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更新日:令和5(2023)年7月4日

ページ番号:3606

2011年度(平成23年度)医薬品研究室学会発表

(1)医薬品の定量法における粉砕方法の影響について

第48回全国衛生化学技術協議会

2011年11月、長野市

髙橋和長、長谷川貴志、西條雅明、吹譯友秀、元木裕二


錠剤と口腔内崩壊錠の2種類の剤形を有する医薬品で、日本薬局方医薬品各条の定量法に粉砕工程が記されている2つの医薬品成分について、複数製品を購入し、日本薬局方の定量法に従い磁製乳鉢、めのう乳鉢及びステンレス製粉砕機を用いて粉砕後、定量試験を行った。その結果、ステンレス製粉砕機で粉砕したいくつかの製品では特徴的な結果を示すことが確認された。

(2)バルデナフィル塩酸塩として購入した市販試薬について

平成23年度地方衛生研究所全国協議会関東甲信静支部第24回理化学研究部会

2012年2月、前橋市

吹譯友秀、西條雅明、長谷川貴志、髙橋和長、元木裕二


バルデナフィル塩酸塩として販売されていた市販試薬について、UPLC/PDA及びLC/MSを用いて試験を行ったところ、内容成分が異なっていたことを確認した。

(3)HPLC/PDAによるいわゆる健康食品中の植物性自然毒スクリーニング分析法について

第50回千葉県公衆衛生学会

2012年2月、千葉市

髙橋和長、長谷川貴志、西條雅明、吹譯友秀、元木裕二


いわゆる健康食品中の植物性自然毒により健康被害が発生した場合に、その原因物質を迅速に推定するため、HPLC/PDAによる植物性自然毒のスクリーニング分析法を検討した。対象とする成分はアトロピン、アコニチン、メサコニチン、ストリキニーネ、コルヒチン及びアリストロキア酸Iとした。HPLC/PDA条件及び抽出条件を検討し、その検討した条件で、対象とする植物性自然毒を含むロートコン、ブシ、ホミカ、コルヒクム根、馬兜鈴及び青木香を分析したところ、妨害するピークもなく、各植物性自然毒のピークを良好に検出することができた。また、ロートコン等の生薬を市販健康食品のカプセル剤に約10%加えた試料を検討した条件で分析したところ、同様に、各植物性自然毒のピークを検出することが可能であった。

(4)UPLC/PDAによるいわゆる健康食品中の医薬品成分スクリーニング分析法について

第50回千葉県公衆衛生学会

2012年2月、千葉市

吹譯友秀、長谷川貴志、芦澤英一、小倉誠、髙橋和長、西條雅明、元木裕二


迅速かつ多くの医薬品成分を分析するために、UPLC/PDAによるライブラリーの登録及びスクリーニング分析法を構築し、156成分のスクリーニング分析が可能となった。平成17年度から平成22年度に試買し、医薬品成分を検出した検体について構築したスクリーニング分析法で試験を行った結果、同様に医薬品成分を推定することができた。

(5)違法ドラッグの現状と課題

日本薬学会第132年会

2012年3月、札幌市

長谷川貴志、髙橋和長、西條雅明、吹譯友秀、元木裕二、熊坂謙一1)、中嶋順一2)、鈴木仁2)

1)神奈川県衛生研究所

2)東京都健康安全研究センター


平成19年度に改正薬事法が施行され、違法ドラッグ物質のうち31物質1植物が指定薬物としての規制の対象となった。これにより指定薬物の流通は減少したものの、合成カンナビノイド類や指定薬物類似物質が次から次へと現れてきた。このような状況に対応するため指定薬物も次々と追加され、平成23年10月20日現在では、68物質1植物が規制されている。千葉県では違法ドラッグ関連製品について年間100検体程度の試験を実施しており、その試験法は平成19年5月21日付け薬食監麻発第0521002号及び平成22年9月14日付け薬食監麻発0914第5号に準拠し実施している。合成カンナビノイド類が指定薬物に指定されたことや指定薬物の数が増加してきたことにより、違法ドラッグの試験が煩雑となり、検査に要する時間が増加している。また、指定薬物や指定薬物類似物質の標準品は、一部の物質は厚生労働省より提供されるが、市販されていない物質も多く標準品の入手も課題の一つと思われる。

(6)いわゆる健康食品中のDOPAのキラル分析について

日本薬学会第132年会

2012年3月、札幌市

長谷川貴志、髙橋和長、吹譯友秀、西條雅明、元木裕二


DOPAはムクナ種子に含有されている成分であり、強壮効果を標榜したいわゆる健康食品から検出されることがある成分である。DOPAは不斉炭素を有し、l 体であるレボドパ(L-DOPA)は日本薬局方に収載されている医薬品で、パーキンソン病の治療薬として用いられている。一方d 体のD-DOPAは顆粒球減少の副作用があるとされ、臨床には用いられていない。健康食品中のDOPAの分析法を報告したがその光学純度については不明であった。今回、DOPAのキラル分析法の検討を行い、併せて市販の健康食品に含まれるDOPAの光学異性体の実態調査を実施した。

お問い合わせ

所属課室:健康福祉部千葉県衛生研究所医薬品・生活環境研究室

電話番号:043-266-6723

ファックス番号:043-265-5544

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