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更新日:令和4(2022)年11月29日

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第5回議事録:議題1(障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり推進会議)

議題1「東日本大震災を踏まえた災害時の障害者支援について」

(横山課長)
障害福祉課長の横山でございます。私の方から県が実施いたしました調査結果について、簡単に御説明をさせていただきます。恐れ入りますが、着席で説明をさせていただきます。申し訳ございません。
昨年の3月11日に発生いたしました、東日本大震災におきましては、本県も非常に大きな被害を受けたわけでございますが、とりわけ東北地域において、非常に大きな被害が報道されてきたところでございます。
また千葉県は、福島県の原発災害の影響で、千葉県の鴨川市にございます『鴨川青年の家』の方に避難をされてきた、知的障害者施設職員の300人の方を、1年近くにわたって引き受けてきたという経験もいたしました。そうした状況の中で、災害と障害者というテーマが、非常に大きな課題になってきていると、私どもも考えているところでございます。
そこで関係団体の皆様の御協力をいただきまして、県では昨年の9月1日から、11月30日まで調査を行いました。お手元の資料の1-1でございます。「災害時における障害のある人等への支援に関する調査結果について」の資料を、今日は御用意させていただきましたので、こちらの方を御覧いただければと思っております。
調査の方法は、障害当事者団体32団体、事業者等の団体35団体、相談支援事業所97事業所ということで、とりわけ当事者団体の皆様へのアンケートにおいては、できるだけ当事者の皆さんの御意見を寄せてくださいという形で、お願いを申し上げて、このような形で団体を対象とした調査を実施いたしました。
約7割の団体から回答を頂戴いたしまして、件数にいたしますと、569件の貴重な御意見をいただいたところでございます。その内訳について、課題ごとにどのような事柄が課題になったのかということで、この表にある1から14に係るようなそれぞれの課題について、御意見をいただいたということでございます。
2ページ・3ページでございますが、大体の傾向を把握するために、このような棒グラフで表現をさせていただきました。こうしてみますと、当事者団体・事業者団体・相談支援事業所と、一番の問題意識を持たれていたのは、災害情報や避難情報の伝達の問題について、大きな課題があると、認識をされていたということがわかります。
それから、当事者や事業所団体、あるいは相談支援事業所もそうですが、避難所、避難誘導、これらについては、いずれの団体も問題意識や課題を持たれていたことが、おわかりいただけるかと思います。例えば当事者団体においては、4番目に生活全般というところが入ってまいります。これは生活支援サービスも含めて、在宅での生活を支えるための様々な支援が、必要だという御意見が非常に多かったことを物語っております。
一方事業者に関しては、やはり停電等の対応ということで、ライフラインの確保ということが、重要なテーマであることがわかります。また、相談支援事業所等でもそうですが、通所施設とありますが、これは通所施設におけるサービスの維持、あるいはサービスの早期復旧と、御理解いただければと思います。災害が起きた後のサービスの提供をしていく中で、通所系のサービスの復旧が、非常に急がれたことが伺えるところでございます。
次に、主な意見をダイジェストしてみました。資料としては、1-2の方に全体の意見、先ほど申し上げました意見を並べてございますが、大まかに大括りして、このような形で3ページ・4ページ・5ページに、整理をいたしております。
3ページでございますが、災害情報や避難情報の伝達というのが、非常に大きな課題となっておりましたが、一つとして、災害時の要援護者の情報の開示というのが、問題になったことが伺えます。
2番目のポツのところは、そうした情報を災害時だけではなくて、事前に共有するということが重要だということ。
3番目のポツでございますが、地域においての安否確認等の声かけ、こういったことが障害のある方の災害時の対応として、非常に重視されているということでございます。
イとして避難誘導に関して言うと、自力で避難できない方の避難をどうしたらいいかということで、登録制にしていく、そしてそれを援助していくというような御提案もいただいております。
袖ケ浦市の具体的なケースなども、御報告をいただきました。また、施設の中での避難訓練についても、必ずしも災害時のマニュアルが無い、不十分だといった問題についても、指摘をされたところでございます。
4ページでございます。避難所の問題については、非常にたくさんの御意見をいただきました。特に、視覚障害のある方のトイレの問題、聴覚障害のある方等も含めてコミュニケーション、あるいは移動支援等の問題、それから福祉避難所が、必ずしも十分な指定が、この被災時の時点において行われていないという課題の指摘もございました。
また、肢体不自由障害の方に関しても、スロープやトイレの問題、内部障害、このポツの5つ目の部分は、人工肛門装着者からの御意見でございましたが、腹部を洗浄するような浴場設備が、どうしても必要になるという御指摘もございました。
エとして、入所施設・通所施設・在宅サービスにおける支援についての御意見でございましたが、これは先ほども申し上げましたとおり、送迎の困難というものが伴ってまいります。帰宅困難という大きな枠組みの中でも、語ることができるかと思いますが、送迎の困難の中で、一時的に当該通所施設でも、利用者の方を預かってほしいというお話がございました。特に利用者支援の確保ということが、通所施設においても、期待されていることが分かります。
それから、事業自体を維持していく上で、物資燃料の優先配付ということについて、御意見をいただいております。また、施設自体の耐震構造の確保ということも、重要なテーマということかと思います。その他に、心のケアの問題、補装具の問題、在宅で生活をする方々の、生命維持のための人工呼吸器等、電源確保の問題。
5ページにいきまして、ク、ライフラインの問題、ケ、被災者の受け入れの問題、さらに、コ、生活全般として、とりわけ移動支援についての問題、こういった問題を御指摘いただいております。サ、帰宅困難の方に関しても、ここでは知的障害のある方の御意見をいただいておりますが、視覚障害の方においても、外出時に罹災された場合の帰宅困難、こういった問題も指摘をされているところかと思います。
事務局の方からの説明は、簡単でございますが、以上にさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

(坂巻副座長)
ありがとうございました。当日のことに関しましては、皆さんは、それぞれに御体験をお持ちだと思いますし、御意見が様々おありだろうと思います。皆さん方の御意見を伺う前に、関係4団体の方から具体的な御意見を伺って、その後、皆さん方から御意見を伺いたいと考えております。
最初に順不同でございますが、千葉県バス協会の須藤副会長から、よろしくお願いいたします。

