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更新日:令和5(2023)年4月20日

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第6回議事録:議題1(障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり推進会議)

議題1「推進会議の取組課題の平成24年度における主な進捗状況」

(山田課長)
障害福祉課長の山田でございます。資料1-2のA3資料があるかと思います。推進会議で取り組む課題一覧ということで、平成24年3月に、第5回のこちらの会議で配付した資料そのものです。
こちらは平成21年に、第3回の推進会議で取り組む課題ということで、13の課題を決定していただきました。この1から13の中から、平成24年度に特に進捗のあった8項目について説明いたします。
資料1-1の表紙に戻っていただき、こちらの13課題のうちの課題1から課題13までの8課題について、まずは御説明をさせていただきます。

課題1はコミュニケーションに障害のある人に対する情報提供の配慮です。こちらの取組方針は21年当時の記述ですので、説明は省略させていただきます。
下の進捗状況が24年度の進捗状況です。今年度特に進捗が見られたのは音声コードです。今日の資料の最後に虐待防止のパンフレットをお配りしているかと思いますが、そのパンフレットの表紙の右上や右下に、音声コードのマークがあるかと思います。そこに読み上げ装置をあてがうと、活字が読まれまして、視覚障害の方に情報が提供されるというのが音声コードです。
平成18年度から国の基金事業が始まりました。この事業の補助金を活用しながら読み上げ装置の整備に努めて、情報のバリアフリー化をやってきたところです。
1-(2)に整備状況を記載してあります。平成18年度から23年度までの5年間で、アの県におきましても、この読み上げ装置を10か所整備しております。イの市町村においても、29の市町においてこの整備がみられています。
(3)は行政文書等への活用状況です。アの県では、いま申し上げた虐待防止法のパンフレットや県の障害者計画、あるいは条例のリーフレット等でこれを使っています。イの市町村においても、21の市町村で一般向けの広報誌、あるいは福祉関係パンフレット等に、この音声コードの導入が進められているということです。
音声コードはいま携帯電話でも読み込めるようになっていますが、それらの活用のため、24年12月には県や各市町村および県の各機関に、また25年1月には県内医療機関に対しても、視覚障害の方への情報提供の充実について文書により依頼をしたところです。
今後は民間事業者に対しても、視覚障害者への各種サービスの案内や作成などの際に音声コードの活用をお願いしてまいりたいと考えています。
以上が課題1の関係です。2ページは課題1の参考で、これまでの対応状況を記載しています。御参考までということで、説明は省略させていただきます。

続きまして3ページからの課題2ですが、これは障害者用駐車スペースの適正な利用についてです。進捗状況ですが、まずは障害者用の駐車スペースの利用マナーを確認したところ、健常者の不適正な使用が指摘、散見されました。利用マナーを向上させるために、今年度同様、引き続き啓発活動を行っていきます。
2番は、内部障害のある人の駐車場等の優先利用について、あるいはその関連として、バスや電車の座席で優先利用の支援の必要性を示す、ハート・プラスマークの普及を図ろうというものです。これは人の形で心臓のハートにペースメーカーを示すプラスの入ったマークです。一般に障害のある方を示すマークとしては、車いすの国際シンボルマークが普及していますが、こういった内部障害のマークも普及していきたいということです。
県のホームページに掲載し県民に周知していくことや、あるいは市町村へ通知等を行うことで、公共施設でのポスターの掲示といった普及の働きかけの準備を進めてまいりました。3月4日付でこの通知も出したところです。他県でも、一部自治体ではこういった取組が進んでいます。本県でも30ほどの市役所や、ショッピングセンターなどでも使用されています。そういった取組を拡大していきたいと思っております。
関連して、公共交通機関におけるこのハート・プラスマークの経緯を載せてありますが、これは座席の優先利用などを示すのに有効です。こういった事業者への接触、働きかけにも着手しているところです。さらに公共交通機関については、千葉都市モノレールに対して、モノレールの車両へのポスター掲示をお願いするなどの取組を進めているところです。
また、3月4日から佐倉のユーカリが丘線の車両に、優先席のマタニティマークのとなりにハート・プラスマークの掲示をしていただきました。また、今後関係部局と協議をしながら、学校においてもこういったマークの掲示を行っていきたいと考えています。以上が課題2のまとめです。

