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更新日:令和5(2023)年10月5日
ページ番号:315318
(もくぞうやくしにょらいざぞう)
県指定有形文化財(彫刻)
昭和35年6月3日
木更津市請西(宗教法人長楽寺)
ヒノキ材の一木造で、像高は49.7cm。全体を1材から彫りだした像であるが、左膝前部を除く脚部と右腰部が補修されている。
螺髪は植付され、肉髻珠・白毫相を表し、耳朶は紐のように伸びている。左肩をおおい右肩にすこしかかる衲衣を着け、左手は膝の上で掌を上にして薬壺を持つ。右手は肘を曲げて胸の前で掌を前に向けて立て、指を伸ばしており、左足を外にして結跏趺坐している。
微笑を含んだ温和な相貌である。50cmに満たない小像であるが、大きさ以上の量感を感じさせる。これは、大きな頭部、小さな腕、彫りが深く明確な線を見せる衣文や目鼻立ち、頭部や胸の厚さなど、個々の対比ではアンバランスとも思えるものが、やや離れて像全体をみたときに生じる効果である。かつて、大粒な螺髪や額の生際の形、背部の衣文の装飾化などから運慶派の流れを汲む鎌倉時代中期の作と考えられていた。しかし、現在はこの全体構成、切れ長の彫眼、広く張った膝などから、平安時代前期の、中央の完成した様式を忠実に伝える作品と評価されている。
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