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流域下水道の紹介

1.流域下水道とは

行政区域にとらわれることなく、一つの河川・湖沼などの区域にある二つ以上の市町村の公共下水道から流れてくる下水を広域的に集めて、終末処理場で浄化し、公共用水域に放流する大規模な下水道です。

この流域下水道によって、広い範囲にわたって下水道の整備が行われ、水域の水質は効果的に保全されます。

流域下水道は、市町村が個々に下水を処理するよりも、一括処理する方が効果的な場合に実施され、公共下水道が接続する幹線管渠及び終末処理場の建設・管理は県がおこないます。

2.流域下水道が整備されると

河川の水質保全と河川の合理的水利用

直接河川へ流れ込む下水が無くなり、河川がきれいになります。

し尿処理対策の合理化

トイレの水洗化により、くみとり便所や、個別浄化槽が不要となり、合理的な、し尿処理対策が実現します。

健康的な住み良い都市づくり

健康で衛生的な住み良い都市づくりに貢献します。

3.千葉県の流域下水道事業とは

本県の流域下水道事業は、人口増加が著しい昭和40年代に印旛沼、手賀沼等の公共用水域の水質保全や流域における生活環境の改善を図るため、重要な都市基盤施設として、印旛沼、手賀沼、江戸川左岸の3つの流域下水道の整備に着手しました。

流域下水道事業の概要（令和5年3月末現在）

流域下水道名	印旛沼流域下水道	手賀沼流域下水道	江戸川左岸流域下水道
関係都市名	12市1町 千葉市・成田市・佐倉市・船橋市・八千代市・鎌ケ谷市・習志野市・四街道市・八街市・印西市・白井市・富里市・酒々井町	7市 我孫市・柏市・流山市・松戸市・鎌ケ谷市・印西市・白井市	8市 市川市・松戸市・流山市・野田市・柏市・船橋市・浦安市・鎌ケ谷市
ポンプ場	11カ所※1	1カ所	3カ所※1
終末処理場	花見川終末処理場 （千葉市） 花見川第二終末処理場 （千葉市・習志野市）	手賀沼終末処理場 （我孫子市・印西市）	江戸川第一終末処理場 （市川市） 江戸川第二終末処理場 （市川市）
処理場面積	花見川（21ha） 花見川第二（24ha）	40ha	江戸川第一（30ha） 江戸川第二（26ha）
管渠延長	全体計画217.6km※2 供用166.4km※2	全体計画88.3km 供用88.3km	全体計画115.5km※2 供用105.0km※2
着手年度	昭和43年度	昭和46年度	昭和47年度
全体事業費	3,870億円	2,310億円	3,820億円

※1：印旛沼・江戸川左岸連絡幹線のポンプ場2箇所は重複している。

※2：印旛沼・江戸川左岸連絡幹線約25.3km（供用15.4km）は重複している。

流域下水道計画図（PDF：493.8KB）

※クリックすると拡大した画像がご覧いただけます。

4.流域下水道事業の経営状況について

本県の流域下水道の経営及び施設の状況を指標として活用し、経年比較や他公営企業との比較又は分析を行うことにより、経営の現状及び課題の把握を行っています。

経営比較分析表（エクセル：67.7KB）

経営比較分析表（PDF：134.8KB）

経営の健全性・効率性について

収益的収支比率

元金償還に充てた一般会計繰入金は収益として算入されていないため、100％を下回る推移をしているが、これを勘案した実質的な収支比率は100％となる。

企業債残高対事業規模比率

建設事業のピークを過ぎ、企業債残高が緩やかに減少していることから、比率の減少につながっている。

経費回収率

流域下水道事業では、下水道使用者へ使用料を徴収せず、市町へ負担を求めているため0％となっている。

汚水処理原価

平成19年度以降包括的民間委託を導入するなど、経費の削減に努めており、平均値を下回る原価で推移している。

施設利用率・水洗化率

流域市町の下水道未普及地域における整備の進捗により、水洗化率は、100％に近い数値で推移している。また、有収水量が増加したことにより、施設利用率も増加傾向にある。

老朽化の状況について

現在、法定耐用年数を経過している管渠が無く、老朽化の進んだ管渠が少ないため平均値より低い値を示している。しかし、今後10年間で耐用年数を経過する管渠が存在することから、劣化している箇所については必要な修繕や老朽化対策を実施していくとともに、中長期的な投資計画等の検討が必要である。