課題3は、現在の推進会議で特に重点的に取り組むべき課題とお伝えしたもので、病院や飲食店等における身体障害者補助犬の受入れです。進捗状況ということで、24年4月から5月にかけて、優良事例の調査を市町村や関係団体に行いました。
8月には、優良事例があった京成ホテルミラマーレで意見交換を行いました。宿泊施設における優良事例の例として、ホテルミラマーレでは補助犬用トイレが設置されています。
医療機関における優良事例の例としては、資料に記載の各病院で補助犬の病院への同伴が可能となっており、飲食店の例も補助犬の同伴・受入れについて記載しています。
啓発活動では、社会福祉協議会が小中学校で盲導犬教室を開催しています。
先ほどの意見交換の経過に戻りますが、11月からユーザーと意見交換を、12月25日には関係団体と意見交換を行っています。2月には優良事例・課題を取りまとめまして、事例集を県のホームページで公表いたしました。事例集は市町村にも配布して、周知をしているところです。
また、補助犬ステッカーを飲食店、理容室、旅館、タクシー協会等に配布して、受入れの依頼をしているところです。今後、あらためて意見交換をさせていただきたいと思っています。以上が課題3の進捗状況です。

課題5は障害の状況に応じた職場での対応ですが、こちらは24年10月1日の障害者虐待防止法施行に合わせて、障害のある人の職場定着にも資する「千葉県障害者虐待対応マニュアル」を作成しました。
このマニュアルにおいて、使用者虐待の防止のため、労働者の特性や、使用者の虐待防止に向けた取組等の記述を盛り込みました。また、労働局や障害者就労支援機関、経済団体等が構成員となっている県の障害者虐待防止連携協議会の開催の他に、事業者団体主催の会議に講師として参加したり、あるいは各企業等に対する周知や取組を依頼しているところです。
2つ目として、県の自立支援協議会の就労支援専門部会を、24年度に5回開催しました。就労移行及び職場定着の強化等のテーマを中心に検討を行っております。25年度についても、引き続きこれらの取組を促進します。あるいは工賃向上の推進等といったことを、重点的に検討することとしています。

課題6は障害のある人が使えるトイレの設置推進です。進捗状況ですが、障害のある人が使えるトイレの設置について、平成22年度にパブリックコメント制度を通じて意見を募集し、23年度に研究会で研究を行いました。24年度には国土交通省でも調査研究をしています。こういう研究成果を基に、設置推進に資する情報の収集・整理を行いまして、特に障害のある人用に焦点を当てた事例集を作って、関係団体等へ周知・公表すべく現在準備中です。年度内にこれを完成させたいと思っています。
特にオストメイト対応トイレについては、24年12月に県内の公共施設に設置されているオストメイト対応トイレの一覧を作って周知を図っており、当事者団体等へ情報提供を行っています。参考までに、県内の公共施設としてのオストメイト対応トイレは、県で17施設、市町村425施設、計442施設で確認されています。
また、県のホームページに掲載の「ちばバリアフリーマップ」の中で、オストメイト対応トイレの情報を掲載しており、これを定期的に更新することに努めます。今後とも、オストメイト対応のものも含め、トイレの設置が進むよう普及・推進に努めていきたいと思っています。

課題10は保育所等における障害児への配慮であり、下は進捗状況です。一例を紹介いたします。
平成24年度から、保育士や幼稚園教諭、保育所等への訪問支援を行う障害児施設等の職員を対象に、発達障害による行動上の問題の早期発見や、専門的な支援方法についての研修を新たに開始したところです。
なお、発達障害者支援法においては、発達障害を早期に発見し支援することが重要であるということで、早期発見や支援に努めています。
今後は、県の総合教育センターでも発達障害関係の研修を実施し、研修の周知も図りながら、より多くの幼稚園教諭や保育士の発達障害への理解が進むよう、取り組んでまいります。

