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更新日:令和4(2022)年7月14日

ページ番号:11037

障害の有無に関係ないコミュニケーションから

「笑顔いっぱい!フレンドリーオフィス」認定された皆さまからの声笑顔いっぱい!フレンドリーオフィスロゴマーク

(~ヒアリング調査から~)

障害のある人の「雇用に対する工夫」と「思い」、雇用を考えている事業所への「メッセージ」を中心に伺いました。

東京資材株式会社代表取締役藤田耕一郎様
(平成21年9月18日認定認定番号第80号)

企業概要紹介

メッセージを語る藤田社長昭和50年10月に会社を設立し、輸入雑貨・籐家具の販売を行う。昭和55年に発泡スチロール原料の輸入販売を始め、平成2年から平成8年にかけて、配送センター、倉庫、営業所を5地域に開設。平成14年2月に発泡スチロール成型工場として、千葉工場を開設した。
東京資材株式会社では、主に次の業務を行っている。石油・石油化学品等発泡スチロール原料の販売、プラスチック成型品(ポリスチレン製品等)の製造販売、発泡スチロール造形品製造販売、発泡スチロールリサイクルシステム販売。
発泡スチロール業界では、魚等を入れる入れ物(箱物)、家電製品の梱包用の発砲スチロール(梱包物)などがあり、棲み分けがあった。しかし、平成8年ごろから家電製品製造工場等の海外移転に伴い、梱包物の発注が激減し、箱物業界の価格競争が起きてしまった。大手企業には、太刀打ちできないとの判断から、生産に特殊な技術を必要とする造形品を製造することにした。
今では、イベント時の舞台からマスコットなど幅広い造形品の製造のほか、屋上緑化の排水パネル、発泡スチロールの減容リサイクル業務も行っている。
現在、常用従業員5名、うち障害のある人3名を雇用しており、平成21年9月18日に「笑顔いっぱい!フレンドリーオフィス」に認定された。

 

雇用のきっかけ

 

希望による雇用と障害の有無に関係ないコミュニケーション

身体障害のある1名は、以前から雇用し、知的障害のある2名のうち1名は、彼が勤めていた会社の倒産後、引き続き雇用。もう1名は、我孫子特別支援学校の卒業生である。この卒業生は、2年生の時に1週間の実習、3年の時に2週間の実習を経て、本人の「働きたい」という希望から、ハローワークを通して平成21年4月に雇用したものである。
藤田社長によれば、「障害の有無に関係なく、コミュニケーションが必要であり、うまく取れていないと、仕事ができないのではないでしょうか。障害者だからといって特別扱いするとの考えはないですね。言葉は、慣れてくれば通じるし、コミュニケーションが取れるようになってくるので、特別なことはしていません。」と語り、障害があろうとなかろうと、従業員の一人として、コミュニケーションを取り、業務を遂行している。また、「逆に特別なことをすると長く続かないのではないでしょうか。」とも話していた。
現在雇用している3名の主な業務は、次のとおり。身体障害のある人は、経理等の事務を担当。引き続き雇用している方は、屋上緑化排水パネルの遮光塗料の塗装(写真:上)、特別支援学校卒業生は、遮光塗料の下地塗装を行っている(写真:下)。下地塗装は、その後の塗装に影響する大変重要な業務である。

雇用してから感じたこと

一緒に考え解決することで、更なるスキルアップへ

「まじめに、やるべきことをやるのが仕事である。」と藤田社長は語る。「障害があることは意識していないので、時には、厳しいことも言いますが、彼らは、それにこたえてくれます。」と自信に満ちた話を聞かせていただいた。
「この仕事(発泡スチロールの造形等)に携わっているのは、職人集団です。今働いている一人は、以前の職場では、目立たないところで働いていたので、会話がなく、話せなく、計算もできませんでした。しかし、やるべきことをやってもらい、コミュニケーションを取り続けたことにより、能力が上がっていきます。そして、仕事に取り組む中で、本人が変わってくるのがわかりました。彼らのボキャブラリーが増え、会話ができるようになり、計算もできるようになり、現在は、製品の在庫管理も担当しています。」
「人は、作業に慣れてくると手を抜いてしまいます。製品をつくる場合、手抜きをするとエンドユーザーには、すぐに分かるものです。今雇用している人は、全く手を抜かず作業をしています。」と過去の苦い経験から語っていました。
「彼らは、仕事の中で、作業につまずくと落ち込んでしまいます。そういう時は、一緒に考え、解決することで、達成感が芽生え、さらに頑張って働くようになってきます。特に心がけていることは、毎日、必ず顔を見て話しかけること、朝、様子を見ること、時には一緒に作業をすることです。このコミュニケーションの中で、分かることも多くあり、作業効率が上がるようになってきました。」

メッセージ

大きな企業では、セクションの担当リーダーが対応している場合と、毎日社長が顔を合わせることができる零細企業など、企業規模によって、全く異なるので、一概には言えないと思いますが、零細企業の立場で言うとすれば、こうかもしれません。
大きい仕事を請けるとマンパワーが必要になります。パートやアルバイトなどを大量に雇用しないと仕事をこなすことができません。仕事の内容にもよりますが、黙々と作業を続けないと終わらないのが職人の世界です。
学生のアルバイトは、作業を覚えるのは早いかもしれませんが、数日で手を抜くことも覚えてしまいます。手を抜かれてしまった製品は、エンドユーザーは分かります。結果、信頼を損なうおそれも出てきます。
しかし、集中し、丁寧に作業をしてくれるのが、障害のある方とシルバー人材センターの方です。特に障害のある方の一生懸命に働く姿は、他のパート従業員も頑張って仕事しようという気にさせるようです。

お問い合わせ

所属課室:商工労働部産業人材課障害者就労支援班

電話番号:043-223-2756

ファックス番号:043-221-3730

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