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更新日:令和4(2022)年11月29日

ページ番号:2881

第7回議事録:議題1(障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり推進会議)

議題1「障害者差別解消法の施行に向けた取組について」

(古屋課長)
事務局の障害福祉課長の古屋と申します。本日はお忙しい中をお集まりいただきまして誠にありがとうございます。差別解消法の施行は来月の1日に迫っているということで、これまでに県が取り組んできた状況について御説明いたします。

資料1を御覧ください。障害者差別解消法の内容について簡単に御説明いたします。
障害者差別解消法は、平成25年に公布されている法律です。障害者基本法第4条に定められた基本原則差別の禁止等を柱としているところです。
障害者基本法においては、障害を理由とする差別等の権利侵害の禁止を第1項で定めています。続いて第2項で、社会的障壁、障害のある方の社会参加の妨げになるようなことの除去を怠ることによる権利侵害の防止、第3項において国による啓発、知識の普及を図るための取組等を規定しています。これを具体化するために成立した法律として障害者差別解消法があります。
内容について、まず1の「差別を解消するための措置」が定められています。
この大枠には二つあります。一つ目は左の「不当な差別的取扱いの禁止」が定められています。これについては、国や地方公共団体等の行政機関においては法的義務とされています。また、事業者においても法的義務とされています。
もう一つは「合理的配慮の提供」で、例えば目の不自由な方に対して文書の読上げをするといった配慮、このような提供について国、地方公共団体等の行政機関においては法的義務、事業者においては努力義務とされています。これに基づき政府の方針として差別の解消に関する基本方針を策定し、閣議決定をするというルールです。
また、国、地方公共団体等については、機関における取組に関する対応要領を策定することとなっています。地方公共団体での策定は努力義務ですが、後ほど御紹介するように、県では機関ごとに対応要領を作成しています。
事業者については、主務大臣が事業分野別の対応指針ガイドラインを策定するというルールであり、例えば病院や社会福祉施設については、厚生労働省でガイドラインを策定して関係機関に周知しています。実効性を確保するために、主務大臣から事業者に対して報告・聴取や助言・指導・勧告等を行うことができるとされています。
次の2「差別を解消するための支援措置」として、一つ目「相談・紛争解決」のための体制整備を図ること、二つ目「地域における連携」として、後程御紹介しますが、障害者差別解消支援地域協議会という、関係機関と連携する協議会を地方公共団体に設置することとしています。三つ目「啓発活動」として普及・啓発活動の実施、四つ目「情報収集等」として、国内外における差別及び差別の解消に向けた取組に関わる情報の収集、整理及び提供を定めています。
施行期日は来月の4月1日です。

続きまして資料2-1を御覧ください。このような法律の施行に向けた流れをくみ、県として取組を進めてきました。
差別支援地域協議会のあり方、条例と法の整合性、先ほど申し上げた職員の対応要領の作成、そして広報啓発が課題となっていました。
このため、一昨年から内閣府の障害者差別解消支援地域協議会体制整備事業に協力し、地域協議会準備会として平成26年度と平成27年度に検討を行い、平成27年度は、特に実務的な検討を行うワーキンググループを準備会のもとに設置するなどして、精力的に検討を行ってきました。
先ほど御説明した障害者差別解消支援地域協議会は、地方公共団体において障害を理由とする差別を解消するための取組を行うための機関として、関係機関によって構成される協議会を組織することとされています。県としても、障害者条例ですでにあっせんや調整を行う調整委員会という委員会を立ち上げているので、こういった機関との整理をしつつ地域協議会を設置しようと検討を進めてきました。
検討の結果を、「1.地域協議会準備会での検討」に記載しています。
協議会として、「障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例」の調整委員会をメンバーとする検討委員会を立ち上げました。
(1)の検討経緯に書いてあるように、これまで3回開催しています。平成27年7月15日にワーキンググループの設置を決定し、その後、※印にあるように27年7月から毎月1回、計5回ワーキンググループを開催し、検討を行ってきました。その後11月4日の第2回で地域協議会の概要として中間報告を行い、第3回で最終報告案として取りまとめました。この成果については、今年3月3日に、内閣府主催の最終報告会において検討結果を報告しました。その資料が資料2-2です。以下、この資料2-2の概要として御説明します。

