ここから本文です。
ホーム > 教育・文化・スポーツ > 歴史・文化 > 文化・文化財 > 文化財 > 市町村別の国・県指定および国登録文化財 > 君津エリアの市 > 富津市の国・県指定および国登録文化財 > 富津市の有形文化財(そのほか) > 木造阿弥陀如来坐像
更新日:令和5(2023)年8月21日
ページ番号:315362
(もくぞうあみだにょらいざぞう)
県指定有形文化財(彫刻)
昭和53年2月28日
富津市上530(道場寺)
像の高さ67.8cm、ヒノキ材の一木割矧造である。頭部は髻および冠の上部を欠いている。錆下地漆に箔を施し、額の白毫は水晶製、また瞳にも水晶の玉眼を入れている。三道相を表し、左肩に条帛をかけた菩薩の形で、両手は腹前で阿弥陀定印を結んでいる。左足を外側にして結跏趺坐し、正面に三角の腰裳の折り返しを表す。
凛とした若々しい相貌で、条帛の布や肉身の表現などは写実的で運慶風の特徴がみられる。この像の作風は、写実性がまだ形骸化しておらず、鎌倉時代前期の基準作例の1つということができる。胎内には安貞元年(1227)の墨書銘がある。
この像で最も注目すべき点は、その図像的な意味である。すなわち、髪を結上げ、宝冠を戴き、条帛を懸けて腹前で弥陀定印を結んで坐るという姿は、いわゆる宝冠阿弥陀と俗称される密教系の阿弥陀如来の異形像である。この種の宝冠阿弥陀像で制作年代の明らかな作例として貴重である。
関連リンク
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください