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報道発表案件

更新日:令和7(2025)年11月5日

ページ番号:812706

オランダ出身 新進気鋭の写真家 日本初の写真展「オランダ×千葉 撮る、物語る-サラ・ファン・ライ&ダヴィット・ファン・デル・レーウ×清水裕貴」を開催します

発表日:令和7年11月5日
県立美術館

本展はオランダ出身の新進気鋭の若手写真家、サラ・ファン・ライとダヴィット・ファン・デル・レーウの作品を日本で初めて紹介する展覧会です。反射や影を効果的に使用した独自の写真表現をお楽しみください。
併せて、県立美術館初の写真展ともなる本展では、千葉にまつわる写真の歴史にも注目。千葉を拠点に活動する写真家・小説家の清水 裕貴(しみず ゆき)のアプローチを通して、千葉ゆかりの古写真のコレクションや、当館の絵画コレクションも紹介します。
国内外・過去未来が交差する空間で、写真芸術と千葉の歴史をご体感ください。

開催期間

令和7(2025)年11月15日 (土曜日) から令和8(2026)年1月18日 (日曜日) 開館時間:午前9時から午後4時30分(入場は午後4時まで)
休館日:月曜日(月曜日が祝日・休日の場合は翌平日)、年末年始(12月28日(日曜日)から1月4日(日曜日))

開催場所

名称 千葉県立美術館
住所 千葉県千葉市中央区中央港1-10-1
電話 043-242-8311
ホームページ 県立美術館ホームページ外部サイトへのリンク

内容

ダヴィット・ファン・デル・レーウ&サラ・ファン・ライ「2羽の鳩、ニューヨーク」の画像
ダヴィット・ファン・デル・レーウ&サラ・ファン・ライ《2羽の鳩、ニューヨーク》2022年 (c) David van der Leeuw & Sarah van Rij

サラ・ファン・ライ「黄色い人々、ニューヨーク」の画像
サラ・ファン・ライ《黄色い人々、ニューヨーク》 2022年 (c)Sarah van Rij

清水裕貴「浮上『沖ノ島の隆起地層』」の画像
清水 裕貴《浮上〈沖ノ島の隆起地層〉》2024年 (c)Yuki Shimizu

展示概要

眺めの反照 サラ・ファン・ライ&ダヴィット・ファン・デル・レーウ

オランダの写真家サラ・ファン・ライとダヴィット・ファン・デル・レーウはパートナーで、ユニットあるいは個人で活動をしており、反射や影を効果的に使用し、輪郭を曖昧にした夢幻的な風景(眺め)を映し出す独自の写真表現により、近年、大きな注目を集める写真家です。本展は日本で初めて彼らの作品を大規模に紹介するもので、コロナ禍のロックダウン中に制作された〈Still Life(静物)〉(2020年)、同様にコロナ禍のニューヨークで撮影された〈Metropolitan Melancholia(メトロポリタン・メランコリア)〉(2019年-2022年)の2つのシリーズを展示します。

〈Still Life(静物)〉シリーズ

ストリートにおける「そこにないかもしれない瞬間」を捉えようとする試みは、コロナ禍のロックダウンにより始められた、コントロール可能な室内で撮影される〈Still Life(静物)〉へと展開していきます。
〈Still Life〉シリーズより

ダヴィット・ファン・デル・レーウ「無題」の画像
ダヴィット・ファン・デル・レーウ《無題》 (c)David van der Leeuw

サラ・ファン・ライ「ラナンキュラス」の画像
サラ・ファン・ライ《ラナンキュラス》 2021年 (c)Sarah van Rij

サラ・ファン・ライ「セルフポートレートⅢ」の画像
サラ・ファン・ライ《セルフポートレートIII》 2024年 (c)Sarah van Rij

〈Metropolitan Melancholia(メトロポリタン・メランコリア)〉シリーズ

2人は、2023年に初の写真集『Metropolitan Melancholia』をKOMINEKより刊行しました。コロナ禍と重なる2019年から2022年にかけてニューヨークで撮られたものです。「私たちは言葉にしがたい都市の要素を捉えようとした」というサラ・ファン・ライの言葉にあるとおり、偶発的に見出した被写体は、彼らの卓越した色彩感覚、抽象化、フレーミングなどにより、まったく新しいイメージとして命を吹き込まれています。
〈Metropolitan Melancholia(メトロポリタン・メランコリア)〉シリーズ(2019-2022)より