(須藤委員)
ただいま御紹介いただきました、千葉県バス協会の大室が所用でございまして、千葉中央バスの社長をしております須藤と申します。座って失礼いたします。私どもといたしまして、会社の状況も含めまして、御報告をさせていただきたいと思います。
御案内のとおり災害時には、非常にバスの存在が大きく指摘、評価もされてございます。当事者といたしましては、当日特に帰宅困難者の方々への高速バス、私どもとしては、羽田大網線というのがございますが、非常に混雑いたしまして、増便等で対応しております。
地場といたしましては、電車が止まってございまして、千葉とか誉田の方までおいでになったお客様を、当社の外房線でございますが、沿線のちはら台とか土気の方へ輸送いたしました。これも非常にたくさんのお客様がおみえになりまして、増便等で対応してございます。
その後につきましては、被災地への支援バスを運行いたしましたり、『朝ズバッ!』で取材をしていただきましたが、ボラバス(ボランティアバス)を南三陸とか、松島の桂島というところに、いまだに輸送をさせていただいております。非常にボランティアの方が、気持ちとしてはまだまだやっていきたいという中で、高速道路が有料化されてしまうという問題がございます。
千葉県のボランティアの方々に対しましても、維持したい中では問題点として浮上してございます。災害時の障害者の方々への報告については、特に各バス事業者の方からは、問題点も含めまして、今のところは来てございません。
ただし、通常時といたしましては、耳の御不自由な方への筆談というのは、運転手の方で、ペンと携帯のボードを持ってございます。それを基にいろいろ要望等、何をなさりたいかも含めまして、意見というか、情報を交換するという問題、目の御不自由な方へのマイクの案内等、この辺につきましては、どういう意思疎通が必要かということで、各社とも問題としては意識してございます。
以上でございますが、再び災害のことで申し上げますと、大きな課題としては、お客様皆様に共通のことでございますが、情報がなかなか入ってこないということで、ここはお願いも含めまして、有効であったのは無線でございました。MCA無線というのがございまして、これについては非常に有効でございます。
ただし、これにつきましては、非常に費用がかかってくるということで、イニシャルコストを含めまして70万円、各車の車載自体も13万円ほどかかるということです。私どもの京成グループでは、京成バスの方はほとんどついてございますが、千葉中央バスについては、今後の課題でございます。
もう一つは携帯電話でございます。これも非常に有効に生きてございました。携帯電話は御存知の方はいらっしゃると思いますが、災害時に優先の扱いをしていただけるということで、災害時でも通じると。公共交通の特権として与えていただいております。これは非常に有効に生きてございます。
MCA無線と携帯電話、これを基に運行指示を、管理者から乗務員の方に流せる、乗務員の方からお客様に流せるという、こういう仕組みを今後早く確立していきたいと考えてございます。以上でございます。

(坂巻副座長)
ありがとうございました。私は東京に住んでおりまして、渋谷から池袋まで4時間バスでかかりまして、情報は途絶して、大変辛い思いをいたしました。バスの中で適切な情報が、乗客に提供できるようなシステムができれば、随分違ってくると思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
続きまして、千葉県のタクシー協会の岩佐会長から、よろしくお願いいたします。

(岩佐委員)
タクシー協会といたしましては、千葉県のタクシー事業者として、今回の地震、まさに経験の無いことでございました。鉄道・路線バス等運行できない状況で、タクシーに相当な期待が寄せられたわけでございますが、「帰宅難民」という言葉が新聞・マスコミ等でいわれるとおり、本当に大変な事態でございました。
今回の問題は、タクシーの機能が発揮できない。これは道路が渋滞して、私は今、松戸の合同タクシーというところにおりますが、松戸から東京へ地震が終わった直後、送って行って帰ってきたのが、次の日の朝の8時頃です。運転手さんもまいってしまうし、車が動かない。都内は特に動かなかったというのが、よくテレビ等で報道されていました。
車というのは、動かなければ何にもならない物であり、今回マイカーが一度に出てきたことと、道路設備がいろいろな所で毀損して、それによる道路渋滞ということで、こういう強烈な道路渋滞が起きると、これはもうバスもタクシーも、全くお手上げというところだろうと思います。これが何か改善できれば、バスもタクシーも、すごい威力が発揮できるのではと思っております。
沿線のターミナル駅とかそういう所も、大変混雑しましたが、千葉県では成田空港、ここも着陸してくる飛行機があっても、お客様がターミナルビルに相当溢れたと聞いております。鉄道もだめ、バスもだめということで、タクシーにも依頼があったのですが、タクシーはあるのですが、現地に届かない。
行った人は東京に行ったら帰ってこられない、本来の機能を発揮できなかった。これは一つ、どうしたらこの交通渋滞を防げるのかということを考えないと、バスもタクシーもどうにもならないのではと思っております。2番目の道路渋滞等タクシー機能を喪失するということは、そういうことでございます。
あと問題点といたしまして、タクシーで今、介護輸送を行っている事業者がたくさんございます。一般のタクシーはオートガス、ブタン・プロパンの混合ガスで運転しているのですが、通常の介護輸送で使う車両は、大体ガソリンを使っております。ガソリンがなかなか補給できない。
もらっても20リッター分だといいますと、タクシーは、介護輸送に使う場合は、停車なども結構しますので、リッターが大体5~6キロというところなのです。そうすると、20リッターだとすぐ使ってしまって、車自体が機能を発揮できないと。何かこういう福祉輸送車両についての燃料確保の問題も、ぜひ考えていただきたいということでございます。
2番目といたしまして、災害時を想定した千葉県タクシー協会の、今後の取組といたしまして、千葉県と当協会による、災害時における緊急相当に関する協定を締結すべく、今協議中でございます。既に先行して、こういうことを締結されている県もございますので、それをたたき台にしながら、タクシーがこのような事態に、どういうことができるのかを考えながら、至急こういう協定を結んでいきたいと思っております。
今バスの方でも無線がありましたが、タクシーは大体無線を搭載しております。電源が確保された場合という条件がつきますが、タクシーの無線は、これからますますデジタル化して、高度化しておりますので無線基地、本社と各タクシー車両との間で、情報の交換ができます。使い方によっては、非常にいい使い方ができるのかなと思っております。
既に警察署等とは、情報の交換のいろいろ、そういう協定を結んでおりますが、こういう災害時もタクシーが搭載している無線、この有効活用というのも、もっと考えていかなきゃならないと思っております。
3番目といたしまして、県内における要援護施設の設置場所の把握、及び要援護者の人員等実態把握、並びに平時の情報交換ということです。タクシー会社は地域のいろいろな所にありますので、大体自分の会社のエリアの中に、設備施設とか、会社とか施設など、どういうものがあるかはわかっているつもりです。
しかし、特に要援護施設等、どれくらいの人数がおられるのかとか、タクシー事業者がどういうことができるのか、ぜひ平時から情報交換をしていきたいと思っております。これはいろいろ情報もいただきながら、やっていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
バリアフリーに関する千葉県タクシー協会の取り組みといたしまして、資料を1枚めくっていただきますと、関東運輸局、千葉運輸支局、及び千葉県が主催するバリアフリーネットワーク会議への協力と参加とか、バリアフリー教室への協力・参加。
3番目として、千葉県タクシー協会が主催する福祉タクシー体験交流会の開催とか、こういうものを通しまして、バリアフリーのことに関しまして、進めていきたいと思っております。ぜひ御指導・御指摘いただければ、一歩一歩前進してまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。以上でございます。

