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更新日:令和7(2025)年9月24日
ページ番号:801996
発表日:令和7年9月24日
監査委員事務局調整課
令和7年7月30日に受け付けた、県内在住の個人2名からなされた住民監査請求については、令和7年9月19日、本件請求を棄却することを決定しました。
(1) 令和6年11月1日に締結された、千葉県(以下「県」という。)を売主、鎌ケ谷市(以下「市」という。)を買主とする新鎌ケ谷駅前の県有地(以下、1,904.87平方メートルの区画を「区画1」といい、557.54平方メートルの区画を「区画2」といい、これらをあわせて「本件各土地」という。)の譲渡契約(以下「本件譲渡契約」という。)、及び令和7年3月26日に締結された、本件各土地の譲渡を受けた市を売主、民間事業者を買主とする譲渡契約に関して、千葉県企業局長に対し、市が売主として行った本件各土地に関する譲渡契約の解約をさせること、区画1については、市もしくは県による買戻しをし、ゆとりある駅前空間として整備するとともに東武鉄道の上部に蓋をかけて回遊性を確保すること、また、区画2については、市民及び県民が求める機能を提供できるテナントビルとして、PFI方式により運営・管理先を公募し決定することを求める。
(2) 請求の理由は以下のとおりである。
ア 県は市との間で随意契約により本件譲渡契約を締結した。
イ 本件譲渡契約第13条では、市は5年間、本件各土地に関する全ての権利を第三者に移転してはならないが、事前に県の承認を得た場合はこの限りではないとの但し書きがあり、県は市に条件付けをすることとなっている。また、市から第三者への売却によって発生する売却利益は県に納入することが規定されている。
ウ 市が、令和6年11月15日に本件各土地の売却先を公募型プロポーザルで募集したところ、応募した事業者は1者のみで、競争性のない公募となった。令和7年3月26日に、市と事業者は随意契約により譲渡契約を締結し、売却額は、県から市への譲渡価格と同額であったため、県は土地売却益を得られなかった。
エ しかし、土地の売却先を競争性のある公募手続で決定すれば、県は土地売却益を得られたはずであり、その額は、令和5年5月に県が行った隣接する県有地「区画0」(新鎌ケ谷駅南側東京10号線延伸新線跡地のうち、最大の約7,000平方メートルの区画)の売却実績から見積もると、数億円から10億円と考えられる。
カ また、本件各土地の取得にあたって市が策定した新鎌ケ谷駅周辺土地利用計画は、上位計画を無視して単なる税収増加を目的としたものに変更されており、その結果、 市がこれまで上位計画で強調してきた空間形成・景観を崩し、災害時の避難に妨害となるような位置に民間オフィスビルが建設予定となり、新鎌ケ谷駅を中心とした都市空間の価値を低下させることになった。
キ 譲渡利益を失った県民にも駅前公有地の公益的活用の機会を失った市民にも何の得もないこれらの売却行為が、何のために実施されたのか、最低価格で購入できた企業は得をしたのか、その経緯と理由と誰が得をしたのかを明らかにされねばならない。
本件譲渡契約による本件各土地の売却処分については、以下のとおり違法・不当な点があったとは認められず、請求人の主張には理由がないから、本件措置請求を棄却する。
(1) 本件各土地の譲渡決定について
本件各土地は、市の意向を尊重し、千葉県企業局未造成土地等処分要綱(以下「処分要綱」という。)に基づき千葉県企業局経営戦略会議に諮った上で、地方公営企業法施行令第21条の13第1項第2号に基づき、県から市へ随意契約により譲渡されたものであり、本件譲渡に違法又は不当は認められず、譲渡価格についても、処分要綱に基づき2者の不動産鑑定士による鑑定評価額等の平均値を基準として決定されたものであり、違法又は不当は認められない。
(2) 市から民間事業者への譲渡の承認について
県は、市から民間事業者への土地譲渡について、市実施の公募型プロポーザルの結果等を踏まえ、土地活用の実効性が担保されていると判断した上で、市策定の利用計画に基づく土地利用を行うこと等を条件に当該譲渡の契約前に承認を行ったものであり、違法又は不当は認められない。
(3) その他
請求人は、県が譲渡利益を得られなかった旨を主張するが、譲渡利益が発生しなかったことは県の財務会計行為に起因するものではなく、その他の主張についても、いずれも県の財務会計行為の違法又は不当に係る可否の判断には関係がない。
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