えばバリアフリーが整備されても、ちょっとした段差やスロープの傾斜がきつく、車椅子の方が1人で通れなければ全く意味がありません。今後設置に当たっては、当事者の方々から御要望がありました建築物移動等円滑化誘導基準というのがありますが、その基準に配慮していただくよう要望いたします。

 そして再質問いたしますが、車椅子使用者用トイレ、スロープ、エレベーター、それぞれの設置が進んでいることを確認できました。ただし、エレベーターの設置率が10%台であるのが気になります。というのも、東京都はエレベーターの設置率は7割を超えておりますが、それ以外の首都圏にある近隣自治体でも3割まで設置が進んでいるからです。

 そこでお伺いいたします。県立高校エレベーター設置事業について、今後、リース方式により計画的に進めるとのことだが、具体的にどのように進めるのかお答えください。

 次に、県営住宅の要件見直しについて要望します。

 県として多様性尊重条例が1月より施行されましたので、理念にのっとり、速やかに入居可能となるよう進めていただくよう要望いたします。

 次に、ウオーターフロントの活性化について要望します。

 親水・交流ゾーンの活性化では、管理用通路の解除に向けた検討をしていただけるということでしたので、早期に実現を図っていただくよう要望いたします。

 また、通路の解除のみならず、習志野市芝園の親水護岸のように、千葉市側も親水護岸の整備や、全体的に親水護岸へのアクセス整備や駐車場の設置など、広く活用されるよう整備の推進を要望いたします。

 東葉高速鉄道についてです。

 運賃が高くて利用を控えている方が多いと聞きます。潜在利用者を調査する目的で期間限定の運賃値下げを行うとか、オフピークにおける鉄道利用者の掘り起こしと地域活性化につながる取組を沿線施設や商店街などと取り組むなど、運賃収入に影響が出ない範囲で運賃が下げられる新たな取組を積極的に行っていただきますよう要望いたします。

 以上、2回目の質問と要望といたします。

○議長(伊藤昌弘君) 健康福祉部長高梨みちえ君。

○説明者(高梨みちえ君) ヤングケアラーの支援コーディネーターの役割に関する御質問ですが、ヤングケアラーへの支援については、市町村、学校、福祉の関係機関等が連携して対応する必要があることから、窓口に寄せられた相談内容に応じて適切に連携が図れるようパイプ役となることを期待しており、円滑な支援に向けて取り組んでまいります。

○議長(伊藤昌弘君) 教育長冨塚昌子君。

○説明者(冨塚昌子君) 県立高校エレベーター設置事業の進め方に関する御質問です。本事業では、障害のある生徒等にとって、進学先が一定程度用意されている状況となるよう、エレベーター設置率の地域間の均衡や学科等を総合的に勘案し、計画的に設置を進めてまいります。設置校がない地域から着手し、令和10年度までに合計で12校に設置する予定であり、本事業と大規模改修工事により、令和10年度末には設置率が約4割になると見込んでおります。

 以上でございます。

○議長(伊藤昌弘君) 横山秀明君。

○横山秀明君 様々御答弁ありがとうございました。

 最後に要望です。ヤングケアラーに関しまして、相談の具体的支援の段階に当たりましては、市町村につなげる仕組みづくりを要望いたします。

 以上、御清聴いただきありがとうございました。

○議長(伊藤昌弘君) 暫時休憩します。

 午前11時40分休憩

    

 午後1時0分開議

○副議長(山本義一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 引き続き質疑並びに一般質問を行います。通告順により山下洋輔君。

 (山下洋輔君登壇、拍手)

○山下洋輔君 皆さん、こんにちは。柏市選出、立憲民主党、山下洋輔です。通告に従い質問させていただきます。

 まず、手賀沼について。

 手賀沼周辺の特性を生かした地域活性化やブランディングについてお尋ねいたします。

 手賀沼は、東葛飾地域に広がる水辺の憩いの空間です。東京駅から柏駅まで常磐線直通で30分、柏駅から自転車や車で15分くらい、東京駅から約1時間で遊びに来ることができます。今日傍聴にお越しいただきました柏中央地域ふるさと協議会の皆様とも、先月、手賀沼を視察してまいりました。かつては日本でもトップクラスで汚い沼でしたが、千葉県の御尽力により、今では美しい景色の水辺環境として地域の貴重な資源となっております。

 平将門にまつわる史跡や首都圏で現存する教会堂としては最古の教会堂と言われる旧手賀教会堂、白樺派の拠点もありました。志賀直哉が「暗夜行路」を書いたのも、この手賀沼周辺でございます。2021年にリニューアルされた道の駅しょうなんには、2022年度実績では年間約130万人ものたくさんの人が訪れ、この地域の活性化を後押ししております。柏市としても、手賀沼アグリビジネスパーク構想の下、手賀沼周辺の魅力を引き出すよう取り組んできましたが、手賀沼流域は我孫子市や印西市にも及ぶことから、千葉県としての役割を期待しています。

 そこでお尋ねいたします。手賀沼周辺の特性を生かした地域活性化やブランディングについてはどのように取り組んでいくのかお聞かせください。

 次に、手賀沼における水面利用ルールの策定について質問いたします。

 魅力あふれる手賀沼ではありますが、人口が減少し、公共交通は十分ではなく、遊休地や不法投棄の懸念等、土地活用にも課題がございます。景観の保全、水質、生物多様性、歴史、文化の保全、訪問者の数や売上げなど、手賀沼の魅力を生かした地域活性といっても考え方は多様でございます。手賀沼は地域の資源であるからこそ、多くの人が関わり、市民の要望や流行などにも影響を受けやすい面もあります。

 水上バイクの危険性や外来種が放たれる心配などもお聞きします。自治体もまたがるため、千葉県としても、手賀沼周辺自治体や関係団体とともに、手賀沼における水面利用ルールを策定すべきと考えますが、どうでしょうか、お聞かせください。

 次に、手賀沼周辺に生息するコブハクチョウ対策についてです。

 全長150センチメートル、20キログラムぐらい。大きなコブハクチョウが稲の苗を食べ、稲の苗を踏み潰し、その農業被害は深刻です。千葉県の調査結果によると、柏市、我孫子市、印西市、白井市合わせて、令和元年度約820万円、令和2年度約1,220万円の農作物被害が確認されています。農家の方のお話をお聞きする中で、営農意欲の減退にもつながり、数字以上に深刻な影響を及ぼしていると考えます。千葉県の調査では、手賀沼周辺で確認されたコブハクチョウの数は、令和元年度168羽、令和2年度168羽、令和3年度166羽となります。この数よりも多いのではないかという声もお聞きします。

 コブハクチョウは身近に観察できる鳥類として親しまれていますが、物語に出てくる白鳥とは違う鳥で、渡り鳥ではなく、1年中、手賀沼周辺で過ごしています。環境省や農林水産省では、侵略的外来種として、地域の自然環境に大きな影響を与え、生物多様性を脅かすおそれがあるものとされています。これらの事実を市民や観光客の方々に知ってもらうことも必要です。

 そこでお尋ねいたします。手賀沼のコブハクチョウについて、農業被害への対策はどうか。また、餌やり禁止の啓発について取組はどうか、お聞かせください。

 次に、指定廃棄物等についてです。

 指定廃棄物の保管場所の確保についてお尋ねいたします。

 指定廃棄物は、2011年3月11日の東日本大震災に伴う福島第一原発の建屋爆発で、放射性物質が大気中に飛散したことを起因して発生いたしました。風で運ばれ雨に流されて、柏市を含む東葛地域に多く降下し、付着したごみを処理した焼却灰が8,000ベクレルを超える高濃度の指定廃棄物となりました。環境省では、この指定廃棄物の処理を千葉県内1か所に集約することを決定しましたが、設置箇所をめぐっては話がまとまらず、柏市など県内の各所において、今なお仮保管が続いています。仮保管の状態が9年となり、柏市としては本保管場所への移転を要望しています。

