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更新日:令和5(2023)年3月3日
ページ番号:2786
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この要領(以下「対応要領」という。)は、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(平成25年法律第65号。以下「法」という。)第10条第1項の規定に基づき、また、障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針(平成27年2月24日閣議決定。以下「基本方針」という。)に即して、法第7条に規定する事項に関し、知事部局、議会事務局及び行政委員会(地方自治法第180条の5の規定により設置される県の委員会及び委員、ただし教育委員会及び公安委員会を除く。以下この対応要領において同じ。)の事務局等に属する全ての職員(非常勤職員を含む。以下「職員」という。)が適切に対応するために必要な事項を定めるものとする。
職員は、法第7条第1項の規定のとおり、その事務又は事業を行うに当たり、障害(身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害をいう。以下この対応要領において同じ。)を理由として、障害者(障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるもの。以下この対応要領において同じ。)でない者と比べて不当な差別的取扱い(障害を理由として正当な理由なく財・サービスや各種機会の提供を拒否、場所・時間帯などを制限、障害者でない者に対しては付さない条件を付けることなど)をすることにより、障害者の権利利益を侵害してはならない。これに当たり、職員は、別紙に定める留意事項に留意するものとする。なお、別紙中「望ましい」と記載している内容は、それを実施しない場合であっても、法に反すると判断されることはないが、障害者基本法(昭和45年法律第84号)の基本的な理念及び法の目的を踏まえ、できるだけ取り組むことが望まれることを意味する(次条において同じ。)。
職員は、法第7条第2項の規定のとおり、その事務又は事業を行うに当たり、障害者から現に社会的障壁(障害がある者にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のもの。以下この対応要領において同じ。)の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、当該障害者の性別、年齢及び障害の状態に応じて、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮(以下「合理的配慮」という。)の提供をしなければならない。これに当たり、職員は、別紙に定める留意事項に留意するものとする。
職員のうち、所属長等管理監督者は、障害を理由とする差別の解消を推進するため、次の各号に掲げる事項に留意して障害者に対する不当な差別的取扱いが行われないよう注意し、また、障害者に対して合理的配慮の提供がなされるよう環境の整備を図らなければならない。
一、日常の執務を通じた指導等により、障害を理由とする差別の解消に関し、その監督する職員の注意を喚起し、障害を理由とする差別の解消に関する認識を深めさせること。
二、障害者等から不当な差別的取扱い、合理的配慮の不提供に対する相談、苦情の申し出等があった場合は、迅速に状況を確認すること。
三、合理的配慮の必要性が確認された場合、監督する職員に対して、合理的配慮の提供を適切に行うよう指導すること。
2.所属長等管理監督者は、障害を理由とする差別に関する問題が生じた場合には、迅速かつ適切に対処しなければならない。
職員が、障害者に対し不当な差別的取扱いをし、若しくは、合理的配慮の不提供をした場合、その具体的態様(状態・様子・内容)等によっては、職務上の義務に違反し、又は職務を怠った場合等に該当し、懲戒処分その他の措置に付されることがある。
知事部局、議会事務局及び行政委員会の事務局等において、その職員による障害を理由とする差別に関する障害者及びその家族その他の関係者からの相談等に的確に対応するための相談受付窓口は障害者福祉推進課とする。
2.障害者福祉推進課が相談を受け付ける場合は、相談者との意思疎通が行えるよう配慮に努め、相談者の思いを傾聴する。また、必要に応じ、広域専門指導員(県内の各健康福祉センターや障害者相談センターに配置された障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例に基づく専門の相談員)による相手方との調整や、適切な対応機関の案内をする。
