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更新日:令和7(2025)年2月7日

ページ番号:730105

令和6年度感染症流行予測調査事業

予防接種法第23条第4項の規定に基づき、厚生労働省健康局結核感染症課が主体となって実施している事業で、集団免疫の現状及び病原体の検索等の調査協力を行っています。

感染源調査

感受性調査

日本脳炎感染源調査(80検体)

日本脳炎ウイルスJaGAr#01株を用いて、赤血球凝集抑制(HI)試験により県内ブタの日本脳炎ウイルス抗体価を測定した。調査対象は、前年の秋以降に生まれたブタで、7月から9月にかけて血液を採材し、計80検体のHI抗体価の測定を行った。

HI抗体価が40倍以上であった検体については、IgM抗体を間接的に証明する2-ME感受性抗体の検出を実施した。HI抗体保有ブタは、日本脳炎ウイルスに感染しており、さらに、2-ME感受性抗体を保有している場合、そのブタの感染時期が最近であったことを意味する。HI抗体保有率が高い時期には日本脳炎ウイルスが県内に存在しているため、蚊に刺されないよう感染に注意が必要である。

今年度は、7月下旬から抗体保有ブタ(HI抗体価40倍以上)が確認され、最近感染の指標となる2-ME感受性抗体も保有していた。
検体採取日 HI抗体陽性数/HI抗体検査数 2-ME感受性抗体陽性数/2-ME感受性抗体検査数
7月2日 0/10 実施せず
7月16日 0/10 実施せず
7月30日 3/10 2/3
8月6日 10/10 0/10
8月27日 10/10 0/10
9月10日 10/10 0/10
9月17日 4/10 0/4
9月24日

10/10

0/10

参考:感染症流行予測調査速報外部サイトへのリンク:夏期におけるブタの日本脳炎抗体保有状況(国立感染症研究所)

ポリオ感染源調査

7月から12月にかけて、県内流域下水道の中継ポンプ場1カ所で得られた環境水計60検体について、ポリオウイルスの検査を行った。結果、全て陰性であった。

麻疹感受性調査(140検体)

0歳から67歳までの140名を対象とし、酵素抗体法(Enzyme immunoassay:EIA法)を用いて血清中のEIA抗体(IgG)保有状況を調査した。

抗体価測定の結果、EIA法で陽性と判定されるEIA抗体価4.0以上の保有率は、調査対象者全体では92.1%であった。年齢群別にみると、最も低値であったのは10-14歳の71.4%で、昨年度調査83.3%よりも低下していた。この年齢群は第2期接種で2回目の定期接種を受けている年代(2000年4月2日生まれ以降の年代)ではあるが、近年の麻疹流行の抑制から自然感染のブースター効果を受ける機会が減少していることが影響していると考えられた。

               表1 年齢群別麻疹EIA抗体保有状況(総数)

表1 年齢群麻疹EIA抗体保有状況(JPG:56.1KB)

            図1 年齢群別麻疹EIA抗体保有状況(総数)

図1 年齢群別EIA抗体保有状況(総数)(JPG:294KB)

風疹感受性調査(140検体)

0歳から67歳までの140名(女性41名、男性99名)を対象とし、赤血球凝集抑制法(Hemagglutination Inhibition test:HI法)を用いて対象者血清中のHI抗体保有状況を調査した。

HI法で陽性と判定されるHI抗体価1:8以上の抗体保有率は、調査対象者全体では95.7%(女性100%、男性93.1%)であり、昨年度調査(全体95.1%、女性97.5%、男性93.2%)と比較すると女性は上昇したが、男性は横ばいの状態であった。国は「風しんの追加的対策」により1962年4月2日~1979年4月1生まれの男性を対象に第5期定期接種を実施し、2024年度末までに、対象世代の男性の抗体保有率を90%に引き上げることを目標としているが、対象世代が含まれる年齢群の男性の抗体保有率は45-49歳92.9%、50-54歳89.5%、55-59歳100%、60-64歳66.7%であった。

              表2-1 年齢群別風疹HI抗体保有状況(総数)

表2-1 年齢群別風疹HI抗体保有状況(総数)(JPG:57.8KB)

            図2-1 年齢群別風疹HI抗体保有状況(総数)

 

              表2-2 年齢群別風疹HI抗体保有状況(女性)

表2-2 年齢群別風疹HI抗体保有状況(女性)(JPG:49.9KB)

            図2-2 年齢群別風疹HI抗体保有状況(女性)

 

              表2-3 年齢群別風疹HI抗体保有状況(男性)

