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更新日:令和6(2024)年12月16日
ページ番号:718893
小学生区分
千葉県知事最優秀賞
筑波大学附属聴覚特別支援学校小学部3年
真田 柊摩(さなだ とうま)
ぼくは、うまれつき、なんちょうです。二才から人工内耳をしています。耳は、きこえにくいけれど、スポーツが大すきで体力には、自信があります。
夏休みに、家ぞくで、大さかに行きました。二泊三日でしたが、もう暑だったので、帰りは、とてもヘトヘトにつかれていました。新かん線で、東京に着いて、いつも通学で、のりなれているそうぶ線にのった時の話です。
ぼくは、家ぞくの中で一番小さいけれど、自分のスーツケースを持っていました。はじめてだったので大きいし重たくて、とてもたいへんだったので、ぼくが立っていた前のせきが空いた時、つかれていたからすわりたいな、と思ったけれど、
「お年よりがいたら、ゆずらないと。」
と思ってキョロキョロしました。すると、となりに立っていたおじさんが、
「つかれているでしょ。小さい子は、あぶないから、すわっていいんだよ。」
と声をかけてくれました。ぼくは、本当におどろきました。なぜかと言うと、
「電車のせきは、子どもは、お年よりや身体の不自由な人にゆずらないといけない。」
と思っていたのと、ぼくは、耳は不自由だけど、体力には、自信があるので、せきをゆずってもらったことがなかったからです。
おじさんもしごとの帰りできっとつかれているはずなのに、ぼくにやさしくゆずってくれました。ぼくはすわっていいのかわからなかったので、母の顔を見てかくにんしようとしたら、母もニコニコしていました。サインで「オレイヲイッテ」と言っていたので、ぼくはおじさんに、
「ありがとうございます。」
と言ってすわりました。
おじさんとは、十五分間くらい、お話をしました。
「元気そうだね。サッカーとかやっているのかな?」とか、「どこかにりょ行に行ってきたの?行くの?」と何回も話しかけてくれました。けれどぼくは、電車の音がうるさいし、おじさんは、大さかべんだったので、ききとれないことがありました。母が、
「少し耳がきこえにくいのですみません。」と言ったら、おじさんは、
「きみは、元気がありそうだから、大じょうぶだよ!大へんなこともあるだろうけど、サッカーせん手になれるようにがんばるんだよ!」
と言ってくれました。
おじさんは、ぼくがおりる二つ前のえきでおりて行きました。大人にせきをゆずってもらったおどろきと、うれしい気もちがわすれられない夏の思い出になりました。通学の時、もしまたあのおじさんに会うことができたら、自分から声をかけて、おぼえているか、きいてみたいです。
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