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更新日:令和5(2023)年11月9日
ページ番号:314655
(せいが)
県指定有形文化財(絵画)
昭和49年3月19日
匝瑳市蕪里2742(日本ハリストス正教会須賀正教会)
キリスト教宗派のひとつの東方正教会で、信仰の対象として祭壇を飾る聖画(イコン)である。全部で10面あり「救世主聖十字架の聖像」「神使首ミハイル」「ハリストス」「聖母子」「神使首ガウリイル」の5面は麻布に油彩で、「至聖生神女」「ガウリイル」「福音者マトフェイと福音者マルコ」「福音者ルカと福音者イオアン」「機密の晩餐」の5面はトタンに油彩で描かれている。
この聖画は、明治32年(1899)に神田駿河台のニコライ大主教から送られたもので、これを描いた山下りんは、ニコライ堂に所属した女流イコン画家として知られている。
山下りんは、安政4年(1857)に茨城県の笠間に生まれ、明治9年(1876)に工部美術学校に入学し、浅井忠などとともに、政府が招請したお雇い外人フォンタネージュから本格的な洋画の指導を受けたのち、23歳で単身ロシアに渡り、ペテルブルグの女子修道院に入り、エルミタージュ美術館などに通い、イコンを学んだ。帰国後は、イコン制作のかたわらロシア語、神学などを教えた。聖画は一定法則のもとに描かれるが、山下りんのイコンの図像は、人物の顔の表情など日本化のあとが見られ、自由な創作を試みている様子がわかる。
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