ダヴィット・ファン・デル・レーウ「無題」の画像
ダヴィット・ファン・デル・レーウ《無題》 (c)David van der Leeuw

サラ・ファン・ライ「無題」の画像
サラ・ファン・ライ《無題》 (c)Sarah van Rij

 

作家プロフィール サラ・ファン・ライ(Sarah van Rij)&ダヴィット・ファン・デル・レーウ(David van der Leeuw)

アムステルダムとパリを拠点に活動するオランダ出身の写真家。2人はパートナーであり、ユニットとしても個人としても活動し、考え抜かれたフレーミングと構図によって、シュルレアリスムの系譜に通じる作品を創り出している。ファッションブランドやエディトリアルのコミッションワークも手がける。2023年に2人の初の写真集『Metropolitan Melancholia』をKOMINEKより刊行。同年にサラ・ファン・ライによるルイ・ヴィトンフォトブックシリーズ『ファッション・アイ ソウル』も刊行。2025年12月より、サラ・ファン・ライにとって初となる美術館での個展を、パリのヨーロッパ写真美術館で開催予定。

眺めの継承 清水 裕貴

写真の技術は幕末の日本にオランダから伝わりました。本展の冒頭では、日本における写真の黎明期に立ち返り、松戸市戸定(とじょう)歴史館にある古写真のコレクションを基に清水 裕貴が壮大な物語を紡ぎ出します。
写真と小説、ふたつの表現手段を行き来する清水 裕貴は、ある土地の歴史や伝承を入念にリサーチし、歴史をひもときながら、写真と言葉で架空の物語世界を紡ぎあげるという独自の創作スタイルを持っています。
本展の物語は江戸幕府最後の将軍徳川 慶喜(よしのぶ)の弟で水戸藩第11代藩主徳川 昭武(あきたけ)が後半生を過ごした、松戸の戸定邸が舞台です。昭武は将軍である兄の名代としてパリ万博に出席しその後欧州へ留学した経歴もあり、日本国内でもいち早く写真という表現に目覚めました。明治に入りこの地に移り住んだ昭武は、狩猟や自転車など多彩な趣味のなかでもとりわけ写真に熱中しました。稀代の記録マニアだった昭武は、1300枚以上の写真のほか、撮影や旅の記録、日誌などの資料を残しました。それらの資料を読みこみ、昭武の足取りを詳らかにしようとする「学芸員K」との出会いから、清水は戸定邸や周辺の田園風景、稲毛の海へと昭武のまなざしを辿っていきます。

清水裕貴「学芸員K」の画像
清水 裕貴《学芸員K》 2025年 (c)Yuki Shimizu

徳川昭武「牧馬(2)」の画像
徳川 昭武《牧馬(2)》 1909年5月 松戸市戸定歴史館

 

清水裕貴「浮上『沖ノ島の隆起地層』」の画像
清水 裕貴《浮上〈沖ノ島の隆起地層〉》2024年 (c)Yuki Shimizu

ジョルジュ・ビゴー「稲毛の夕焼け」の画像
ジョルジュ・ビゴー《稲毛の夕焼け》1892-97年頃 当館蔵

作家プロフィール 清水 裕貴(しみず・ゆき)

千葉県生まれ。2007年、武蔵野美術大学映像学科卒業。2011年、第5回写真「1_WALL」グランプリ受賞。2016年、第18回三木淳賞受賞。小説では2018年、新潮社R18文学賞大賞受賞。土地の歴史や伝承のリサーチをベースにして、写真と言葉を組み合わせて風景を表現している。主な出版物に、小説『ここは夜の水のほとり』新潮社(2019年)、小説『海は地下室に眠る』KADOKAWA(2023年)、写真集『岸』赤々舎(2023年)。主な個展に「浮上」(PGI、東京、2024年)、「眠れば潮」(PURPLE、京都、2023年)、主なグループ展に、「千葉ゆかりの作家展百年硝子の海」(千葉市民ギャラリー・いなげ/旧神谷伝兵衛稲毛別荘、2021年)、「とある美術館の夏休み」(千葉市美術館、2022年)、「MOT アニュアル2024こうふくのしま」(東京都現代美術館、2024年)がある。

