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更新日:令和5(2023)年12月13日

ページ番号:389417

高部30号墳・32号墳出土品

(たかべ30ごうふん・32ごうふんしゅつどひん)

高部30号墳・32号墳出土品

種別

県指定有形文化財(考古資料)

指定日

令和2年3月10日

所在地

木更津市太田2-16-2(木更津市)

木更津市郷土博物館金のすず

概要

高部30号墳・32号墳は木更津市西(じょうざい)、現在の千束台に所在している。高部30号墳は全長33.8m、32号墳は全長31.2mであり、平成5年度(1993)に財団法人君津郡市文化財センターにより発掘調査が行われ、平成13年度(2001)に木更津市教育委員会により発掘調査報告書が刊行された。発掘調査の結果、この2基は関東地方では最古級の前方後方墳であることが明らかになった。

出土品の中で、2基の古墳を特徴づけるものは、30号墳出土の7点と、32号墳出土の20点の合計27点の資料である。内訳は鏡が2点、鉄製品が8点、土師器が17点である。

鏡は両古墳で1点ずつ出土している。30号墳出土の二神二獣鏡(にしんにじゅうきょう)はほぼ完形で、三角鏡(さんかくぶちしんじゅうきょう)に先行する事例で、千葉県内出土品としては最古のものである。32号墳出土の鏡(しじゅうきょう)は破片だが、破面が研磨されており、破片の状態で使用されていたものと考えられる。土師器の中で特徴的なものとして手焙形土器(てあぶりがたどき)があり、両古墳から出土している。30号墳出土のものは非常に丁寧な造りで、この古墳から出土した他の土師器と胎土が異なっており、東海地方からの搬入品であると考えられる。一方、32号墳から出土したものは、30号墳のものより簡素な造りで、搬入品を模倣して地元で作られたものと考えられる。鉄製品は鉇(やりがんな)釣針等があるが、中でも32号墳から出土した釣針は、地金が太く大振りである一方、返しがついた精巧な造りであり、儀礼用に作られた可能性がある。

剣や鉄斧などの鉄器、鏡、手焙形土器が併せて出土することは、古墳出現期の典型的な特徴を示している。また出土した土器等は、伊勢湾岸など東海地方からの影響が明瞭に認められ、その時期は3世紀前半頃までさかのぼる可能性があり、関東地方の最古級の古墳出現期資料として重要である。

古墳出現期における房総半島への西日本からの影響を示す重要な資料である。

お問い合わせ

所属課室:教育振興部文化財課指定文化財班

電話番号:043-223-4082

ファックス番号:043-221-8126

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