3.相談を行おうとする者は、手紙、電話、FAX、メール、直接の訪問など任意の方法を用いて、相談を行うことができることとする。
4.相談の記録は、障害者福祉推進課に集約し、千葉県個人情報保護条例(平成5年条例第1号)に従って、相談者のプライバシーに配慮しつつ関係者間で情報共有を図り、以後の相談等において活用することとする。
5.障害者福祉推進課は、必要に応じ、相談体制の充実を図るよう努めるものとする。
健康福祉部長は、障害を理由とする差別の解消の推進を図るため、職員に対し、必要な研修・啓発を行うものとする。
2.健康福祉部長は、新たに職員となった者に対し、障害を理由とする差別の解消に関する基本的な事項について理解させるため、また、新たに所属長等管理監督者となった職員に対しては、障害を理由とする差別の解消等に関し求められる役割について理解させるため、研修を実施するよう努めることとする。
3.職員能力開発センター所長は、前項の研修の実施について、健康福祉部長の求めがある場合は、必要な協力に努めることとする。
4.健康福祉部長は、職員に対し、障害の特性を理解させるとともに、意識の向上を図るものとする。
この対応要領は、平成28年4月1日から施行する。
法は、障害者に対して、正当な理由なく、障害を理由として、財・サービスや各種機会の提供を拒否する又は提供に当たって場所・時間帯などを制限する、障害者でない者に対しては付さない条件を付けることなどにより、障害者の権利利益を侵害することを禁止している。なお、障害者の家族や支援者に対する不当な差別的取扱いが障害者本人の権利利益に不利益を与えることがあり得ることに留意すること。
ただし、障害者の事実上の平等を促進し、又は達成するために必要な特別の措置は、不当な差別的取扱いではない。したがって、障害者を障害者でない者と比べて優遇する取扱い(いわゆる積極的改善措置)、法に規定された障害者に対する合理的配慮の提供による障害者でない者との異なる取扱いや、合理的配慮を提供等するために必要な範囲で、プライバシーに配慮しつつ障害者やその家族、支援者等に障害の状況等を確認することは、不当な差別的取扱いには当たらない。
このように、不当な差別的取扱いとは、正当な理由なく、障害者を、問題となる事務又は事業について、本質的に関係する諸事情が同じ障害者でない者より不利に扱うことである点に留意する必要がある。
正当な理由に相当するのは、障害者に対して、障害を理由として、財・サービスや各種機会の提供を拒否するなどの取扱いが客観的に見て正当な目的の下に行われたものであり、その目的に照らしてやむを得ないと言える場合である。知事部局、議会事務局及び行政委員会の事務局等においては、正当な理由に相当するか否かについて、具体的な検討をせずに正当な理由を拡大解釈するなどして法の趣旨を損なうことなく、個別の事案ごとに、障害者、第三者の権利利益(例:安全の確保、財産の保全、損害発生の防止等)及び知事部局、議会事務局及び行政委員会の事務局等の事務又は事業の目的・内容・機能の維持等の観点に鑑み、具体的場面や状況に応じて総合的・客観的に判断することが必要である。
職員は、正当な理由があると判断した場合には、障害者やその家族、支援者等にその理由を説明し、理解を得るよう努めることが望ましい。
不当な差別的取扱いに当たり得る具体例は以下のとおりである。なお、第2で示したとおり、不当な差別的取扱いに相当するか否かについては、具体的な検討をせずに正当な理由を拡大解釈するなどして法の趣旨を損なうことなく、個別の事案ごとに判断されることとなる。また、以下に記載されている具体例については、正当な理由が存在しないことを前提としていること、さらに、それらはあくまでも例示であり、記載されている具体例だけに限られるものではないことに留意する必要がある。
(不当な差別的取扱いに当たり得る具体例)
1.障害者の権利に関する条約(平成26年条約第1号。以下「権利条約」という。)第2条において、「合理的配慮」は、「障害者が他の者との平等を基礎として全ての人権及び基本的自由を享有し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるものであり、かつ、均衡を失した又は過度の負担を課さないもの」と定義されている。
法は、権利条約における合理的配慮の定義を踏まえ、行政機関等に対し、その事務又は事業を行うに当たり、個々の場面において、障害者やその家族、支援者等から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、社会的障壁の除去の実施について、合理的配慮を行うことを求めている。合理的配慮は、障害者が受ける制限は、障害のみに起因するものではなく、社会における様々な障壁と相対することによって生ずるものとのいわゆる「社会モデル」の考え方を踏まえたものであり、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、障害者が個々の場面において必要としている社会的障壁を除去するための必要かつ合理的な取組であり、その実施に伴う負担が過重でないものである。なお、障害者の家族や支援者に対し合理的配慮を提供しないことが、障害者本人の権利利益に不利益を与えることがあり得ることに留意すること。