 仮に保管させていただいている地元との約束もあります。昨年9月、会派で視察した柏市北部清掃工場では、敷地の真ん中に仮保管され、老朽化した工場の建て替え計画などにも支障を来しています。指定廃棄物は、厚さ30センチメートルのコンクリートのボックスカルバートに密閉されているといっても、年月とともに内部のゴムは剥がれていき、漏水を懸念するお声もお聞きします。大雨でボックスカルバートが水に浮いてしまうリスクも指摘されています。

 指定廃棄物の本保管場所の確保に向けて、千葉県としてはどのように取り組んでいるのかお聞かせください。

 次に、県内で保管している除去土壌の処分について。

 福島第一原発事故の後、放射性物質で傷ついた環境を回復するために除去された土壌は除去土壌と呼ばれます。ホットスポットとなった東葛地域では、除去土壌を校庭や公園、個人の庭に埋設処理し、そのままとなっています。

 県内で保管している除去土壌の処分について、千葉県としてはどのように取り組んでいくのかお聞かせください。

 次に、児童相談所についてです。

 児童福祉司、児童心理司、児童指導員等の専門職の人材確保についてお尋ねいたします。

 この問題について、私たちの会派の入江議員による代表質問、網中議員や野田議員による一般質問をはじめ常任委員会など、しばしば取り上げておりますが、なかなか改善が進まない状況が続いています。全国的に児童相談所関係の職員の確保は困難になっており、自治体間での人材獲得競争、若手世代の大量採用による職員の年代構成の著しい偏りなどが課題となっています。千葉県でも同様の問題を抱えており、本年度の児童相談所関係の専門職の採用予定者数は合計155人のところ、89人とお聞きしています。

 御担当課におかれましては、人材確保のためお取り組みされていることは承知しておりますが、例えばお隣の東京都では、採用した職員用に配属された児童相談所近くの民間の借り上げ住宅を用意したり、あるいは臨床心理士や公認心理師、社会福祉士の資格取得の費用を補助するなど、人材確保に取り組まれています。

 そこでお尋ねいたします。千葉県は児童福祉司、児童心理司、児童指導員等の専門職の人材確保に向けてどのように対応していくのかお聞かせください。

 また、長期療養、休職等に伴う欠員補充の代替職員についてはどのように確保していくのかお聞かせください。

 中核2市における児童相談所の新設に向けての支援について。

 年々増加する児童虐待等に対応するため、柏市は中核市として独自に児童相談所を設置することを決定し、令和8年度中の開設を目指しています。しかしながら、柏市が児童相談所を設置するに当たっては、専門的人材の確保や育成が大きな課題となっています。児童相談所の開設には多くの人材が必要であり、柏市でも専門的人材の確保に努めているところではありますが、児童相談所を設置していない柏市としては、開設時に児童福祉司及び児童心理司、それぞれのスーパーバイザーや所長など、実務経験が豊富な職員等を配置することは難しく、県から柏市の児童相談所に派遣していただくような支援が必要であると考えます。

 中核2市における児童相談所の新設に向けて、千葉県はどのように支援していくのかお聞かせください。

 次に、里親を増やしていくための取組についてお尋ねいたします。

 千葉県は児童相談所の数が足りていません。特に中央や市川、柏管内の千葉県北西部は相談件数も多く、十分な支援ができているとは言い難い現状です。

 児童虐待相談は急激に増加しています。千葉県や柏市、船橋市でも新たに児童相談所を設置する予定ですが、急激に増加する児童虐待について、児童相談所の設置だけでは対応できないのが現実です。そのためにも里親制度の普及が重要であると考えます。

 現状では、児童相談所は子供の命に関わる案件に対して、一時保護の介入的な支援に力を入れ、養育や育児といった初期の対応や発生予防、自立支援などは自治体で担うような連携が必要です。全てを児童相談所が担うのではなく、里親制度の充実や保護施設の支援などにも力を入れていくべきと考えます。

 そこでお尋ねします。里親を増やしていくために県はどのように取り組んでいるのかお聞かせください。

 次に、ヤングケアラーについてです。

 小中高生など10代の家族介護者であるヤングケアラーは、親の介護のために部活動もできず、学業にも専念できず、孤立してしまうという事例もあります。進学を断念したというお話もお聞きします。行政の情報が届きにくいというだけではなく、介護していることを本人が学校などで隠しているために支援されないままでいるということもあるようです。介護が終わったときには、進学や就労、結婚の機会を逃してしまったということもあり得ます。

 ヤングケアラーの問題は、働き方やジェンダー、高齢化、少子化、人口減少などの問題でもあります。社会の現状と制度のギャップが弱い立場である人に負担を押しつけてしまっているようなことにもなっています。ヤングケアラーを地域でどのように把握し、支援すればよいのか。学校や行政での調査や啓発、スクールソーシャルワーカーや民間を含めたサポートへのつなぎ、サポート団体への支援、市町村、関係団体との連携などが重要になってきます。

 そこでお尋ねいたします。ヤングケアラーへの支援について、市町村や関係団体とどのように連携を図っていくのか、お聞かせください。

 次に、食育の推進について質問いたします。

 食育は、幼児期から高齢者まで各ライフステージに応じて取り組むべきものがあり、地産地消の推進、都市と農山漁村の交流促進、地域の食文化の継承、食と環境の調和や食の安全保障など、多岐にわたるテーマがあります。特に千葉県ならではの食育として、ユネスコ文化遺産でもある和食の礎となった発酵・醸造文化は重要なものです。私たちが住む東葛飾地域も水運の要衝で、野田のしょうゆや流山のみりんなど、発酵・醸造文化が盛んな土地柄です。地域の文化を知り、地域への愛着を育てていく。食育こそが地域をつくっていくことになります。ぜひ千葉県の誇る発酵・醸造文化を世界に発信していただきたいと考えます。

 生産から食卓まで農林水産、流通経済、世界情勢と、政治経済や歴史文化など、あらゆるエッセンスが食育には詰まっています。社会は高齢化が進展し、健康寿命の延伸が重要な課題です。これからは県民一人一人が生涯を通じて心身ともに健康でいられるよう、市町村をはじめ企業や団体等の様々な関係者と連携し、社会全体で取り組んでいくことが重要ではないでしょうか。特に生活習慣病を発症しやすい働く世代における食生活の改善に取り組むことで、医療費を削減するだけではなく、市民一人一人のウェルビーイングを高めていくことにもつながります。

 そこでお尋ねいたします。食育の推進に当たり、食生活の改善に向けて県はどのように取り組んでいるかお聞かせください。

 次に、道路についてです。

 道路関係部署や県警の皆様には、日々、市民からの要望に対し御対応いただき、感謝申し上げます。

 柏市を走る県道における状況を申し上げますと、市川柏線の柏駅周辺から千代田付近では交通量も多く、歩道が狭い中、小中学生の登下校と重なり危険です。また、バスの通行量も多く、また工事による不具合からか、振動により沿線の住民は悩まされています。船橋我孫子線の箕輪付近では歩道がなく、小中学生の登下校でも危険な状況です。また、船橋我孫子線の高柳や白井流山線の高柳では渋滞が発生しています。

 このように各箇所で様々な課題を抱えていますが、特に今回は県道我孫子関宿線の柏市布施地先についてお尋ねいたします。この箇所は小学生、中学生、高校生の朝夕の登下校時、車両の交通量も多く、歩道拡幅など対策が必要と考えます。

 そこでお伺いいたします。県道我孫子関宿線の柏市布施地先について、歩行者の安全対策に取り組むべきと考えますが、どうか、お聞かせください。

 教育について2点お尋ねいたします。

 まず、ペーパーティーチャーの掘り起こしについて。

 学校現場では療休や育休、産休を取っている教員の代替など、講師が見つからず、学校では教頭が代わりに授業をしたり、少人数制学級を諦めたりしており、教育の質にも影響が出かねません。正規教員が足りず教職員は過重な負担を担い、さらに休職者が出たり、教員を目指す人が減るという悪循環になっています。

 教員の未配置を解消するため、志願者を増やす取組、現職が辞めないような働き方改革、やむを得ず辞めてしまった教員の復職制度や定年後も働ける仕組み、そして給与や休暇など待遇改善が必要であると、これまでも議会では議論されてきました。今回、教員未配置の原因を分析し、解決策としてペーパーティーチャーの掘り起こしを提案いたします。