課題11は学校における発達障害、知的障害のある子に対する教育上の配慮です。進捗状況ですが、まず、県の教育委員会の取組として、特別支援学校のセンター的機能を生かし、学校や保護者からの相談への対応のほか、幼稚園や学校において特別支援教育コーディネーターを指名して、校内支援体制の充実に努めています。更に、総合教育センターにおいては、研修講座を多数開講しているところです。
各学校においては、特別支援アドバイザーを県内の教育事務所に19人配置しています。そういった専門家の助言を得ながら適切な支援に努めています。
また、市町村教育委員会に対して働きかけ、公立幼稚園及び小・中学校においては、1,618人の特別支援教育支援員が配置・活用されています。更に、平成24年度からは、県立高等学校にも特別支援教育支援員を6名配置し、10月からはさらに2名増員し、支援の充実を図っています。

最後ですが、課題13は建物等のバリアフリー化の推進になります。こちらは点字ブロックについて進捗がみられています。県では、福祉のまちづくり条例に基づいて、国の指針等を参考にした適切な点字ブロックの設置例をマニュアルの中に示して、事業者等に対しての周知を図ってきています。また、視覚障害者の方からいただいた意見・要望を、施設管理者に伝えるなどの取組を行っています。
特に当事者から要望のあった、公共交通機関の出入り口から障害者スポーツ・レクリエーションセンターの入口について説明します。このセンターはモノレールのスポーツセンター駅近くにありますが、公共交通機関の出入り口であるモノレールの駅やバス停から、センターの入口までの点字ブロック設置の間に、マンホールがあったり、途切れていたり、あるいは急なカーブになっているなど、適正とは言えない状況でした。そのため、適正な設置についての要望がありました。
これについては、国道や市道になりますので、設置者たる道路管理者の国及び千葉市に働きかけていきます。また、団体からの要望ですが、センターへの到着をお知らせする誘導チャイムの設置についても、現在検討をしています。
また、県道につきましても、国の指針に基づき、この必要な設置を行っています。今後もパトロールや点検を通じて必要な改善を図って、適正な設置に努めてまいります。
以上が、24年度13課題のうち、特に進捗が見られた8課題ということで説明させていただきました。

(坂巻副座長)
ありがとうございました。大変要領良く説明いただきました。いまの8つ課題について、皆さん方からの御意見を伺えればと思います。御遠慮なく、手を挙げての御発言をお願いしたいと思います。

(近藤氏)
宅建協会から参りました近藤です。日本人は震災の時に、大変優秀な国民であるということで、世界中から大変好感を持っていただいたということです。
課題の11、学校における発達障害の方の受け入れに関することについて。いま道徳の授業時間があるかはわかりませんが、その時間で健常者の子どもに、ある程度のガイドラインやサポートの仕方を教えたり、そういう掲示物などを貼ってみてもいいのではないかと感じました。
私が飛行機に乗った時に、外国の方が荷物を上げるまで待っていてくれたことがありまして、健常者の教育も大切だなと思っておりました。

(坂巻副座長)
いくら制度を作っても、国民全体の意識がそれにふさわしく成長していかなければ権利改革が起きないのは、おっしゃったとおりです。市民に対する啓発活動の大切さを御指摘いただき、ありがとうございました。他にどなたか御意見がありますか。

(植野委員)
千葉県聴覚障害者協会の植野です。課題13についてお伺いします。千葉県には、バリアフリー関係に関わるガイドラインか、もしくは条例があったと思います。このことは2年前に審議したと思いますが、どのような形でいま連携をしているのかという部分を教えていただけますか。たとえば、そちらは建設部門、こちらは福祉部門、ということがあると思いますが、連携が相互に、どのようにされているかを教えていただければと思います。

