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千葉県議会 > 本会議・委員会 > 常任委員会 > 県内調査報告/県外調査報告 > 令和7年度農林水産常任委員会県外調査報告書
更新日:令和8(2026)年4月1日
ページ番号:835541
令和7年10月20日
千葉県議会議長 武田 正光様
農林水産常任委員長 高橋 秀典
本委員会が県外調査を実施したところ、その概要は下記のとおりでした。
記
(1)日時:令和7年10月15日(水曜日)14時20分から16時
(2)調査項目:6次産業化の取組について
(3)経過
初めに、高橋委員長が調査協力に対するお礼のあいさつを行い、続いて、有限会社大塚ファーム代表取締役、北海道議会農政常任委員会副委員長から歓迎のあいさつが行われた。
あいさつの後、調査事項について説明を受けながら施設の見学を行い、随時質疑応答を行った。最後に、高橋委員長がお礼のあいさつを行った。
(4)概要説明
大塚ファームは、札幌の中心部から27キロ、新千歳空港から60キロ、石狩平野のほぼ中心部にあり、福井県の永平寺地区から入植して現在の代表が4代目で113年となる。有機農業を30年近く続け、生産・加工・販売、一部輸出まで行っており、現在、耕作面積は約30ヘクタールとなっており、有機JAS認定も取得している。
収量を求めた大量の肥料の投入をせず、土壌分析により必要最低限の発酵肥料により、農薬散布をしなくても作物が作れる技術を確立し、雑草や虫などの生態系を崩さず、作物本来の自然の力を引き出す有機栽培で、しっかりと利益を上げる中、規格外の生産物を有効利用した干し芋や切干大根などの加工品製造・販売も行うなど、石狩地区管内の6次産業化のトップランナーである。
また、加工残渣を有機養鶏場に提供し鶏糞を堆肥化して還元したり、加工場の建物には太陽光パネルを設置して発電した電気を蓄電池に貯めて使用し年間30%の電気を賄うなど、ゼロカーボンやSDGsへの取組にも積極的である。
農業体験や見学も広く受け入れ、今後の事業拡張も見据える中、家族間での事業継承の準備も着実に進めており、先の世代まで持続可能な有機農業の経営に向けて取り組んでいる。
(5)主な質疑応答
問:有機農業、また6次産業化を始めたきっかけは何か。
答:代表自身が、若い頃に農薬アレルギーを発症したことが、農薬を使わない有機農業への転換へのきっかけとなり、1997年には栽培する全ての野菜を有機栽培に切り替え、本格的に有機農業経営を始めることとなった。現在では、さつまいも、ミニトマトなどをはじめ、多品目の有機栽培を行うことで利益を挙げている。
また、規格外作物の大量廃棄の解消や、従業員を季節雇用から通年雇用とすることを目的とし、北海道では初めてとなる干し芋の加工を始めたことが、6次産業化の始まりである。
問:従業員の雇用の状況はどうか。
答:ファーム全体で外国人や障がいのある方も含め多様な人材を雇用しており通年で20名から30名が勤務している。障がい者就労支援事業所と連携し、施設外就労として、障がい者の自立支援を推進している。
問:課題や今後の取組についてはどうか。
答:温暖化や異常気象、配送料の高騰なども伴い、野菜産地からの安定した出荷が困難となっている中、限界集落や農業教育の限界による人員不足も深刻である。今後も、環境に優しく持続可能な形で地域と共に発展する農業を目指し、労働生産性の高い儲かる農業に変えていくためのさらなるブランディングや、デジタル技術を活用した栽培管理、持続可能な農業経営のモデルづくりなどに取り組むことで、これから100年以上も続けることが可能な有機農業と後継者の育成となる仕組みの構築に力をいれていく。
(1)日時:令和7年10月16日(木曜日)9時45分から11時30分
(2)調査項目:スマート農業について
(3)経過
初めに、高橋委員長が調査協力に対するお礼のあいさつを行い、続いて、ヤンマーアグリジャパン株式会社北海道支社企画部営農推進グループ専任部長から歓迎のあいさつが行われた。
あいさつの後、同社担当者から調査事項について説明があり、その後、同担当者の案内により施設を視察し、随時質疑応答を行った。
最後に、高橋委員長がお礼のあいさつを行った。
(4)概要説明
