ここから本文です。

更新日:令和6(2024)年12月16日

ページ番号:718939

感謝(令和6年度心の輪を広げる体験作文入賞作品)

感謝

中学生区分

千葉県身体障害者福祉協会理事長賞

鎌ケ谷市立第二中学校2年

鈴木 柚奈(すずき ゆずな)

 

 

 皆さんは片耳だけ聞こえない状況を想像することができますか?私は片耳難聴です。五歳のころ、おたふく風邪の影響で右耳が聞こえなくなりました。現在は、近くの小学校にある「きこえの教室」に通い、同じく難聴を持つ友達や先輩とともに、難聴について学んでいます。

 今年の七月、同じくきこえに通う同じクラスの友達と「難聴理解授業」を体育館で学年全体に向けて行いました。自分たちの聞こえ方や普段の行動についてのお願いを、スライドや体験を通じて伝えることができました。私たちが話すたびに、皆が大きな反応を示し、全員が前向きに授業を受け入れてくれたことに、深く感動しました。

 目と右耳を塞いで鈴の方向を当てる難聴体験では、指示が通りやすいように、一回ごとに静かにしてくれたおかげで、授業がスムーズに進み、本当にありがたく感じました。参加者の意見が分かれたり、片耳難聴の不便さを少しでも理解してもらえたことに、心から嬉しく思いました。

 授業後、多くの先生方や友達からたくさんの称賛の言葉をいただきました。一緒に「きこえの教室」に通っている友達と、スライドを作ったり発表用の原稿を考えたりと、試行錯誤しながら取り組んだので、授業が大成功に終わり、達成感と安堵の気持ちでいっぱいになりました。

 私自身、補聴器などを使っていないため、周囲に伝えなくてもなんとかなると思い、二年生に進級したときには自己紹介で耳のことを言いませんでした。そのため、授業を行うことを伝えた際、仲の良い子たちの驚いた反応を見て、不安が少し和らぎました。耳の障がいのことで距離を置かれるかもしれないという不安もありましたが、授業中も授業後も、「本当に聞こえていないの?全然気づかなかった」と、これまでと変わらず話しかけてくれたことが、何より心強く感じました。

 授業の感想カードには、普段一緒にふざけている友達が「困っていることは知らなかった。何かあったら頼ってほしい」と書いてくれていて、私たちの努力が実を結んだと強く感じました。その優しさに触れると、胸が熱くなり、彼らの気遣いに深い感謝の念が湧き上がってきました。

 この授業を通じて、「私のように見た目だけではわからない障がいを抱えている人もいるので、障がいの有無に関わらず、困っていそうな人がいたら自分から勇気を持って声をかけてほしい」と伝えました。私が幸運にも、耳のことを伝えても腫れ物扱いされず、全員が平等に接してくれる人たちに囲まれています。そのため普通と呼ばれる人たちと同じように生活することができています。これは決して当たり前ではなく、環境が少しでも違えばそうでなかったかもしれないと再認識できました。そのことを通じて、改めて周囲の先生方や友達、家族に感謝しながら日々を過ごしていきたいと思います。

 学年全体の予定を調整して授業を設定してくださった先生方、偏見を持つのではなく受け入れ、真剣に授業に取り組んでくれた学年の仲間たちに、心から感謝の意を伝えたいです。関わってくださったすべてのみなさん、本当にありがとうございました。

 

お問い合わせ

所属課室:健康福祉部障害者福祉推進課共生社会推進室

電話番号:043-223-2338

ファックス番号:043-221-3977

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?