資料2-1にその概略について記載しましたのでこちらに沿って、必要なところは資料2-2を御覧いただきながら御説明します。
まず、検討課題と結論ですが、6つ課題があるということで議論をスタートしました。1つ目は先ほどの地域協議会のあり方や検討課題、2つ目は相談対応の流れに関して、差別ではないか、あるいは差別に当たる行為をしたかもしれないという相談を実際に受ける対応の流れを整理する必要があるのではという点、3つ目は条例に基づく事例の蓄積や経験の活かし方です。差別解消法の施行前から条例があるので、他の自治体と比べるとある程度事例の蓄積があり、この成果をまとめ、経験を生かす形で進めていくということで議論していただきました。
4つ目は、条例と法の整合性です。法に先行して条例をスタートさせているので、法と比較したときに条例を改正する必要があるか御議論いただきました。
5つ目は、市町村支援です。今回法律の施行に伴い、市町村が差別事案の相談窓口となるので、市町村にどのような支援を行っていくのか御議論いただきました。
6つ目に、法とあわせた条例の周知として、現在の障害者条例の周知率が2割を切っている状況ですので、法の周知にあわせてどのような形で条例の内容も周知していくか議論していただいています。

資料2-1に戻りまして、(2)の○1「地域協議会のあり方や検討課題」についてです。県において、まず「障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例」に基づく調整委員会と一体的な運用を図るような機関とするとしています。
また、委員に関しては、調整委員会の委員に加え、国の機関、例えば労働局や法務局などを追加することを予定しています。これは、法律でこのような人が入ることが望ましいと示されているガイドラインに合わせるものです。
議題については、調整委員会において、条例に基づく助言、あっせん、勧告、訴訟の援助を行うこととしていますので、地域協議会では個別の事案の分析検討を行うこととして、実際に助言、あっせん、勧告等に至るものについては調整委員会に申し込む形とすることとしました。

続いて2つ目の相談対応の流れについて、想定される相談の流れをフローにして整理しました。資料2-2の6ページを御覧ください。
行政機関から差別を受けたとおっしゃる方と、事業者から差別を受けたとおっしゃる方とで、それぞれ窓口が異なります。まず行政機関からの場合、一義的には市町村、あるいは県の場合当該行政機関とあるところ、この窓口に相談いただく形です。これでもうまくいかない場合、条例の枠組みですが、一番下の○2にある地域相談員・広域専門相談員等への助言相談をその機関が求める、あるいは下の矢印の動きのように、差別を受けたとおっしゃる方が地域相談員・広域専門指導員等に相談に行くという形で進みます。
事業者からの場合、事業者に相談の窓口がない又は不明な場合、まず市町村の行政窓口に行っていただく形です。その企業に相談窓口がある場合は、その事業者の相談窓口に御相談いただきます。それでもうまくいかない場合には、地域相談員・広域専門指導員といった既存の条例の枠組みを御活用いただくことをモデルとして示しています。これはあくまでモデルですので、実際の運用においては、地域相談員や広域専門指導員といったこれまで条例で相談にあたった方に直接来られる方もいらっしゃるでしょうが、それを排除するものではありません。

続いて、3つ目の条例に基づく事例の蓄積や経験の活かし方として、別冊2「障害のある人に対する差別と望ましい配慮に関する事例集(案)」を意見募集などによって取りまとめました。
この検討の議論の中で、障害当事者の方々から集めた絵などを入れてはどうかという御意見がありましたので、特別支援学校の生徒さんなどに御協力をいただき、現在絵の選定作業をしています。
できあがり次第、関係箇所に送付するなどして、これからの周知に活用したいと考えています。