ヤンマーアグリソリューションセンターは、ヤンマーアグリジャパン株式会社が運営する、最新の農業機械の情報発信のほか、農機研修など生産者に向けたサービス提供のための拠点であり、位置情報やロボット技術などのICTを活用した最新の技術や製品の紹介を行っている。施設としては、ショールームやグッズ販売エリア、セミナールーム等がある「ナレッジセンター」、1972年より輸入販売契約を結んでいるジョンディア社製農機の組み立てやチェックを行う「大形農機センター」、全国各地にヤンマー製品の部品等を発送する「北海道流通センター」があり、実演搭乗やテスト走行が可能な圃場がある「デモンストレーションフィールド」には、スマート農機対応のRTK基地局を設置しており、自動操舵補助システム搭載トラクターに圃場のマップを読み込ませて可変播種も設定することができる。
ヤンマーアグリジャパン株式会社は、大阪に本社があり、北海道から九州まで6支社を設けている。北海道支社管内には38営業所があり、2025年3月時点で、従業員は540名、売上高は347億円となっている。
北海道は、道南地域は畑作地帯や果樹地帯、道央地域は稲作中心地帯、道東地域は畑作を中心とした大規模農業地帯、道東・道北地域は気候が涼しく草地中心なことから、主に酪農地帯となっており、それらの地域ごとに、各営業所が販売やサービスのサポートを行っているが、北海道全体としての販売農家戸数は31,200戸となっており、年々減少してきている。
なお、北海道が生産量全国1位の主な農産物には、小麦、大豆、小豆、いんげん、てんさい、スイートコーン、アスパラガスなどがある。にんじんの生産量は、千葉県と競っている状況である。
スマート農機の自動化については、農林水産省の定義では、レベル0が、車でいうとナビ(GPSガイダンスシステム)が付いており、必ず搭乗する状態。レベル1が、搭乗の必要はあるがハンドル操作をせずに自動走行ができる状態。レベル2が、完全に搭乗する必要はなく近距離又は随伴で監視する状態であり、ヤンマーではレベル2までのトラクターに対応しているところである。なおレベル3の、搭乗せずに自宅にいながらトラクターを操作できる状態が自動走行の完成型であり、技術的な問題や法律面など解決する面はあるが、大学を含め、現在、研究がかなり進んでいるところである。
また、水稲作の労働状況の推移として、10アールあたりの労働時間が1970年は120時間程度だったが、2020年は20時間程度まで効率化が図られており、一番短縮されたのは、収穫・乾燥時間である。1970年はバインダーと脱穀機を組み合わせた作業体系が一般的だったが、2020年は自脱型コンバインで一度の行程で作業できるようになったためである。
一方、管理作業については削減されていない状況ではあるが、肥料散布については、今までの無人ヘリコプターから、オペレーターによる散布量の設定と薬剤投入のみで自動走行するドローンへの移行や、ラジコン草刈り機の導入により、夏場の暑い時期でも涼しい場所からコントローラーでの操作が可能になるなど、作業の軽量化や省力化が図られてきていることから、管理作業時間の削減が進むよう、今後提案していきたいと考えている。
(5)主な質疑応答
問:農家が求めるトラクターのサイズ感や、馬力はどういったものが多いのか。
答:農家戸数が減少しているが耕作面積は変わっておらず、1人当たりの耕作面積が広くなっていることから、大きな作業機、トラクターへ移行している。北海道では、畑作農家は高馬力の130馬力程度がメインとなり、水田農家でも田んぼの一つの面積が大きいと同程度の馬力が求められる。本州では50馬力程度が主力となる。
問:作業中にトラクターはどれくらいの速度で走るのか。また、公道ではどうか。
答:作業によるが、耕うんは、人が歩くくらいの速度のため時速1kmも出ていないと思われる。移植になると時速4kmから5km程度、耕うんの荒起こしであれば時速7kmから時速10km程度になる。
また、公道では小型特殊自動車扱いになるため、時速34km以下で走行できるが、農耕作業用自動車のナンバープレートが必要になる。
(1)日時:令和7年10月16日(木曜日)14時10分から15時20分
(2)調査項目:漁業資源の管理及び水産業の現状と課題について
(3)経過
初めに、高橋委員長が調査協力に対するお礼のあいさつを行い、続いて、新星マリン漁業協同組合留萌支所なまこ部会長から歓迎のあいさつが行われた。あいさつの後、新星マリン漁業協同組合留萌支所長から調査事項について説明があり、その後、質疑応答を行った。
最後に、高橋委員長がお礼のあいさつを行った。
(4)概要説明
新星マリン漁業協同組合は、平成15年4月に留萌漁業協同組合と小平漁業協同組合が合併して誕生した。組合員数は現在76名で、令和6年の漁業生産は6,429トン、25億6,500万円である。
留萌地区ではナマコは最重要漁業であり、なまこ部会は桁曳網やヤス突き等ナマコ漁業に従事する漁業者で組織し、現在会員は18名である。