(坂巻副座長)
ありがとうございました。タクシーもバスもそうですが、その前提として、道路が埋まってしまえばどうしようもない。これはもう警察の方の道路行政に絡んでまいりますが、最後の足になりますと、タクシーということで、大変大事なことだと思います。また、今おっしゃったように、タクシーについている無線を活用して、情報を流すような形になれば、随分違ってくるかなと感じました。御意見は後程伺います。
続きまして、千葉県宅地建物取引業協会の副会長貝川さんから、御発表をお願いしたいと思います。

(貝川氏)
宅建協会の貝川と申します。今日会長の薬袋は公務です。着席させていただきます。私どもの協会は、不動産業団体ということで、住宅部門になっております。実は平成18年の5月から、県の方と私どもの間で、「災害時における民間賃貸住宅の提供に関する協定」というものを、締結させていただいております。
そのマニュアルだとか、整備をずっと進めていたところで、3月11日の東日本震災に見舞われたわけですが、その対応等をさせていただいて、県からの提供による情報をいただいて、すぐに口頭での協力要請がありましたので、空室情報の提供を会員に呼び掛け、一番早くでは3月16日には、香取地区だとかに、148を含む205件の物件だとか、そういったものを随時対応させていただきました。
また、千葉県が被災者ともなりましたので、併せて千葉・美浜・習志野・我孫子・浦安地区の災害対象地域の拡大をさせていただいて、情報提供第2弾を実施させていただきました。物件的には、660数軒の空室を確保いたしまして、協力店は180社で、手数料無償で行いました。
併せまして、各被災県の宅地建物取引業協会を通じまして、被災県からの受け入れも、同時に行ってまいりました。これに関しまして、被災者の入居は、千葉県内の被災者では30数戸の実績、県外からもかなりの数の実績が来ております。
また、当協会としても、被災者に関する支援金として、活用させていただきました。会員から集まった浄財と、県協会から出資した浄財とを、当協会員を通じて、この仮設住宅に入居された方々に関しまして、本年24年の2月29日まで募集を受け付けておりました。入居の時に室用に使えるということで、一口3万円という支援金を送らせていただいております。
一番の問題点としては、私どもの不動産業界は、地域に密着しておりますので、千葉県に11の支部を設置しております。各地区を通じまして、市町村との自治会連合会などと連携をして、被災時には避難誘導の役割、発生する時間帯にもよりますが、そういった役割が買って出られないかということも、検討課題とさせていただいています。
民間賃貸住宅提供に関して、課題等もかなり出てまいりましたので、この辺に関しましては、随時検討をしていこうと思っております。一つの例としては、せっかく住宅を提供したにもかかわらず、高齢者のためにトイレが洋式でなければだめだとか、使えないとか、あるいはバリアフリー状態になっていませんので、障害者の方には非常に困難だとか、今後の課題とさせていただきまして、協会として支援体制がとれるかどうかというところも、検討していきたいと考えております。ぜひ皆さんの御意見がありましたら、頂戴したいと思います。よろしくお願いします。

(坂巻副座長)
ありがとうございました。住まいというのは、人間が生きる上での基本でございますし、ぜひ協会としても、取組をお願いしたいと思います。最後に千葉県商工会連合会の藤江さんから、お願いしたいと思います。

(藤江氏)
千葉県商工会連合会の藤江と申します。商工会地域で、商工業者の今回の災害についての対応ということで、お話しさせていただきます。座って失礼いたします。
冒頭に副知事さんからも、旭の地域の被災の状況のお話があったかと思いますが、旭市の中でも旧飯岡町という所は、商工会があった所でございます。商工会の飯岡支所という事務所があるのですが、そこもあの津波で1階部分がずっと被害を受けまして、ほとんど業務ができないような状況になりました。
それと津波によりまして、商工会で事業をいろいろ営んでおります、私たちの4名ほどがお亡くなりになったということがありました。直接的な被害、今日はお越しになっておりませんが、九十九里の港の近くでも、津波で工場が流されたという所もあろうかと思います。
県内で一番被害が多かったのは、飯岡地域ということで、100軒程度の事業者の方が、影響を受けたということでございます。直接的な津波の被害、福島の原発、こういったことの風評被害、それから東京電力の計画停電、交通機関、工場であるとか店舗等、営業に非常に影響を受けたと。こういったことが3月からずっと4月くらいまで続いております。
その中で、特に商工会の地域、海岸部とか農村、漁村の地域が多いものですから、観光などが主な産業という中で、3月末の南房総海岸部のお客さんの入り込みは、下手するとゼロです。普通ですと花のシーズンですから、3月の半ばから末については、かなり満杯という所も多かったのですが、去年はキャンセル・キャンセルで全くゼロだと。それが4月・5月にも長く、戻らないという状況が続いておりました。
私ども商工会といたしまして、何を重点に支援をしたらいいかを考えました。第一に事業をするためには、当然そのお金の借入などをしているわけですが、そういう融資の返済について、特に直接的に被害を受けた飯岡だとか、そこの事業者については、金融機関との返済猶予の交渉であるとかの相談を、まずやっていこうと決めました。それを金融機関等に要請をして、事業を続けていけるような体制を、つくっていただくことを第一にやっております。
それと、これは千葉県では、あまり問題にはならなかったのですが、福島だとか宮城だとかあちらの方では、二重ローンの問題です。既に借入金があるにもかかわらず、また、店舗だとか工場が流されています。
設備など、新たな事業を始めるためには、そういうお金が必要だという時に、もう一度立ち直ることについては、これまでの借入金をそこである程度止めまして、できれば債務免除して、それで新たな借り入れができて、事業を始めるというのが一番いいのではないかということで、二重ローンを何とか解決していただくように、これは国とかいろいろなところに要望をいたしております。
千葉県の場合、特に農村部については、観光とかが中心ですので、そういう事業者の方たちが、ずっとそこで事業をしていただけることが、一番大切だということで、確かに一部の企業の中では、どうしても従業員の一時解雇、こういった事案も発生しております。
ただ、それは10月から12月という形で、ある程度お客様の入り込みとか、地域が戻ってきた段階で、元に戻るという形にはなっております。とにかく企業がそこに残るという方策、これを重点ということで、いろいろ支援をやってきました。
こういう災害の中で、普段は予見できない、いろいろなことが起こっております。ただ、幸か不幸か地域の商工業者の方たちは、事業を営むとともに、当然そこの生活者ということでございまして、日頃から地域のいろいろな役員であるとか、そういったものを引き受けている方がいらっしゃいます。
例えば、子どもたちの送り迎えの監視であるとか、独居老人の方への生活用品の配達であるとか、そういう意味でこの災害の中でも、そういった地域の絆を守って、あるいはそれを維持するという中では、単に商売ということではありません。
地域に住む商工業者という方でのそういう役割、そういったものは全く津波で、福島とか宮城みたいに破壊されたわけではありません。絆みたいなものは残った形で、地域の生活というものが、ある程度維持できたのかなと思っております。
障害のある方を問わず、そこで孤立するようなことは、何としても地域社会がそれを防ぐということは、災害がある時は一番大事であると、改めて感じたところでございます。以上です。

