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更新日:令和5(2023)年11月16日

ページ番号:619908

令和4年度感染症流行予測調査事業

予防接種法第23条第4項の規定に基づき、厚生労働省健康局結核感染症課が主体となって実施している事業で、集団免疫の現状及び病原体の検索等の調査協力を行っています。

感染源調査

感受性調査

日本脳炎感染源調査(80検体)

日本脳炎ウイルスJaGAr#01株を用いて、赤血球凝集抑制(HI)試験により県内ブタの日本脳炎ウイルス抗体価を測定した。調査対象は、前年の秋以降に生まれたブタで、7月から9月にかけて血液を採材し、計80検体のHI抗体価の測定を行った。

HI抗体価が40倍以上であった検体については、IgM抗体を間接的に証明する2-ME感受性抗体の検出を実施した。HI抗体保有ブタは、日本脳炎ウイルスに感染しており、さらに、2-ME感受性抗体を保有している場合、そのブタの感染時期が最近であったことを意味する。HI抗体保有率が高い時期には日本脳炎ウイルスが県内に存在しているため、蚊に刺されないよう感染に注意が必要である。

今年度は、8月下旬から抗体保有ブタ(HI抗体価40倍以上)が確認され、最近感染の指標となる2-ME感受性抗体も検出された。
検体採取日 HI抗体陽性数/HI抗体検査数 2-ME感受性抗体陽性数/2-ME感受性抗体検査数
7月5日 1/10 実施せず
7月19日 4/10 実施せず
8月2日 0/10 実施せず
8月16日 0/10 実施せず
8月30日 4/10 2/4
9月6日 2/10 2/2
9月13日 10/10 2/10
9月27日 10/10 3/6

参考:感染症流行予測調査速報外部サイトへのリンク:夏期におけるブタの日本脳炎抗体保有状況(国立感染症研究所)

ポリオ感染源調査

7月から12月にかけて、県内流域水道の中継ポンプ場1カ所で得られた環境水計60検体について、ポリオウイルスの検査を行った。結果、全て陰性であった。

麻疹感受性調査(274検体)

年齢群別にPA抗体保有状況を調査した。PA法で陽性と判定されるPA抗体価1:16以上の保有率は、第1期定期接種前の0歳群を除く全年齢群で100%であった。修飾麻疹を含めた発症可能予防レベルを考えると、1:128以上の抗体価の保有が望まれるが、1:128以上のPA抗体保有率は調査対象者全体では86.1%であった。年齢群別では0歳(0%)、1歳(100%)、2~3歳(100%)、4~6歳(83.3%)、7~9歳(88.9%)、10~14歳(76.9%)、15~19歳(68.4%)、20~24歳(85.2%)、25~29歳(90.9%)、30~34歳(83.3%)、35~39歳(76.2%)、40~44歳(100%)、45~49歳(81.3%)、50~54歳(85.7%)、55~59歳(92.9%)、60~64歳(100%)、65~69歳(100%)となっており、第1期定期接種前の0歳の他、第2期で2回目の定期接種を受けている年代である15~19歳で低い傾向を認めた。

               表1 年齢群別麻疹PA抗体保有状況(総数)

表1 年齢群麻疹PA抗体保有状況(JPG:108.3KB)

            図1 年齢群別麻疹PA抗体保有状況(総数)

図1 年齢群別PA抗体保有状況(総数)(JPG:74.3KB)

 

風疹感受性調査(274検体 男性;147検体、女性127検体)

年齢群別にHI抗体保有状況を調査した。HI法で陽性と判定されるHI抗体価1:8以上の保有率は、調査対象者全体では93.1%であった。年齢群別では第1期定期接種前の0歳(50.0%)以外の年齢群は86%以上の抗体保有率を保持していたが、男女別でみると男性の45~49歳(77.8%)、55~59歳(81.3%)、65~69歳(66.7%)で低い傾向にあった。

              表2-1 年齢群別風疹HI抗体保有状況(総数)

表2-1 年齢群別風疹HI抗体保有状況(総数)(JPG:66.5KB)

            図2-1 年齢群別風疹HI抗体保有状況(総数)

 

              表2-2 年齢群別風疹HI抗体保有状況(女性)

表2-2 年齢群別風疹HI抗体保有状況(女性)(JPG:58KB)

            図2-2 年齢群別風疹HI抗体保有状況(女性)

 

              表2-3 年齢群別風疹HI抗体保有状況(男性)

表2-3 年齢群別風疹HI抗体保有状況(男性)(JPG:61.5KB)

             図2-3 年齢群別風疹HI抗体保有状況(男性)

 

ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症感受性調査(190検体)

20歳以上の190名について、HPV16型に対するIgG抗体保有状況をELISA法で調査した。調査対象者のうち、抗体陽性率は、女性13.8%、男性2.9%であった。年齢群別の陽性率では、20~24歳の女性が最も高い77.8%を示し、次いで25~29歳の女性42.9%、30~34歳の女性12.5%であった。女性の20~24歳で高い抗体陽性率を示したのは、この年代に多くのワクチン既接種者が含まれていることを反映している。一方、男性では、25~29歳で12.5%、30~34歳が9.1%、55~59歳が6.3%の陽性率を示した。女性のワクチン接種者は10名で全て抗体陽性であり、ワクチン接種歴不明の2名を合わせて12名が抗体陽性であった。

表3-1 年齢群別ヒトパピローマウイルス16型抗体保有状況(総数)

表3-1 年齢群別ヒトパピローマウイルス16型抗体保有状況(総数)(JPG:51.1KB)

図3-1 年齢群別ヒトパピローマウイルス16型抗体保有状況(総数)

図3-1 年齢群別ヒトパピローマウイルス16型抗体保有状況(総数)(JPG:42.6KB)

 

表3-2 年齢群別ヒトパピローマウイルス16型抗体保有状況(女性)

表3-2 年齢群別ヒトパピローマウイルス16型抗体保有状況(女性)(JPG:49.8KB)

図3-2 年齢群別ヒトパピローマウイルス16型抗体保有状況(女性)

図3-2 年齢群別ヒトパピローマウイルス16型抗体保有状況(女性)(JPG:40.8KB)

 

表3-3 年齢群別ヒトパピローマウイルス16型抗体保有状況(男性)

表3-3 年齢群別ヒトパピローマウイルス16型抗体保有状況(男性)(JPG:48KB)

図3-3 年齢群別ヒトパピローマウイルス16型抗体保有状況(男性)

図3-3 年齢群別ヒトパピローマウイルス16型抗体保有状況(男性)(JPG:41.1KB)

 

お問い合わせ

所属課室:健康福祉部千葉県衛生研究所ウイルス・昆虫医科学研究室

電話番号:043-266-6723

ファックス番号:043-265-5544

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