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更新日:令和2(2020)年10月1日
ページ番号:315405
(ちくらのさんばそう)
県指定無形民俗文化財
昭和45年1月30日
南房総市千倉町忽戸(荒磯魚見根神社)・平磯(諏訪神社)
千倉町の忽戸地区と平磯地区は、いずれも太平洋に面した漁村だが、どちらも同様に少年たちによる三番叟を伝えている。忽戸は荒磯魚見根神社で、平磯は諏訪神社でそれぞれ演じられるが、両社とも毎年7月の第2土・日曜日に祭礼を行っていて、そのときに三番叟が奉納される。
三番叟は、老翁の姿をした神が天下泰平・五穀豊穣を祝って舞う、翁の芸能の一種とされている。能などでは、千歳・翁・三番叟の3者の舞を組み合わせて「式三番」ともいうが、千歳は稚児の役で面をつけず、翁は白色の尉面、三番叟は黒色の尉面を顔に当てて舞うのが一般的である。
忽戸では、はじめ翁、次に三番叟、そして三番叟と千歳の順に舞う。平磯では、はじめ千歳、次に翁、そして尉、尉と千歳、最後に尉の順に演じられる。いずれも千歳役は面を付けない。対して、翁と三番叟・尉は面を付けるが、当地では特に面のことを御化身と呼んでいて、非常に神聖なものである。囃子方は、大鼓・小鼓・笛の楽器を用い、熟練者が行う。また、後見役がいて、厳粛な所作で面を少年に被せたり、舞の進行を指揮したりする。かつて、三番叟を演じる少年たちは、1週間前から精進潔斎し、穢れを祓って当日にのぞんだという。掛け声が入り、古語からなる台詞を舞い手同士が掛け合うなど、古態を残す貴重な民俗芸能である。
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