循環器病センター（詳細版）

・房総半島の中央部に位置する、千葉県市原市。千葉市内からは車で約1時間余り。周囲を緑に囲まれたこの場所に、千葉県循環器病センターはあります。

・循環器系疾患、脳神経系疾患に対する高度医療を全県レベルで広く行っていくセンター機能と内科外科等の一般診療科を中心とした地域中核病院機能を併せ持ち、2つの使命を担っています。

・心臓血管外科では、心臓弁膜症、狭心症、大動脈瘤、末梢血管狭窄、静脈瘤など、心臓血管外科の病気に対応しています。特に体力のない高齢者の場合、体に負担の少ない手術を考慮しています。心臓弁膜症に対しては小切開心臓手術を、狭心症に対しては人工心肺を使わない冠動脈バイパス術を、動脈瘤に対してはステントグラフト内挿術を、末梢血管狭窄に対してはカテーテル治療を、静脈瘤に対してはレーザー治療を行い、合併症が少なく良好な成績をあげています。傷は小さく、痛みも軽くすみます。緊急症例に対して夜でも日曜日でも365日対応し、また、心臓血管外科専門医認定機構の研修基幹施設として研修医の育成も行っています。

・脳動静脈奇形や脳腫瘍などに対して、切らずに治す放射線治療を医師・看護師・放射線技師・医療事務が一体となって行なっています。

・システムの完全自動化等により、治療時間が3分の2程度に短縮されるとともに放射線遮蔽能力の向上により、患者さんの被ばく線量が最小限に抑制されるなど、より安全で効率的な治療を行うことができています。

・また、治療は一日で終了。症状の緩解が早いこと、多発病変も一度に治療できるなどといった様々な利点があります。

・当センターは県内唯一のてんかん診療三次施設として、難治性てんかんの外科治療を行っています。また、長時間ビデオ脳波記録システムを常時運用しており、診断困難なてんかん患者さんへの対応が可能です。てんかん診療部にはてんかん患者さんの社会生活に関連する制度に精通したスタッフが揃っており、患者さんからの相談を随時受け付けています。

・近年、心臓領域におけるカテーテル治療の発展は目覚しく、狭心症・心筋梗塞に対する冠動脈カテーテルインターベンションや不整脈に対するカテーテルアフレーションが行われてきました。さらに、今まで開胸手術しか治療法がなかった大動脈弁狭窄症までもがカテーテル治療で根治を望める時代になっています。当センターでは、多科多職種からなる心臓カテーテル治療部を立ち上げ、患者様に最善のカテーテル治療を提供しています。

・また、従来の血管撮影室を高機能化させたハイブリッドカテーテル室が稼働中です。最新の血管撮影装置と手術に必要な機材が装備されていて脳血管、心臓、大動脈などを撮影し、高品質な画像を観察しながら治療を行うことができます。

・年齢による体力の低下、その他の疾患などによるリスクのために手術が困難と判断された患者さんが新しい治療の選択肢としてTAVIを選べるようになりました。

・敷地内にヘリポートが設置されていて、ドクターヘリの受け入れや緊急時の広域搬送も行なうことができます。

・救急患者の要請があると医師や看護師による迅速で適切な処置が行なわれます。

（※救急対応中の映像）

・ICU・CCUでは主治医や麻酔科医、臨床工学士などそれぞれの専門スタッフがチームを組み、一丸となって治療・ケアに当たります。

・高度医療、様々な機器による管理を行い、患者さんの循環動態に異常はないか常にチェックを行ないます。

・日々のカンファレンスでは医師と看護師が連携をとり、患者目標を共有します。

・また、他職種連携による専門性の高いケアを提供。理学療法士による呼吸ケアや早期リハビリテーションの実施など、患者さんの一日でも早い回復に向けたケアを提供しています。

・そのほか、集中治療室でもひとりひとりの生活に寄り添う看護を目指し、患者さんやご家族の不安や心配事の軽減に努めています。

・看護局は「微笑みと優しさを添えていつも患者さんの目線で看護を考えよう」を基本姿勢に看護を提供しています。
患者さんが安全に安心して医療・看護を受けられるように一人ひとりの安全管理や感染予防などの基本的な看護教育や循環器看護の教育を丁寧に行っています。看護局は患者さんに寄り添い多職種と連携してよりよい看護を目指します。

・このように私たち千葉県循環器病センターは患者さんに安全で安心な医療を提供し患者さんが「ここに来てよかったと思える病院」を目指して、循環器系疾患を中心としたセンター機能と地域中核病院としての一般医療の両方をより高いレベルで実践していくために、これからも向上し続けてまいります。