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更新日:令和5(2023)年11月14日

ページ番号:29284

千葉県安全で安心なまちづくりに関する基本方針(本文)

千葉県安全で安心なまちづくりに関する基本方針(PDF:422KB)


千葉県

I基本方針策定の趣旨

千葉県では、県下の犯罪情勢を踏まえ平成16年に、県民一人ひとりが防犯意識を持ち、自らが主体となって犯罪の起こりにくい環境づくりを進めて行くことを基本とした「千葉県安全で安心なまちづくりの促進に関する条例」(以下「条例」という。)を制定し、安全で安心して暮らせる千葉県を実現するための各種取り組みを進めて来たところです。

この条例の基本理念は、「県民、自治会等及び事業者による犯罪防止のための自主的な活動」と「犯罪の機会を減少させるための環境整備」が一体的・有機的に行われることにより、安全で安心して暮らせる千葉県を実現しようとするものです。そしてそのためには、行政がこれから取組んでいく施策や目標を明らかにして自ら取組み、さらに、県民及び事業者などがそれぞれに犯罪のない安全で安心して暮らせるまちづくりに取組むべき方向を明らかにすることが必要です。

そこで、安全で安心なまちづくりに関する基本的方向やこれを促進して行くための施策に関する事項、実施するに際して配慮すべき事項等を定めた基本方針を策定しました。

この基本方針に基づき、県、警察、市町村、県民、事業者等がそれぞれの役割りを適切に分担し、協働して、安全で安心して暮らせる明るい社会を実現するための取り組みを実践していきます。

なお、基本方針の策定に当たっては、地域別に意見交換会やタウンミーティングを開催して広く県民の皆様に参加していただき、御意見等をいただきながら策定しました。

II基本方針

五つの基本的方向と施策に関する事項

第一県民一人ひとりの防犯意識を高め、思いやりの心を育てます

かつて、「安全と水はタダ」と言われるような時代があり、日本の治安はとても高く維持されておりました。これは、防犯意識がなくとも、地域における結びつきが強く、助け合いの意識が育っていたことから、それが犯罪の起こりにくい生活環境を醸し出していたからではないでしょうか。ところが、近年、社会構造そのものが大きく変わり、価値観が変化するなかで、家族や地域の絆が弱くなるとともに、人を思いやる心も薄れてしまい、人として社会に対し果たすべき役割りや責任が軽視されるような風潮になり、安全という基盤が大きく揺らいできました。

このようなことから、県民一人ひとりの防犯意識を高め、思いやりの心を育てることが必要となってきました。

  1. 自主防犯意識の啓発
    私達は、いつ、どこで犯罪の被害に遭うか分かりません。しかし、県民一人ひとりが日頃から犯罪被害に遭う機会を減らすための自衛に心掛けていれば回避することができます。
    そこで、自分自身はもちろん、自分たちの住んでいる地域は自分たちで守るという自主防犯意識の啓発に、子どもの頃から家庭や学校教育等を通して努めます。
  2. お互いを思いやる気持ちの啓発
    地域社会は、人と人とのつながりで成り立っており、構成員である地域住民が、お互いに他人を思いやる気持ちを持つことで結びつきが強まり、お互いが助け合い、明るく楽しい、心のかよう日常生活を送ることができるような地域社会が形成されると考えます。
    そこで、お互いを思いやる気持ちの啓発に努めます。
  3. 少年の自立成長の支援
    少年は、精神的・肉体的に未熟であり、些細なことが原因で非行や犯罪に関わってしまうことがあります。少年のころからしっかりとした規範意識を身に付けさせて善悪の判断ができるよう大人がしっかりとサポートし、少年が犯罪に染まることなく自立成長できるよう支援に努めます。
  4. 犯罪被害者等への支援
    犯罪被害者等は、刑法犯や交通事故等による直接的な被害に加え、公判や捜査の過程、報道等による精神的被害等の二次的な被害をこうむることがあります。このような犯罪被害者等が直面する二次的被害の予防と回復をはじめ、広範かつ多様な分野で関係機関等と協力した支援に努めます。

