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更新日:令和4(2022)年11月7日

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「組織能力を高める実践的BCPとは」(第3回)

BCP(事業継続計画)とは、大震災・風水害・感染症等の緊急事態発生時に、損害を最小限にとどめつつ、事業継続・早期復興ができるよう、平常時に行うべき活動や緊急時における対応方法・手段等を決めておく計画のことです。
このBCPに関して、BCP策定支援に豊富な経験を持つ富士通株式会社特別顧問の関根さんから特別寄稿をいただいたコラムを掲載します。

第3回:あなたの会社は危機をどう乗り越えるか

 

 

富士通株式会社顧問、ジスクソフト株式会社顧問
関根英雄

 

1)訓練の繰り返し

前回は、早急に再開すべき「重要業務」を決めて、その「目標復旧時間」を定め、さらに、早期の復旧の妨げになるボトルネックの計画的な解消について述べてきました。

次に、具体的に業務の早期再開を果たすために、被災時にあらゆる経営資源が減少することを想定した、リアルな「訓練」の実施が必須になります。

訓練では、発災時の迅速な初動体制と役割分担、行動手順などをしっかりと確認し、対策が必要な改善課題も明らかにして行きます。

被災時には、普段なにげなく使われている経営資源(人、物、金、情報システム、電気、他)も大幅に不足してきます。

社員が半数しか出社出来ない、停電が長時間にわたる、天井の崩落で製造ラインが機能しない等、経営資源が失われる事態を想定した模擬訓練を繰り返し実施し、体験することが、いざと言う時に必ず役に立つと確信します。

災害対策メンバー各人が状況を速やかに判断して指揮をとる臨戦型の訓練の中から、「気づき」、「改善」を繰り返すことが自社の「事業継続の実効性」を高めることになります。

2)現地復旧優先か代替手段をとるか?

ここまで、災害や事故に対して、危機的状況に出来るだけ陥らないように、事前の対策の必要性と訓練の重要性について述べてきました。

しかし、あらゆる災害を想定して事前の対策を行うためには、莫大な時間と工数、資金が必要になってきます。

現実的には正に、「いつ来るかわからない災害に投資は出来ない?」と言うことになりかねません。

自社の製品やサービスが提供できないくらいの「危機」に見舞われた時を想定して、業務再開をいかに果たすか事前に対応策を検討しておくことも重要な経営課題になります。

代替策の準備、機能の二拠点化、業務の一部委託、同業他社との連携等について、可能性、実効性を十分に検討した上で必要な投資の判断を下すことが求められます。

最悪、復旧の見通しが立たない場合に、該当する業務の再開を断念して、見切りを付けることも選択肢の一つになります。

復旧優先か、代替手段をとるか、見切りを付けるか、いずれにしても発災直後の早い段階で判断が必要になります。

今後懸念される、首都圏直下型地震や南海トラフ巨大地震など皆さまの会社にも脅威は迫ってきています。

 

あなたの会社が危機に見舞われた時に、

  • (1)優先的に立ち上げる業務は何か、
  • (2)何日で業務を再開できるか、
  • (3)取引先は何日待ってくれるのか、
  • (4)重要業務を目標時間内に再開できるか など、

いかに危機に迅速に対応出来るのか(出来ないのか?)、訓練の実施により再検証しておくことが必要です。

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