(坂巻副座長)
整備マニュアルの経過のことかと存じますが、山田課長からお願いします。

(山田課長)
福祉のまちづくり条例と整備マニュアルは、庁内では福祉部局の健康福祉部が所管しています。また県道の整備には、国からも点字ブロックの設置指針等が出されております。これをもとに県の県土整備部で取り組んでいます。
ただし、視覚障害の方の点字ブロックとなりますと、福祉のまちづくり条例という、千葉県にはより一歩進んだ独自の条例があります。これをもとに県土整備部と連携しながら、健康福祉部が主体となって、こういったマニュアルを作って取り組んでいきたいと思います。

(石橋委員)
課題3の補助犬ステッカーの周知について伺います。千葉県でも、県の食材を使ってくれる店、カロリー計算を表示している店等、これらのアピールに皆ステッカーを使っているのです。このステッカー類の整理をしないと、見た瞬間に補助犬のことだとわからないことがあると思います。
もう一つ、「ハート・プラスマーク」の掲示ですが、同じようなマークが多いので、このようなマークやステッカー類の整理をどこかで考えていかないと、なかなか県民に対する周知ができなくなると思うのです。

(坂巻副座長)
本当にいろいろなマークができております。たとえば、ハートマークにしても、ハート・プラス自体を知らない方が市民の中におられるので、国の問題かもしれませんが、その辺りを県としてどのようにお考えでしょうか。

(山田課長)
マークの件ですが、確かに障害者に関するマークとして一般に流通しているのは、車いすの国際シンボルマークです。その他にもオストメイトマーク、ハート・プラスマーク、補助犬マーク、耳マーク等いくつかありまして、それぞれのマークの内容をしっかりと周知させていく必要があるかと思っています。
そのための方法の1つは、子どものころから、学校教育の場でこのようなマークについての理解を学んでもらうという取組をすることです。千葉県のホームページでも、それぞれのマークについての説明を入れて、周知を図ることで取り組んでいきたいと思っています。
また、ステッカーは御指摘のように、補助犬ステッカー以外にも様々なものがあります。そのため、色を変えるなどの工夫をしてはいるのですが、要はステッカーを置いてくるだけではなく、内容をしっかりと説明して理解していただいた上で、それぞれの現場ごとに普及・啓発をお願いするという、丁寧な周知や依頼を心がけていただきたいと思います。

(坂巻副座長)
関連することですが、いま駐車スペースには、車いすマークが描いてあるのですが、ハート・プラスマークもそこに一緒に描き加えるのですか。それとも車いすマークのままでいくのでしょうか。

(山田課長)
車いすマークは駐車場の路面に貼られているケースと、他県の場合ですが看板に車いすマークと併せてハート・プラスマークを掲示しているというような例もあります。路面よりは看板に掲示するというやり方もあるだろうと思います。

(坂巻副座長)
課題3、補助犬の受入れなのですが、コンビニはどうなっていますか。一番身近に利用するところですが、コンビニ業界等へのアプローチはどうなさっているのか、その辺りを伺いたいのですが。

(山田課長)
コンビニにつきましても、お話自体はさせていただいています。基本的には受入れますというお答えをいただいているところです。

(坂巻副座長)
東京都のケースですが、コンビニのトイレを開放して欲しいと業界団体と折衝して、今では全部のコンビニがトイレを開放しています。コンビニは社会的な役割を果たしていて、大変大きな力を持っていますので、ぜひコンビニにも伝えるように広報していただければと思います。
他に何かございますか。保育園はいじめがかなり社会問題となっていますが、いじめの原因の1つとして、障害が要因となっている場合が結構あるのです。その辺りの取組について、県の教育庁はどのように解釈されているのか、その特徴をいまの現状といじめとの絡みでお話しいただけますか。

(松本氏)
県の教育委員会の松本と申します。いじめの原因は、分析しますと多種多様ですが、中でも副座長がおっしゃったように、障害、人と少し違っているということが誤解されているのかもしれません。それが原因でいじめが発生するというのはあるかもしれません。人それぞれの違った面とか個性とかを尊重するような教育を進めていくということで、対応していきたいと考えています。