第二安全で安心なまちづくりに取組む地域コミュニティづくりを進めます

近年の社会情勢を見ますと、地域社会や生活様式の変容、情報化の進展等により人間関係が希薄化し、近隣との日常的な付き合いの場や機会が少なくなっています。そして、このことが近隣への無関心を招き、異常を察知する機会の減少につながるなど、犯罪が増加する環境を生む一因となっていると考えられます。犯罪抑止には、県民一人ひとりが防犯意識を持ち、自ら犯罪の被害者とならないよう努めることが必要ですが、そこには限界があります。

安全で安心なまちづくりを効果的に進めていくためには、個人ばかりでなく地域ぐるみの防犯活動が大切であると考えます。

  1. 住民の手による安全で安心なまちづくり
    地域における防犯活動は、住民自らが自主的に参加し、協力してプランを立てることが効果的なので、各地域での自主的な安全で安心なまちづくりに関するプランの策定を促進します。
  2. コミュニケーションの場づくり
    各地域では、防犯関係だけでなく交通や福祉関係等、様々な分野の団体が活動しています。これらの団体がそれぞれの活動を行う上で防犯の観点も加味できれば、活動範囲が広がることから大きな効果が期待できます。そこで、地域で活動する各種団体が、「安全で安心なまちづくり」という考え方で連携・協働が図られるようなコミュニケーションの場づくりを促進します。
  3. 推進体制の整備
    地域での安全で安心なまちづくりを一層推進して行くためには、地域住民だけの力ではなく、自治会、商店、老人クラブ、学校、市町村、警察等が一体となった地域ぐるみの推進体制の整備が必要となります。
    そこで、地域ごとに、関係機関による防犯推進協議会の結成を促進します。
  4. リーダーや団体の育成
    地域では、自治会、商店、老人クラブ、学校、市町村、警察等が協働した組織的な防犯活動が望まれますが、より効果的な防犯活動を展開していくためには、これらの団体の活動能力を高めていくことが必要です。また、取り組みを進めていく上では、活動の中心となるリーダーの育成も必要となってきます。
    そこで、安全で安心なまちづくりの中心となる団体やリーダーの育成を図ります。
  5. 自主的な活動への支援
    地域コミュニティづくりのための住民による自主的な活動が継続的に行われるよう、県、市町村、警察等が連携して、先進事例の情報やノウハウの提供、補助制度の紹介等、必要な支援に努めます。
  6. 子どもや高齢者等の安全の確保
    子どもや高齢者等は、身体的、精神的に弱い立場にあることから、犯罪等の被害者となり易い傾向にあります。子どもや高齢者等が犯罪の被害に遭うことのないよう住民、自治会、行政等が一体となった地域ぐるみでの安全確保への取組みを進めます。

第三役に立つ情報を提供します

犯罪情勢は、時間や場所等によって異なり、また、変化して行きますので、自主的な防犯活動をより実効あるものとするためには、犯罪の発生状況や犯罪につながる不審者情報などを地域の実情に即し、正確、迅速に地域住民の方々に提供することが必要です。

  1. 情報伝達手段の整備
    情報は、正確、迅速、効果的に提供されることが大切です。適切で迅速な防犯情報等の提供が行えるよう、地域の実情に即した情報伝達手段の整備を促進します。
  2. 効果的な情報提供
    犯罪の形態や手法等の犯罪情勢は、地域で異なることがあります。自主的な防犯対策に役立つよう、関係機関、団体と連携し、地域の実情にあった効果的な情報提供に努めます。
  3. コミュニティづくり情報の提供
    犯罪のない安全で安心なまちづくりには、地域住民の結びつきが高い、良好なコミュニティを形成することが大切です。
    そこで、コミュニティづくりに関し先進的な取組みを行っている団体の紹介等、コミュニティづくりに役立つような情報の提供に努めます。

第四取組み意欲を高めます

防犯活動は息の長い地道な活動であり、その効果が直ぐに現れるものではなく、継続して行うことにより効果が期待できます。しかし、長い活動の間には取組み意欲が薄れたりして、効果的な活動が出来なくなる場合があります。

