Wanted doctor at Chiba prefectural hospital

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更新日:令和5(2023)年10月13日

小児アレルギー・膠原病科

はじめに

「免疫の異常」が関わる疾患として、アレルギー疾患とリウマチ・膠原病、自己炎症性疾患、免疫不全症などの診療を行っています。アレルギー指導医・専門医1名が常勤で在籍し、アレルギー疾患では、現在最もニーズの高い食物アレルギーの診断、経口負荷試験、栄養食事指導、アトピー性皮膚炎の治療、喘息の管理・治療についての研修ができます。また、全国でも数少ない小児のリウマチ指導医・専門医が1名常勤で在籍し、小児のリウマチ・膠原病の診断から、免疫抑制薬の多剤併用療法・生物学的製剤を用いた治療まで、最新の知識を身につけることができます。日本アレルギー学会・日本リウマチ学会の教育認定施設であり、専門医取得を目指すことができます。

千葉県こども病院アレルギー・膠原病科の特色

  • 小児アレルギー疾患全般に対して、標準的な治療を基本として、個々の患者さんに合わせた診療を提供しています。
  • 初診時には専用の診療枠で時間をかけて問診と診察を行います。症状の経過や患者さん・ご家族の希望を踏まえて、常によりよい治療をすることを心がけています。また、PAE(小児アレルギーエデュケーター)、CAI(アレルギー疾患療養指導士)、看護師、栄養士など他職種とも協力しながら診療を行っています。
  • 当院から遠方(千葉県東部や南部など)にお住まいの患者さんも多いことから、地域の医療機関と連携したアレルギー診療体制の構築を目指しています。
  • アレルギー指導医・専門医が2名、アレルギー専門医が2名在籍しており、日本アレルギー学会認定教育施設となっています。

  • 小児膠原病(リウマチ性疾患)の中核施設の一つであり、病態を踏まえた、適切な治療を行うようにしています。
  • 膠原病(リウマチ性疾患)は全身性疾患であり、種々の臓器障害が起こります。整形外科、眼科、腎臓科、皮膚科や、全国のリウマチ専門医と連携し、診断・治療にあたっています。新規薬剤の臨床試験にも 積極的に参加しています。
  • できるだけ日常生活の制限が少なく、また治療薬の副作用が少なくなるように、科内でカンファレンスを行い、検査・治療について確認しています。
  • リウマチ指導医・専門医が2名、リウマチ専門医が1名在籍しており、日本リウマチ学会認定教育施設となっています。
  • 千葉県で唯一の、日本免疫不全・自己炎症学会の免疫不全症データベース(PIDJ:Primary Immunodeficiency Database in Japan)プロジェクトの連携施設として、多くの症例の経験と、全国にいる免疫のエキスパートとのネットワークや遺伝医療との連携により、先天性免疫異常症の診断・治療を行います。先天的な免疫の異常により、易感染性・自己炎症・リンパ増殖性疾患をおこす疾患群を先天性免疫異常症と呼びます。
  • 重症複合免疫不全症については、オプショナルスクリーニング(一般社団法人 希少疾患の医療と研究を推進する会による有料スクリーニング事業)の、千葉県の二次精査機関となっています。また、厚生労働省科学研究でおこなっている新生児スクリーニングコンソーシアムに参加しています。
  • 成人期の先天性免疫不全症については、診断と遺伝カウンセリングを行っています。

主な対象疾患

アレルギー疾患

  • 食物アレルギー:正しい診断と必要最小限の除去が基本です。十分な問診と検査(血液検査、皮膚テストなど)によって原因食物を推定し、食物経口負荷試験で診断および安全摂取可能量を確定します。その後は安全摂取可能量を反復摂取する食事療法を行いますが、治療中は管理栄養士による栄養指導を受けることもできます。
  • 気管支喘息:十分な問診と検査(呼吸機能検査、NO検査、CT撮影など)によって診断を確認した上で治療方針を検討します。適切な治療によって日常生活および社会活動が制限なく行えることを治療目標としています。最重症持続型喘息に対しては、内服薬および吸入薬に加えて生物学的製剤(抗IgE抗体、抗IL-5抗体、抗IL-4R抗体など)による治療を導入しています。
  • アトピー性皮膚炎:適切なスキンケア、十分量の保湿剤とステロイド薬の塗布を治療の基本としています。正しいスキンケアの方法や薬の塗り方について、医師や看護師から具体的な指導を行います。痒みが強いときには内服薬を使用することもあります。皮膚の症状に食物アレルギーが関与しているかどうかについて正しく診断し、不必要な除去を行わないようにします。
  • アレルギー性鼻炎、花粉症:まずアレルギーの原因を確認します。症状に応じて抗アレルギー薬の内服、点鼻薬などによる治療を行い、症状の改善を図ります。5歳以上の患者さんではスギ花粉の舌下免疫療法、ダニの舌下免疫療法を行うことができます。治療方針については、病状を十分に評価した上で、患者さんの御希望も踏まえて適切な治療法を提示します。