続いて4つ目の条例と法の整合性についてです。先行して条例を制定しているので、条例の改正が必要あるのかどうか御議論をいただきました。
具体的には、条例の改正そのものは必要ないものの、解釈について運用解釈の指針を変える必要があるという結論をいただき、調整委員会に報告しました。
資料2-6を御覧ください。解釈指針の改正案の概略です。多くはこれまでの数年間の法律改正などの反映といったものですが、中身に関わるものだけ簡単に御説明します。
第2条第1項の障害の定義に関して、「解釈及び運用」の2つ目、性同一性障害が明示的に示されていないので、性同一性障害のある方も相談の対象になることを記載しています。
第2条第2項の「解説」に、障害者差別解消法についての記述を追加しました。
また、「解釈及び運用」について、障害者差別解消法においては、年齢、性別、障害の状態に応じた配慮について対応すると規定しています。これまで障害者条例においては、「障害の状態に応じた配慮」は、この解釈指針に記載していましたが、性別、年齢については記載していませんでした。あらためてそれを記載しています。
その下で、障害者差別について8つの分野に分けて規定していますが、これまで選挙や司法手続といった行政機関における差別について、特段記載していませんでした。これに関して、先ほど申し上げたように、不利益取扱いの禁止と合理的配慮の提供義務が行政機関に定められたことを踏まえ、8分野自体を見直す必要があるか議論がありました。選挙では投票所でのサービスと、選挙の際の情報提供、これらについて不利益取扱いが生じるのではないかという御意見、それから司法手続では、情報保障の配慮について不利益取扱いが生じるのではないかという議論がありました。いずれも8分野に含まれないため、個別に明記しています。
第2条第2項第1号の「合理的な配慮に基づく措置の例示」において、先ほどの年齢、性別、障害の状態に応じた配慮として、同性介護に努めるという記述を追加しました。
その他、これ以降は基本的に法律改正等で引用する条文等を変えたという部分ですので、説明を割愛します。

続いて、資料2-1に戻り、○5の市町村の支援についてです。市町村の求めに応じて、地域相談員や広域専門指導員による助言等のバックアップを行うこととしています。先ほど申し上げた相談対応の流れの中でも、地域相談員と広域専門指導員の助言相談を市町村に行う形ですので、これについてあらためて広域専門指導員に伝え、しっかりと取り組んでいきたいと考えています。

6つ目の法とあわせた条例の周知ということで、パンフレットを作成しています。資料2-7が、障害のある人への差別をなくそうというパンフレットです。これまで、4ページ以降にある条例についてのパンフレットは作成していましたが、法律そのもののパンフレットはなかったので、条例と法を合わせた形で一つのパンフレットとしました。
少し文字が多いのですが、これは広域専門指導員が実際に出向いて説明するよう、情報量を多くしているためです。調整委員会で、もう少し情報量を絞ったほうがいいのではとう御意見をいただいていますので、今後、簡単な版の検討を考えています。
○6の下の方の事例集について、事例が多岐に渡るため簡単なマンガ版を作ろうということで、特別支援学校、高等学校の生徒さん、大学の福祉学部の学生さんにお声掛けして、ただ今作成しています。表現などで配慮が必要な部分があるのではと御意見をいただいているので、修正をしているところです。また、こういったマンガ版などを活用し、福祉教育と連携をして周知を進めてはどうかという御意見をいただいています。福祉教育については、社会福祉協議会において取り組んでいますので、マンガ版や、あるいはこれを紙芝居にするなど、何らかの方法で活用できればと考えています。

続いて、「2.職員対応要領の策定」についてです。先ほど申し上げました行政機関における障害を理由とする不利益取扱い、それから合理的配慮の提供義務について、県の機関では現在3つの職員対応要領を作成する予定です。
1つ目は、知事部局、議会事務局、それから行政委員会の事務局についてのものです。資料2-3として用意しています。基本的な趣旨、不当な差別的取扱い、合理的配慮の基本的な考え方、これらの具体例、相談体制の整備、行政機関等における研修・啓発といったことを入れています。
資料2-3の5ページ目以降に、不当な差別的取り扱いの具体例、また、どのような合理的配慮をするべきかを記載しています。こちらについては、関係する当事者団体に御意見を伺いながら、付け足すべきところは付け足すなどして確定をさせています。この対応要領に基づき、来年度新規採用職員に対して、4月中に6回の研修をすることとしています。
資料2-4の教育委員会については2月12日にパブリックコメントを終了し、資料2-5の県警については2月23日にパブリックコメントを終了し、現在手続を進めている状況です。内容は似通っているところがほとんどなのですが、教育委員会では、特に文部科学省の対応要領が教育機関で守るべき合理的配慮や差別的取扱い等について記載しているので、これを取り込む形で修正をしていると聞いています。警察でも同様な形で進めていると聞いています。