(坂巻副座長)
保育園の話も出ていましたが、教育はとても大事なので、小さい時からそういう人たちと共に生きるという発想を、子供たちに植えつけていければと思います。

(栗原氏)
課題10は幼稚園教諭や保育士に対する発達障害への理解や取組ということですが、これは具体的にどのようなことを実施していただいているのでしょうか。また、取組を開始したということですが、具体的にお聞かせいただきたいと思います。

(山田課長)
これは、保育所や幼稚園等に対する発達障害の研修でして、保育士や幼稚園教諭、特に指導者を対象に、平成24年度は7月と9月に計2日間ずつ、全体で4日間実施しており、300人の方を対象に行いました。
研修内容は、発達障害の特性、集団指導のポイント、対応方法を実際に紹介することなどを、主に指導者や園長などを対象にして行うとともに、研修内容を持ち帰っていただき、現場でも周知してもらうという取組を保育所・幼稚園の指導者研修として行いました。
また、保育所や幼稚園に派遣される障害児施設の職員にも同様の研修をそれぞれ年に2回、1回で3日間ずつ行いました。これも受講者は300人で実施しています。
また、県の総合教育センターでも、より広く発達障害の研修をしています。こういった研修等もさらに周知して、保育士・幼稚園教諭の参加を促し、全体の参加者数を増やしていきたいと考えています。

(坂巻副座長)
保育所は市町村の管轄になるのですが、市長会の代理で井上さん、市町村の立場として、保育所における障害児への配慮について、現状というか問題点がございましたら、御発言いただきたいのですが。

(井上氏)
現場として実感はあまりないのですが、昨年の10月から虐待防止法が始まっています。その中では、保育所や教育現場、病院等は対象から外れています。受けた質問の趣旨とは少し違うとは思うのですが、ここでの対応や、きちんとした法律の整備が必要ではないかと考えています。
報道では虐待等がだいぶあるようですので、そういうことを感じています。

(坂巻副座長)
虐待防止法は、家族、福祉施設や企業に限られていますが、やはりもっと広い意味でこれから解釈していかなくてはいけないのだろうと思います。ぜひ、保育園等でもいじめとの絡みで、そのようなことのないような対応をお願いできればと思っています。

(白水氏)
自閉症協会の大屋の代理で白水と申します。質問なのですが、保育園も含めた学校、教育関係における条例相談実績をお聞きしたい。また、どの分野で一番相談案件が多かったのかを、少しお聞きしたいです。

(山田課長)
いま手元には、平成24年の4月1日から12月31日までの約9カ月の相談の受付状況があります。総件数は合計155件で、そのうち福祉サービスが30件、医療の関係が12件、教育関係が9件、その他は労働者の雇用関係20件、建物・交通機関の関係8件ですが、詳細については資料がありましたら、また後ほど報告させていただきます。

(高梨委員)
この課題13の中には、きちんとしたものがないのですが、実は視覚障害の方のいまの歩行環境を考えると、音響付信号機のルールの動作に大変大事な問題があるのです。全国的な課題もありますので、それを進めるのは、遅々としていて難しいだろうと思います。この資料にもそのように書かれています。
もっと難しい問題があって、いまもっとも事故が多いのは自転車なのです。これは、自転車の交通ルール、あるいはマナーについては、警察庁も積極的に推進していますが、できましたら、音響付信号機のルールという狭い発想ではなくて、障害者の安全・安心な交通環境の整備というような形で広く捉えて、推進につなげていくのはどうかなと思います。むしろそちらの方が、意味があるような感じがいたします。

(坂巻副座長)
確かに、歩道は走ってはいけないことになっています。私のような年寄りになりますと、自転車というのは本当に怖いので、その辺りも含めて、課題として受け止めていただければ、と思います。

