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更新日:令和5(2023)年9月5日
ページ番号:314623
(いぬぼうさきのはくあきせんかいたいせきぶつ)
国指定天然記念物
平成14年3月19日
銚子市犬吠埼9578-10他(銚子市・国)
房総半島の地表面の大部分は約6,500万年前より新しい第三紀という、新しくて柔らかい地層でできているが、銚子には古く堅い地層が露出している。銚子半島の先端にある犬吠埼灯台下の海岸には、白亜紀に海底で堆積した地層が顔を出している。これが、国指定天然記念物「犬吠埼の白亜紀浅海堆積物」である。白亜紀というと恐竜が生きていた時代で、白亜紀の地層は関東から西に分布するが、そのような古い地層を地表で見ることができる場所は、関東地方ではここだけである。
犬吠埼の白亜紀浅海堆積物は、浅い海の海底で作られた堆積物である。浅海特有の堆積構造として、海底の砂の表面につけられたさざ波の痕跡が観察できる。この波の痕跡は、波長4~7cm、波高3~6mmで、ほぼ平行に規則正しく並んでおり、このような痕跡を漣痕(れんこん)と呼ぶ。
指定地域とその周辺には、銚子層群犬吠砂岩層が分布しており、砂岩と頁岩の互層をなしている。漣痕はその砂岩層の表面に観察できる。これは、砂の表面にできたさざ波の跡の上に、頁岩層の元になる泥が静かに堆積したまま地層中に保存されたものである。この地層は化石も豊富で、付近ではアンモナイトの化石が発見されたこともある。
指定地域は地表で白亜紀の地層と漣痕が観察できる、全国的にも数少ない貴重な場所である。
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