 まず、ペーパーティーチャーとは、教員免許状を有しながら教職に就いていない方を指します。療休や育休、産休の教員の代わりが補充されず教員未配置が発生しています。その原因として、療休や育休、産休の代替だけではなく、特別支援学級や通級指導、日本語指導等の教職員の必要数が増えています。その一方で、教員志願者と講師登録者が減っています。

 確かに正規教員定数を抜本的に見直し、教員の数を大幅に増やすことを国に要望するということも対策の1つでありますが、目の前にある教員未配置を解消するためにまず必要なことは、講師登録者を増やしていくことと考えます。

 そこで注目したいのが教員採用試験の競争率低下です。採用者数の増加と受験者数の低下が競争率低下につながっています。定年による退職者数の増加により採用者数が増えています。それにより不採用者が減り、講師登録者が減っています。全国的な傾向として、受験者数の減少は大学新卒者の受験者数が減ったのではなく、既卒者の受験者が減っているわけであります。

 既に千葉県では働く教職員の魅力を発信し、志願者を増やすように取り組んではいますが、特に新卒者向けではなく、例えば学生時代に教員免許は取ったけど、今は扶養の範囲で働いているという方や、都内に片道1時間ぐらいかけて通勤している定年間近、あるいは再任用で働いている方などを対象に志願者を増やすことも有効と考えます。

 そこでお尋ねします。教員不足解消のため、ペーパーティーチャーの掘り起こしについてはどのように取り組んでいるのかお聞かせください。

 次に、通信制高校についてです。

 昨年、私たちの会派で通信制の千葉県立千葉大宮高校を視察いたしました。事情があり、留年や退学をしたり、改めて学び直そうとする生徒が入学、転入、編入されています。生徒一人一人に寄り添い、長い目で見守っている先生方のお話をお聞きすることができました。公立の通信制の学校には大きな可能性を感じています。様々な事情で学校に通えなくなっている高校生が通信制高校に転入、編入することが多くなっています。県内の駅前では私立の通信制高校のサポート校などありますが、学費は高くなります。全ての高校生の学ぶ機会を保障し、誰も置き去りにしない教育体制をつくるためにも、公立の通信制には大いに期待するところです。それだけではなく、通信制には、生涯学習時代に重要な自ら学ぶ習慣を身につけるために最適でもあります。変化が激しい時代、継続的に生涯学び続けていく姿勢を身につけることが大切と考えます。

 そこでお尋ねいたします。これからの時代の教育を担う通信制高校を打ち出していくべきと考えますが、どうでしょうか。

 最後に、埋蔵文化財の保存と活用についてお尋ねいたします。

 昨年、千葉県議会文教常任委員会にて、京都府埋蔵文化財調査研究センターを視察いたしました。収蔵庫も見学させていただきました。収蔵場所の不足や老朽化は全国的な課題です。埋蔵文化財は生きた地域教材として教育現場や展示会に提供され、活用していました。

 さて、千葉県では成田空港の拡張のため、周辺の埋蔵文化財の大規模な発掘調査が行われており、その埋蔵文化財の保管、活用についても考えなければなりません。専門職員の育成や収蔵場所の確保は切実な課題です。

 そこでお尋ねいたします。埋蔵文化財を保管するための収蔵庫について、今後どのように整備していくのか。

 もう1点お尋ねいたします。本物から学んでいく、その効果は大きなものだと実感しています。私は高校で地理歴史の教員の経験がありますが、数千年前の土器を触ったとき、多くの生徒は驚き、目を輝かせていました。自分たちの暮らす地域の歴史を手に取って感じることができることは貴重な学びです。

 埋蔵文化財を活用した学校教育への取組状況はどうか、お聞かせください。

 以上、1問目を終わります。(拍手)

○副議長(山本義一君) 山下洋輔君の質問に対する当局の答弁を求めます。知事熊谷俊人君。

 (知事熊谷俊人君登壇)

○知事(熊谷俊人君) 立憲民主党の山下洋輔議員の御質問にお答えをいたします。

 まず、手賀沼周辺の地域活性化やブランディングに関する御質問にお答えをいたします。

 手賀沼は都心から一番近い天然湖沼であり、近年、トライアスロン、マラソン等のスポーツやカヌー、農業体験などのレクリエーションを楽しむ人も増えるなど、地域の活性化にとって欠かせない地域資源となっています。手賀沼の水辺環境を多くの人に親しんでもらい、その魅力を知ってもらうため、手賀沼、手賀川の所在する3市と地域振興事務所が連携をし、地域活性化に取り組むとともに、様々なメディアに対してその魅力を発信してきたところです。今年度は手賀沼周辺での農体験ツアーの展開や地域の農産物を使った加工品事業の展開など、農を軸としたにぎわいづくりについて調査検討を行っているところであり、今後もこの地域ならではの魅力、強みを生かした地域づくりに取り組んでまいります。

 次に、児童相談所についてお答えをいたします。

 里親を増やす取組についての御質問ですが、児童が家庭と同様の環境で養育されるためには里親制度への理解と普及を深めることが重要であることから、「県民だより」等で私からメッセージを発信して県民に呼びかけるとともに、今年度から里親の新規開拓やマッチング、広報啓発や研修、里親への養育支援まで一貫してフォスタリング機関で実施し、里親支援の強化を図っているところです。具体的には里親の新規開拓として、県内各地での制度説明会の開催や、里親自身や里親家庭で育った若者が直接体験談を発表する里親大会を開催するとともに、里親制度特設ページを開設し、里親になるための手続や支援制度に関する詳細な情報を発信しております。また、里親登録に必要な研修の申込み期間を延長するとともに、来年度は研修定員を30人増員して270人とし受講機会を拡充するなど、引き続き里親を増やす取組を進めてまいります。

 私からは以上でございます。他の質問につきましては担当部局長からお答えをいたします。

○副議長(山本義一君) 県土整備部長池口正晃君。

 (説明者池口正晃君登壇)

○説明者(池口正晃君) 私からは、まず、手賀沼における水面利用ルールについての御質問にお答えします。

 手賀沼とその周辺地域の諸課題につきましては、国、県、周辺自治体で構成する手賀沼・手賀川活用推進協議会が課題の整理や取組の検討などを行っています。県では今年度、手賀沼における水面利用の状況調査を実施しており、今後、その調査結果を同協議会に報告し、水面利用ルールについて、その必要性も含めて検討を進めることとしております。

 次に、県道我孫子関宿線の安全対策についての御質問ですが、当該路線の布施入口交差点から柏市立柏病院前交差点までの約1.1キロメートル区間の歩道は幅員が狭く、側溝蓋が老朽化し、隙間や段差が生じている箇所があることから歩きにくい状況となっています。当該区間の沿線は人家が連檐しており、歩道の拡幅は困難ですが、現況の歩行空間をより歩きやすくするため、両側の歩道において、段差が生じにくく、穴の小さい側溝蓋への交換や側溝の暗渠化を進めており、これまでに延べ約1.2キロメートルが完了しています。引き続き歩行者の安全・安心の確保に努めてまいります。

 以上でございます。

○副議長(山本義一君) 農林水産部長前田敏也君。

 (説明者前田敏也君登壇)

○説明者(前田敏也君) 手賀沼のコブハクチョウに関する御質問ですが、県では、令和4年3月に手賀沼周辺でコブハクチョウによる農業被害が発生している柏市、我孫子市、印西市、白井市の関係4市と連携して対策方針を策定し、農作物の被害対策に取り組んでいます。具体的には、市では、水田へ侵入したコブハクチョウを追い払うなどの対策を講じているとともに、県では生息状況調査や電気柵などによる効果的な防護方法について周知を行っているほか、コブハクチョウも含め野生動物への安易な餌づけは自粛するよう、県ホームページ等で広報しているところです。

 なお、令和4年度に確認されたコブハクチョウは109羽となっており、水稲被害額が約270万円生じていることから、引き続き関係4市と連携を密にして被害対策に取り組んでまいります。

