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更新日:令和6(2024)年2月19日

ページ番号:5970

(大多喜町)心を入れ替えた長者

内容

むかし、むかし、上瀑(かみたき)に上瀑長者(かみたきちょうじゃ)とよばれる金持ちがいました。

長者はたくさんの使用人(しようにん)をやとっていました。しかし、使用人達を牛馬のようにこき使ったので、使用人は一人へり、二人へりで・・・とうとうだれもいなくなり、家運(かうん)もかたむきかけていました。

そんなある日、やせた男がやってきて
「長者どん、どうか働(はたら)かせてください」
とたのみました。働かせてみると、やせているのに力持ちで朝早くから夜遅(おそ)くまで一生懸命(いっしょうけんめい)働きました。おかげで、かたむきかけていた家運ももちなおしました。

秋、米の収穫時期(しゅうかくじき)になりました。長者が
「よく働いてくれたので給金(きゅうきん)をつかわそうと思うが、望(のぞ)みはないか」
と言うと、男は答えました。
「ありがとうございます。給金だなんてもったいないです。毎日、白いおまんまを食べさせてもらえるだけでありがたいです」
と言いました。すると、長者は
「遠慮(えんりょ)するな。なんなりともうせ」
と言いました。そこで男は答えました
「それでは、取り入れが終わったら、稲(いね)をほんのひとかつぎだけください」
(なんて欲(よく)のないやつだ。あのやせっぽちならたいしたことはあるまい。よしよし)と思いました。

その年の秋は大豊作。男は
「稲刈(か)りも終わりましたので明日(あす)おひまをとらせてください。約束通(やくそくどお)り稲をひとかつぎいただいていきます」
とひまをとることを告げました。

翌日(よくじつ)、男はハゼから稲を全部(ぜんぶ)おろすとひとまとめにしばり「よいこらしょ」とかるがる背負ってどこともなく行ってしまいました。
それに気づいた長者はおおあわて。男の歩いたあとには稲穂が点々と落ちていました。長者が稲穂のあとをたどって行くと、村はずれの道祖神(どうそじん)の前で消えています。そして、泥(どろ)によごれた草鞋(わらじ)がそなえてありました。

長者は、(これは、欲ぶかい私の心をいましめるため、神様が姿をかえてあらわれてくださったのだ)と気づきました。それからというもの、長者は心をいれかえ、だれにでも慈悲深(じひぶか)くなり、やがて家運(かうん)も盛(も)り返(かえ)したそうな

おしまい

出典・問い合わせ先

  • 出典:「広報おおたきNo.449」(「ふるさと民話さんぽ」斉藤弥四郎)
  • 問い合わせ先:大多喜町外部サイトへのリンク

 

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