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更新日:令和5(2023)年12月19日
ページ番号:315429
(しらはまのしょうにゅうどう)
県指定天然記念物
昭和29年3月31日
南房総市白浜町白浜14039-1(南房総市)
白浜の市街地の背後には、切り立つような崖が連なっている。この崖は海食崖といい、地形の変動と海による海食作用によってできたものである。鍾乳洞は、この崖にある海食洞穴の中に形成されている。洞穴は奥行き5m、高さ1.6mほどの小さなものであるが、この中に小規模な鍾乳石、石筍、石柱を観察することができる。この崖の地層は新生代中新世(約2,500万年~500万年前)の千倉累層と呼ばれる泥岩でできており、鍾乳石は洞穴周辺の岩に含まれているカルシウム分を含んだ地下水が洞穴内にしみ出てできる。鍾乳洞は石灰岩地帯にできるものが一般的であるが、白浜の鍾乳洞は、それらとは全く違った形成過程によるものである。
地層に含まれるカルシウム分は、珊瑚礁によって作られた石灰成分が元となっているといわれ、太平洋側から移動し、日本列島の下に潜り込んでいる太平洋プレート(プレートは地球の表面を覆う、十数枚の厚さ100kmほどの岩盤のこと)の移動が関与していると考えられる。小さい規模ながら、泥岩の中にある鍾乳洞という珍しい光景は、日本列島形成の謎に迫るものである。
なお、白浜の鍾乳洞は、現在、鍾乳石の保護のため、人の立ち入りはできない。
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