 以上でございます。

○副議長(山本義一君) 環境生活部長井上容子君。

 (説明者井上容子君登壇)

○説明者(井上容子君) 指定廃棄物等について、保管場所確保に向けた取組に関する御質問についてお答えいたします。

 指定廃棄物は、放射性物質汚染対処特別措置法に基づき、国の責任において処理することとされており、県内の指定廃棄物が安全・安心かつ速やかに処理されるためには、長期管理施設の設置等の様々な課題に国が責任を持って対応していくことが不可欠であると考えています。本県の指定廃棄物については、国が1か所での集約処理の方針を決定し、責任を持って地元の理解を得る努力を続けていくとしていることから、県としても、国に課題解決にしっかり取り組むよう要望しているところであり、できる限りの協力を行ってまいります。

 以上でございます。

○副議長(山本義一君) 防災危機管理部長添谷進君。

 (説明者添谷 進君登壇)

○説明者(添谷 進君) 私からは除去土壌についてお答えをいたします。

 県内で行った除染によって生じた除去土壌については、現在、国のガイドラインに基づき、除染実施者により保管されている状況です。放射性物質汚染対処特別措置法及びその基本方針では、国において、除去土壌の最終処分を行うために必要な基準を策定することとしており、現在、その検討が行われているところです。県では、国に対して処分基準の早期策定を要望しているところであり、引き続き国が責任を持って対応していくよう求めてまいります。

 以上でございます。

○副議長(山本義一君) 健康福祉部長高梨みちえ君。

 (説明者高梨みちえ君登壇)

○説明者(高梨みちえ君) 私からは、まず、児童相談所の職員確保についてお答えいたします。

 県では、児童虐待事案等に適切に対応するため、これまでに経験者採用の職種の拡大、県外での選考の実施など、必要な専門職の確保に取り組んでいます。現時点では児童福祉司等の配置基準を満たしているものの、採用人数が予定数に満たないなど厳しい状況にあり、より積極的に採用活動に取り組む必要があると認識しています。そのため、来年度はさらなる職員確保に向け、千葉県の児童福祉専門職員の魅力が十分伝わるよう、仕事体験を含む職場説明会の実施や、若者にPR力の高い動画等を作成しSNS等で発信するなど、様々な取組により必要な職員の確保に努めてまいります。

 次に、児童相談所の代替職員に関する御質問ですが、児童相談所における1か月以上の長期の療養休暇取得職員及び休職した職員は令和5年12月31日時点で46名となっており、昨年度と比較して7名増加しています。また、産前産後休暇、育児休業の取得者は32名であり、業務に支障が生じないよう13名の代替職員を採用したほか、必要に応じ業務の見直しを行い、対応しているところです。今後も引き続きハローワークでの公募や県ホームページでの募集に加え、健康福祉部が独自に実施している資格免許を有し、勤務を希望する方の登録制度を周知すること等により必要な代替職員の確保に努めてまいります。

 次に、中核市における児童相談所に関する御質問ですが、県では、平成28年度から船橋市及び柏市と児童相談所の新設に向けた意見交換会を開催しており、両市における人材確保をはじめとした様々な課題について議論し、情報共有を行っています。また、平成27年度以降、両市から77名の研修職員を児童相談所に受け入れるほか、児童相談所の職員向けに実施している研修に中核市の職員も参加できるようにするなど、人材育成の支援も行っているところです。両市からは、円滑な業務の引継ぎ、人材育成における研修の実施、児童福祉司等の県職員の派遣などの要望を受けており、引き続き両市と丁寧に協議を重ね、できる限り要望に沿えるよう支援してまいります。

 最後に、ヤングケアラーへの支援についてお答えいたします。

 ヤングケアラーは家庭内のデリケートな問題を抱えており、家族のケアが必要となる事情も複雑で複合化しているケースも多いことから、早期に発見し、関係機関が連携して適切な支援につなげることが重要です。県では、ヤングケアラーの相談窓口を設置し、子供だけでなく、学校など関係者からの相談に応じるとともに、窓口に支援のパイプ役となるコーディネーターを配置し、市町村、学校、福祉の関係機関と連携して、相談内容に応じた支援を実施する体制を整えたところです。また、福祉、教育、介護、医療等の関係機関の職員がヤングケアラーに関する理解を深め、支援力の向上を図る研修を合同で実施し、多機関、多職種の連携を進めてまいります。

 以上でございます。

○副議長(山本義一君) 保健医療担当部長鈴木貴士君。

 (説明者鈴木貴士君登壇)

○説明者(鈴木貴士君) 私からは食生活の改善に向けた県の取組についてお答えいたします。

 県民が生涯にわたり健康な生活を送っていくには生活習慣の改善、とりわけ食生活の改善が重要です。このため県では、食環境の改善や健康意識の醸成を図るため、毎年6月と11月の食育月間にスーパーや地元自治体、食生活改善関係ボランティアと連携し、ふやそう野菜・へらそう塩キャンペーンを実施しています。キャンペーンでは、管理栄養士が監修した弁当の販売と併せて減塩商品や季節野菜を活用したレシピの紹介などを行っており、利用者からは、減塩でもおいしく野菜がたくさん取れた、いろいろな減塩商品があることを知ったといった声が聞かれています。こうした取組により、引き続き県民の食生活の改善に向けて取り組んでまいります。

 以上でございます。

○副議長(山本義一君) 教育長冨塚昌子君。

 (説明者冨塚昌子君登壇)

○説明者(冨塚昌子君) 初めに、いわゆるペーパーティーチャーの掘り起こしについての御質問にお答えいたします。

 県教育委員会では、教員免許状を有しながら教職に就いていない方を対象とする講師登録説明会を県内各地で実施し、教職の魅力や福利厚生制度等を丁寧に説明するほか、個別の相談にも応じています。また、民間企業と連携し、県内外で開催される転職フェアに出展するほか、転職情報サイトに登録している全国の教員免許状保有者に教員募集の案内メールを送信するなど幅広く情報発信を行い、人材確保に取り組んでいるところです。

 これからの通信制高校についての御質問ですが、通信制高校は生徒の生活様式や価値観、学習経験や学習動機の多様化などに伴い入学希望者が増加しており、県内唯一の公立通信制高校である千葉大宮高校においても近年同様の状況にあります。このため、千葉大宮高校から遠距離に居住する生徒でも同校のスクーリングを受けられる通信制協力校を拡充することとし、従来の館山総合高校に加え、令和6年度から銚子商業高校を新たに指定し、生徒の利便性の向上を図ります。今後はレポート提出の電子化やオンライン授業の拡充など、ICTの効果的な活用をさらに推進し、これからの時代により適応した通信制高校となるよう努めてまいります。

 次に、文化財収蔵庫の整備についての御質問ですが、国や県等の開発事業に伴って出土した埋蔵文化財は、我が国の歴史、文化等の正しい理解のため欠くことのできないものであり、文化財保護法に基づき、その保存を適切に行っていく必要があります。現在、県教育委員会では、閉校した県立高校の校舎を利用して埋蔵文化財を保管しておりますが、今後、成田空港の整備等に伴う発掘調査により保管量の大幅な増加が見込まれます。そのため、令和6年度は収蔵庫の新設に係る設計業務に着手する予定であり、将来に向けて埋蔵文化財を適切に保管、管理できるよう整備を進めてまいります。

 最後に、埋蔵文化財の学校教育への活用についての御質問ですが、県教育委員会では、子供たちの埋蔵文化財への興味と関心を深めるため、学校等に出向き、土器の展示、解説に加え、実物に触れる体験や勾玉づくり等を行う出前授業を実施しています。また、出土した埋蔵文化財の実物と解説書をセットにした学習キットを県内の小学校に配布し、社会科や総合的な学習等の授業の教材として活用を進めています。引き続き、より多くの子供たちに体験してもらえるよう、これらの事業の周知に努めるとともに、授業等での活用に向けた教員研修に取り組んでまいります。

