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診療科・部門紹介

放射線科

業務案内

放射線科

放射線科は一般撮影検査以外に、CT、MR、カテーテル検査、核医学検査、ガンマナイフなど、診療科から依頼のあった放射線検査、治療を行う部署です。診療放射線技師(以下放射線技師)という医療技術職者が他の職種と協力して対応しています。

CT

【世界最高水準の性能を持った320列CT装置が稼働しています】

CT装置は320列CTと16列CTの2台体制です。

当院CT検査の特徴

当院のCT検査では、320列CT装置を使用しており、1回転で16cmの範囲を寝台移動せずに撮影することが可能です。3大成人病の一つである心筋梗塞の原因となる冠動脈(心臓全体に栄養を供給する血管)の狭窄を、造影剤を腕から静脈内に投与することで入院を要せず外来にて評価することが可能です。また、高血圧が原因で起こる大動脈解離、大動脈瘤の把握や診断など病院機能に即した循環器疾患に威力を発揮できる優れた装置です。

Canon Aquilion ONE (B3検査室)
CT撮影室(320列)
Canon Aquilion RXL (B10検査室)
CT撮影室(16列)
CT撮影室320列
CT撮影室16列
低線量で高分解能な撮影が最新鋭CTでは実現

今回導入された最新型320列CTはX線管球が1回転あたり最短0.275秒で回転し、心臓の動きによる影響が従来に比べてより少なくなりました。また心臓の撮影では、以前使用していた装置に比べ約4分の1の被ばく線量で撮影する事が可能となり、低線量で高分解能な撮影が実現できます。画像に関しても高分解能となったため、以前と比較し診断能の向上が期待されます。心臓の撮影以外に頭部や体幹部領域においても高分解能な画像が取得でき、それぞれの撮影で高い力を発揮しています。

MRI

当施設では3Tと1.5T MRIの2機種が稼働しています。
T(テスラ)とはMRI装置の磁石の強さを表します。
MRI装置の磁石の力が強くなると、ノイズの少ない綺麗な画像を得ることができ、従来の装置と同等の時間でより詳細な診断が可能となりました。
3T MRIの長所は、画像が綺麗に撮れるだけではありません。造影剤を用いない脳灌流画像や脳神経線維・神経根などの描出能が格段に向上しています。
1.5T MRIも高性能機種であるため、心臓や大血管といった特殊な検査でも詳細な画像を得ることができます。
2台のMRI装置が稼働していることで、検査の予約待ちがほとんどありません。
24時間いつでも検査できる体制です。特に急性期脳梗塞の患者様にMRIは欠かせない検査となっています。
また、地域医療連携室を通じた検査受託システムも整備されています。

条件付きMRI対応心臓植え込み型デバイス(CIED s)植え込み患者様の検査

従来までペースメーカー等が植えこまれた患者様のMRI検査は禁忌とされてきましたが、
MRI対応デバイスの出現によって、条件を満たせばMRI検査が可能となりました。
認定施設である当院では、専門知識を持つ多職種のスタッフがチームで対応します。

シーメンスMAGNETOMSkyra フィリップス Ingenia 1.5T
mir
フィリップス Ingenia 1.5T
脳血管MRA MRCP 膝関節MRI
脳血管MRA
MRCP
膝関節MRI
造影剤を使用せずに血管走行をあらゆる方向から観察することができます。 胆管・膵管の検査は内視鏡を用いて行う逆行性胆管膵管造影と比較し苦痛が少なく行えます。 膝関節を垂直に撮像した画像です。MRIは関節の診断にも活用されています。
MRトラクトグラフィー T1mapping/ECV(ExtracellularVolume)解析
トラトグラフィ
T1
脳神経線維の走行を画像化し、ガンマナイフ治療や脳手術の際には、その神経線維を損傷しないような計画を立案します。 T1mappingやECV解析を用いることで心筋症をはじめとする心疾患の早期状態を精度よく把握することが可能です。
ASL(ArterialSpinLabeling)法による脳灌流画像 4Dfiow MRI
ASL
3dstreamline pathline
ASL法は造影剤を用いることなく脳灌流画像を得ることができます。 心臓や大動脈の血流状態を造影剤を使用せずに 3 次元的に把握することが可能です。
検査を受ける患者様へ