合理的配慮は、知事部局、議会事務局及び行政委員会の事務局等の事務又は事業の目的・内容・機能に照らし、必要とされる範囲で本来の業務に付随するものに限られること、障害者でない者との比較において同等の機会の提供を受けるためのものであること、事務又は事業の目的・内容・機能の本質的な変更には及ばないことに留意する必要がある。
2.合理的配慮は、障害の特性や社会的障壁の除去が求められる具体的場面や状況に応じて異なり、多様かつ個別性の高いものであり、当該障害者が現に置かれている状況を踏まえ、社会的障壁の除去のための手段及び方法について、「第5過重な負担の基本的な考え方」に掲げる要素を考慮し、代替措置(それに見合う他の方法等)の選択も含め、双方の建設的対話による相互理解を通じて、必要かつ合理的な範囲で、柔軟に対応がなされるものである。さらに、合理的配慮の内容は、技術の進展、社会情勢の変化等に応じて変わり得るものである。合理的配慮の提供に当たっては、障害者の性別、年齢、状態等に配慮するものとする。
なお、合理的配慮を必要とする障害者が多数見込まれる場合、障害者との関係性が長期にわたる場合等には、その都度の合理的配慮の提供ではなく、後述する環境の整備を考慮に入れることにより、中・長期的なコストの削減・効率化につながることとなり得る。
3.意思の表明に当たっては、具体的場面において、社会的障壁の除去に関する配慮を必要としている状況にあることを言語(手話を含む。)のほか、点字、拡大文字、筆談、実物の提示や身振りサイン等による合図、触覚による意思伝達など、障害者が他人とコミュニケーションを図る際に必要な手段(通訳を介するものを含む。)により伝えられる。
また、障害者からの意思表明のみでなく、知的障害や精神障害(発達障害を含む。)等により本人の意思表明が困難な場合には、障害者の家族、支援者・介助者、法定代理人等、コミュニケーションを支援する者が本人を補佐して行う意思の表明も含む。
なお、意思の表明が困難な障害者が、家族、支援者・介助者、法定代理人等を伴っていない場合など、意思の表明がない場合であっても、当該障害者が社会的障壁の除去を必要としていることが明白である場合には、法の趣旨に鑑みれば、当該障害者に対して適切と思われる配慮を提案するために建設的対話を働きかけるなど、自主的な取組に努めることが望ましい。
4.合理的配慮は、障害者等の利用を想定して事前に行われる建築物のバリアフリー化、介助者等の人的支援、情報アクセシビリティの向上等の環境の整備を基礎として、個々の障害者に対して、その状況に応じて個別に実施される措置である。したがって、各場面における環境の整備の状況により、合理的配慮の内容は異なることとなる。また、障害の状態等が変化することもあるため、特に、障害者との関係性が長期にわたる場合等には、提供する合理的配慮について、適宜、見直しを行うことが重要である。
5.知事部局、議会事務局及び行政委員会の事務局等がその事務又は事業の一環として実施する業務を事業者に委託等する場合は、提供される合理的配慮の内容に大きな差異が生ずることにより障害者が不利益を受けることのないよう、委託等の条件に、対応要領を踏まえた合理的配慮の提供について盛り込むよう努めることが望ましい。
過重な負担については、具体的な検討をせずに過重な負担を拡大解釈するなどして法の趣旨を損なうことなく、個別の事案ごとに、以下の要素等を考慮し、具体的場面や状況に応じて総合的・客観的に判断することが必要である。
職員は、過重な負担に当たると判断した場合は、障害者やその家族、支援者等にその理由を説明し、理解を得るよう努めることが望ましい。
第4で示したとおり、合理的配慮は、具体的場面や状況に応じて異なり、多様かつ個別性の高いものであるが、具体例としては、次のようなものがある。
なお、記載した具体例については、第5で示した過重な負担が存在しないことを前提としていること、また、これらはあくまでも例示であり、記載されている具体例だけに限られるものではないことに留意し、障害者の特性に配慮する必要がある。なお、障害者への配慮は千葉県が作成した「障害のある人に対する情報保障のためのガイドライン」を参考とすることが望ましい。
(合理的配慮に当たり得る物理的環境への配慮の具体例)
(合理的配慮に当たり得る意思疎通の配慮の具体例)
(ルール・慣行の柔軟な変更の具体例)
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