(植野委員)
課題1に書かれているものの他、政見放送については、公職選挙法が改正され、その中で各都道府県の知事選挙においても、政見放送に手話通訳等がつくことが保障されるようになりました。それは1つの成果です。
もう1つは、千葉県が独自にガイドラインを設けているコミュニケーションの配慮についてです。全国的には聴覚障害者だけでなく、視覚障害者、発達障害者、知的障害者等、多くの障害者の方がコミュニケーションの配慮を必要としており、情報コミュニケーション法を制定して欲しいという運動が全国的にも進められているところです。国レベルでも検討段階に入っております。以上御報告です。

(坂巻副座長)
国レベルでそのような法律ができれば、また、広まると思います。課長の方でよろしくお願いします。それでは、いままで8つの課題について御説明いただきましたが、残されたその他の課題について、簡単に御説明をいただきたいと思います。課長、よろしくお願いします。

(山田課長)
先ほど申し上げた推進会議で取り組む13課題のうち、24年度に特に進捗のみられたものを8件報告しましたが、24年度に特に顕著な進捗がみられなかったものが5つあります。

課題4の預金の引き出し等を行う際の金融機関の配慮については、前回会議での資料そのものなので、説明は省略させていただきます。一番下の課題への対応状況の部分だけを説明いたします。平成22年から銀行に御尽力、御対応いただきまして、行員の代筆ですとか、振込み手数料の引き下げ等の対応をしていただいているところです。

課題7、障害のある人への不動産の賃貸については、平成22年から検討会を設置して、意見交換等を進めているところです。事例のところに、グループホームの整備について課題が掲げられていますが、参考までに申し上げますと、グループホームは現在、地域移行のため整備を促進しているところです。定員は、平成20年度には約1,800人でしたが、平成23年度には2,680人までに拡大しており、障害者の方の地域移行の推進に取り組んでいるところです。

課題8、店舗での買い物と移動の介助という課題です。市町村で実施しているガイドヘルパーの派遣事業がありますので、その御案内をして対応をしているところです。

課題9は音響式信号機の音声誘導ルールについてです。音声誘導ルールの全国統一の動きはありませんが、統一が図られる場合は、関係団体とも協議しながら、必要な予算の要求をしていきたいと思っています。
先ほど高梨委員からも御指摘がありましたが、特にこの課題通りの進捗ということでなくても、県内交通環境の整備などの観点で、この課題に関連するとしてまた進捗が見られれば、この場でも報告させていただきたいと思います。

課題12は、取組があまり進んでいない、サービス提供に当たっての安全確保です。
これは、千葉では旅行を申し込んでも断られる、テーマパークのアトラクションやバスの乗車を断られるなど、いわば過剰な心配があることで、拒否や規制があるのではないかといった指摘があるという事例です。これについて平成21年に書かれたものがあります。提供するサービスというのも、様々ありますし、また障害の特性等も個人差がありますので、個々のサービス提供事業者において安全を確保いただきたいという観点で書きました。
合理的な根拠に基づくルールづくりを推進していただくように事業者へお願いしていくことと、利用者からどのような危険があるかをわかりやすく伝えるようにお願いしていくという取組方針を掲げているところです。以上、24年度に特段の進捗が見られなかった5課題ということで、報告させていただきました。

(坂巻副座長)
どれも大変難しい問題で、簡単には解決がつかないのですが、金融機関の対応などは、千葉県が率先して三銀行と話し合いをして、前回かなり高く評価をされたと記憶しております。
他に障害者が住宅を借りる場合とか、持つ場合に、いろいろな問題が出てくるわけです。課題7の不動産の賃貸については、まだなかなか解決がつかないことがありますが、近藤さんに、その辺りを業界としてどう対応されるのか。少しお伺いしたいです。