表2-3 年齢群別風疹HI抗体保有状況(男性)(JPG:55.2KB)

             図2-3 年齢群別風疹HI抗体保有状況(男性)

ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症感受性調査(117検体)

20歳から67歳までの117名(女性31名、男性86名)を対象とし、HPV16型に対するIgG抗体保有状況をELISA法で調査した。

調査対象者のうち、抗体陽性率は、女性22.6%、男性5.8%であった。年齢群別の陽性率では、25-29歳の女性が最も高い100%を示し、次いで20-24歳の女性66.7%、50-54歳の女性16.7%であった。女性の25-29歳で高い抗体陽性率を示したのは、この年代に多くのワクチン既接種者が含まれていることを反映している。一方、男性では、60歳以上で25%、次いで35-39歳で14.3%の陽性率を示した。

女性のワクチン接種者は2名で全て抗体陽性であり、ワクチン接種歴不明又は接種歴無の5名を合わせて7名が抗体陽性であった。

 

表3-1 年齢群別ヒトパピローマウイルス16型抗体保有状況(総数)

表3-1 年齢群別ヒトパピローマウイルス16型抗体保有状況(総数)

図3-1 年齢群別ヒトパピローマウイルス16型抗体保有状況(総数)

図3-1 年齢群別ヒトパピローマウイルス16型抗体保有状況(総数)(JPG:177.2KB)

 

表3-2 年齢群別ヒトパピローマウイルス16型抗体保有状況(女性)

表3-2 年齢群別ヒトパピローマウイルス16型抗体保有状況(女性)(JPG:41.2KB)

図3-2 年齢群別ヒトパピローマウイルス16型抗体保有状況(女性)

図3-2 年齢群別ヒトパピローマウイルス16型抗体保有状況(女性)(JPG:171.3KB)

表3-3 年齢群別ヒトパピローマウイルス16型抗体保有状況(男性)

表3-3 年齢群別ヒトパピローマウイルス16型抗体保有状況(男性)(JPG:41.2KB)

図3-3 年齢群別ヒトパピローマウイルス16型抗体保有状況(男性)

図3-3 年齢群別ヒトパピローマウイルス16型抗体保有状況(男性)(JPG:173.2KB)

水痘感受性調査(抗体保有調査)(140検体)

0歳から67歳までの140名を対象とし、酵素抗体法(Enzyme immunoassay:EIA法)を用いて血清中のEIA抗体(IgG)保有状況を調査した。

判定基準において抗体陽性と判断されるEIA価4.0以上の割合は、調査対象として得られなかった1歳と15-20歳群を除き、0歳、2-3歳群、4-9歳群、10-14歳群でそれぞれ100%、0%、45%、71%となった。その他の年齢群では、90%を上回る結果となった。小児の調査対象数が他の年齢群と比較して少ないため、その傾向を判断するのは難しいが、年齢とともにEIA価4.0以上の抗体保有率は増加することが確認された。

               表4 年齢群別水痘中和抗体保有状況

表4-1 年齢群別ポリオ中和抗体保有状況(1型)(JPG:42.4KB)

               図4 年齢群別水痘中和抗体保有状況

図4-1 年齢群別ポリオ中和抗体保有状況(1型)(JPG:199.7KB)

 

日本脳炎感受性調査(139検体)

0歳から67歳までの139名を対象とし、中和試験(フォーカスアッセイ)により血清中の中和抗体保有状況を調査した。

中和抗体価10倍以上の抗体保有率でみた場合、40歳未満の年齢群においては20-24歳群を除くすべての年齢群(15-19歳は対象者なし)で抗体保有率が80%を超えていた。なお、20-24歳群においては抗体未保有者3名のうち2名が日本脳炎ワクチン未接種と回答しており、平成17年から平成22年に行われたワクチンの勧奨的接種の差し控えが影響していることが考えられた。

また、40歳以上の年齢群では抗体保有率は減少傾向となり、45-49歳は20.0%、50-54歳は19.0%、55-59歳は6.7%、60歳以上は0%と高齢になるに伴い抗体保有率は減少していた。

               表5 年齢群別日本脳炎抗体保有状況

表5 年齢群別ムンプスウイルス抗体保有状況(総数)(JPG:41.4KB)

               図5 年齢群別日本脳炎抗体保有状況

図5 年齢群別ムンプスウイルス抗体保有状況(総数)(JPG:249.2KB)

お問い合わせ

所属課室:健康福祉部千葉県衛生研究所ウイルス・昆虫医科学研究室

電話番号:043-266-6723

ファックス番号:043-265-5544

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