ナマコは中国料理の高級食材として価格が高騰したことから、過度の漁獲に陥り年々減少し、平成21年まではノートに記録した操業位置や漁獲量を用いて漁期後に初期資源量を水産指導所と稚内水産試験場が連携して解析し、その結果から翌年に漁獲制限量を決めていた。しかしこの方法では、その年の漁獲量が適切だったか否かは解析結果が出るまでは判断できず、結果的に漁獲制限量が過大であった年が多く、資源は減少し平成20年から漁獲量が激減し続け、一時は休漁も考えるような状況となった。
そこで、より的確な資源管理ができる方法を模索していた時に、大学との連携の機会に恵まれたことから、マリンITによる資源管理システムの開発と実用化が始まった。マナマコ資源管理支援システムは、クラウドサーバーに送信されたデジタル操業日誌等の情報から自動で資源診断票と操業情報が作成され、各漁業者のiPadに配信されることで操業中に資源の評価と管理が可能となり、平成24年の操業からはiPadを漁業者が自主購入して全船でシステムを活用することとなり、通信システムの維持管理費は漁協と留萌市で支出し、地元主体でシステムを運用することとなった。
マリンITにより実現した協調操業による漁業者主体の資源管理は、従来は漁期終盤になっても各船に分配された漁獲制限量を獲りきるまで続けていたが、資源の見える化により、操業切り上げの合意形成が客観的な数値の評価で可能となった。システムの活用により(1)操業計画(2)漁獲(3)資源評価(4)計画の見直しという順応的管理が可能となり、その結果、平成24年から初期資源量は順調に回復し続け安定した漁獲量と収入が得られるようになり、令和7年のナマコの水揚げ量は約55トン、水揚金額は約1億1,500万円となっている。
また、日本海北部海域の現状としては、温暖化による海水温の上昇の影響で、今まで取れていた秋鮭などの魚が極端に捕れなくなった一方、これまで獲れなかったブリなどの魚が水揚げされるようになっている。また、外来種のヨーロッパザラボヤの生息域拡大によりホタテ養殖に深刻な被害が発生している。
(5)主な質疑応答
問:IT技術を活用した資源管理に取り組む上での課題はあったか。また、どのように解決したのか。
答:漁師にとって自身の漁場を教えることに抵抗がある中、資源管理システムでは、漁場の位置から漁獲量までを全て共有することになる。
システムの導入にあたっては、特に高齢の漁師達からは、そもそも水揚げに繋がらないようなものをやる必要などなく、iPadの操作も無理だという声も上がったが、漁師の親子間での世代交代とシステム導入の時期が丁度重なったため、若い世代に受け入れられたことからスムーズな移行に繋がったという経緯がある。
問:ナマコ漁の現状についてはどうか。
答:直近過去5年間の水揚数量についてはだいたい横ばいであり、資源管理については問題なくできている。一方、令和5年8月に東京電力福島第一原発のALPS処理水海洋放出により中国向けの水産物の輸出が禁止となったことから令和5年度から令和6年度にかけての在庫がだぶつき、平均単価については大きく下がることとなった。令和7年7月に中国への輸出は解禁となったが、輸出にあたっては業者間での許可制となるため、2,000社以上が現在も許可を待つ状況であると聞いており、来年度以降の東京電力からの損害賠償についてもホタテや鮭などの海産物を含め不透明であることから、これからが正念場と捉えている。
(1)日時:令和7年10月17日(金曜日)9時20分から11時
(2)調査項目:林業を担う人材の育成について
(3)経過
初めに、初めに、高橋委員長が調査協力に対するお礼のあいさつを行い、続いて、北海道立北の森づくり専門学院学院長から歓迎のあいさつが行われた。
あいさつの後、同学院長から調査事項について説明があり、その後、同学院副学院長の案内により施設を視察し、随時質疑応答を行った。
最後に、木名瀬副委員長がお礼のあいさつを行った。
(4)概要説明
北海道立北の森づくり専門学院は、全国1位の森林面積を有する北海道において、林業・木材産業の担い手不足の課題に対応すべく、現場で即戦力となり、将来的に企業等の中核を担う人材の育成を目的として、令和2年4月に旭川市に開校した道立の2年制専修学校である。