 以上でございます。

○副議長(山本義一君) 山下洋輔君。

○山下洋輔君 知事はじめ執行部の皆様、御答弁ありがとうございました。では、ここから再質問と要望をさせていただきます。

 まず、コブハクチョウ餌やりの禁止の啓発について、ホームページでの周知だけではなく、観光客へのチラシの配布やメディアへの発信、学校などへの啓発活動など、直接的な働きかけも要望いたします。

 次に、指定廃棄物の仮保管についてです。

 この指定廃棄物の問題を風化させてはならないと考えます。この指定廃棄物の問題に関しては、今月5日に柏市、松戸市、流山市、我孫子市、印西市の市長が環境省を訪れ、副大臣に県内1か所で保管する長期管理施設を確保するよう要望書を提出しています。この要望活動は今回で11回目になります。セレモニーのようになってしまうことを危惧しています。御答弁では、国の責任でという言葉が強調されますが、確かにそのとおりではありますが、千葉県としても課題解決を一歩でも進めていけるよう要望いたします。

 次に、児童相談所についてです。

 児童相談所では職員が採用できず多忙となり、病休などで欠員が生じ、その欠員の代わりとなる職員を補充できず、さらに多忙になってしまうという負のスパイラルに陥ってしまい、増設する児童相談所や、柏市や船橋市の中核2市への支援ができてないのではないでしょうか。人材を使い捨てていくのではなく、人材を育成し、県内の新設される児童相談所を支援できるよう待遇を改善し、働き方や職場環境を見直していくことを要望いたします。

 また、里親については、広報啓発に取り組まれていることは大切なことと考えます。さらに、これまでの手続や研修などを見直すなど、新しく養育里親を増やすことができるよう、引き続きお取組をお願いいたします。

 次に、ヤングケアラーについてです。

 昨年の夏、柏市にて、介護中の方が自らの命を絶ちました。介護疲れによる自殺や心中は現代社会での深刻な問題です。今回、ヤングケアラーについて質問いたしましたが、もちろんケアラーは若年者だけではなく、高齢者も子育て世代も働く世代も、あらゆる世代で対象になる人がおり、その期間も長く、現状では行政の管轄が複数にまたがっています。組織を超えた連携を深めていくとともに、ケアラーのための総合相談窓口の設置や人材育成も必要です。そのためにも、介護者が抱え込んでいることをチームで見守り、支え合う地域を目指し、ケアラー支援条例の制定とケアラー支援推進計画の策定を強く要望いたします。

 次に、食育についてです。

 若い世代は健康づくりに意識の高い人ばかりではありません。そのため、スーパーなどで減塩や季節野菜を活用したお弁当を気軽に購入できる食環境は本県の健康寿命の延伸につながりますので、こうした取組が県内全域に広がるよう要望いたします。

 次に、道路についてです。

 県道我孫子関宿線は新しく物流センターもでき、車両の通行量が増えています。その中を県立柏高校や小中学校の児童生徒も登下校しています。交通安全のための取組をぜひともよろしくお願いいたします。

 次に、教育について、ペーパーティーチャーの掘り起こしについて要望いたします。

 教員免許を持っているといっても、数十年ぶりに学校現場に戻るにはハードルが高く、ましてや教員免許を取得しただけという方にとっては、教員として働くことは考えにくいかもしれません。そのためにも学校現場における多様な働き方を認め、多様な人が学校でも働けるようにする改革も必要です。産休、育休等に加え特別支援学級や通級指導、日本語指導等の教職員の必要数が増えていることが教員未配置の一因として挙げられています。特別支援学級の教育支援員や日本語指導等のサポートなど、ペーパーティーチャーが学校で働く最初の一歩となるような多様な関わり方を準備していただくことが長い目で見ると教員の未配置解消につながると考え、要望いたします。

 次に、通信制高校について再質問いたします。

 これからの時代を担う通信制高校を目指して取り組まれ、協力校を増やしていかれると答弁いただきました。

 そこでお伺いいたします。通信制協力校を広く知ってもらうために、県教育委員会はどのように取り組んでいるのかお聞かせください。

 次に、埋蔵文化財の収蔵庫についてです。

 京都府埋蔵文化財調査研究センターにて、文化財を収蔵庫から出して学校や博物館など現場に運ぶことは職員の負担になっているとお聞きしました。これから埋蔵文化財の収蔵庫を新設されると御答弁いただきましたが、その収蔵庫には、こうした職員の負担を軽減できるような機械化された物流倉庫のようなシステムについても御検討ください。

 以上、再質問と要望です。

○副議長(山本義一君) 教育長冨塚昌子君。

○説明者(冨塚昌子君) 通信制協力校の周知についての御質問です。

 県教育委員会では、近隣の中学校長会で通信制協力校のメリット等を説明するほか、中学校へのポスター掲示等により周知に努めています。また、館山総合高校では、中学生や保護者向けの説明会に加え、同校でのスクーリングの参観も行っており、これらの取組により引き続き周知に努めてまいります。

 以上でございます。

○副議長(山本義一君) 山下洋輔君。

○山下洋輔君 教育長、御答弁ありがとうございます。県立の通信制高校である千葉大宮高校が県内の市町村の教育委員会と連携し、小中学校や公民館などにサポート校のような学習相談所を置いて、県内どの地域からも進学できるような、そんな体制が理想と考えます。これから通信制協力校は来年度から館山総合高校に加え、銚子商業高校にも設置されることになりますが、通信制協力校をさらに拡充し、東葛地域はじめ県内各地域にバランスよく配置することを要望いたします。

 以上で私の質問を終了いたします。ありがとうございました。

○副議長(山本義一君) 次に、石橋清孝君。

 (石橋清孝君登壇、拍手)

○石橋清孝君 自由民主党、東金市選出、石橋清孝です。

 今日は鹿間東金市長をはじめ伊藤さん、そして木村さん、宮沢さん、中村さん、また私ども自民党の関係する方々、両総土地改良区の皆さん方がお見えでございます。執行部の皆さん方には、特に中身の濃い答弁を期待いたします。

 それでは、最初に災害対応について伺います。

 能登半島地震については、自民党の代表質問など様々な議論が行われました。お亡くなりになられた方々、被災された方々や能登の美しい自然と深い歴史文化に思いをはせながら質問いたします。

 能登半島での千葉県や県内の自治体、医療関係者、企業の応援、ボランティアの活動など、連日報じられています。マスコミ報道は、かつて発生した災害とほぼ同様な話題が繰り返されており、既視感というか、デジャビュが強く感じられます。

 また、今回の地震の特徴として、道路が寸断され、物資等の輸送が困難であったことなど、半島であることによる影響が挙げられています。本県でこのような災害が発生した場合、これまでの災害を踏まえ、どのように対応するようにしているのか、気になるところでございます。

 また、今回の地震への対応では、衛星画像を使った現地把握、車両の走行記録から通行可能な道路の把握など、従来見られなかった対応が行われました。こうした対応には最新の技術が活用されているものと思います。

 生成AIが大きな注目を浴びています。生成AIの進化は著しく、今回の震災をそのまま時系列で記録しておくことも可能になったと思われます。そこで、過去の大きな震災を1日単位の時系列で、発生から復興までの道のりを生成AIに記憶させ、ビッグデータベースをつくれば、今起きていることや必要な対策がフェーズごとに把握でき、早めに対策が打てると思います。このデータベースには、可能な限り全ての情報を取り込む必要があります。被災地からの情報、政府、自治体、自衛隊、消防、医療関係、新聞報道、テレビ、SNS、風評、詐欺や空き巣など、その日に発信されたものを生成AIに入れます。人は判断せず、ただAIに事柄を入力させます。玉石混合のデータになるため、正確な情報をいかに抽出できるようにするか。また、著作権などの問題も生ずるかもしれませんが、そこは工夫ではないかと思います。ビッグデータベースが構築できれば、用途に応じデータを取り出し加工すればよく、将来の震災への対処や研究に大いに役立つと思います。本来は国がやるべき仕事ですが、千葉県としても、千葉県に似ている環境の災害例など候補を絞れば可能だと思います。