高磁場が常時発生していますので、精密機械の故障や、金属に対する吸引で危険を伴う場合があります。検査の前には入れ歯、補聴器、時計、磁気カードなどは外してください。

また、手術などで体に金属を入れている方は検査ができない場合がありますので、問診の際に必ずお申し出ください。

検査前には、体内金属や所持品の確認を行います。

血管撮影

カテーテル検査・治療

手首や肘、足の付根の血管からカテーテルを挿入し、検査や治療を行っていきます。手術と比較してカテーテル治療は低侵襲であり、心筋梗塞・不整脈・動脈瘤などの治療が多く行われています。

血管撮影装置

3台のFPD搭載型バイプレーン血管撮影装置と手術室にて使用する外科用ポータブルDSA装置が導入されています。第2心血管撮影室では2018年2月より最新装置が稼働し、新しい画像支援技術を活用して心血管のIVRを施行しています。また、血管撮影室で撮影された画像は動画像サーバーを利用し電子カルテ等へ画像配信等しています。

名称 対象疾患・使用目的 装置名 メーカー
第1<>血管撮影装置 冠動脈、弁、心不全等 INFX-8000V 東芝
第2血管撮影装置 不整脈・小児先天性疾患・冠動脈 ArtisZee
BCPURE
SIEMENS
ハイブリッド装置 大血管・脳血管・SHD(※1)下肢 ArtisZeeBA SIEMENS
外科用ポータブルDSA装置 手術室撮影 ARCADISAvantic SIEMENS
動画像サーバー 動画像閲覧 GOODNET GOODMAN

※1.SHD:StructuralHeartDiseaseの略。弁膜症など心臓の構造的な異常に起因する器質的心疾患。

第1血管撮影装置 第2血管撮影装置 ハイブリッド手術装置
第1血管撮影装置
第2心臓造影
ハイブリッド手術装置
ハイブリッド手術
2014年12月よりカテーテル室と手術室の機能を融合したハイブリッド手術室(第7手術室)を運用しています。ここで行われるハイブリッド手術とは、内科的なカテーテル治療と外科的手術を組合して施行する治療です。具体的には、外科手術のみでは到達困難な部位に対して治療することが可能となり、カテーテルのみでは治療できない病変に対して手術を同時に行うことで治療ができるようになりました。特に今まで治療が困難だった患者様に対しては、最適な組み合わせでより安全かつより負担の少ない治療が行えるようになりました。 TAVI 
症例)
・大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術(TEVAR、EVAR)
・大動脈弁狭窄症に対する経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)
TAVI術中画像

核医学検査

放射線(ガンマ線)を放出する微量のくすり(放射性医薬品)を体内に投与し、検査用ベッド上で静かに横になっている間にガンマカメラで体の中の様子を画像化します。CTやMRIから得られる形態画像とは違い、各臓器のはたらき(機能)を評価することができます。

脳血流シンチグラフィ 心筋シンチグラフィ SymbiaE東芝
脳血流
sinnkinn
RI
検査を受ける患者さまへ

検査内容により、検査の為の前処置や注意点のあるものが多数あります。
検査前に詳しい説明がありますので、医師、看護師の指示に従ってください。
検査中に何か不都合がありましたら、すぐに動かずにお声をかけてください。

一般撮影

レントゲン写真を撮影します。主に胸部・腹部・骨格系の撮影を行います。平成28年10月より、最新のFPDシステムを導入しました。FPDは撮影後すぐに画像化ができることが特徴であり、検査時間の短縮につながっています。また、従来のシステムよりも少ない被曝線量で、高精細な画像を提供することが可能になりました。 立位型FPD読み取り装置 歯科用X線装置
立位型FPD読み取り装置 歯科用X線装置  
検査を受ける患者様へ

