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更新日:令和5(2023)年12月19日
ページ番号:314648
(けんぽんちゃくしょくじゅうおうず)
県指定有形文化財(絵画)
平成7年3月14日
匝瑳市ホ2661(西光寺)
十王は、瞑府にあって亡者の罪業を裁く10人の大王で、十王図は十王供に掛け並べて用いられた絵画である。十王供とは、初七日から七七日までの7回の法要に、百日忌と一周忌と三回忌を加えた10の法要で、死者が十王の裁きを受けるために巡るに際して、死者の縁者が十王を供養することによって極楽往生を祈るものである。中国では唐代に始まり、日本では鎌倉時代に広まり、中国から輸入された十王図もある。
十図は、いずれも縦約100cm、横約50cmの掛軸に仕立てられている。道服をつけた王が机に向かい、亡者の生前の行状を審査する姿が描かれている。それぞれには、王の左右に王を補佐する従者、王の前に引き据えられ、首かせをはめられ、針の山に投げ捨てられ、火の仕置きにかけられ、腕を砕かれるなど様々な亡者とこれを行う獄卒の鬼が描かれている。彩色は仏教絵画独特の赤・橙・緑・紺の濃彩部分を鮮明に対置させて描かれ、鮮やかな画面構成を見せている。
王や従者の鋭い細線と濃彩による精緻な人物表現は、中国宋代の末から元時代(12~13世紀)に十王図を多く描いた陸信忠の作品にも匹敵する優作であるが、他の十王図との比較検討から、日本で鎌倉時代中期に描かれた作品と推定されている。
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