 そこで2点伺います。

 1つ、これまでの震災で得た知見をどのように県の地域防災計画に反映させているのか。

 2、災害発生時の情報収集など、防災分野において生成AIを活用することで迅速な災害対応につながると考えるが、県はどのように考えているのか。

 次に、両総用水事業への支援についてお伺いします。

 水が来た、これが利根川から送られてきた水を見た農民の第一声でした。両総用水事業の橋梁や隧道などには140枚の銘板が掲げられています。私の家の裏山の隧道には恵水合農地、恵みの水が農地をつなぐと書かれた銘板があり、水が来たことによる喜びと水の大切さが伝わります。この事業は天水と中小河川に頼っていた九十九里地帯の慢性的な水不足対策と、香取市周辺の利根川沿いの低湿地地帯の排水対策を解決するために考え出された事業です。驚くべきことに、この計画を提唱し推進していったのは佐原の県議会議員、坂本氏と大網の県議会議員、十枝氏でした。ちなみに十枝家は途絶え、十枝の森があるのみであり、坂本家も途絶えております。まさに井戸塀政治家です。

 戦前からの運動が実を結んだのは、昭和18年から昭和40年に国営土地改良事業両総地区として農業用用排水施設を建設、整備されたときです。本事業は香取市ほか6市6町1村にわたる水田、畑の1万7,370ヘクタールの用水受益と香取市ほか1市1町にわたる1,580ヘクタールの排水受益を有しております。水田の用水受益1万2,960ヘクタールは県内水田の約2割に相当する広大なエリアです。昭和40年に完成した施設も老朽化が進んだこともあり、平成5年から平成26年に総事業費1,070億円の巨費を投じて、旧事業の施設全体の改修と東部幹線の新設を内容とした国営の施設更新事業を実施しました。この更新事業により、利根川の取水口となる利根川両総水門の改修、6か所の揚水機場の改修及び新設、香取市から一宮町まで約70キロメートルに及ぶ幹線用水路として長大な大口径パイプラインの新設など、全国的に見ても一、二を争う大規模な農業水利施設に生まれ変わりました。

 現在の両総用水は基幹水利施設管理事業等を活用して、千葉県及び両総土地改良区で揚水機場の運転、点検、修繕などの維持管理を行っております。しかしながら、更新事業の当初に整備された施設等は既に20年以上経過し、最近では重篤な故障が度々起こっており、令和6年度の修繕・補修費予算は6億6,400万円と急激に増大しています。さらに、令和4年以降の電気料金高騰による負担額が著しく増大し、令和6年度の電気料金予算は令和3年度の2億8,000万円から1.9倍の5億3,400万円となり、結果として土地改良区の負担額は、令和3年度に比して1億4,500万円増となります。来年度の当初予算は財政調整基金を大幅に切り崩して何とか編成できるものの、この状態が続くと数年後には破綻することは明らかです。土地改良区は受益者農家の賦課金で成り立っており、この増加分を賦課金に転嫁した場合、1,000平米当たり、水田で現行の賦課金の20%に相当する約1,000円の値上げが必要となります。賦課金を値上げすることは農家にとり到底不可能であり、積立金を切り崩してしのぐしかないのが現状であります。

 両総用水の電気代が高い一因として、地形的な制約から特別高圧電気で香取市から70キロメートル先の一宮町まで送水するため、大型の高揚程ポンプを複数台設置した揚水機場3か所を経由するため、年間の使用電力量は平均で2,000万キロワットアワーに及びます。つまり電気料金が1円値上げされると2,000万円の負担増となります。

 国では、最近の物価高騰対策のうち電気料金に関しては、激変緩和措置として、低圧、高圧の受電契約に対して一定額の助成を行っていますが、特別高圧は対象外になっており、いまだに高い水準にあります。そもそも電気料金の値上げは世界的なエネルギー価格の高騰が原因であって、農家にはどうすることもできません。

 そこで2点伺います。

 1つ、国が実施する電気料金の激変緩和措置の対象外である特別高圧の農業用水利施設の電気料金の支援について、県はどのようにするのか。

 2、急激に高騰する修繕、補修等の経費に係る地元負担の軽減について、県はどのように対応するのか。

 次に、有害鳥獣や外来植物の対策について伺います。

 有害鳥獣として認識されているのはイノシシ、キョン、ハクビシン、アライグマ、ジャンボタニシ、植物ではナガエツルノゲイトウなどであります。古くはアメリカザリガニ、セイタカアワダチソウなどがありました。

 イノシシについて議場での質問は、私の記憶の中では平成16年の吉本議員でした。質問内容は、イノシシによる農作物被害とその対策についてであり、答弁は、平成15年度の被害額は1億38万円であり、一層総合的な対策を進めていきたいとのことでした。その後、議会ごとに有害鳥獣に関する質問が繰り返されてきました。イノシシは房総半島から駆逐されたと思われていましたが、再発生した原因はイノブタを放したとも言われています。いずれにしても、最初は生息地も限られた地域で頭数も少なかったと思われます。

 キョンは平成13年に閉園した行川アイランドで飼育されていた十数頭が逃げたとされています。現在は推定生息数が約7万1,500頭です。ハクビシンは茨城方面から利根川を渡ってきたと説明を受けた記憶があります。アライグマはペットが逃げたものでしょう。ジャンボタニシは食用に養殖していたものが廃業などにより管理されなくなり、周辺に生息地を拡大したものです。ナガエツルノゲイトウは平成20年に現伊藤議長が質問したのが最初であります。駆除の取組について質問があり、印旛沼を中心に駆除を実施しているとの答弁がありました。ナガエツルノゲイトウは観賞用のものが印旛沼に流れ、それがもとになり印旛沼から手賀沼、利根川へ拡散し、利根川を水源とする事業により、山武郡までの中小河川に生息域を拡大していきました。いずれにしろ、人間の手によってもたらされた被害であります。

 現在、県では捕獲や農地の保護に多額の予算を投じていますが、侵入初期の段階で抑え込むことができれば状況は全く変わっていたものと思います。対策には初期段階から素早く支出できるお金と組織が必要なのは明白であります。また、地球温暖化や社会のグローバル化などにより、これからも新たな外来生物、有害鳥獣が本県に侵入してくることが考えられます。

 そこで伺いますが、今後、農作物や生態系に被害を発生させる可能性のある動植物に対し、迅速に有効な対策が取れるよう基金を創設すべきだと考えるが、どうか。また、対策を取る組織もあらかじめ指定しておくべきと考えるが、どうか。

 次に、救命救急センターについて要望いたします。

 重篤な傷病者を受け入れる救命救急センターは県民の命を守る、いわば最後のとりでと言っても過言ではありません。しかしながら、ほとんどの病院において、その運営についてなかなか採算が取れていないと聞いています。

 東千葉メディカルセンターに3次救命救急センターを設置するときの議論の中でも、3次は赤字になると言われていました。救急をやれば医師や看護師の待機、ICU、HCUなどのベッドやその他の医療機器も空けておかなければならないからです。いわば自衛隊や消防のようなもので待機費用がかかるからです。当然、政策医療であるから、病院が所在している自治体には国から交付税措置がされており、当該市町村からも補助されていると思います。

 救急部門の赤字額の算定でいつも問題となるのは、一般医療費と救急医療費を分けることができないという点です。現在はAIの時代であり、救急部門の収支が赤字であることを会計上明らかにして、救急医療の適切な実施に向けて必要な支援額を算出できるものと考えます。

 そこで、県民の命に直結する救命救急センターが適切に運営できるよう新たな補助制度を創設するなど、県において積極的な支援を検討していただくよう要望します。

 次に、東千葉メディカルセンターについて伺います。

 県立東金病院の機能を引き継ぐ形で、東金市と九十九里町が設立団体となって誕生した地方独立行政法人東千葉メディカルセンターは、救命救急センター、災害拠点病院、千葉大学医学部附属病院の協力型臨床研修病院として、山武、長生、夷隅の皆様にとりまして、なくてはならない病院として歩み続けています。また、コロナ対策ではダイヤモンド・プリンセスの患者を受け入れるなど、積極的に対応いたしました。