診断目的に合わせて様々な体位で撮影を行います。体位を保持することが難しい場合は、無理をせずにお気軽に担当放射線技師にご相談ください。

乳房撮影検査

乳房撮影とは、X線により乳房の写真を撮ることで、専用の撮影装置を使って撮影します。乳房の中の乳腺組織を写し出すことで、微細な乳がんでも早期に発見することができます。当センターでは、2016年11月に、乳房撮影装置を更新し、FUJIFILM(富士フィルム)社製のAMULETInnovality(アミュレットイノバリティ)を導入しました。この装置は、フラットパネルディテクタ(FPD)という検出器が搭載されているため、撮影後すぐに画像を確認することができ、よりスムーズに検査を行えるようになりました。また、以前の当センターの装置と比べて少ない被ばくで高精細画像が撮影できるようになりました。 r
【乳房撮影装置】
当センターは、市原市乳がん検診の個別検診協力機関として検診マンモグラフィも行っています。撮影は女性の診療放射線技師(検診マンモグラフィ撮影認定技師を含む)が対応しております。また、マンモグラフィ検診施設画像認定の施設です。 z
【画像認定証】
検査を受ける患者様へ
  • 1.左右の乳房を上下(CC)方向、斜め上下(MLO)方向から各々板で挟んで圧迫し、乳房を薄くして写真を撮ります。乳房を薄く伸ばし固定することで、動きによる画像のボケもなく、病変が見やすく、微細なものも識別できるようになります。さらには、被ばくも低減されます。

検診の場合

50歳未満の方は左右2方向ずつの計4回(CC方向+MLO方向)

50歳以上の方は左右1方向ずつの計2回(MLO方向のみ)

r2
z1
r3
z2
  1. おおよその検査時間は20分前後です。実際に圧迫している時間は数秒から十数秒となりますが、人によって痛みを伴うことがあります。痛すぎて我慢できなかったり、気分が悪くなったりした時には、ご遠慮なく技師にお伝えください。痛みを考慮しながら検査を進めていきますので、できるだけリラックスして検査に臨んでいただけたらと思います。
  2. 被ばくはごく少量なので、お体に悪い影響はほとんどないと考えられています。
  3. 撮影の際、上半身の衣類は撮影の妨げになりますので、お脱ぎください。
  4. 撮影後に写真を確認しますので、確認が終わるまでお待ちください。場合によっては再撮影が必要になることがあります。より良い写真を撮るためですので、ご協力をお願いします。
  5. 乳房を圧迫した時の痛みは時期によっても異なります。ホルモンの影響で硬くなったり、張ったりしている期間は避け、生理が終わって1週間ぐらいの時期に検査を受けていただけると、痛みを和らげることができ、より良い写真に仕上げることができます。

X線透視撮影装置

x線

上部消化管造影検査や注腸造影検査などに使用します。硫酸バリウムなどの造影剤を注入し、その動きを観察しながら、レントゲン写真を撮影していきます。経口造影剤で食道、胃、十二指腸の検査を行う上部消化管検査と、肛門から造影剤を入れ大腸の検査を行う下部消化管検査(注腸)があります。他に内視鏡下で行う造影や、整形外科の透視など、注目する部位の動体を観察しながら行う検査、治療に使用されます。

当院のX線透視装置の検出器はFPD(フラットパネルディテクタ)が搭載されています。従来のI.I(イメージ・インテンシファイア)よりも信号劣化の少ない高解像度の画質が得られます。

