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更新日:令和5(2023)年10月4日
ページ番号:315355
(もくぞうこくぞうぼさつりゅうぞう)
県指定有形文化財(建造物)
昭和61年2月28日
君津市蔵玉691(円盛院)
虚空蔵菩薩とは知恵をつかさどる仏である。
円盛院は小櫃川上流にあり、開創は仁明天皇の承和3年(836)に僧円仁によると伝えられ、木造虚空蔵菩薩立像は円盛院の本尊である。また、この本尊は鰻を忌み嫌うと伝えられており、蔵玉の信徒は今でも鰻を口にしないともいわれている。
この菩薩は、像の高さ87.4cm、カヤ材の寄木造で内刳を施されている。玉眼を嵌め込み、肉身は表面を薄く赤檀色に染めたいわゆる檀色仕上げとなっている。頭髪は群青色に彩色し、額のおくれ毛、上下のまぶた、眉、口ひげは墨で描き、唇は朱色に塗られている。八角形の丈の高い宝冠を戴き、衲衣をまとい左手に蓮華を持ち、右手は与願印を表す。
目鼻や口、さらに耳の彫りが丁寧で充実し、引き締まった相貌や目尻の切れ上がったところ、衣文などの手慣れた彫り技で躍動感を表すなど形式的に陥らないで新奇を出したところに、鎌倉時代彫刻の伝統を色濃く伝えながら室町時代の彫刻の特徴をみることができる。
像内から切れて傷んだ納入文書が多数発見され、その中に、「蔵玉虚空蔵勧進記」「応仁三己丑□月□」などの記載のある紙片や虚空蔵菩薩印仏(朱摺)1紙が含まれていた。
この菩薩は、その様式などから、胎内文書に見られる応仁3年(1469)に造立されたものと推定されている。
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