(坂巻副座長)
ありがとうございました。商工会の加盟をしている方たちが、今地域でのネットワークの絆に成り得るというお話がございました。そういう意味では、地域にいる要援護者の方たちに、商工会のメンバーが、どのような形で協力できるかというシステムづくりも、大事かと思っております。それでは、これから委員の皆様方に御質問・御意見を伺いたいと思います。
発言の前にお名前を伺って、発言をしていただきたいと思います。どなたでも結構です。

(横山委員)
ぴあ・さぽ千葉の横山です。先ほどの調査の結果に関することについて、4点ほど意見を述べさせていただきます。まず1点目ですが、昨年震災が起きた時に、私どもぴあ・さぽ千葉では、メールで安否確認をしました。全員無事だったのですが、その最中にチェーンメールが送信されてきました。
コスモ石油の爆発で、有害物質が雨と一緒に降るので、外出の際には肌を出さないようにしてほしいという内容だったのですが、確認のために、コスモ石油さんのホームページにアクセスしましたが、アクセスがあまりに集中し過ぎていて、私のパソコンでは見ることができませんでした。
そのときは、チェーンメールとは気が付いていないのですが、送信されてきた数分後に、本人がデマでしたと言ってきました。厚生労働省のページ、千葉県庁のホームページで注意を呼びかけていて、見ることができましたので、誤報というのが確認できてよかったです。
メールというのは便利ですが、メールの怖さを知った気がいたします。最後に多くの人に回してくださいと書いてあるメールというのは、要注意なのだなということで、日頃から認識しておく必要があるということを、考えさせられました。
2点目ですが、精神障害者の場合、避難をしてしまうと、自立支援医療が使えなくなるというのがとても心配です。受給者証に書かれている医療機関と薬局しか、対象にはならないからです。そこの医療機関に行けなくて、やむを得ず別のところへかかるとなると、自己負担の金額が大きくなってしまいます。
避難しているとなると、手持ちの金額というのも限られていますから、最悪の場合は医療が中断してしまって、症状の悪化ということが心配です。個人的に数日分の薬をストックするような努力をしている人も多いですが、それがなくなった時、あるいは持ち出せなかった場合の対策も、考えなければならないと思います。
3点目ですが、私が住んでいる市の市民防災訓練に参加した時のことですが、避難所の様子を想定して、1泊2日での訓練でした。睡眠時間として9時間確保されておりましたが、健常者の大人の方々から、9時間では長過ぎるという苦情がありました。
市役所の方は、訓練に参加しているのは健康な大人ばかりではなくて、子どもやお年寄り、病気の方もいるのですから、総合的に判断して、9時間と決めましたという説明でしたが、家に帰ってもいいですかという声があったそうです。
精神障害者の中には、薬の副作用で昼間に非常に眠気があるので、それを何とかしようとして、夜に長時間の睡眠をとる人がいまして、9時間でも足りない人がいます。ですから、市役所はわかっているのですが、一般の住民の方に御理解をいただけていない。そこを何とかする必要があるかなと思っております。
4点目ですが、つい先日も東京の精神障害者の方が、精神障害を理由にインターネットカフェへの入店を断られて、東京地裁に提訴したというニュースが報道されておりましたが、精神障害者が自分の障害というのを、どれだけ周りの人に伝えられているかが疑問です。誤解や偏見というのが大きいので、まだまだ隠して生活せざるを得ない人たちがいて、支援の手が行き届いていないのかもしれないと思います。
体に障害がないのに、薬を飲んでいるというところを見られますと、不自然に思われたり、具合が悪くて休んでいても、それは怠けているようにしか見られないということは、言い切れないなと思います。今後とも精神障害について、啓発活動を積極的に行わなければならないと、痛感した次第です。以上4点です。

(坂巻副座長)
ありがとうございました。東日本大震災でもデマ情報が飛び交うわけですが、首都圏直下型であちこちのビルが崩れたり、火事があちこちで起きた時に、更にデマ情報はいっぱい飛び交うと思います。おっしゃる通りインターネットのいい点もありますが、いかに正確な情報を、責任あるポジションの人から出すかということ、これはとても大事なテーマだと思います。後程また議論にできればと思っております。
それでは他の方、どうぞ御体験も含めて、御意見ございましたらば。植野さん。

(植野委員)
千葉県聴覚障害者協会の植野でございます。2つ御質問させていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
まず1つ目ですが、バス協会様、または千葉県のタクシー協会様の方に御質問ですが、タクシーにつきまして、バス協も併せましてですが、無線の機能が入っているということでございますが、その情報を収集しまして、どこにそれをつないでいくのか。例えば行政につなぐのか。
災害本部が立ち上がったかどうか、その辺はまだ微妙な時だと思うのですが、そういう時に災害が起きた際、それを集めた情報をどこに出していくのか、そういうルート、フローチャートみたいなものが出来上がっているのかどうか、もしあれば教えていただきたいと思っています。
2つ目は、千葉県商工会議所連合会様の方から、お話がありました各地域において、それぞれ地域に組合があるかと思います。その地域・地域において、例えば地域の中でどういうトイレがあるのか、避難所があるのか、病院はよく分かりませんが、そういった情報を常に、横のつながりにおいて協会の中では、把握をしていらっしゃるのかどうか、教えていただければと思っております。
なぜかと申しますと、東京から旭まで、昼夜歩いて帰られたという場合があると思います。視覚障害・聴覚障害、様々な障害の方が歩いて帰られた。その際、その地域に夜になってしまった場合、また朝早くですとか、そういった情報がないと迷ってしまいます。
もし、そのお店に行けば、教えてもらえるかなという思惑もあるかと思いますので、そういうこともあるだろうと思い、常にそこに地域に避難所があるとかが教えていただければ、そういった情報を常に持っていただけるかどうかを、教えていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

