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更新日:令和7(2025)年2月14日
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東金市は、千葉県の北東部に位置し、温暖な気候と豊かな自然環境に恵まれています。
江戸時代には徳川家康が鷹狩りの拠点とした歴史があります。東金御成街道が通じており、現在も交通の要衝となっています。
学校給食は、東金市内全小中学校が自校方式で行っています。一年を通して市内産の米を使用しているほか、市教育委員会と連携して道の駅「みのりの郷東金」や山武郡市、地元の農家から農産物や調味料を購入するなど、地場産物の活用を図っています。
令和6年度、市制施行70周年を迎え、11月には市内の保育施設、幼稚園、小・中学校で70周年をお祝いする記念給食を実施しました。
【東金市産の野菜や黒大豆みそを使った郷土料理などを提供】
本校は「豊かな心をもち、意欲的に学ぶ、たくましい児童の育成」を学校教育目標に掲げています。まじめで素直な児童が多く、落ち着いた学校生活を送っています。給食では、自校方式のよさを生かして、児童の興味や教科での学びに合わせた献立作成を行っており、児童は日々の給食の時間を楽しみにしています。今回は、地域の方にご協力をいただいた食に関する指導と給食について紹介をします。
今年度、宿泊体験学習で5年生が「うどん作り」を行う予定でした。ところが、季節外れの台風1号の接近により、野外活動は中止。そのかわり、総合的な学習の時間(「日本の文化に親しもう」)の一環として学校でうどん作りを行い、給食の時間に食べることになりました。うどん作りの講師は、給食の野菜を届けてくれている「八百剛 篠﨑さん」です。いつも、野菜のことや産地のことなど色々なことを教えてくれます。2年生の生活科の学習でもお世話になっています。以前お話したときに、そば打ちや豆腐作りができると聞いていたので相談してみたところ、快く引き受けてくださいました。
児童は、うどん作りをしながら日本には米だけではなく「粉を食べる文化もある」ということ、「うどんだけではなく、豆腐やみそなど何でも自分で作ってきた。作れる。」ということも教わりました。
【うどん作りの様子】
【うどん作りの工程】
【市内産小麦を使ったうどん】
うどん作りに使用したのは、東金市内産の小麦粉(中力粉「さとのそら」)です。麦踏み・収穫体験などでこれまでお世話になってきた、市内生産者の「鴇嶺 市東さん」に相談し、ご協力いただきました。小麦の生産は、市内の耕作放棄地を活用して行われています。雨が多い日本の気候では、アカカビ病の発生など栽培が難しい面もあるとのことですが、地元でとれた小麦で作った粉(地粉)はとても香りがよく、食べると小麦の風味をしっかりと感じることができます。給食でも度々登場していますが、今後も味わっていきたい地元の味です。
【給食だよりから抜粋した記事】
【市内産小麦を使ったナン】
東金市の特産品のひとつに「プラム」があります。30年ほど前から地区の農家が集まり、プラムの産地化を目指して活動してきました。今では、6月下旬から8月にかけて、さまざまな品種を楽しむことができます。春には、一面プラムの花が咲き誇り、時期になると「プラムの里」の幟がはためきます。3年生の児童は、総合的な学習で、地域のことを調べます。その中で、プラムが東金市の特産物であり、丘山地区でも作られていることを知ります。
【春 プラムの花】
【プラム畑の様子】
【収穫したプラム】
給食では、東金プラム組合の方にご協力いただき、夏休み前に旬を迎える「ソルダム」という品種を届けてもらっています。ソルダムは、外側が緑色で果肉は真っ赤、甘味と酸味がちょうどよい品種です。プラムには大きな種もあり、食べるのは少し大変ですが、毎年児童は、プラムを食べることをとても楽しみに待ってくれています。プラムを食べながら「もうすぐ夏休みだなー」とつぶやいている児童がいます。季節感が失われつつある現在、年に1回、地元のプラムを味わうことは、貴重な経験になっています。
令和6年度、本校は創立120周年を迎えました。記念式典に向けて準備を行うにあたり、地域の方々の丘山小学校に対する想いや丘山小学校に通う児童に対する温かい眼差しに触れる場面が多々ありました。コロナ禍を経て、こうしてまた地域の人の協力を得ながら食育・学校給食を実施できるのは、とても幸せなことです。
また、校内にも給食・食育に協力してくれる人がたくさんいます。
〇SSS(スクールサポートスタッフ)による掲示物
毎月、給食メニューの世界の料理に合わせて、「成田空港から行こう!」という掲示物を作成しています。その国に関連するクイズコーナーもあり、児童の興味が高まります。
【成田空港からいこう!掲示物】
〇図書支援員との読書週間コラボ
10月~11月の読書週間には、図書支援員と協力して「おはなし給食」を実施しています。給食委員会の児童と話をしながらテーマを決め、図書室で本を選びながらメニューを決めていきます。選んだ本に合わせて、図書室で展示を行い、読書週間を盛り上げてくれます。
【図書室の展示】
【給食の放送メモ】
私たちの身体は、私たちが食べたものでできています。そして、私たちは「食べ物」そのものだけでなく、食べ物の背景にある歴史や関わる人の想いや願いも一緒に飲み込んでいるのだと思います。丘山小学校で食べた給食や過ごした日々が、児童のその後の人生を支える糧となることを願い、これからも地域や家庭とともに給食や食育を行っていきたいです。
【丘山小学校の自慢を書いた垂れ幕】
【創立120周年お祝いメニュー】
文責:東金市立丘山小学校・栄養教諭・篠原水紀
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