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更新日:令和7(2025)年4月16日
ページ番号:706749
(みやうちいどさくいせきしゅつどひん)
宮内井戸作遺跡出土品(画像:佐倉市教育委員会提供)
県指定有形文化財(考古資料)
令和6年3月29日
佐倉市宮小路町27-1(佐倉市)
宮内井戸作遺跡は、鹿
島川の中流域右岸に立地する、縄文時代後・晩期を中心とした大規模な集落遺跡である。平成元年から平成14年に行われた発掘調査により、直径10メートルを超える大型住居跡6軒を含む、竪穴住居跡200軒以上が検出されている。
本出土品は、調査により出土したものの内、宮内井戸作遺跡を特徴づける資料202点(土器66点、土製品81点、石製品55点)を抽出したものである。
土器には、深鉢、注口土器、異形台付(いけいだいつき)土器、釣手(つりて)土器等がある。深鉢、注口土器等は時期を示す資料であり、異形台付土器、釣手土器等は出土が限られる特殊土器である。これらは、房総半島、特に印旛沼周辺における、縄文時代後期前葉から晩期前半にかけて出土する遺物の様相をあらわす代表例に位置付けられる。
土製品には、土偶・土版・動物形土製品・土製耳飾等がある。土偶は筒形・みみずく形・山形・遮光器(しゃこうき)等、種類の豊富さが際立つ。筒形土偶は顔面表現の有無、中実・中空など、形態差による時間的変遷を推測できる好例で、出土数は房総半島でも随一である。遮光器土偶は、東北地方からの搬入品と在地での模倣品があり、東北地方の集落との関係性と、その影響を享受したことが分かる重要な資料である。
石製品には、石棒・石剣・有孔軽石製品等がある。これらは大型住居跡からも出土をみるが、大型住居跡と同様に被熱の痕跡を残すものが認められる。有孔軽石製品は、軽石を雫形等に加工し、幅の狭い端部に穿孔を施したもので、本遺跡内では大型住居跡(59号住)とその周囲で出土が顕著である。本来は浮子(うき)として利用されるが、製作にあたり入念な研磨整形が行われており、宝飾品としての利用も考えられる。
大型住居跡という特殊な空間と、祭祀・儀礼をつかさどる資料の関係性等を理解しうる稀有な例であり、宮内井戸作遺跡の特殊性と房総半島の縄文時代後・晩期の様相を物語る資料である。
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