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更新日:令和5(2023)年4月6日
ページ番号:314726
(てつぞうぶっとう)
県指定有形文化財(彫刻)
昭和41年5月20日
いすみ市山田大門台4047(山田大門区・大日堂)
鋳鉄製の仏頭で、高さは113cm。白毫相を鋳出し、髪は毛筋を装飾的に陽鋳する。耳朶は紐状に長く伸び、穴が開く。三道は深く表す。天冠台の下から三道までは一つの鋳型で筒状に鋳造されたもので、耳の後に鋳型を前後につないだ合せ目がみられる。天冠台より上の垂髪・髻は上からはめ込むように成形する。耳の上には同鋳の環が陽鋳する。容貌は鼻梁を秀麗に表し、その稜線から延びる眉を伸びやかに、いくらかつり上がった目を切れ長に表す。唇も輪郭部を凌ぎ立たせるなど、眼・鼻・口の形状を明確に表現しようとしている。慶派風の写実的な様式と宋朝様式の形式美が融合した作風といえる。造像の時期は鎌倉時代中期から後期と考えられる。頭部だけで1mを越える大きさのため、三道以下の体部の鋳造が行われたのか不明だが、全体の計画があったとすれば7~8mの大仏となっていたと思われる。鎌倉時代から室町時代にかけて、関東・東北・中部等の東国で多くの鉄仏が造像されており、鉄という材質に対する信仰の一つのあらわれとも考えられる。
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