膠原病

  • 関節型若年性特発性関節炎(juvenile idiopathic arthritis:JIA):当院では県内および近隣の県から関節症状のある小児患者さんが整形外科に紹介されてきます。このため、関節型JIA、特に少関節型の患者さんが非常に多いのが特徴です。診断には他の疾患の鑑別が重要となりますので、整形外科と連携して、診察と血液検査、画像検査、必要に応じて関節鏡による滑膜生検を行って正確な診断を心がけています。治療には、メトトレキサートを十分量使用し、難治例には生物学的製剤を積極的に用います。
  • 全身型JIA:できるだけステロイド薬の副作用を少なくするように、免疫抑制薬・生物学的製剤を併用した積極的な治療を行います。致命的な合併症であるマクロファージ活性化症候群(MAS)を発症した症例には、必要に応じて血漿交換療法も行います。
  • シェーグレン症候群(Sjogren’s syndrome: SS):SSは、一般的には中年女性に多く小児には稀と言われていますが、実は小児の膠原病では3~4番目に多い病気で見逃されている患者さんが多い疾患でもあります。患者さんの症状に合わせた対応を考えていきます。

先天性免疫異常症

  • 原発性免疫不全症:無ガンマグロブリン血症の患者さんの定期的なガンマグロブリン補充療法を行っています。ガンマグロブリン補充の在宅自己注射の導入も可能です。

    この分野では、遺伝学的検査の技術が進歩して、新たな疾患が次々に見つかっています。まずは「疑うこと」から診療が始まります。感染を起こしやすい患者さんについては、積極的に検査を進めるようにしています。同時に、患者さんの病状に合わせた補充療法、抗菌薬療法を行って、感染の機会をなるべく少なくし、不可逆的な臓器障害を起こさないように努めています。

  • 自己炎症性疾患:自己炎症性疾患は膠原病と類似した症状を呈する事が多く、診断が難しい場合がしばしばあります。詳細な問診や、熱型観察、検査データ、遺伝学的検査結果をもとに診断を進め、治療を行っています。

診療実績(2022年度新患患者疾患別内訳)

(1)アレルギー疾患

  • 気管支喘息・気管支喘息疑い(術前管理含む) 128件
  • 食物アレルギー・花粉食物アレルギー症候群 68件
  • アトピー性皮膚炎 8件
  • 蕁麻疹・その他皮膚疾患 7件
  • アレルギー性鼻炎 3件

(2)免疫疾患

  • 若年性特発性関節炎その他関節症 18件
  • 不明熱・周期性発熱 10件
  • シェーグレン症候群 6件
  • ベーチェット病 1件
  • 若年性皮膚筋炎 3件
  • 膠原病・その他自己免疫疾患疑い 8件
  • 免疫異常症疑い(免疫不全症・自己炎症性疾患) 15件

(3)呼吸器疾患

  • 副鼻腔気管支炎・グループ症候群 2件

(4)その他

  • 低出生体重児(術期管理) 8件

(1)から(4)の合計

  • 2022年度新患患者 合計 285件

目標とする専門医資格名(認定する学会名)

千葉県立病院群レジデント医応募資格

  • 採用開始日において小児科専門医研修を修了しているあるいは修了見込みである医師(小児科専門医資格を取得済みないし採用年度内に取得見込みであること)
  • アレルギー専門医資格およびリウマチ専門医資格の両方を有していないこと(いずれか一つのみの資格所有はみとめる)

研修期間と研修施設名

  • 研修期間:基本的に3年(1年以上であればより短期間の研修も可能です)
  • 研修施設:千葉県こども病院アレルギー・膠原病科

募集人数

  • 1名(各年度新規分)
    *応募を希望する方は必ず事前に下記レジデントコース指導責任者に連絡をとってください。
    また、将来年度にわたる採用計画が立てられることもあるため、応募を検討中の方も早めに連絡をとることをお勧めします。

指導責任者名および連絡先

指導責任者:冨板 美奈子(千葉県こども病院アレルギー・膠原病科部長)
連絡先:千葉県こども病院事務局管理課
043-292-2111(代)

研修カリキュラムの概要

小児アレルギー・リウマチコース(PDF:105KB)

 

お問い合わせ

所属課室:病院局経営管理課医師・看護師確保対策室

電話番号:043-223-3969

ファックス番号:043-225-9330

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