(土屋氏)
宅建の佐藤の代理でまいりました土屋です。はっきり申しまして、我々の宅建業界は、特に不動産の賃貸においては、オーナーつまり大家さんとそれから買主の間を媒介するわけです。そうなりますと、我々の場合はオーナーさんの意向は非常に重視したいわけです。その場合に、どうしてもこういう問題が起きてきます。
日本ではオーナーさんというか、国民全体の道徳意識、障害者に対する理解というものは、まず広まっていません。となりますと、少しでも自分の物件、アパートに関して、いわゆる価値が下がらないように、あるいは賃料の損害などを避けるため、当然隣室にも使用者がいますから、迷惑がかからない方を選びます。
となりますと、現段階でそういう道徳意識とか、障害者の理解が入らない場合には、これは無理です。ここをまず啓蒙しないと動きません。同時に我々管理者の場合は、オーナーの意向が優先してしまいます。我々自身が、もしオーナーさんに「ぜひともして欲しい」と言ってしまったなら、オーナーさんの方から「では、別のもっと緩い管理業者に替えます」と言われてしまいます。
我々はオーナーさんの依頼を受けて売却しています。そうなりますと、当然商売ですから、オーナーさんの意向が一番重視されるのです。したがって、一番大きいのはオーナーさんに対する啓蒙活動です。これが成功しないと、我々のそういう仕事に関しては難しいと思います。

(坂巻副座長)
おっしゃることはよくわかるのですが、そのオーナーの意識を変えるためにはどうしたらいいのか。これは業界内だけで取り組むテーマではないと思いますが、その辺りをどう対応するのか。これからの課題だろうと思います。
これからも、国は施設から地域へということで、グループホームを作って、地域で生活をさせようという流れになっています。その場合に一番大事なのは地域の住民の意識で、そういう人たちを仲間として受けとめるという意識がないと大変苦労するわけで、これからの大きな課題の1つだろうと思います。

店舗での買い物の移動について、最近はスーパーなどで、障害をもった方の買い物に親切に付き添いをするようになってきています。少しずつ世の中が良くなっているかなという印象は受けているわけです。
一方で、遊園地などの危ないアトラクションなどに、重度の障害をもった方が来た場合、どういう形で対応をするのかということです。危険があった場合に、その危険情報の伝え方、その辺りで伝え方の技術もあると思いますが、難しい課題がまだまだ残っているように思います。
バス協会の須藤さん、いま電動車いす利用者に対して、どう対応されていますか。あるいはスペースはどうですか。入り口は入るのでしょうか。

(須藤委員)
バス協会の須藤と申します。基本的にはワンステップ、ノンステップのバスがほとんどです。このバスはスロープを介して、乗務員が後ろを押して乗車し、指定の場所に置かせていただきますので、電動車いすでも乗れます。
ただし、ラッシュ時等は車いすのお客さんをお降ろしするのが難しいという課題はございます。
また、ツーステップ等の車いすで乗れないバスも多少残っています。
ちなみに当社の場合は、ほとんど乗れます。電動車いすも大丈夫です。

(坂巻副座長)
残された5つの課題でも、最初の説明にあった8つの課題でも結構です。御意見、御質問がありましたら、お聞かせいただきたいと思います。

(田上委員)
千葉県手をつなぐ育成会の田上と申します。課題11について、特別支援教育支援員の役割、どういう形で活動をされているのかを少しお聞かせいただきたいと思います。

(松本委員)
特別支援教育支援員を一言でいいますと、学校で障害のある児童・生徒さんに対して、学校教育活動上の日常生活動作の介助や学習活動のサポートを行う方になります。
たとえば、県立学校では特別支援教育支援員を今年度から配置いたしました。具体的には、生徒さんがトイレに行く時の付き添いですとか、板書をノートにとってあげたりとか、そのような支援をさせていただいています。