オランダ×千葉、写真の歴史、関連資料/コレクション関連展示「千葉県立美術館コレクション×写真」

オランダと千葉の交流や写真にまつわる歴史を中心とした年表とともに、カメラ・オブスクラや古写真など関連資料を展示します。併せて、県立美術館のコレクションから洋画家の浅井 忠(あさい ちゅう)や、水彩画家の三宅克己(みやけこっき)などの作品を取上げ、関係資料を通して画家と写真の関わりの一端をご紹介します。

浅井忠「磐梯山の図」の画像
浅井 忠《磐梯山の図》 1888年 当館蔵

三宅克己「小諸城址」の画像
三宅 克己《小諸城址》 1900年 当館蔵

関連イベント

アーティストトーク

  1. サラ・ファン・ライ&ダヴィット・ファン・デル・レーウ(出品作家)
    日時 11月15日(土曜日)午後2時から3時30分
    会場 当館 講堂
    参加費 無料
    定員 180人
    申込方法 当日受付、先着順(正午から、総合受付前で整理券を配布します。)
  2. 清水 裕貴(出品作家)×小寺 瑛広(こでら あきひろ)(松戸市戸定歴史館、研究員)
    日時 12月20日(土曜日)午後2時から3時30分
    会場 当館 講堂
    参加費 無料
    定員 180人
    申込方法 当日受付、先着順(正午から、総合受付前で整理券を配布します。)

記念講演会「写真と絵画 日本の『芸術写真』を中心に」

講師 飯沢 耕太郎(いいざわ こうたろう)(写真評論家)
日時 12月6日(土曜日)午後2時から午後3時30分
会場 当館 講堂
参加費 無料
定員 180人
申込方法 当日受付、先着順(正午から、総合受付前で整理券を配布します。)

MuMa(ミュージアムマーケット)

特設ショップとして県内を中心に活動する小売業者が出店し、アートとデザインに関する雑貨や古本などを販売します。
日時 11月22日(土曜日)、23日(日曜日)、24日(月曜日・休日)、1月17日(土曜日)、18日(日曜日)午前9時から午後4時30分
申込 不要

WINTER JAZZ IMPROVISATION CONCERT

当館初のジャズコンサートを開催します。展示作品から触発された、プロミュージシャンによる即興的な音の芸術をお楽しみください。
出演 池澤 龍作(いけざわ りゅうさく)(ドラム)、スガダイロー(ピアノ)、類家 心平(るいけ しんぺい)(トランペット)
日時 12月14日(日曜日)午後1時30分から2時20分、午後2時40分から3時30分
会場 第7展示室
定員 200人(うち、イス席100人)(各回の合間でイス席の入替えを行います。)
参加費 無料
申込方法 当日受付、先着順
 

そのほか、担当学芸員によるギャラリートーク、展覧会場では大人から子どもまで楽しめる常設ワークショップも開催予定です。最新情報は、当館ホームページ外部サイトへのリンクでご確認ください。

同時開催 「デュッセルドルフ市とのアーティスト交換事業 成果展」

この秋、千葉県ではデュッセルドルフ市からのアーティストを受け入れ、県内で創作活動を行っていただきます。その成果展を開催いたします。

日時 12月3日(水曜日)から12月14日(日曜日) 
アーティスト クリストフ・ヴィーデマン
会場 第6展示室
表現分野 写真、ドローイング

費用

入場料:一般1000円、高校・大学生500円
※中学生以下、65歳以上、障害者手帳等をお持ちの方とその介護者1人は無料

お問い合わせ

所属課室:環境生活部文化振興課学芸振興室

電話番号:043-223-4127

ファックス番号:043-224-2851

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