林業、木材産業の業界をはじめ、道内の地域や教育・研究機関など幅広い関係者と連携したオール北海道による運営体制を構築しており、道内外から入学生を募集し、最先端の設備と経験豊かな教員のもと、段階的・体系的な教育カリキュラムで林業・木材産業の知識と技術を一から身に付けることができ、高性能林業機械のシミュレーター等も活用するなどし、最大16の資格が取得可能である。また、林業先進地であるフィンランドのリベリア林業専門学校との教育連携による高性能林業機械の教育プログラムの開発や教員及び生徒の相互交流、受入企業と生徒が雇用契約を締結し現場作業等に従事することで高い実践力を養成する長期就業実践実習(コーオプ教育)なども実施している。卒業生の多くが全道各地の林業・木材産業の企業や森林組合に就職するなど、就職率は100%を誇る一方、入学生については令和5年度から定員割れの状況であり、高校生のニーズの変化や4年制大学志向が強くなっている中、入学者確保の取組についての強化が課題である。
(5)主な質疑応答
問:人材確保については就労環境、特に給料面の充実は重要であり、そのためには林業全体の生産向上や高収益化のため、国産材への回帰が必要と思われるが、その現状について伺いたい。
答:全国における木材の自給率は4割程度の中、北海道では機械化が進んでいることから生産量も多いため6から7割程度である。安定した素材の確保や流通など様々な問題もあり、安価な輸入材から国産材に完全移行する状況にはなっていない。外国のように、伐採、加工、流通など、あらゆる分野において大量に処理が可能となるよう、業界全体として効率化に向けた改善を進めていかなければ、100%国産材という時代になるには、まだまだ厳しいという実態がある。
問:校舎施設にはどのような特徴があるか。
答:校舎は、CLT(木材の繊維方向を直交に貼り合わせた直交集成板)とコアドライ(乾燥技術の高度化によりカラマツのねじれや割れを克服した正角材・平角材)を適材適所に活用し、職員室にはあえて在来工法を取り入れるなど、違いを比較できるつくりになっている。
また、通常は地下室などに配置するボイラー室を表玄関に配置することで稼働状況を可視化できるようにするなど、生徒達が施設自体で木を感じ、学びにも繋げられるようになっている。
なお、ボイラーについては、地元のカラマツの間伐材をチップにして投入しているバイオマスボイラーであり、校舎内の暖房システムをほぼ賄っている。
問:外国人の入学は可能か。
答:可能である。ただし、特化したコースは設けていないため、既存のクラスにおいて一緒に学ぶことができるための語学力は必要と考える。
| 職名 | 氏名 | 会派 |
|---|---|---|
| 委員長 | 高橋 秀典 |
自民党 |
| 副委員長 | 木名瀬 訓光 | 自民党 |
| 委員 |
酒井 茂英 |
自民党 |
| 委員 |
木下 敬二 |
自民党 |
| 委員 |
伊藤 昌弘 |
自民党 |
| 委員 | 高橋 祐子 | 自民党 |
| 委員 |
竹内 圭司 |
立憲民 |
| 委員 | 秋林 貴史 | 公明党 |
| 委員 |
西尾 憲一 |
平和党 |
| 委員 | 折本 龍則 | 有 志 |
| 所属・職名 | 氏名 | 備考 |
|---|---|---|
| 農林水産部長 | 高橋 輝子 |
- |
| 農林水産部農林水産政策課長 |
齋藤 和義 |
- |
| 農林水産部農林水産政策課副課長 |
芝原 直樹 |
議事課主幹(併任) |
| 議会事務局総務課班長 |
鈴木 由香 |
- |
| 議会事務局議事課主事 |
小野 蒼依 |
- |
10月15日
| 場所 |
着 |
発 |
備考 |
|---|---|---|---|
| 羽田空港 |
- |
10時 |
ANA059 |
| 新千歳空港 |
11時35分 |
- |
- |
| 有限会社大塚ファーム |
14時20分 |
16時 |
調査 |
| 宿舎 |
- | - |
- |
10月16日
| 場所 |
着 |
発 |
備考 |
|---|---|---|---|
| 宿舎 | - | - | - |
| ヤンマーアグリソリューションセンター |
9時45分 |
11時30分 |
調査 |
| 新星マリン漁業協同組合留萌支所 | 14時10分 |
15時20分 |
調査 |
| 宿舎 |
- | - |
- |
10月17日
| 場所 |
着 |
発 |
備考 |
|---|---|---|---|
| 宿舎 | - | - | - |
| 北海道立北の森づくり専門学院 |
9時20分 |
11時 |
調査 |
| 新千歳空港 | - |
15時10分 |
ANA4784 |
| 羽田空港 |
17時35分 | - |
- |
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