(坂巻副座長)
ありがとうございました。大変大事なタクシー業界、バス、乗客を運ぶだけではなく、情報の拠点、あるいは情報発信ができる場として、タクシーが活用できないか。そういうタクシーの情報、例えばここのところで道路が止まっているとか、ここで火事が起きているとかということを、タクシーの方から警察なり行政なりに、情報を流すという仕組みづくりというのを、私はいまおっしゃった御意見を伺いながら、とても大事だと思いました。
ただお客さんを運ぶのではなくて、動く情報発信の拠点としての活動の場があるのじゃないかと思うのですが、今そういった取り組みというのは、タクシー業界は何かお考えになっていますか。

(岩佐委員)
タクシー業界です。先ほどちょっとお話をさせていただきましたが、今タクシーにはすべてとはいいませんが、大体の会社さんで無線を搭載しております。会社の本社に無線室があって、各その会社の車とやり取りをしているわけです。今タクシーでは、千葉県警察本部と、いろいろな事故とか犯罪を目撃した場合に、通報してくださいということで、協定は結んでおります。タクシー無線をそういうふうに使うのは、それだけです。
先ほど申し上げましたように、今回の地震などを見て、タクシーもそういうことに、何か一役買うことはできないかという、そういうお誘いどこというのですか、タクシー事業者は、自分の商売の道具としか見ていません。いろいろな地域で動いていますから、そういう車両の運転手さんの目をこう使ったらどうかと、できれば周りから触発してもらって、我々も動かしてもらいたいなと。
私たちは何ができるかというと、自分たちが持っているものの力というのは、そんなによくわかっていません。こう使ったらどうかとか、いろいろ話があれば、できることでしたら、それはぜひ協力をしていきたいと思っております。まだ具体的に災害などには、市川市などでは、市川市の事業者さんと市川市役所さんとで、何か結んでいるようには聞いていますが、全県的なものはないと思います。

(坂巻副座長)
ありがとうございます。動く情報拠点という形で、時々刻々ここの道が通れないとか、こういうことが起こっているということが、どこか集中的にまとまって、それがまた市民の間にざっと流れるような仕組みができれば、随分違ってくると思います。ぜひ犯罪だけでなく、前向きな取り組みをお願いできればと思っております。
次に、千葉県商工会議所連合会お願いします。

(藤江氏)
先ほどの御質問について、本当は行政の立場で、お答えするのが的確なのかと思いますが、ただそういう行政の機能が、十分に生きていない状況の中で、地域の商店であるとか、事業所がどういう手助け、情報提供、そういうものができるかという御質問かと思います。私の方からお話をさせていただきます。
都市部でお隣さんとか、誰が住んでいるのか、あるいは地域がどうなっているのか、わからないという場所もあるかと思いますが、手前ども商工会の地域であれば、ほとんどの商店の方は、地域で住んでおります。
例えばどこに病院があるのか、あるいは、緊急時の避難場所がどこに指定されているのか、それとどうしても必要な物資等がどこにあるのか、よくガソリンスタンドで道を聞く方も多いかと思いますが、ほとんど地域の情報なりは、頭に入っていると思いますので、気軽にお寄りいただければと思います。
ただ、手話をすべての事業者で、できる方がいらっしゃるのかというところでは、若干不安なところがございますが、私ども商工会の地域の事業者は、お客様を迎えるという点では、近隣の方であろうと、遠くから来られた方であろうと、同じようなお迎えをしたいと思っております。以上です。

(坂巻副座長)
ありがとうございました。

(植野委員)
どうもありがとうございます。手話のことですが、そういうことではなく、手話がわからないということはわかっておりますが、ちょっと補足説明をさせていただきます。東京に仕事で勤めております、そういった方はたくさんおります。夜に帰宅になる方もたくさんおります。
そのときに銀行など、国からの指導があったかどうかはわかりませんが、徹夜で開いて、寒いからどうぞ、中に避難してくださいとか、歩いて疲れた方、足腰が痛くなった方、銀行が一時避難場所に配備をしていただいた所があります。お店も一部でそのようにやっていると聞いております。自転車屋さんも夜中お店を開けて、自分の持っているお店の自転車を売って、提供したということも聞いております。
千葉もそのようないろいろな工夫があったらいいなと思って、それで伺ったわけです。どうもありがとうございました。

(坂巻副座長)
ありがとうございました。私も当日帰宅難民で、7時間くらいかけて歩いたのですが、一番困ったのはトイレでございました。東京都の福祉のまちづくり推進協議会では、「誰でもトイレ」ということで、今トイレ整備を進めておりますが、コンビニなども長蛇の列でございましたし、非常にトイレが困りました。この辺なども民間のお店などが使わせていただければ、随分違ってくるなと思いました。
さらに避難所、一時帰宅ができない人に学校など開放したようですが、歩いていると全然そういう情報は入らないのです。そうすると、例えば商店街の看板などに、ここに行けば泊まれますよという張り紙が出るとか、あるいはこっちの方向に行けば、この道を歩いて行けば、こういうものがありますよという情報があれば、随分心強く避難できると思います。
その意味では、商店の方たちが、今おっしゃったような視点で取り組んでいただければ、随分違ってくるかなと思っております。ぜひよろしくお願いしたいと思います。他にいかがでございましょうか。寺尾さん、お願いいたします。

(寺尾委員)
精神障害者の家族会の方から来ております寺尾と申します。今日の資料1-2に、支援に関する意見、いろいろな調査の結果をまとめていただきました。私どもも調査を受けて、答えを出しているわけですが、各団体でいろいろな特殊な事情のある方が、非常に当面している問題を出して、それをわかりやすく整理されているという資料が出てきました。
実は、今回のような事柄で、避難所であるとか、情報の問題であるとか、いろいろな問題が浮き彫りにされました。特に障害者についてのいろいろな課題が、かなり浮き彫りにされたと思います。その問題がここに整理されているということです、精神障害者などというのは、皆さんによく理解されていない障害です。
何とか啓発であるとか、理解を広めようとか、努力もするところがあるのですが、実際健常の人には、自分がその気にならないと、なかなか理解が進まないのです。そういうきっかけがないと、いくらやろうと思ってもきかない。それがもう何年も続いているわけです。
今回この事件で、避難所に自分たちが行った時に、そこに障害者が来る。そしたら、そこはどういうふうに、当然人間として扱わなきゃいけない。こういう問題があるのだなということで、初めて気が付いていると思うのです。
それで、この資料を有効に、活用していただけないかという気がするのです。これは調査された県のその方、事務局になっていただいて、ぜひ新聞社であるとか、そういうマスコミ関係に、うまくするとこれはかなり有効に、一般の人に伝えられる事例じゃないかと思うのです。こんな効果のある事例は、ちょっとないです。
一般的な障害者はこうですと回しても、今までさんざんやっているのだが、一般の人はちっとも見てくれない。だが、事件があって、こういう事柄があった時に、皆さん実はこうなのです、あっと気が付くことになると、非常に今回のこの資料は、有効な事柄が載っているのではないかということです。
この会に出てきたということを前提に、これを広める。例えば印刷であるとか、パンフレットであるとか、活用していただけたらどうだろうかと提案したいと思います。以上です。

