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更新日:令和3(2021)年10月7日

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鈴木たね子先生 講演5

さかなで元気

ここに掲載いたします記事は、平成18年7月21日に青葉の森芸術文化ホールにて開催されました、平成18年度「魚食普及を通じた食育の推進事業」、「千葉県学校栄養士会夏季研修会」における、鈴木たね子先生(国際学院埼玉短期大学客員教授)の講演内容の一部を掲載するものであります。

テーマ「健康へのアプローチ~魚を食べて~」(5)

講習内容

1.タウリンの効果

  • タウリンの効果
  • 血圧正常化
  • 血液中のコレステロール減少
  • 視力の回復
  • 不整脈の改善
  • アルコールによる肝臓障害の予防
  • 糖尿病の予防

今までお話ししたのは魚肉でしたが、今度は介類というもの、例えばエビ、カニ、イカ、タコというようなものや貝の中の、特殊な成分というと、タウリンがあります。タウリンというと、これはアミノ酸の一種です。たんぱく質を作っているアミノ酸ではなくて、これはひとりでいるアミノ酸です。

このタウリンは、人体で合成もできますから、必ずしもとらなくてはいけないというものではないですが、たくさんとった方が良いというものです。

どういう機能があるかというと、血圧の正常化、血中のコレステロールの減少、視力の回復、不整脈の改善、アルコールによる肝臓障害の予防、糖尿病の予防などの機能が研究されております。これらの機能の他に、最近はいろいろな機能も発見されています。

視力の回復というのは、これは昔、特攻隊にカキの粉を飲ませていました。今は目で見たりしませんけれど、昔は飛行機に乗って敵地を見るのによく目が見えるように、これはあながち科学的な根拠がないわけではなかったのです。

それから、アルコールによる肝臓障害の予防に役立ち、お酒を飲む時のおつまみにイカ、タコ、エビ、カニ、貝類が非常に良いということになります。

2.種々の食品のタウリン含有量、タウリン/コレステロール比

タウリンを多く含む食品

カキ、ハマグリ、アサリ、シジミ、ホタテ、アワビ、ホヤ、イカ、タコ、カニ、エビ、ウニ、海苔、魚の血合肉、内臓

タウリン/コレステロール比

タウリンを多く含む魚は、どのようなものがあるのでしょうか。貝類、イカ、エビ、ウニとか、魚の血合い肉の部分。ですから、カツオのたたきなどは、非常に良いですね。血合いも一緒に食べますから。

よく田舎の方の診療所などに行きますと、紙が待合室に張ってあって、コレステロールが高めの方は、イカ、タコ、エビなどをあまり食べるのはやめましょうと書いてあります。確かに、こういうものにはコレステロールがたくさん入っているのですが、タウリンとコレステロールの比を見ますと、コレステロールの倍タウリンがあれば、コレステロールを排出してしまいます。タウリンの比が2.0以上あれば、全く問題がありません。タウリンが、コレステロールを抱えて排出してしまいます。むしろコレステロールが下がるのです。カキはタウリンが非常に多いですからコレステロールが下がる。ハマグリ、タコ、モンゴイカもタウリン/コレステロール比が高いです。大正エビが2.5ですが、それに比べて、牛肉の肩ロースが1.4ですから、これはコレステロールがたまることになります。

3.ビタミンD含有量・ビタミンB12含有量

魚肉に多いビタミンD

ビタミンDが多い魚(μ/100g可食部)

サケ

32

マグロ脂身

18

マイワシ

53

サンマ

19

いくら

44

アンコウ肝

110

牛肉、豚肉、イカ、タコ、エビ、カニ

0

ビタミンB12が多い魚介類

ビタミンB12含有量(μg/100g可食部)

アサリ

52.4

シジミ

62.4

カキ

28.1

ミルガイ

47.5

ウルメイワシ

14.2

ムロアジ

12.8

豚レバー

25.2

牛レバー

52.8

今度は、魚に多いビタミン、特別多いビタミンは何でしょうか。

子どもたちでも、骨折が増えています。それから、女性が年を取ると骨粗しょう症になりやすくなります。

予防に、一生懸命カルシウムをとりますが、カルシウムの外、ビタミンDが必要であるということは、皆さんは良くご存知と思います。魚肉に特に多いビタミンというと、これはビタミンDです。肉の中には、ビタミンDというのは非常に少ないのです。どういう魚に多いかというと、サケ、マグロの脂身、マイワシ、サンマなどです。

カルシウムはどうかというと、背の青い小さな魚、イワシ、アジ、サンマというのは、カルシウムが骨ばかりでなく肉の中にも多いのです。

ですから、サンマを食べたり、イワシを食べたりというのは、ビタミンDとカルシウムが一緒に取れて大変いいということになります。

ビタミンB12は貧血に良いということです。貝類に、特にビタミンB12が非常に多いです。豚肉とか牛肉にはないのですが、豚レバー・牛レバーにはB12が多いです。レバー料理というのは、面倒くさくて家庭ではあまりやらないですね。ビタミンB12は、認知症予防のビタミンとして最近クローズアップされているから、子どもや若い女性だけでなく、お年寄りにもよいといえます。

4.銅含有量,鉄含有量・水産物の亜鉛含有量

魚介類に多いミネラル

カツオ、ハゼ甘露煮、シジミ、ホヤ、たたみいわし、煮干し

カツオ、カキ、シャコ、ホタルイカ、ワタリガニ、イイダコ

亜鉛

カキ、アサリ、ハマグリ、ホタテガイ、イカ、タコ、カニ、サザエ、ヒラメ、イワシ

それから、魚介類に多いミネラルですが、これは鉄・銅・亜鉛です。鉄は、身が赤い魚のカツオ、イワシ、マグロ、またシジミ、ホヤ、ハゼの甘露煮、煮干などにたくさん含まれています。貧血には、鉄欠乏性貧血というのがありますけれども、鉄だけとっていてもだめなので、銅が必要です。

銅が多く含まれる魚介類は、エビ、カニ、貝、イカ、タコです。これはどうして銅が多いのかというと、私たちの血が赤いのはヘモグロビンで、ところがイカやハマグリを切ってみても赤い血が出てきません。エビ・カニからも赤い血が出てこないで、透明な血液なのですね。透明な血液というのは、赤い血の鉄が入ったヘモグロビンの代わりに銅が入ったヘモシアニンが入っているからです。

次に亜鉛です。亜鉛の欠乏症が今増えています。亜鉛は、カキ、アサリ、ハマグリ、イカ、タコ、ホタテガイ、サザエ、ヒラメ、イワシなどに非常に多いです。

亜鉛欠乏の主な症状

  • 食欲不振
  • 幼児や子供の発育不全
  • 体重減少
  • 皮膚炎(口周囲、口内炎、舌炎)
  • 細く脆い髪、脱毛
  • 免疫能の低下
  • 味覚と臭覚の異常
  • うつ病、情緒不安定

亜鉛欠乏症の症状というのは、食欲不振、幼児や子どもの発育不全、体重減少、皮膚炎、細くもろい髪・脱毛、免疫の低下、心拍の低下、うつ病や情緒不安定などということが言われています。今は、真っ白なお米、真っ白なパン、真っ白なお砂糖と、亜鉛が不足している食生活です。

亜鉛欠乏というのは、味覚・嗅覚の異常ということで気がつきやすいですが、亜鉛を補充すれば、すぐに治ってしまいます。

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