続いて、「3.広報啓発」です。資料2-1の3(1)を御覧ください。
先ほど申し上げたように、周知率が低いという状況を鑑み、今回の障害者差別解消法の施行にあたり、各種媒体での広報を行っています。「ちば県民だより」12月号の1、2面を使って今回の法改正の内容について御紹介しています。
ラジオでも12月の障害者週間にあわせて、「チバ・プリフェクチャー・アップデイツ」という県の広報番組で御紹介しています。
次に、障害者条例に基づく広域専門指導員が県内に16人います。この方々によるボランティアとして、啓発の資料入りのティッシュ配布を県民の日と障害者週間の日に千葉駅前で実施しました。
3番目、先ほど御説明したパンフレットを作成しています。
4番目、研修会の開催と講師の派遣ということで、1月末から2月にかけて、千葉県内の圏域別に研修会を5回開催しています。また、市町村の要請に応じて県職員を派遣し、差別解消法と条例の内容について説明しています。特に施行に向けた今月は、職員がかなりの回数を対応しています。
最後に今後の取組です。先ほど申し上げた事例集の確定とマンガ版の作成、またこれらの活用を進めていきたいと考えています。
それから講師の派遣について、市町村あるいは当事者団体からの要請に応じて、県職員や広域専門指導員を派遣し、条例の内容の周知、法の内容の周知に努めていきたいと考えています。
かなり多くなってしまいましたが、私からの説明は以上です。

(中坪副座長)
ただ今の説明に御質問や御意見があればお願いします。なお、視覚障害のある方もいらっしゃいますので、御発言の最初にお名前をまずおっしゃっていただきたいと思います。御協力をお願いいたします。いかがでしょうか。

(吉開委員)
NHKの吉開です。広報啓発のところで、今おっしゃっていた通り情報量が多いのですが、極めて重要なことだと思いますので、一つにはラジオのベイエフエムでの番組、どういうポイントに絞って広報提供を行ったのか教えていただければと思います。

(古屋課長)
今回は、差別解消法が4月にスタートすることを御紹介しました。障害のある人への合理的配慮の提供と不利益取扱いの禁止。この二つがポイントですのでこの点と、条例に基づく広域専門指導員が帯同しているので、広域専門指導員がいるということ。また不明な点があれば県の障害福祉課に御相談いただきたいこと。この点について御紹介しました。

(中坪副座長)
ほかにはいかがでしょうか。

(植野委員)
植野と申します。御説明は非常に量が多い、またスタートしたばかりということで私も含めてよくわからない部分もありますので、例えば対応要領も作成していただき模索していくという段階だと思いますが、(法には)3年後の見直しというものがあります。その部分があるならば、対応要領も3年後再検討をすることがあるのか教えていただきたいのですが。

(古屋課長)
見直し規定がありますので、この点については対応要領もそれに即した形で常に時代に合わせる形で見直しが必要であると考えています。今回の改定では特に研修の部分が重要ですので、人事関係部局とも連携をした形で、先ほど申し上げたように、新規採用職員に対する研修を集中的に実施していくこととしていますが、今後必要に応じてレベルごとの研修等も盛り込んでいければと思っています。

(中坪副座長)
ほかにはいかがでしょうか。よろしいですか。それでは議題2に移りたいと思います。

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所属課室:健康福祉部障害者福祉推進課共生社会推進室

電話番号:043-223-2338

ファックス番号:043-221-3977

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