(坂巻副座長)
ありがとうございます。大変いい御意見をいただきました。私も阪神・淡路大震災の時に、長田区の真野地区という、長田区というのはほとんど壊滅状態だったのですが、その中で真野地区という、奇跡的にあまり被害が出なかった所があるのです。
なぜ出なかったかと言いますと、非常にごちゃごちゃした町ですから、普段から真野地区のまちづくりを考える会というのを、地域の住民の方たちが組織して、しょっちゅう自分の町をどうしたらいい町にできるかということで、話し合いをしていたわけです。
そこでそういう災害が起きた時に、そこでの人間関係とか、自分たちの町の意識というのは、大変強い所だったようでございます。火事などが出たら、真っ先に自分の家よりはその火事を消すとか、そういう形で活動されて、奇跡的に焼け残ったという話を、地元の高等学校の先生が書いている資料を、私は読んだ記憶がございます。
おっしゃったように、せっかくの資料は地域の住民たちに、どうフィードバックしていくかというその方法論を、考えていっていただきたいです。これからは、地域で防災の意識を高めるためにどうしたらいいか、これを県としても考える必要があるかと思うのです。
その辺りは県としてどうでしょう。調査結果をフィードバックして、住民に周知徹底し、更には住民の組織間につなげていくということを、どうお考えになっているのか、御意見を伺えればと思います。

(横山課長)
貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。この件については、後程少し御説明をさせていただきますが、せっかくの皆様から頂戴した意見でございます。これは公表していくということだけではなくて、これから県では、福祉避難所の市町村での整備なども含めて、私どもとしても、障害のある方々の避難の体制づくりというのを、市町村と一緒に進めていきたいと思っています。
その中でもこうした情報は、住民の皆さんとも共有して、具体的にどういう問題があって、地域・地域の特性というのも、もちろんありますので、どんなふうに地域の中で考えていくのか、その働き掛けをしていきたいと考えているのが一つと、この問題は、今日の会議だけではなくて、来年度以降も当然のことながら、引き続き私どもとしても、議論の場をつくっていきたいと思っています。
できればシンポジウムみたいなものをやってみたいと、今は考えています。その中でも、皆さんと資料の方は共有しながら、地域全体あるいは社会全体で、障害のある方の災害時の問題を考えていただく、そのきっかけの材料にしていきたいと考えております。また、この辺については、後程御説明させていただきたいと思います。

(坂巻副座長)
ありがとうございました。他に御意見ございましたらどうぞ。

(神林委員)
神林です。私どもは、千葉県身体障害者福祉協会は、肢体不自由者が主の団体でございます。今回、3月11日の地震発生時に、初めに協会としてやらなければならないことは、何かと考えました。そして、それは、いわゆる義援金を募集して、被災者に支援をするということが第1でした。
第2には、障害を持っている人たちが、この体験でどういう考え方を持っているか、そういった意識調査というものをさせていただきました。そして、それに対する対応の仕方を、私たちは会議の機会をつかまえて、いろいろとやったわけです。
県の方から出されております、これは全くこのとおりで、こういったことが私どもの方の意識調査の中で出されておりまして、本当にこれは重要なことであり、また県としてこれをきちんととらえていただいたことに、感謝をするわけでございます。
ただ、私ども調査では、「遠くの親戚より近所の他人」という言葉があるのですが、それが全然機能しなかったという御意見をいただきました。遠くの親戚が、今回はよかったということです。近所の他人というのは、全然だめだったという意見がございました。
また、車いすでもそうですが、トイレで一番問題になるのは、停電した時に水洗トイレが全然使えないということです。これは今後の問題として、お風呂の水はきちんと大切にとっておくとか、いろいろな対応の仕方があるのではないかと言われております。
もう一つは、福祉の就労している人ですが、隣の県で就労していて、この災害にあった時に、そこの事業主がこの子は早く帰した方がいいということで、すぐ帰りなさいと言われたのです。その子は、バスに乗って駅までは行ったのですが、駅からは電車が出ない。どうしていいか自分でわからなくて、携帯電話も持っていなかったので、やっと公衆電話を見つけて、家へ電話をしたら、母親から「そのデパートにじっとしていなさい。私が行くまでそこを動いちゃだめです。」と言われたそうです。それで夜中になったそうです。その子はそこでじっとして、他に行かなかったということです。そのお母さんは、お父さんが帰って来るまで、運転をする人がいないので、迎えに行くまでは大変だったというのです。
その間、もう本当にどこにも行かないでくれ、とお祈りしていたのですが、行ってみたらそこに彼が動かないで、じっと我慢していたので本当に良かったという。いろいろな体験談が発表されました。今、そういった体験談をもとに私どもの方は、いろいろな対応の仕方を整理しております。
その中の一つは、やはりこれからこういう災害があった時に、発生前と、発生時と、発生後の対応の仕方が大分違ってくることです。発生後の対応の仕方の中で、整理していかなければいけない問題は、1日たった時の対応の仕方はどういうのだろう、2日たった時の対応の仕方という計画はどうだろう、1週間たった時のいわゆる対応の計画というのはどういうのだろう、ということです。
地震とか津波によって、道路とか火災とかいろいろな状況があるわけです。その大きさもあります。そういった中で、きちんとした対応の計画を立てなければいけない。それも1日、2日、3日それから1週間、10日そういう復旧・復興につながる対応の計画をきちんと立てて、そこでやっていかないといけない。その発生時はみんなが困っているので、もう大変な状況です、それはもう、どなたも今回の地震でわかっているわけです。
その後の対応の仕方の中で、いわゆる災害に弱い方、お医者さんにかかっていて薬が必要な方など、いろいろな方がいるので、そういった方々への対応計画というものをきちんと立てていただく。それが必要であると、私自身は思います。今、当協会はいろいろな貴重な御意見をいただいておりますので、それをもとに整理をしているところです。以上です。

(坂巻副座長)
はい、ありがとうございました。「遠くの親戚より近くの他人」と言いますが、近くの他人が、最近のこういう世の中では、なかなか機能していないという現実、これも間違いなくあろうかと思います。それに代わる地域のネットワークをどうつくるかということが、非常に大きい課題になってくると思います。
当事者の方から、様々な御意見を行政に上げていただいて、そこでまた練っていただくことも大事だと思います。ぜひこれからも議論を深めていただきたいと思います。