 県の支援をいただきながら病院運営を進めてまいりましたが、先日、あるそば屋で食事をしていたら見知らぬ人から、東千葉メディカルセンターで治療してくれたおかげで何とか命が助かったとお礼を言われました。いつもは小言を言われるのでございますが、とてもうれしく思い、病院の関係者に伝えました。皆様に心配をおかけした詐欺事件も関わりがあった人たちが起訴されて、事件としては終息し、信頼回復に向けて努力しているところであります。

 東千葉メディカルセンターは政策医療として、救命救急センターと山武郡市の中に1か所しかない分娩のできる採算の合わない産科を抱えておりますので、困難な経営を強いられています。コロナの補助金により累積赤字は10億円を切りましたが、通常であれば年10億円程度の赤字が発生していました。赤字解消に向けて、東金市の議会でも設立団体の拠出金を増額すべきであるとの議論が出ております。病院側は、あと1日約30人の患者を増やすことができれば何とかなると言っており、そのための努力もしております。

 また、県においても、東千葉メディカルセンターの経営を安定化させる目的で山武長生夷隅医療圏の中に山武地域医療部会をつくり、医療関係者や県会議員、市長、町長の会議を開催し、議論を重ねているところであります。

 そこで伺いますが、東千葉メディカルセンターにおける政策的医療や運営に対する県の支援はどうか。

 次に、農業大学校の整備について伺います。

 私の子供の頃の遊び場に建てられた千葉県立農業大学校は、千葉県農業の発展に寄与する優れた担い手及び指導者の育成を目標に掲げ、昭和54年に東金市に開校され、卒業生3,218人を数える農業に有為な人材を輩出している大学校です。名称も千葉県農業大学校から千葉県立農業大学校へ改名し、県の学校であることを全面に押し出し、卒業生は短大卒と同等な資格を得られるなど、学生募集に役立つ工夫をしています。学生の研究についても、近頃はジャンボタニシの簡易な捕獲器の開発の発表が、昨年度に開催された全国の農業大学校によるプロジェクト発表会で農林水産大臣賞を受賞したなど、成果を上げています。また、農大が立地している場所は、昔は公平村と呼ばれていたところであり、毎年開催される美しい村公平焼き芋大会に協力するほか、幼稚園児への芋掘り体験などを通じて地元とも良好な関係を築いています。

 そうした農大も施設の老朽化や時代に合わなくなった施設などがありましたが、施設の長寿命化計画により施設の整備を実施してまいりました。昨年12月議会で我が党の代表質問において、学生寮の再整備について検討するとの答弁があったところであり、今後どのように進めていくか、気になるところでございます。

 そこで伺いますが、県立農業大学校の学生寮の再整備について、今後どのように進めていくのか。

 最後に、東金市が進めている産業用地整備について伺います。

 雇用や税収を生み出す企業誘致は地域経済活性化の重要な手段ですが、千葉県はこれまで積極的な産業用地の整備を進めてこなかったこともあり、現状では企業誘致の受皿となる産業用地が不足しています。

 他方、隣の茨城県では、インターチェンジの周辺に産業用地を整備し、様々な企業を誘致しています。例えば常総インターチェンジ周辺の約45ヘクタールの敷地に、大規模施設園芸や観光農園から成る農地エリアと、加工、流通、販売が連動する都市エリアから成る産業用地の整備が進み、雇用の確保や地域経済の活性化に成功しています。千葉県内でも、遅ればせながら成田空港のさらなる機能強化に合わせて、多古町や成田市内に大型物流施設の整備が進められています。しかし、過疎化や財源不足に悩んでいる空港の南側などでは企業誘致が進んでいません。千葉県全体を見ると、工業団地などに進出を希望する企業は多いと聞いており、私の地元である東金市でも企業から進出したいとの問合せがありますが、提供できる用地がほとんどありません。

 そのような状況を受けて、東金市では、圏央道の県内全線開通により成田空港と直結することをチャンスとして捉え、新たな産業用地整備を進めるための検討を具体的に進めているところでありますが、農地転用や保安林解除などの法規則に対応しなければならず、どうしても調整に時間がかかることが懸念されます。

 そこで伺いますが、東金市が進めている産業用地整備に対して、県はどのように支援していくのか。

 以上で第1問を終わります。ありがとうございました。(拍手)

○副議長(山本義一君) 石橋清孝君の質問に対する当局の答弁を求めます。知事熊谷俊人君。

 (知事熊谷俊人君登壇)

○知事(熊谷俊人君) 自民党の石橋清孝議員の御質問にお答えをいたします。

 まず、災害対応についてお答えをいたします。

 これまでの震災で得た知見を地域防災計画にどのように反映させているのかとの御質問ですが、県の総合的かつ基本的な防災対策を定めた地域防災計画は、これまで大きな災害の発生や社会状況の変化等を踏まえ、必要な対策を盛り込む修正を行ってきたところです。具体的には阪神・淡路大震災を受け、初動体制について、災害対策本部設置基準の明確化やシステムの活用による情報収集の迅速化を、東日本大震災を機に自助、共助、公助が一体となった地域防災力の向上を、熊本地震を踏まえ避難環境の改善などを盛り込んできました。今後も能登半島地震で課題となった地域の孤立化対策の強化など、災害の状況や社会情勢の変化等を踏まえ、適切に地域防災計画を見直すことで災害に強い千葉県づくりに取り組んでまいります。

 次に、東金市の産業用地整備に対する県の支援についての御質問にお答えをいたします。

 東金市は、令和8年度に予定をされている圏央道の県内全線開通をチャンスと捉え、東金インターチェンジ周辺で産業用地整備の検討を進めているところです。市では、本年度、土地利用計画の作成や事業採算性等を検証する可能性調査を実施しており、県は調査費に対し補助するとともに、産業用地整備の先行事例を踏まえた助言などの支援を行っています。また、今後、市が造成に向けた検討を進めていく上では農地の転用や保安林解除等の様々な課題があることから、県の関係部局が連携して、これらの解決に向けた協議を行っているところです。鹿間市長を筆頭に東金市さんも頑張っておられますので、引き続き早期に産業用地の創出が図られるよう、市と連携をして取り組んでまいります。

 私からは以上でございます。他の質問につきましては担当部局長からお答えをいたします。

○副議長(山本義一君) 防災危機管理部長添谷進君。

 (説明者添谷 進君登壇)

○説明者(添谷 進君) 私からは防災分野における生成AIの活用についてお答えをいたします。

 県では、デジタル技術を活用した地震被害予測システムや津波浸水予測システムを運用しているほか、AIを活用したSNSからの情報収集を行うなど、防災分野へ新しい技術を積極的に導入をしています。一方、大量のデータを学習し、新しいコンテンツを生み出す生成AIの機能を災害発生時の迅速な被害状況の把握や初動対応などに活用する取組について、国や企業による研究開発が進められています。本県の防災分野における生成AIの活用については、その効果や課題などを把握し検討する必要があることから、今後の研究開発の動向を注視してまいります。

 以上でございます。

○副議長(山本義一君) 農林水産部長前田敏也君。

 (説明者前田敏也君登壇)

○説明者(前田敏也君) まず、両総用水の特別高圧の電気料金に関する御質問にお答えいたします。

 県では、これまで特別高圧を含む農業水利施設の電気料金について、令和3年度以降の上昇分の5割から7割を補助しているところでございます。電気料金につきましては、国の激変緩和対策により低圧や高圧の料金の上昇は抑制されておりますが、特別高圧の料金は対象外であることから、特別高圧を使用している施設の受益農家の負担はより重くなっていると認識しております。県といたしましては、特別高圧について、激変緩和対策と同等の効果がある支援を国に強く働きかけるとともに、国と連携しながら省エネ化や太陽光発電の導入など、さらなる電気料金の負担軽減策について検討してまいります。

 次に、両総用水施設の修繕、補修経費の負担軽減に関する御質問です。

 両総用水をはじめ国営事業で建設した大規模な水利施設につきましては、国の補助事業を活用しつつ、県が維持管理することにより地元負担の軽減を図っています。このうち修繕や補修に係る経費については、昨年度から補助率がより高い制度を活用できることとなり、さらなる負担軽減が図られています。また、治水機能など、公益性の高い水利施設は維持管理事業の補助率のかさ上げの対象になる場合もあることから、本制度の活用についても検討を進め、より一層の地元負担の軽減に努めてまいります。

