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更新日:令和5(2023)年7月6日
ページ番号:315189
(けんぽんちゃくしょくてんだいだいしぞう)
県指定有形文化財(絵画)
平成22年3月19日
東金市東金1693(最福寺)
最福寺の絹本著色天台大師像は、比叡山焼き討ち(1571年)以前に移安されたものと伝えられている。本図は、天台大師が正面を向き、目を伏せて禅定印を結び、椅子に坐るさまが描かれている。禅鎮を戴いた頭巾を被り、法衣をまとい袈裟を着け、椅子前の台に沓が置かれている。
師が瞑目しないのは珍しく、左手人差指を立てない通常の禅定印を結び、頭巾を顎で結び、袈裟を環で吊っている。また高い背凭れと肘掛を備えた椅子に坐っている。延暦寺本によれば、請来本は斜め左向きの画像であったと考えられているが、鎌倉時代における祖師信仰の高まりのもと、より礼拝に適した正面向き図像が定着していったと推測される。
表現技法も丁寧なもので、めだった補筆補彩はなく、当初の状態が保たれている。文様や金具に截金や金箔でなく金泥が用いられていることや、椅子の雲形飾りを彩る寒色系繧繝の色調から、鎌倉時代後期の制作と推定される。
県下では稀な天台宗祖師の肖像画の遺例であり、その制作年代は同種の遺品のなかでも大変古いものと考えられている。
図像の制約のなかで新たな表現を試みていることや確かな技法に支えられた穏やかな画趣には見るべきものがあり、大変特色ある絵画と言える。
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