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更新日:令和5(2023)年12月19日
ページ番号:315266
(けんぽんちゃくしょくしゃかねはんず)
県指定有形文化財(絵画)
昭和57年4月6日
野田市下三ケ尾545(普門寺)
本品は、釈迦が古代インドの拘尸那(くしな)城外の跋堤(ばっだい)河のほとり、沙羅双樹の脇で入滅した時の光景を描いている。縦134.5cm、横81.4cmの絹地に描かれている。
画面中央には、釈迦が北枕で右肘を立て、右脇を下にして横たわり、周囲に釈迦の入滅を悲しむ高弟たちや象や牛、馬、蝶、蜘蛛、蟹などの動物や昆虫などが描かれる。画面左上には、阿那律尊者に導かれて飛来する釈迦の母、摩耶夫人がみえる。悲嘆のあまり顔を覆う様は、見る者の悲しみを誘う。釈迦涅槃図は仏教絵画の重要な主題として古くから多く描かれてきた仏画であるが、この嘆き悲しむ様を、いかに臨場感をもたせ、上手に描くかに絵師の技量があらわれる。
平安時代には、一般的に釈迦や弟子などの人物像を大きく表現し、周囲の動物などを簡略化していることが多いのに比べ、鎌倉時代以降になると経典に忠実に描き出す傾向がみられる。この図では経典に登場する人々や動物たちを比較的忠実に描いており、涅槃図の形式が整った段階の作品であることを示している。
この涅槃図の表具の裏面には、天文6年(1537)にト仙が描いたことを記す銘文がある。絵師のト仙については、他の画業は明らかではないが、室町時代後期に描かれ、制作年代を確定する涅槃図として貴重である。
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