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更新日:令和6(2024)年12月16日

ページ番号:718936

私の妹(令和6年度心の輪を広げる体験作文入賞作品)

私の妹

中学生区分

千葉県知事優秀賞

鎌ケ谷市立第二中学校3年
𠮷原 有紗(よしはら ありさ)

 

 

 私には二歳違いの妹がいる。そして妹には他の人とは少し違う特別な特徴がある。

 妹は自閉スペクトラム症(ASD)、HSC、境界知能を持っている。この三つの中で障害というくくりに入るのは自閉スペクトラム症のみでHSCは気質、境界知能は障害ではないが支援が必要というものだ。しかしこの特徴がわかったのは妹が小学校高学年のときだった。小学五年生のときに学校に行くことが嫌だと言い始め、病院に行ったことがきっかけで判明した。それまでは普通に学校に行き、普通に生活していた(ように見えていた)。そのためこのことにすぐには気が付かなかった。

 妹が学校に行きたくなくなった具体的な理由として、教室がうるさい、教室内の人が多い、教室内の汗や給食のにおいなどが挙げられる。この三つは私も納得できるところはある。しかし予想していなかった、人が怒られているのが自分が怒られているように感じること、人の本音と建前がわからないこと、冗談が通じないことも原因となっていたそうだ。私の性格的に妹が感じてきた辛さは理解できないことも少なくなかった。

 妹が算数がわからないと言ったとき私は努力したらできるようになると思った。英語の単語も記憶力に個人差があるとはいえ妹は同じミスを繰り返していた。そのため勉強を教えようとしても内容を理解する前に聞いてもわからないから聞く気にもならないそうだ。

 しかしこれまでのように全てついていくのに苦労するというわけではない。妹の興味のあることへの集中力は本当に優れていると思う。妹は手先が器用なため折り紙や手芸が得意で妹が作った物をもらった人は全員笑顔になっているし、また作ってほしいとお願いされている。妹にも人より優れているところはあるし他の人には真似できない特技もある。

 妹の三つの特徴全ての特性として感情コントロールが苦手、人付き合いが苦手、人に言われたことやされた行動に対して考えすぎてしまうということが共通してある。具体的に妹が歩道を歩いているときに後ろから来た自転車に気付かずベルを鳴らされて邪魔をしてしまったと思いそのことを長い間気にしてしまうということが実際にあった。他にも私には小さいことのように思うことも妹にとっては大きなことでそのことにはなかなか気付けなかった。私は気にしなくていいと思うことでも妹には私の考えが理解できないということだ。

 今は妹も楽しく学校に行けているし、一番精神状態が不安定だった小学校高学年のときより普通に生活していた(と思う)ときに戻っているように感じる。だからといって妹の感じ方が変わったわけではない。私の気付かないところで生きづらさやその環境に馴染めないことを感じている。

 そのうえで私にできることは何か考えた。嫌なことを我慢する必要はないと思うが、ただ心配して嫌なことから遠ざけることだけが私にできることではないと思う。そこでまずは妹の考えていることを知る必要があると考える。今までの生活の中で、妹の考えていることや思っていることに納得できることは少なかった。そのため妹の考え全てに共感することは難しいと思う。その中で妹の考えを知ることはできると思うしその考えを知ることで、もし今後同じようなことがあったら私から気付けると思う。また妹は支援級に行っているため人数も少なく、似たような経験をした人もいるようで自分にあった環境を見つけることができたのではないかと思う。

 今まで妹以外の支援級の子とも関わったことがある。それぞれの事情や考えがあると思うからそのことを自ら知ろうとし尊重することで妹や妹のように事情がある子の気持ちを少しでも楽にしたいと思う。

 

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所属課室:健康福祉部障害者福祉推進課共生社会推進室

電話番号:043-223-2338

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