(菅原委員)
千葉県自閉症協会の大屋の代理でまいりました、菅原幸子と申します、よろしくお願いいたします。千葉県自閉症協会では情報提供として、今日のお時間をいただけたらと思ってまいりました。自閉症協会は県内に1,000名余り会員がおりますが、今回の震災をきっかけにいたしまして、昨年の4・5月からつい先月まで、東日本大震災の千葉県における発達障害者の状況ニーズ調査というものをやっております。
この調査は、ちょうど昨年3月22日の朝日新聞の記事の中で、自閉症の子どもを持つ家族が1週間にわたって、車中泊を続けてしまったというような記事が出たことが、大きなきっかけとなりました。こちらの自閉症協会と千葉県発達障害者支援センター、それから千葉市の発達障害者支援センター、千葉大学の社会学部のゼミの方々と協力しまして、質問用紙による調査と、地域ごとの聞き取り調査を行いました。
今、その結果を取りまとめているところですが、来年度に改めて概要とかそういったものを報告し、こういった会議、県の行政また地域の行政に生かしていただけたらと思っております。
今日資料1-2で報告されたものは、わりと自閉症の方から、具体的なものが出せていないかなと思っております。少しこういうところに付け加えさせていただきますと、御本人からの100程と、親から300ぐらいの調査用紙が回収できまして、それをデータで取りまとめているところです。
生活面でいいますと、特に自閉症の場合は、通常と違う生活パターンに、非常に対応しにくいという障害でございます。例えば、テレビ放送は、全くいつもの番組がなくなってしまいましたが、マスコミ全体として1日ごとでもいいから、通常放送をする番組局などを設けていただけたら、よかったのではないかという意見も出ております。
それから給水車、ガソリンの順番待ちは、多動などを抱えた御家族では、その順番を待つ列に並ぶことすらできずに、あきらめたというような方々がいらっしゃいました。
学校や施設に通うお子さんたちにとっては、見通しが立たないというところが、非常に困難を極めました。例えば、明日、学校が昼までなのか、またはお休みなのか。それから施設はどうなのか。明日、明後日、明々後日の見通しが立ちにくいということです。
働いている者も交通機関が、JRは明日どのくらい通常運転なされるのか、または全く運休になってしまうのか、そういった情報が前日の夜にならないとわからなかった、というような状況の中で、非常に、自閉症や発達障害を持つ方々独特の困難が、あったということがわかってまいりました。
やはり大きく意見がたくさん出たのは、福祉避難所の問題です。自閉症の場合は、本人がパニックで奇声を発するようなタイプのお子さんと、聴覚過敏があって静かな環境を好むというタイプの方が、わりと両極端にいらっしゃるため、例えば、福祉避難所の設け方として検討するべき課題があるのでないかという話も出ました。
先ほどの方々から出た話で、今回の調査の中でも、メールやホームページといったようなネットワークの問題があります。例えば私などはツイッターとかフェイスブックを活用していますが、今回の震災でツイッターなどが止まらなかったということがありました。
ツイッターとかGPS機能とかそういった新しいものについては、知的に遅れがある方とない方とは違うのですが、御本人、御家族その周りにいる支援者が、今回大丈夫だった新しいものを積極的に取り入れていく必要性があるのでないか、という意見が出ました。また詳しくは、来年度こちらの方で、明らかにしていきたいと思います。
こちらからは、そういった調査を行なったということをお伝えしたくて、お時間をいただきました。ありがとうございました。

(坂巻副座長)
はい、ありがとうございました。ぜひ、そういう生の声を、行政の方に上げていただければと思います。ツイッターという声が出ましたが、先ほども御意見がありましたが、インターネットとかそういう情報の中には、玉石混淆でいろいろなものが入ってくるわけです。それをどうやって判断するかということは大変難しい。
特に障害を持った方にとっては、非常に困難が伴うわけです。その辺りを行政として、どう情報の整理をするかも、これからの課題の一つだろうと思います。ほかにどなたか、御意見ありますか。はい、高梨さんどうぞ。

(高梨委員)
4団体の方から、取組について御説明いただきました。障害のある者としては、民間の事業者の方たちが、こうした形で様々に取り組んでおられることについて、心より感謝申し上げたいと思います。アンケートの中にも載っておりますし、今後の計画にも示されておりますが、視覚障害のある方の場合、問題点が3つに分けられると思います。
1つ目は、情報の支援の問題をどうするのか。2つ目は、避難所に行けない人たちをどうするのか。3つ目は、避難所における居住空間等の配慮の問題です。大きく分けるとこの3点に分けられますが、その中の特に情報提供の部分で、ぜひ御理解と御配慮をいただきたいと思います。
まず一つには、メールが非常に有効なわけですが、視覚障害の方の場合に、携帯電話でメールが音声で対応できるのは、ごくわずかしかないことです。身近な情報というのは、テレビ等でも、ほとんど背景に流れているだけで音声では言ってくださらない。問い合わせ先等も、御覧のところへということで、これではほとんど用をなさない。こうした意味で身近な情報提供をどうするのかが大変難しい問題だと思います。ぜひ御配慮を御検討いただきたいと思います。
もう1点、これは障害のある側の人たちの問題でもあるのですが、特に視覚障害の人たちの中には、中途障害の人たちが非常に増えてきました。いま、大体9割以上の方が中途障害だと思われます。中途障害の方の中には、自らが障害であることを、表明したくない方たちが多数おられます。
今回の震災で、視覚障害の団体の方たちが支援に行くなかでも、視覚障害でなかろうかと思われる方に、あえて声をかけると、トラブルになったというケースが数多く報告されています。
自治体によっては、要援護者名簿を作る際に、独居の障害のある方や、障害者のみの世帯については着目するわけですが、御家族に障害のない方がいらっしゃる場合には、対象から外していることが、よくあるように聞いております。夫婦のどちらかが障害がなかったとしても、相手がどこかに行っていれば全く用をなさないわけです。
個人に着目した名簿作り、それから個人の思いに配慮した名簿作りというのを、ぜひ御検討いただきたいと思います。以上です。

(坂巻副座長)
はい、ありがとうございました。中途障害者の方が、自分の障害を公にしたくないという、これは東京都の審議会でも出たテーマなのですが、そういった場合はどうなのでしょうか。これからは障害を持った人が、胸をはってヘルプ、助けてくれと、手を貸してくれと言えるような社会をつくるのが先で、隠したまま障害者の避難を処遇してくれというのは、ちょっと私は無理があるような気がする、と東京都の場合申し上げたのです。
要援護者の名簿も大変大事なテーマですが、千葉県はどうなっているのでしょうか。自治体ごとに要援護者の名簿を作って、それを地域の自治会なり民生委員なりに配付して、いざというときは、こういう要援護者システムを活動させるという、仕掛けにはなっているのでしょうか。

(横山課長)
まだ全体の実態調査までは、やっていないのですが、私自身の認識としては、かなり市町村ごとによって、取組状況に温度差があると思っているのです。その辺のところを、できるだけ情報の共有ができるような仕組みを作っていくということも重要で、個人情報の問題をどう捉えるかというところが、課題として存在していると認識しております。以上でございます。

