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更新日:令和5(2023)年8月8日
ページ番号:314862
(かみたかねのさんやましんこう)
県指定無形民俗文化財
平成13年3月30日
市原市上高根
房総半島西部は、出羽三山(山形県の月山・羽黒山・湯殿山)への信仰が非常に盛んな地域である。信仰が根付いている地域では、男性は一度は三山への参詣をするものとされ、これを果たした者は「行人」とされる。三山詣でをした行人がいただいてきた幣束は竿の先に付け「梵天」とするが、新行人の梵天がある程度(100~200枚程度)たまったら土中に収めて梵天供養を行った。その場所が供養塚である。梵天供養は擬似的に一度死んで再生する擬死再生の儀礼とされていた。昭和時代以降は梵天供養は次第に行わなくなり、近年は供養塚に梵天を立てるだけのところがほとんどである。
この出羽三山信仰が最も顕著な地域は上総地方、特に市原市周辺で、ここでは俗に三山と称している。ほぼ集落ごとに供養塚や、行人たちが祈祷などを行う「行屋」が設けられている。上高根地区はその中でも典型的な三山信仰をよく残している約150戸の集落である。
行人によって敬愛講社が構成され、8日講や20日講など毎月行屋に集まって祈祷し、囲炉裏を囲んで共同飲食を行うほか、夏には出羽三山に登拝し、供養塚に梵天を納めるとともに八社参りと称して、近辺の8か所の行屋に参ることなどが今も活発に行われている。
社会構造の変化に伴って本来の形態が失われることの多い民俗行事のなかで、伝統を守り続けている上高根の三山信仰は、千葉県の民俗を代表する文化財といえる。
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