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更新日:令和2(2020)年10月7日

ページ番号:314792

木造大日如来坐像

(もくぞうだいにちにょらいざぞう)

木造大日如来坐像

種別

重要文化財(彫刻)

指定日

昭和16年11月6日

所在地(所有者)

長生郡睦沢町妙楽寺500(妙楽寺)

概要

 1本のカヤ材から造った像を、分割し、再度つなぎ合わせた一木割矧造(いちぼくわりはぎづくり)である。表面は漆箔仕上げで、像高は279cm。当初は頭体幹部を竪1材から彫出し、耳の後で前後に割り、内刳を施したようであるが、現在は後側がスギ材に替わっている。体幹材の下腹部に1材をはさみ、内刳(うちぐり)をした両脚部に横1材を寄せ、両手は肩、肘、手首でつなぎ合わせるが、腕は木目に沿って割り、内刳を施している。

 頭部は螺髻(らほつ)を結い、天冠台は紐2条と列弁文様から立ち上がる文様のない冠があり、鬢髪(びんぱつ)が耳の上をわたり、また白毫相(びゃくごうそう)を表す。両腕に2条と列弁文を描いた釧(うしろ)と呼ばれる腕輪を着け、手は右手の掌を上に重ね両方の第1指の先を接する法界定印(ほうかいじょういん)を結び、右足を外にして結跏趺坐(けっかふざ)する胎蔵界(たいぞうかい)の大日如来の印相である。光背も周縁を紐2条と列弁文で飾る二重円相光背で、円相のまわりには、天衣を翻す12躯の音声菩薩と頂上に大日如来像を配している。

 像内に、胎蔵界大日如来法身真言などの梵字の墨書が8行にわたり書かれている。豊かな胸部や、太い腕など全体的に温和な作風を示し、丈六の巨像としては全体のバランスが良くとれた作品である。平安時代後期の定朝(じょうちょう)様式の系譜にあり、当時の巨像の流行が関東にも及んでいたことがうかがえる。

お問い合わせ

所属課室:教育振興部文化財課指定文化財班

電話番号:043-223-4082

ファックス番号:043-221-8126

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