ここから本文です。

更新日:令和4(2022)年12月23日

ページ番号:555052

成人式を終えて(令和4年度心の輪を広げる体験作文入賞作品)

成人式を終えて

一般区分

千葉県知事優秀賞

加藤 孝紀(かとう たかのり)

 

皆さんは自分が成人した日を覚えていますか?私はコロナ禍で今年成人を迎えました。

これから特別支援学校に通っていた私が四街道市の成人式実行委員になり、どのように感じたのかを述べたいと思います。

まず始めに私が四街道市の成人式実行委員に立候補しようと思ったきっかけは、四街道市の広報をたまたま見た母が「あなた高校卒業してから何もやる事がないんだからこれでも挑戦したら?」というそんな一言でした。私は始め「えー!そんなのやりたくない!嫌だ!」と言いましたが、私の意志に反して母は無理矢理応募してしまいました。

そして初回の顔合わせの日がついにやってきてしまいました。私以外の実行委員は同じ中学校区の人が多く「○○ちゃん(君)久しぶりだね!元気だった?」などと昔話で盛り上がっていました。しかし私は中学から特別支援学校に通っていて、実行委員の中に同じ障害の方は誰一人いなかったので、不安で胸が一杯になり、とりあえず会場の一番後ろにいきました。そしてそれぞれの自己紹介が始まりついに私の番がやってきました。私はとても緊張して頭の中が真っ白になり小声で「加藤孝紀です。特別支援学校に通っていました。よろしくお願いします。」とだけ言いました。すると実行委員のみんなは温かい拍手をしてくれました。その瞬間私は一員として迎え入れてもらえたのだと安心し自然と笑顔がでるようになりました。こうして私は無事に四街道市の成人式実行委員になることができました。始めは気づかなかったですが、後に実行委員の中に小学校の同級生がいることに気づき、知り合いがいることで更に安堵しました。自己紹介の後、役割分担を決めることになりました。私は目立ちたがり屋な性格なので初めは副実行委員長立候補しましたが、付き添いのヘルパーさんから「それは君には荷が重すぎる!」と言われたため断念し、仕方なくあまり仕事がなく全く目立たない会計係に立候補し、会計を任されることになりました。そして準備は順調に進み、いよいよ成人式がやってきました。私は高校の卒業式に羽織袴を着ることを楽しみにしていましたが、コロナの影響もあって叶いませんでした。だからどうしても今回は羽織袴を着たいと母にお願いをしました。朝から家族全員がかりで1時間以上かかり悪戦苦闘しながら着せてもらいました。私は長時間の立位姿勢にとても疲れましたが、絶対に着たかったので必死にこらえました。成人式は新型コロナウイルス感染対策のため二部制で行われ、マスクの着用や大声禁止など様々な感染対策がある中開催されました。そんな成人式当日に任された仕事はビンゴゲームのルーレット係と閉式の言葉の2つでした。当日はお笑い芸人のタイムマシーン3号さんをゲストにお招きしましたが、ギャラが高価な事に驚きました。ネタはとても面白く私も含めみんな大爆笑でした。芸人ライブが終わるといよいよビンゴゲームです。ビンゴゲームの第一部では緊張のあまり時間を間違えて、まだビンゴゲームが始まっていないのにステージ中央に出てしまうという失態を起こしてしまいましたが、その失態があったので第二部では間違うことなく無事に役目を果たすことができました。みんなの楽しそうな声や表情が見られて良かったです。閉式の言葉は、私は滑舌が悪いのでみんなにはっきりと聞こえるように家で何度も何度も練習をしました。それで第一部第二部共に緊張せずにしっかり行うことができました。成人式終了後は同級生と写真を撮ったり、たわいもない話をしたことも印象に残っています。同級生の中には群馬や鹿児島などに住んでいる人もいると聴いて驚きました。

次に私が今回四街道市の成人式実行委員をやって、健常者や障害者が分け隔てなく一緒に参加できて、そこから友情や信頼関係が生まれることもあるので、私のあとに成人を迎える障害者の方々の心に響いてくれたらいいなと感じました。「来年成人式だけど行こうか迷っているそこの君!ぜひ成人式実行委員をやってみてください!明るい未来が君を待っているかもしれません!」

成人式実行委員をやっていく上で一番大変だった事は、私自身が障害者であることです。今まで四街道市の成人式で障害者が実行委員になった前例がなかった為、市の職員の方は正直驚いたと思います。ですが、私が成人式実行委員をやったことで少しは障害者に対する目が変わったのではないかと思います。

今回ヘルパーさんにはとても感謝しています。いつも一緒にいてくれたおかげで心強かったし、会議の会場が2階の時は50kgもある車椅子ごと私を市の職員の方と一緒に持ち上げ、階段の上り下りをしてくれたおかげで、一度も欠席することなく、全ての会議に参加することができました。その他にもリハーサルの準備や片付けなどをヘルパーさんが代わりに汗水垂らしながら手伝ってくれました。もし私にヘルパーさんが付いていなかったらこんなに楽しい経験はできなかったと思うので感謝しても仕切れません。それと家族のサポートのおかげです。特にあの時、母の一言がなければ成人式実行委員をやることはなかったので、勧めてくれた母に感謝しています。

そしてこの成人式実行委員を通じて多くの仲間に出会うことができました。この出会いを一生大切にしていこうと思います。

私を成人式実行委員の一員にしていただき本当にありがとうございました。

このように障害者だってサポートをしてくれる人がいれば、表舞台に立つことができるのです。この記事を読んで他の障害者のみなさんも少し勇気をだして成人式実行委員に応募してみてください。健常者と障害者が手を取り合って共存できる明るい未来が来ると思います。

 

 

お問い合わせ

所属課室:健康福祉部障害者福祉推進課共生社会推進室

電話番号:043-223-2338

ファックス番号:043-221-3977

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?