 最後に、農業大学校の学生寮の再整備に関する御質問ですが、県では、より多くの学生に農業大学校の魅力を感じてもらえるよう、さらなる教育環境の充実に取り組んでいるところです。学生寮につきましては、建て替えに合わせて老朽化が進んでいる食堂棟と浴室棟を集約することで利便性の向上を図るとともに、学生のプライバシーに配慮して居室を1人1部屋にするなど、新たな学生会館として再整備することといたしました。このため、来年度当初予算に基本設計及び実施設計などの予算を計上したところであり、令和10年度中の供用開始に向けて整備を進めてまいります。

 以上でございます。

○副議長(山本義一君) 環境生活部長井上容子君。

 (説明者井上容子君登壇)

○説明者(井上容子君) 有害鳥獣等への迅速な対策のための基金創設と組織に関する御質問についてお答えいたします。

 農作物や生態系に被害を発生させる動植物の拡大を防ぐためには早期発見、早期駆除に取り組むことが重要です。このため県では、対応初期における実態調査や駆除の予算に加え、その後も継続して拡大防止の予算確保に努めてきたところであり、今後も速やかに有効な対策を実施できるよう、しっかりと予算計上してまいります。また、対策の実施に当たっては、専門的な知見を持つ職員を配置している生物多様性センターが対象となる動植物の分布や習性等の情報を収集、共有し、想定される被害に応じて各部局等が対策を進めるなど、引き続き連携して柔軟に対応してまいります。

 以上でございます。

○副議長(山本義一君) 保健医療担当部長鈴木貴士君。

 (説明者鈴木貴士君登壇)

○説明者(鈴木貴士君) 私からは東千葉メディカルセンターに対する支援についてお答えいたします。

 県では、同センターが県立東金病院の機能を引き継ぐことを踏まえ、人的支援として看護師等6名を派遣しているほか、設立団体の要請に基づき元県職員を経営企画人材として推薦するとともに、地域医療機関等との連携強化を目的とした会議の開催などを通じて、安定した運営に向けた支援を行っています。このほか、令和4年度には新型コロナウイルス感染症への対応に関して約25億3,000万円、エネルギー等の物価高騰対策として約1,600万円の支援を行ったほか、令和6年2月現在、医師修学資金貸付制度を利用した医師が救急科などに10名就業しています。今後とも同センターが地域で求められる役割を果たせるよう、必要な支援を行ってまいります。

 以上でございます。

○副議長(山本義一君) 石橋清孝君。

○石橋清孝君 答弁ありがとうございました。要望や再質問をさせていただきます。

 災害対応についてですが、防災分野において生成AIを用い、ビッグデータベースを構築できれば、災害発生時から災害対応、避難者が求める情報への的確な提供など、防災、減災に大きく寄与する可能性があると思います。千葉県単独では対応が難しいかもしれませんが、国や関係機関、民間企業などと協力し、このような最新技術の研究、導入を行うなど、本県が災害に強い千葉県となるよう要望いたします。

 両総用水事業について、かなり時間を割き設立の経緯、更新事業、現在の状況を説明しました。皆様に両総用水事業の重要性を理解してもらうためでもあり、特に我々県議会議員の大先輩が、時代の要請もありましたが、事業を推進していったことは我々の範とするところでもあります。両総用水は九十九里地域に展開する農地約1万7,000ヘクタールの生命線です。昨今の温暖化の中、この施設が最大限に役割を果たせるよう、電気料金については特段の配慮を要望します。

 また、こんなことがあったら困るんですけれども、両総用水事業が破綻すれば、利根川から取水する施設を共用している鴨川市までの飲料水や工業用水にも深刻な影響が生じることも念頭に置いてください。

 有害鳥獣や外来植物対策について再質問します。

 答弁では、対応初期予算で実態調査や駆除、その後も拡大防止の予算確保に努めてきた、今後も速やかに有効な対策を実施できるよう予算計上していくとのことでありますが、これらの予算措置は従来から行われてきたものであり、被害の拡大防止には役立たなかったのではないか。

 では聞くが、吉本議員が質問で取り上げた平成15年度のイノシシの駆除対策費は幾らだったのか。最新のイノシシの被害額と対策費は幾らなのか。

 ナガエツルノゲイトウについて、伊藤議長が質問した平成20年度の駆除対策費は幾らだったのか。最新の対策費は幾らか。

 また、対策を取る組織は、専門的な知見を持つ職員を配置している生物多様性センターがヘッドクオーターになるのだろうが、センターの人員と予算はどうなっているのか。

 有害鳥獣や外来植物についてはうまく封じ込められたこともあると思いますが、今日取り上げたものは全て負け戦でありました。そこで、私の対策は荒唐無稽と思われるかもしれませんが、キョンと鹿にははオオカミを放すことです。ドイツやフランスには一時オオカミは絶滅しましたが、ロシアから渡ってきたオオカミが鹿などを捕食してバランスを取っているし、都会にもすみついています。また、アメリカのイエローストーン国立公園では生態系維持のため、オオカミの群れを放しています。ニューヨークのマンハッタンの公園にもオオカミに近いコヨーテがすみついています。オオカミをあまり恐れることはないと思います。イノシシやアライグマでは、薬剤を活用した防除という方法もあると考えます。ナガエツルノゲイトウは、特効薬はありません。まだ河川や湖沼に繁茂しているだけですが、水田や畑に侵入されたらほぼお手上げですので、地道に駆除するしかないと思います。原産地の南アメリカではどうしているのか、調査が必要であると思います。

 農業大学校の学生寮の再整備については、建て替えて1人1部屋になり、食堂棟と浴室棟を一体的に整備するとのことです。今までの3人部屋から比べれば格段の進歩です。ある副知事との会話の中で、校舎の外観がきれいでなければ学生が集まらないよねという、そのような話から始まった整備計画です。一刻も早い完成が待たれます。残る整備箇所は体育館でありますので、早期着工に向けて取り組んでいただけるよう要望します。

 蛇足ですけど、農大の建っている土地は弥生時代の九十九里沿岸における最大の住居跡でもあります。古墳も30を超える数がありました。それ以来、人が住みつき農業が続けられてきた土地です。この地で優秀な学生が学び、千葉県農業の発展に寄与することは何かの縁であると思います。

 また、知事より産業用地整備のことについて御答弁いただきましてありがとうございました。明るい光が見えたような気もします。県では農転などの土地利用調整に対し、東金市と県の関係部局が連携しながら協議を進めており、また、県が引き続き産業用地整備にしっかりと取り組むとともに市と連携していきたいとのこと、引き続き意思疎通を図りながら取り組んでいただけるよう要望いたします。

 以上、第2回目です。

○副議長(山本義一君) 環境生活部長井上容子君。

○説明者(井上容子君) イノシシやナガエツルノゲイトウの駆除費用等に関する御質問ですが、初めにイノシシについて、平成15年度において捕獲に要した費用は約526万円であり、令和4年度の被害額は約1億1,700万円、捕獲に要した費用は約2億6,200万円となっています。

次に、ナガエツルノゲイトウの駆除に要した費用は、平成20年度は約1,900万円であり、令和4年度は約2億5,600万円となっています。また、生物多様性センターについて、令和5年度の人員は6名であり、予算額は約1億2,900万円となっています。

 以上でございます。

○副議長(山本義一君) 石橋清孝君。

○石橋清孝君 有害鳥獣や外来植物について要望いたします。

 やはり対策は、初期に相当な資金を投入し、しかるべき組織が責任を持って実施しなければ、答弁にあったとおり、何倍もの予算と人を投入しても駆除できません。基金の創設を要望して私の質問を終わります。ありがとうございました。

○副議長(山本義一君) 以上をもって本日の日程は終了しました。

 明日27日は定刻より会議を開きます。

 これにて散会します。

 午後2時34分散会

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電話番号:043-223-2523

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