FPDの特徴

画像のゆがみが少なくなり、高品質なデジタル画像が得られます。

検出量子効率が高く、従来よりも被曝線量が低くできます。

広いダイナミックレンジで、再現できる信号のコントラスト分解能が良くなります。

検出器が小型化し、寝台の下降域が広がり、スムーズにベッドや車いす移動が可能になります。

検査を受ける患者様へ

検査によっては絶食、下剤の投与が必要になります。

検査前に詳しい説明がありますので、医師、看護師の指示に従ってください。

放射線技師は検査室の外から体位の指示をすることがあります。室内に誰もいませんが、絶えず患者様を観察しています。

マイクが室内にも設置されていますので、何か不具合がありましたら、お気軽にお声をかけてください。

ガンマナイフ治療

ガンマナイフは開頭手術することなく、脳腫瘍や脳血管障害などを治療できる放射線治療装置です。

放射線を病巣に集中させることにより、正常組織の放射線障害を最小限にすることができます。

⇒詳しくはガンマナイフ治療部紹介をご覧ください。

放射線画像ネットワーク

当施設には主に3種類の放射線画像ネットワークがあります。

フルデジタルシステムで整備しているため、これまでのフィルムによる読影よりも、高精度の診断が可能となっています。

(1)循環器動画像ネットワーク

心臓カテーテルを中心とする血管撮影の動画像の記録、保管、観察、解析等を行うもので、7台の専用端末があります。現在ではPACSでWebViewerでの観察が可能となり、動画像はあらゆるところで閲覧されています。

(2)3D画像ネットワーク

ネットワーク型3D画像処理装置が配備され、CT・MRI検査室はもちろんのこと、読影室、外来診察室、病棟、手術室、血管撮影室などで観察や画像構築ができます。

(3)PACS

放射線科から発生する画像を院内の300台以上の電子カルテに配信しており、あらゆるところで画像の観察が可能です。

放射線についてのご相談

当センターでは、循環疾患を中心に診療を行っています。放射線科ではこれらの診療を支援するためにX線撮影以外に、CT、MRI、カテーテル検査・治療、核医学検査、ガンマナイフ治療など、放射線を用いて様々な撮影検査・治療を行っています。診断に必要な画像を提供するだけでなく、被ばく線量についても不必要な被ばくをさせないようにする取り組みや、最新の医療機器を使いこなすための研修も積極的に行っており、患者様が安心して検査・治療を受けられるように日々努力しております。

当センターには放射線を専門に取扱管理する第1種放射線取扱主任者がおります。各種X線検査・放射線についてわからないことがありましたら、お気軽にスタッフや放射線受付までお声がけください。

320列エリアディテクターCT

320列高性能CT装置を導入しました
320列エリアディテクターCTとは?

現代の医療には欠かすことのできないCT装置、その中でも世界最高水準の性能をもった320列エリアディテクターCT装置「Aquilion ONE」を導入しました。

今回、導入したCT装置は320列の検出器を持ち、人間の主要な臓器である脳や心臓などは1回転で撮影でき、脳疾患・循環器疾患・先天性小児疾患の分野に威力を発揮するとともに、乳幼児や高齢者の方には負担の少ない検査が可能となりました。

また、CT装置から発生する膨大なデータを処理する、「ネットワーク型3D画像処理装置」についても同時に配備しましたので、CT検査室はもちろんのこと、読影室・外来診察室などセンター内に設置されたモニターにて観察ができるようになりました。

320列CT装置の特徴

脳全体を1回転で撮影ができます

16列・64列・128列といったCT装置では、撮影範囲が限られているため脳全体を撮影するには、必ず寝台移動を必要としました。今回導入した320列CT装置では16cmの範囲を一度に撮影できるため、1回転を1秒以内で脳全体を撮影できます。同一部位を連続的に撮影することで、3D画像だけでなく時間情報を加えた4D検査が可能になりました。

  • 今までより少ない造影剤で検査ができるとともに、1回転で撮影するため、動脈と静脈を分離することが、可能となりました。
  • 静脈に造影剤を入れて、脳全体の血行動態を評価できるCT装置は、320列CTだけです。
  • 造影剤を投与し、間欠的に撮影を行うことで、脳血流などの機能評価ができて、脳全体の血行動態を3次元的に評価を行えるものは、320列CTだけです。
CT画像

心臓の検査にその威力を発揮します

心臓は他の臓器と異なり、常に拍動しています。検出器の列数が少ないCT装置で、この拍動している心臓を撮影するには、十分な前処置、長い息止め、大量の造影剤投与といった手間と時間とリスクが伴いました。
しかし、導入された320列CT装置では、これらの問題が大幅に改善されました。

  • 冠動脈をひも状に引き伸ばし、多方向から観察し、専用の3D画像処理装置で解析します。
  • 心臓の動きを4次元での解析ができます。
  • 冠動脈の出口、血管の走行や支配領域など、あらゆる方向から立体的に心臓を観察できます。
CT画像