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更新日:令和5(2023)年10月2日
ページ番号:315356
(もくぞうふどうみょうおうざぞう)
県指定有形文化財(彫刻)
平成20年3月18日
君津市根本264(大正寺)
この仏像は、平安時代後期に制作された像高82.1cmの一木造りの不動明王像である。現在は君津市根本の大正寺に安置されていますが、もとは同地区にあった円明院(現在は廃寺)の本尊ではないかと考えられている。
頭髪をまとめ、左胸下に垂らし、上の歯と牙で下唇を噛む姿は、不動明王像の形式の一つ弘法大師様であることを示す。頭部と体幹部は一材から彫り出し内刳りはなく、そこに両脚部と両肩以下を矧ぎ付けている。こうした矧ぎ方は、10世紀を中心にその前後の作例に多くみられる技法である。腹の側面を厚くし、腕や両脚部を大振りに表わす点は、平安時代前期の様子を示すが、全体的に彫りが簡略化されかつ浅いことから、10世紀後半頃に制作されたものと考えられる。全体におおらかさがあり、当地方での制作であろうと考えられる。また、上体の右への傾きが用材に由来すると考えれば、何らかの霊木を使った造像である可能性もある。
なお、玉眼を含む両眼、手に持つ剣や鈴、裳先、光背、台座が後の時代に補われたものであり、顔の一部にも彫り直しの跡がみられる。
全体にやや右側に傾く姿勢と怪異な表情が印象的で、総じて異形の不動像といえよう。本県には10世紀後半頃の特異な姿の不動明王像がいくつかあるが、本像はその古作として貴重なものである。
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