(坂巻副座長)
はい、ありがとうございました。本当にこの個人情報の壁というのは、どこの自治体でもぶつかるわけですが、個人情報の壁で、まわりに知られたくないと言えば、その部分の責任は自分で負わなくてはならないところもあるかもしれなません。
災害時の場合に、どこまで個人情報を認めるかという、その辺りを自治体ごとにしっかり議論していただけませんと、実際に市民レベルでの助け合いが、なかなか難しいのでないかと思います。ぜひ、県がリーダーシップを取っての要援護者名簿作成と、それをどう活用するかという指導を、私は希望したいと思っております。
他に何か御意見がございますか。御遠慮なくどうぞ。今回の震災で自分が直面して、これが更に障害者の部分とつながってくるという御意見がございましたら、お伺いしたいと思っておりますが。

(植野委員)
九都県市の防災の関係です。その会議の打ち合わせや、現場に行ったことがございます。今のところは残念なことに障害者関係、福祉関係に関わることが、まだまだ不十分で、薄いと思っています。今の聴覚障害者が中心となって参加をしておりますが、現場の訓練の状況、数年前の状況を見たことがあります。自衛隊、警察、消防、電力、ガス、郵便、それぞれのネットワークを作り、パトロールをしている状況を見ました。
しかし、福祉に関わるパトロールというのは、入っておりませんでした。これにどのような形で取り組み、ネットワークに取り込んでいくのか。どのように協議していくのかが、今後の検討課題だろうと思っております。感じたことを、今おはなしさせていただきました。よろしくお願いいたします。

(坂巻副座長)
ありがとうございました。一人暮らし老人の事件が、最近多発しておりますが、地域のネットワークがどんどん崩れているときに、災害時に、そのような方たちを、誰がどのようにフォローするかということは、大きな課題だろうと思っております。
その意味では、自治会、町内会、老人でしたら老人クラブ、障害者でしたら障害者の団体が、日頃から、いかに自分たちの情報を地域に提供をするか、ということも大事なポイントではないか、と思っております。
今回の東京の場合もそうなのですが、あの程度の被害でも大混乱が起きるわけでして、まさに首都圏直下型地震が起きたときに、はたして、今ここで議論をしているようなことが実際にできるかどうか、私自身が疑問を持っております。そうは言っても、障害を持った方や、お年寄りを放り出して、自分の身ひとつで逃げればいいのかといえば、そうでもないわけで…。
やはり、みんなの力でその方たちを支えながら、みんなが命の安全を図れるような仕組みをどう作るかというテーマを、これからももちろんの事として、考えていかなければいけないと思っております。
それでは他に、どなたか御意見はございませんでしょうか。

(小林課長)
野田市の社会福祉課長の小林と申します。よろしくお願いいたします。今御指摘があった要援護者ですが、私どもは数年前から手がけておりまして、おっしゃるとおり個人情報の保護に一番留意しつつ、やっているつもりなのです。
仕組みとしましては、自治会単位で合意形成をしていただいて、手挙げ方式で要援護者台帳を作っていただくのです。その他に、市の情報をもとに、まだ取り組んでいない団体と手を挙げなかった方に対しては、市の方で、潜在的要援護者、という台帳を作っております。手を挙げていただいた方は、その自治会で支援者が決められておりますので、いつでも災害時には的確に対応していただけるのです。
それ以外の方は、災害時には個人情報とは言っていられませんから、その時点で、自治体の方から各自治会へ、こんな方がおられるのでお願いします、ということでお持ちするような段取りになっております。

(坂巻副座長)
ありがとうございました。大変素晴らしい仕組みができているようです。これは障害者団体や各当事者団体も、あまり個人情報で隠すとか、自分の障害は言わないということではなく、いざというときには、隣近所の人に助けを求めるようなことを抵抗なくできる、そういった意思を広げていただかなければと思います。障害を隠しながら特別扱いしてやってくれ、というのは災害時には無理ではないかと思うので。当事者団体の日常的な努力というものも、今問われているのではないかな、と思っております。
野田市のような潜在的要援護者の名簿まで用意し、一旦緩急あれば、行政がそこに手を伸ばせる、というような仕組み、これが全部の自治体に広がれば、ずいぶん違ってくると思います。ぜひ先駆的な例として、御活躍いただきたいと思います。ありがとうございました。他にはいかがでしょうか。

(高梨委員)
私が先ほど申し上げた件について、誤解があるといけませんので、追加でお話しいたしますが、確かに、手を挙げない人たちの自己責任というのは、当然問われることだと思います。ですから、そういう方がいるということを、想定した上での計画を立てつつ、まさに障害のある方に対する、指導・啓発というものが、大変大事だなと思うのです。
障害者団体にという御指摘がございます。障害者団体の役割はそのとおりだと思いますが、ただどこの団体も、障害者でそれぞれの団体に加盟している方は、1割足らずしかいらっしゃらないのです。9割ぐらいの方には団体から伝えようがない。そういう意味では、やはり行政の方でいろいろな場を通じて、県民の啓発と同時に、当事者に対する啓発の機会をぜひ作っていただきたいと思います。

(坂巻副座長)
はい、ありがとうございました。行政からの日頃の啓発活動の大事さ、ということを伺いました。そのとおりだと思います。

(植野委員)
あまり手を挙げて申し訳ないのですが、意見として言わせていただきたいと思います。先ほど、災害時の要援護者の登録制度のお話がありましたが、障害者自らが呼びかけ、努力をする必要がある、と常に周りから言われております。
しかし、聴覚障害者センターとしまして、各地域の状況を把握する、例えば手話を学びたい、障害者の社会を学びたい、というような依頼をたくさん受けております。行政をはじめ、民間会社、学校などから多くの依頼を受け、説明させていただいております。
ところが自治会だけは、ほとんど依頼がありません。無いという状況です。一番大事なのは、地域だと思っております。自治会も一緒に、聞こえないだけではなく、障害がどういうものなのか、社会がどのように思っているのか、お互いに勉強することが必要だと思っております。
しかし、個人情報ということは、自治会も連絡先も教えてもらうには、なかなか厳しい制約があります。双方向の連絡関係が十分ではありません。障害者自らが努力するだけではなく、地域の自治会や民生委員も含めて、双方向の努力が必要ではないかと思っております。

(坂巻副座長)
ありがとうございました。それでは(2)の、平成24年度に向けた取組課題につきまして、事務局から御説明をいただきたいと思います。

お問い合わせ

所属課室:健康福祉部障害者福祉推進課共生社会推進室

電話番号:043-223-2338

ファックス番号:043-221-3977

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