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更新日:令和5(2023)年12月14日
ページ番号:314669
(もくぞうしゃかねはんぞう)
県指定有形文化財(彫刻)
昭和52年3月8日
匝瑳市イ-2820-1(下出羽区)
仏教の開祖である釈迦の姿を表した像で、釈迦が弟子たちに見守られて、身を横たえ息を引き取る姿を表した涅槃像である。涅槃とは我々が言う死ではなく、煩悩の火を吹き消したことで、入滅とか入涅槃という。小乗仏教では信仰の対象が釈迦如来のため、涅槃像が多くあるが、我が国には大乗仏教が入ってきたことから、釈迦涅槃像は決して多くはない。
像は、ヒノキ材の寄木造である。身丈は131.5cm、横たわった状態での像の高さは40cmである。目は玉眼を入れ、像の表面は漆で金箔を貼った漆箔仕上で、片方の肩をあらわにした偏袒右肩の衣をまとい、右手を枕にし左手を体側に沿わせて横臥する。目を細く伏せるおだやかな表情で、頭部をやや起し気味にし、衣文もにぎやかに刻まれている。ことに背面では思い切り変化のさまが写されており、足首にかかって足の裏にまつわる裳裾の様子にもにぎやかさを表すための工夫が見られる。現在のところ年代を明確にする資料はないが、一見鎌倉時代風の特徴をみることができる。しかし、全体に誇張して彫られた部分が目立ち、彫りも硬いところから、製作年代はかなり下降することも考えられる。いずれにしても、数少ない彫刻涅槃釈迦像の好遺例の一つとして貴重である。
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