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更新日:令和6(2024)年2月27日
ページ番号:315477
(めらのかいしょくどうとしょうにゅうせき)
県指定天然記念物
昭和53年2月28日
館山市布良(葵開発工事株式会社)
昭和52年(1977)に、「安房自然村」内で土木工事を行っていたところ、山の斜面に穴が開き、海食洞穴群が発見された。それまでは、崩れた土砂で入り口が塞がり、洞穴の存在に気づかなかったのである。
海食洞穴群は、旧海食台の基部に大小7洞が確認され、奥行き12.5mと7.8mの大きめの2洞には、鍾乳石が発達していた。鍾乳石は、石柱、石筍、ヒダ状、カーテン状の石灰幕があった。千葉県はそのうち3洞を天然記念物に指定している。現在の標高は約23.5m。この海食洞は、沖積世に海に面した海食崖の基部に作られた洞穴が、その後の地盤変動によって隆起したものである。この崖の地層は新生代中新世(約2500万年~500万年前)の千倉累層と呼ばれる泥岩でできており、洞穴周辺の岩に含まれているカルシウム分を含んだ地下水が洞穴内にしみ出て鍾乳石ができたものである。この地層に含まれるカルシウム分は珊瑚礁によって作られた石灰成分が元となっており、太平洋プレートの移動が関与していると考えられている。
発見の直後、鍾乳石は人為的に著しく破損されたため、現在は保護のために洞穴の入り口は閉じられていて、見学することはできない。洞穴の中ではわずかずつではあるが鍾乳石が回復している。
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