(田上委員)
要するに、本人の行動に補助的な支援をするという意味合いでよろしいですね。
特殊教育というのはだいたい知的障害で、昔でいうと精神薄弱児の教育ですが、最近は発達障害のお子さんの教育として、特別支援学級に入られる生徒さんが多くなっているのです
そこで私が1番お願いしたいのは、特別支援学級の教員の資質をぜひ担保していただきたいのですが、特別支援教育の教科をクリアした教員の配置がされているかどうかが、非常に疑問のあるところなのです。
実は、私は就学指導委員会にも入っていますが、小学校の特別支援学級を修了した後、中学の特別支援学級に行かなくなっているお子さんがかなり多いのです。特別支援学級の小学校を卒業して、特別支援学級のある中学へ行くのではなく、昔の養護学校へ行ってしまうというわけです。
特別支援学校の方がそれなりのスキルをもった教員がいるだろう、と保護者が判断しているのが理由だと私は思うのです。そうしますと、障害児が持ち合わせているものを中学教育で伸ばせるのに、特別支援学校つまり昔の特殊学級に入ってしまい、持っているものを伸ばせないとことになるのではないかという心配があります。
学校の先生方にも、どうして生徒さんが中学の特別支援学級へ行かないのかという疑問をお持ちの方がいます。進路は親の判断で選んでいるわけですが、それは中学の特別支援学級の質に、保護者が疑問を持っているからではないかという思いが私にはあるのです。ですから、ぜひとも専門性を持った教員の配置を考えていただきたいと思っています。

(松本委員)
私どもとしては、特別支援学校の教育も、大変しっかりしたものをやらせていただいていると自負しています。ですから、特別支援学級の小学校に行っていたお子さんが、中学校で特別支援学級に行かないからといって、どうなのかという考え方は必ずしも取っておりません。
ただ、先生の御指摘のような問題があるとすれば、大変残念なことです。いずれにしても、職員の研修については、今後もそのような問題意識を持ちつつ、しっかりやっていきたいと考えています。

(白水氏)
田上会長がおっしゃることも1つの事実でありますし、また松本先生がおっしゃるのも事実です。私の子は自閉症ですが、小学校では普通学級にも通っていましたので、二重学生ではないですが非常にインクルージョンの世界でよくしていただいたと思います。
その後、中学に入るために見学に行きましたら、小学校と同じ取組をしていたというのがありました。小学校ではかなりいい形で取組をしてもらっていましたが、中学では同じ取組だったのです。
その結果、子どもは2人とも我孫子の特殊学校中等部に進めたのです。
我孫子の特別支援学校の教育方法は、中学より良かったと判断しましたが、これは松本先生のおっしゃるとおりです。
その一方で、魅力がある本当の意味で授業を、せっかくインクルージョンの場がありながら、担保できていないという事実もあると思っています。ですから、直にいま子どもを抱える親として、その辺を松本先生からも、今後の課題として教育委員会でも考えていただけるとありがたいと思います。

(植野委員)
特別支援教育コーディネーターという制度がありますが、そのコーディネーターの先生は基本的に校長先生が選任するという制度になっているようです。
いまは新しい制度がスタートしてまだ数年しか経っていないのですが、この制度に若干ブラックボックス的な部分があるのではないかと思うので、この制度の人材の育て方はこれからの課題かなと思っています。
また、今年度から相談支援事業が自立支援制度の中に強く組み込まれました。これにより、相談支援専門員が、たとえば民生委員、自治会、それからその他社会資源の関係者の方と集まって、サポートする方法などについて話し合って、ケアプランを作ることになります。
そうなりますと、場合によっては特別支援教育学級の担当の先生、あるいは講師やコーディネーターも加わって話をすることになるかもしれないので、今後このコーディネーター制度を、さらに充実させていく必要があるのではないかと思います。外からも見える形での人材育成の仕方、把握の仕方ということも検討していただければありがたいと思います。

(坂巻副座長)
御意見として、県でしっかりと受け止めていただきたいと思います。
また後で皆さん方の御意見を伺いたいと思いますが、とりあえず議題2の、障害のある人への優しい取組の事業の募集というところに移りたいと思います。資料2につきまして、課長から説明をいただければと思います。

お問い合わせ

所属課室:健康福祉部障害者福祉推進課共生社会推進室

電話番号:043-223-2338

ファックス番号:043-221-3977

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