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更新日:令和5(2023)年4月10日

ページ番号:579289

2022年度研究報告┃畜産総合研究センター

千葉畜セ研報
No.22
Nov.2022

ISSN 1346-9746

Bulletin
of the
Chiba Prefectural Livestock Research Center
No.22,Nov.2022

千葉県畜産総合研究センター

研究報告

第22号

令和4年11月

研究報告

【概要】
現在、分娩する牛の膣内体温変化を測定し、分娩時期の特定を可能とするICT(情報通信技術)機器である分娩監視システム(以下システム)が開発され、市販化されている。本システムを利用することで、牛の分娩兆候見逃しによる分娩事故の防止や、分娩監視に係る労力の削減が期待できる。本システムは、体温センサーを膣内に装着し、膣内体温の変化を検知して以下の3つの通報をメールで知らせる監視システムである。
  1. 段取り通報:分娩約24時間前の体温変化を検知し、メールで通知。
  2. 駆付け通報:一次破水時に体温センサーの放出による温度変化を検知し、メールで通知。
  3. SOS通報:段取り通報後、体温の急上昇を検知し、メールで通知。段取り通報があった場合のみ作動。
本試験では、システムによる分娩監視を実施し、分娩予測と監視労力の削減効果を実施した。
その結果、分娩監視に導入すると、7割強(77.8%)の分娩において分娩まで24時間前後だという合図である段取り通報が起き、さらにそのうち9割弱(88.1%)は段取り通報から24時間以内の分娩であったことから、通報の精度が高かった。また、システム導入前後における分娩監視人員は、4.13人/頭から1.22人/頭まで減少し、省力化が図られ、分娩時に立ち会える機会が大幅に増えることで分娩事故が8.9%から2.1%まで減少した。

p1~6

【概要】

肉質を向上させる可能性があるとされているビオチンを、交雑種および黒毛和種去勢牛に添加給与し、肥育試験を行った。黒毛和種去勢牛では効果が見られなかったが、交雑種去勢牛では、飼料摂取量を上昇させることにより、枝肉重量や肉質に効果を示す可能性が示された。また、添加時期については、肥育後期での添加が、効果的であることが示唆された。なお、ビオチン添加による牛肉中のオレイン酸含量の増加は認められなかった。

p7~14
環境
【概要】

養豚排水中の硝酸性窒素低減技術の普及を図るため、新たに開発した炭酸マグネシウム含有硫黄資材と上向流型硫黄脱窒システムの実用性について検討した結果、窒素負荷量0.3kg/ton-資材・日以下の運転条件により、平均で75%の硝酸性窒素が除去可能であり(平均除去量は112mg/L)、試験実施地の汚水処理施設では通年で一般排水基準をクリアできる可能性が示された。またシステムとしては流路及び送水ポンプのメンテナンスを実施することで、処理水量を高く維持することが可能である。なお養豚排水中の原水のpHが低い条件では硫黄資材による脱窒効果が低下したことから、原水のpHが低下しないような浄化槽管理が必要である。

p15~22

 

お問い合わせ

所属課室:農林水産部畜産総合研究センター企画環境研究室

電話番号:043-445-4511

ファックス番号:043-445-5447

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