安全で安心なまちづくりの実現を目指すためには、自主防犯活動を支える一人ひとりの取組み意欲を高めることが必要です。

  1. 活動の自主的な点検
    防犯活動は、息の長い地道な活動であり、取組み意欲が薄れたり、目的を見失いがちになります。
    そこで、自主防犯活動団体が活動目標の設定、達成度合いの点検、活動の改善などの自主的な取組みを行うことが大切です。
  2. 相互交流の場の設定
    自主防犯団体は、自己の活動が広く外部から認められることや期待されることで組み意欲が高まります。各団体の交流の場を設けるなどして意見交換会や事例紹介等を行い、そこで、お互いの活動を点検・評価するなどして自主防犯に対する取組み意欲を高めます。

第五犯罪の起こりにくい生活環境づくりを進めます

これまでの犯罪対策は、犯罪者といった人に注目したものでありました。しかし、最近は犯罪はどこで行われているのか、犯罪の起こりやすい場所、いわゆる「犯罪の機会」が注目されるようになって来ました。外から簡単に入れない場所、見通しのよい場所等、犯罪に遭いにくい、犯罪の起こりにくい状況をつくることで犯罪を減少させることができます。

  1. 犯罪に強い施設の普及
    犯罪者は犯罪に弱いところを狙って来ます。したがって、犯罪に強い施設をつくることで犯罪を防ぐことができますので、犯罪に遭いにくい住宅、犯罪の起こりにくい道路・公園・駐車場など、犯罪に強い施設の普及を図ります。
  2. 事業者による防犯対策の促進
    事業者を対象とした犯罪は、業種によって犯罪の形態、手口等が異なりますので事業形態に即した有効な防犯対策に関する情報を提供して事業者による自主防犯対策を促進します。
  3. 明るく清潔な生活環境の整備
    私達の身近なところには、ごみのポイ捨て、放置自転車、違法駐車等といった問題があります。このような事態に無関心で放置したままにしておくと、人々の規範意識が薄れて行くとともに、犯罪の起こりやすい環境をつくってしまう結果となりますので、関係者の連携の下、犯罪の温床となるような状態を放置することなく、明るく清潔な生活環境の整備を促進します。

配慮すべき事項

  • 基本的人権への配慮
    防犯に配慮した施設・設備の整備等の環境整備や自主防犯活動等の住民の自主的な取組みに際し、防犯を強調するあまり、個人のプライバシーを侵害したり、自主防犯活動への参加を強いる等、個人の基本的人権を侵害しないよう配慮しなければなりません。
  • 適切な役割分担の下での連携、協働
    治安は誰かが確保してくれるものとして他人に依存するものではなく、自らの生命、身体、財産はまず自らが守ることが基本であるということを認識し、自己防衛に努めるとともに、県、警察、市町村、県民、自治会、事業者等がそれぞれの役割分担を踏まえ、協働・連携することが大切です。
  • 情勢の変化への迅速な対応
    近年、国際化、情報化等の進展により、社会情勢が大きく変容し、それに伴い犯罪の形態も変わってきました。最近では、子どもを対象とした犯罪やIT社会を反映したサイバー犯罪が増加するなど、社会的に大きな問題となっており、防犯活動も時代の変化に迅速に対応できるようにしなければなりません。
  • 安全確保
    防犯活動は犯罪を防止するための活動ですが、目の前で現に起こっている犯罪に対し、自らの身体に関わる危険を冒してまでも対処する必要性はありません。
    自らの身体の安全を最優先させることが大切です。
  • 自主性の尊重
    安全で安心なまちづくりは、あくまでも活動に従事する者が自主的に行うものです。
    強制的にパトロールに参加させたり、非協力的だからといって非難するようなことなく、自主性の尊重に努めなければなりません。

 

お問い合わせ

所属課室:環境生活部くらし安全推進課防犯対策推進室

電話番号:043-223-2333

ファックス番号:043-221-2969

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